すごろく場から戻ったら、ゲームクリアされてた 作:フライングトースター
主人公をふつーに変装させてもよかったんですが、何となくドラクエのアイテムを使わせたかったので改変してます。すみません。
「皆の者!知っての通りこのアレフガルドに巣くう闇は、勇者によって打ち倒された!今頃は遠くの町にも触れが届いておる頃であろう!
そして我がラルスの名において、此度はその祝祭を開くことと相成った。これより3日間は、国を挙げての宴じゃ!!参加に身分は問わん!存分に飲み、喰らい、闇を打倒した勇者と国の繫栄を祝おうではないか!!」
うおー!!
勇者様ばんざーい!!
アレフガルドに光あれ!
ラルス王家ばんざーい!!
アカルイミライヲー
もぐもぐ。あ、これ美味いっすね。今の料理もう一つ取って貰ってもいいっすか?・・へへ、すみませんね。代わりに酒をお注ぎしますよ、へっへっへ。
うーん、旦那さんいい飲みっぷりですなあ!やはり昼間から飲むタダ酒は美味い!でしょう?
いやー、平和っていいですなあ!あっはっはっは!
やは。昼酒の勇者ことアレルだ。
今日はラダトームの町に来ているぞ。今は国を挙げての宴ってことで、タダ酒タダ飯が振舞われているんだ。何でも、勇者が大いなる闇を討ち果たし、アレフガルドに光を取り戻したらしいぞ!いやー、めでたいっすね~!
・・・いや、情報収集だよ情報収集。決してすごろくにのめり込みすぎてすきっ腹だったから食事をかっ喰らっているわけじゃないぞ、モグモグモグ。うむ、断じて。はぐはぐ。
と、とにかく。へんげのつえで変装?しつつ、そこら辺で飲み食いしている町の人にそれとなく聞き込みをして分かったのは3つ。
①闇を打ち倒した勇者は、ラダトームに凱旋した
②勇者はお城で歓待を受けている
③頃合いを見て勇者のお披露目が行われる
④偽勇者として「アレル」が指名手配されている
の3つだ。
・・・4つ目?知らん知らん、俺は知らん。
俺は悪くないぞ?だって、俺は悪くないんだから*1
・・・ふう。4つ目は―――アレだな、うん。結果論だが、俺が勇者としての責務を果たせなかったことで〝俺が勇者を騙ってあちこちでアレコレしてた"ってことになっているんだろうな。
全く降って湧いた災難だが、今はどうすることもできない。せいぜい俺が「アレル」であることがばれないようにしないとな・・・
しかし、やっぱり俺の事じゃないんだな。闇を討ち果たした勇者ってのは。
話によると、既にラダトームに凱旋しているらしく、王宮流の歓待をされているそうだ。あれだな、きっと王宮の楽団による『序曲』を聴きながらワンランク上の食事を愉しんでいるんだろう。羨ましいこって、ケッ!
しかし何者なんだ?俺以外の勇者だと?まさか俺以外にも転生者がいて、そいつがやらかしたって事なのか・・・?
ん・・・?何やら城のほうが騒がしくなってきたぞ?
「皆の者、楽しんでおるか?宴の最中だが、皆に闇を払いし英雄を紹介したいと思う。しばしの間、食事や踊りの手を休めこちらに注目してもらいたい。
―――うむ、ゴホン!アレフガルドを長年にわたり苦しめていた大いなる闇を打ち倒し、古より伝わりし救世の英雄の称号を与えられた勇者!
彼こそが、『勇者ロト』であるっ!!!」
頭部には金の額当て。中央に拵えられた青い宝玉がキラリと眩い。
どこかで見たようなブルーメタル製と思しき鎧。不死鳥が羽を広げたような煌びやかな装飾が目を引く。
その手には盾と剣。盾は、これまたどこかで見たようなブルーメタル製の一品。鎧と揃いの装飾だ。
剣もまたどこかで見たような見事なもので、金色の鍔と柄。そして青みがかった刀身が特徴だ。
そしてそれを纏うは、精悍な髭の戦士であった。歳は40代くらいであろうか。どことなく勇者アレルに似た顔立ちをしていて―――
って、あいつ
というか、装備ィ!!?
え、ちょ、おいこら、それ俺がリムルダールの宿に預けていた勇者装備一式*3じゃねーのか!!?
なんであんたがソレ持ってるん
「そしてもう一人紹介しよう!『勇者ロト』の戦いを勝利に導きし英雄!!
『賢者』ヴィヴィアン・チーズ!!」