第一話 異世界へ!?
「っ……」
「ほら、さっさと酒買ってこい。」
「…はい」
僕の名前は、ライ。ごく普通の小学六年生。
僕はいつも、父親から殴る蹴るの暴力をふるわれ体中アザだらけ…
でもそんな生活も今日でおしまい…
「……ついた」
僕が向かっていた場所は酒を買うためにコンビニに向かおうとしていたわけではない…
学校の屋上だ…
「…これでもう苦しめられることはないんだよね…。どうして先にいっちゃったの……お母さん…っ」
お母さんが生きていたらもっと笑って楽しく人生を過ごせたのかな?
学校にいって友達と遊んで家で家族で楽しく食事をとる…
何度、お母さんの夢を見たかな…その夢ではお母さんと美味しいご飯を食べて、学校での出来事を話して笑いながら食べて…でもその夢から覚めると絶望に叩き落とされる。
でも…それも今日で終わりなんだ…
もう…終わり…
屋上から飛び降りればこの絶望も終わり…
「……お母さん…僕もそっちに行くよ…また笑って過ごしたいな……」
さようなら…くそな世界…
目をつぶって飛び降りた………
はずだった…
「………?」
目を開けてその目に飛び込んできたのは…
「……え?」
世界の時間が止まっていた…
体は動かない。全ての生物が止まっていた。
「…どういうこと…」
「やぁ、びっくりさせてしまったね。」
「っ……」
僕の後ろでそんな声が聞こえた…
だ…誰、声はでない。
「るり、時間を動かさないとそのこが動けないじやないか…」
「え?あ、しまった……」
パチッ
「え…」
指パッチンの音が聞こえた瞬間、止まっていた世界が再び動き出した。
「これは……」
「びっくりさせてしまってごめんね。」
「…あ、あなたは?」
「え、あ~あ私はるりでこっちはルイ」
「ぼ…僕はライです…えっとその……」
「驚かせてごめんね~。君が飛び降りそうだったから時間を止めたんだ。た…たまたまだよ。偶然見かけて時間を止めたんだ。」
「どうして止めたの…飛び降りればそれで終わりだったのに…覚悟したんだ…もうこんな世界にいたくないんだ……」
「……じ…実はね。君を助けたのは、他にも理由があるんだ…。知っているんだ…僕は、君が父親から…暴力を受けていること……」
「知って…いる…。見てたってこと…ならどうして助けてくれなかったの。助けてくれていたら僕はこんな…っ…悲しい気持ちにならなかったのに…っ」
「ごめんね…。僕だってあんな痛々しいのを見ていたからすぐに助けたかったんだ…。でもルールがあるんだ…。地球にいくのはいい。でも誰とも接してはいけない。会ってもダメ、話すのもダメ……助けるのも…ダメ。でも例外としてもうこの世界に絶望仕切ってしまっている人は話して助けてもいいんだ……」
「…そう。じゃあもうほっといてよ…。天国に行けばまたお母さんと会えるんだ…だからもう…」
「君、異世界で人を救う旅をしてみないかい。君はこんなところで終わっていい人ではないんだ…。もちろん拒否してもいい。君次第だよ…」
「……異世界?人を助ける…」
「そうさ…人を助けるんだ…」
「でもどうして僕なの…もっとふさわしい人がいるんじゃないの…」
「…君を救いたいんだ…君は人の嫌なところしか知らないだから…だからね……」
「…異世界にいって人を助ける旅をしたら僕は…救われますか…っ…旅がおわったら…お母さんに「がんばったね」って言って…貰えますか…」
るりさんは、僕の頭を撫でながら…
「もちろんさ。君は救われる。そしてお母さんからも必ずその言葉は貰える。そのために僕たちは君を助けにきたのだから…」
「っ……うわぁぁん…っ」
僕はるりさんに抱きしめながら号泣した。そして抱きしめながら思った。
お母さんに抱きしめられた時落ち着くことができたな~と嫌なことがあっても落ち着くことができた…
そう今のように……
何分泣いただろうか?男なのに恥ずかしかった。顔から火が吹き出そうなほどに……
「で…でもどうやって異世界に人を救いにいくの?」
「それはね。ポチっとな!」
「…?」
るりさんがボタンを押した瞬間地面が揺れだした。
ゴゴゴ
「地…地震だ…」
地震?が収まると目に入ってきたのは、それはそれは、大きな…
「……飛行機、船?」
「じゃじゃ~ん!宇宙船で~す!」
「…で…でか~い…」
その大きさを例えるなら…東京ドームくらいにでかい…
「…でもこんなに大きさ要らなくない?だって僕と、るりさんとルイさん、三人にしては大きくない。」
