九十世紀の兄弟が   作:Y-K4183

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騒ぎと帰還

「あああああああああ!!!」

 

 悲鳴を上げながら逃げる。

 背後からは未だに轟音と衝撃と揺れが響いて来ている。少しでも距離を取らないと駄目だ。

 

「兄貴ー! 何か凄いの来てる!」

「具体的に何!?」

「でっけえミサイル」

「バーカ!!」

 

 くそったれ!! 最悪だ畜生!! 何とかして逃げねえと!! 

 全速力で走って逃げる。体についてる色々な機能でブーストを掛けて、やっと時速三百キロほど。背中のZZは邪魔にはならないが……割とうるさい。

 空へと浮かびたいが浮かんだら浮かんだで叩き落されそうな気もする。

 

「ZZ! 空中に攻撃は飛んできてるか!?」

「めっちゃレーザーとか飛んでるけど」

「あーこんちくしょう!! 駄目か!!」

 

 空も駄目らしい。……と言うかレーザーってアダムの攻撃じゃないだろうな。

 そう思って上を見るとカッとんできた良く分からん機械に、Made in ADAM とでかでかと書いてあった。……馬鹿やろー!!!! 

 

「あの馬鹿野郎! 俺らも巻き込む気か!!?」

『うっせぞ1bt野郎。こっちはこっちで余裕が無いんだよ』

「は!? アダム!?」

 

 いきなりかかった声に辺りを見渡す。

 と、さっき飛んできた機械にデカいモニターが付いてそこにアダムが映っていた。

 

『言っとくが本体じゃないぞ。たまたまお前らの方に飛ばされたパーツがあったんでそっから大元をコピーしただけだ。本体(オリジナル)と比べて大分スペックは落ちてるしな』

「相変わらず無茶苦茶だなお前! てか何しに来たんだ!? 助けに来たならありがとうだが邪魔しに来たんだったらくたばれ!」

『テメエが死ね。一応助けに来た、あんまり大したことは出来ねえけどな』

 

 そう言うとアダムのコピーと名乗ったでかい機械は一瞬で姿を変えた。

 

「取りあえずお前らは一足先に脱出しろ。資源は十分に集めたし、メインの依頼も達成した。金は後で振り込まれるだろ」

 

 あっという間に二人乗りのカヌーくらいまで縮んだアダムのコピーに俺は尋ねる。

 

「おう分かった。お前はどうするんだ?」

「後で追いつく。十分もしない内に決着するだろうしな」

 

 そう言う事なら逃げるのに躊躇はしない。背中のZZをロケットに放り込み、俺も乗り込む。すると、透明なドームの様な物が広がり、乗っていたカヌーの様な物を覆った。

 

「かなりの速度が出