「あ、あのそのえっとですね~。その私たちはいけないの…伝え遅れてごめんね…」
「・・・・え、えぇぇー…そ…そんな僕一人で旅をするの…」
「だ…だ…大丈夫、きっと旅仲間が異世界でできるよ…うん、きっと!」
「でも僕、コミュ障だよ…自分から話かけられないよ…相手から話かけてくれればいいけど…」
しまった…ライちゃんは人と話すのが苦手なんだった…
「大丈夫だよ…きっと相手の方から話かけてくれるって、いつも君は相手から話かけてくれるっていっていたじゃないか…」
「確かに、自分から話かけなくても回りが話しかけてくれるけど……ん?…どうしてそのことをるりさんが知っているの?そんな昔から僕のことみてたの?」
「え…そ…そうさ、む…昔からみていたんだ。だからきっと大丈夫だよ。」
「うん。それならいいけど…そういえばどういう異世界に行くの?」
「ん…例えば魔物がいたり、すぐに襲ってきたり…後は…」
「も…もういいです…そんなと戦うの武器もないのに別に転生してチートをもらうとかでもないのに…」
「だ…大丈夫。武器ならしっかり用意してあるから…ルイ」
「…はい。どうぞ。」
「これは黄金の剣…キレイだな~」
「この武器はね。持ち主に合うように形が変わったりスキルを習得することもできるんだ~」
「へぇ~すごい…チートとかは?」
「ないよ!」
「そ…そんな笑顔で言われても…」
「大丈夫…そんな異世界にはい、いってらっしゃい~とかそんな無責任なことはしないよ。私が鍛えてあげるから!」
「るりさんって強いの?」
「もちろん!こう見えても何人もの人を救ってきたんだから!」
「へぇ~…」
「ちなみに剣と剣で打ち合えばすぐに持ち主に合ったスキルと剣技を習得できるから!」
「こ…この剣…意外とすごい!」
「い…意外とって失礼ね…」
「う、ごめんなさい。」
「ま…きにしなくていいよ。さ、剣を構えてみて。」
「は、はい。」
「よし、じゃあかかってきていいよ!」
「え、でも間違えて切っちゃったら…」
「大丈夫!しっかり受け止めるから!」
「わ、わかりました…」
よし剣を構えて…
「いやーーせいっせいっおりゃー」
30分後
「ひ~疲れたー…」
「お疲れ様!どうだった?」
「なんだろう。撃ち込んでいくたびに剣が手になじんてきていつの間にか普通に剣がふれるように…」
「ふぇ~さすがだな~この黄金の剣は…さてと君の剣の腕前は…ちょっと黄金の剣を鑑定…え…えぇぇー、上級者の腕前…き…君、剣触ったことないよね…」
「は、はい…」
「…じょ、上級の腕前って…とても良くて中級なのに……」
ふ、さすがうちのxxxxxだな。
「これなら十分、異世界でもやっていけるよ!ちなみにスキルは戦っていくうちに増えるから頑張ってね!」
「は、はい!」
「さてと、そろそろ異世界にいってみる?」
「え、早いですよ…まだ心の準備が…」
「ふふ、そうだよね。それに食べ物とかも準備をしないとね!君、今日ご飯食べてなさそうだから僕が料理をしてあげるよ。」
「え、本当!」
「ふっふっ…任せて僕、料理は上手いんだ。さ、宇宙船の中へ!僕の手を持って!」
「はい!」
パチッ
目の前がすごい光に飲み込まれる。
「ん…うわぁ、中とてもキレイだな~」
「それはそうだよ。 僕たちが3日かけてキレイにしたんだから!てっ…あれ?」
「すご~い」
「はは。話聞いてないや。」
「…まるでるりと同じだな。」
「もうルイたら…はぁ…君、そこのソファーに座って待ってて。」
「は~い。」
るり料理中。
「あ、あのルイさん。」
「ん?なんだ。」
「るりさんっていつもあんな感じ何ですか?」
「そうさ。俺が初めて会ったときからあの感じだよ。もう10年一緒にいるがまったく変わらん。「まるでうちの娘みたいだ…」はぁ…」
「ん?なにか、最後言いましたか?」
「いや、独り言だ。」
「それにしても10年も変わらないんですね…」
「ま、それがるりの良い所でもある。」
「もう~なに二人で僕の話をしているのさ。」
「良いじゃないか。お前がいつも能天気だと話していただけだ。」
「な…能天気じゃないよ。天然だよ。」
「え~自分で天然って…」
「はぁ…」
「もういいよ…そんなことより。はい僕、特性料理だ!」
「うわぁ、うまそう…久しぶりだな~…」
お母さんの料理を食べたのはいつ頃だろうか?お母さんがなくなってしまったのは、僕が小学生にあがる前…つまり6年振りに誰かが作った料理を食べるわけだ!
それにしても、目の前にある料理ほとんどが僕の大好物のものばかり…
餃子、チャーハン、ラーメン…つまり中華料理が僕の大好物だ。
実に6年振りに食べる。お母さんいつも餃子はかわからあんまで手作りだったな~。チャーハンもラーメンも全部手作り……
「ささ、冷めないうちに召し上がれ!」
「いただきます!あむっ」
もぐもぐ……美味しい…とても美味しい…箸が止まらない…涙も…美味しい、餃子もチャーハンもラーメンも全てが美味しい、それにこの味…お母さんの料理にとても似ている…それぐらい本当に美味しい。
「ぷはー…美味しかったです!」
「ふふありがとう。お口にあって良かった。それと…」
「え、ちょっと…」
「よしよし大丈夫。ほら涙拭いて。」
「ありがとう。」
いつの間にか、涙が出ていたらしい。
「よし、さてと君はもう寝てていいよ。僕たちは、食べ物を調達してくるから。君が異世界にいっても十分な食べ物を調達してくるから。」
「はい。おやすみなさい。」
「うん。おやすみ。ルイ、ベットに案内してあげてくれる?」
「了解。ライこっちだ。」
「はい!」
「…ライ大きくなったのね……」
「ここだ。」
「うわぁ、大きいベット。しかもふかふかだ!」
「遊ぶなよ。壊れたら直すのに時間がかかるからな。」
「は~い。おやすみなさい。ルイさん。」
「あーあ、おやすみ。」
ガチャ
ルイさん少し顔が怖そうだったけど、とても優しい人だったな~。
それにるりさんもちょっと面白い人だったな~。焦り方とかも可愛らしいかったな~…
異世界…か。楽しみだが一人でいくから不安な気持ちもある…
本当だったらあの二人と行きたい。でもいけないのには、きっと理由があるんだよね。せっかく助けてもらったんだ。明日、頑張るぞー。もう遅いし寝よう…
「るり、あのことは伝えなくていいのか?」
「いい。大丈夫。だって伝えたらきっとライは…」
「……ま、いずれ伝える時が来るだろう。それより本当にいいのか?一緒に行かないで…せっかく会えたのに…」
「もちろん一緒に行きたいに決まってる。でも一緒にいったらきっと……」
「本当に…いいのか?後悔…しないか。まぁるりがきめたことなら俺は、口だしはせん。後悔のないように決めろ。るりが決めたことは俺は、尊重する。じゃ俺は、睡眠をとるぞ。調達も終わったしな。」
「おやすみ。ルイ…」
「あぁ、おやすみ。お前も早く寝ろ。」
「僕の後悔のないように……か。よし。」
翌朝
「ほら起きろ。ライ朝だぞ。」
「う~ん。後、10分だけ~」
「……ライ」
「ひ…起きます。おはようルイさん…」
「おはよう。るりがお前に話があるらしい。昨日、飯食った所で待っているから早くいけ。」
「は、はい。」
るりさんが?僕に何の用だろう…
「るりさん…」
「来たね。じゃ座ってくれるかい。」
言われたまま席につく。
「ねぇ、君は一人で異世界にいくのは心細い?それとももう覚悟…決まった?」
「…一人でいくのはもちろん心細いです。本音を言うと二人と一緒にいきたい。まだ2日間しか一緒にいれてないけどそれでも一緒にいきたい。でも二人は多分忙しいんですよね。二人に迷惑かけたくないし助けてもらった。なら頑張ろうと思います。」
「…成長したな…」
「はい?」
「いや、独り言さ。実は、昨日きめたんだが、君と一緒にいこうと決めたんだ。」
「…本当に…一緒に。」
「あぁ、一緒に。」
「…るりさんよろしくお願いします!」
「…ふ、あぁだが僕たちはあまり手は出さないよ。あくまで一緒にいくだ。ただどうしても困ったことがあったら相談していいよ。もちろん魔物も一緒に倒す。」
「…とても心強いです!」
「では、一緒に行こうか!異世界へ」
「はい!」
「じゃあルイ運転よろしく!」
「はぁ、結局俺なんだな。」
「当たり前だよ。僕が運転したらブラックホールに突っ込んでおわりだよ。」
「しゃれにならんな。」
「だろう。だからよろしく~」
「はぁ、任せろ。」
「にしっし、じゃあ僕は昼寝するね~」
「呑気だな…」
「あはは……」
異世界へ出発
「じゃあ出発するぞ~」
二人「は~い。」
ポチっ
「さぁて俺も昼寝するか…」
「…何考えてるのさ。ついに頭がおかしくなったか…」
「お前にいわれたくないよ…こんなこともあろうかと自動運転をつけておいたからな。」
「な…一晩のうちに…やりおる…」
「この宇宙船が未来で困ったことになる星に自動でつれっててくれる。」
「い、いつの間にそんな高機能を…」
「じゃあ俺は寝るぞ。お前らも寝とけ。」
「はぁ…寝よっか。ライくん。」
「はい…」
三人揃って仲良く寝たその30分後…
ん、船が傾いているな。制御室にいってみるか…嫌な予感がするが…
自動運転を解除。
ん!?解除できない…ポチっポチっ…不味いこのままだと着地に失敗する…
解除されろーー…
くそ…
「るり、ライ起きろ。」
「ん…まったく気持ちよく寝てたのになにさ…着いたの?」
「違う。船が傾いていている。このままじゃうまく着地できない。」
「…え…それ不味いじゃん!?ライ起きて!」
「不味い…もう星につく…頭を守れ!」
「わかった…」
制御室
制御不能制御不能、不時着します。乗っている方々は頭を守って下さい。
「うわぁ~」
ドンッ
「…ふ~大丈夫みたいだ。一回外に出てみよう。」
「わかった。」
「ん?着いたの?」
「えぇ、一応…」
船のドアを開くとそこは田んぼが回りに広がっていた。
「うわぁ!ここが異世界!!」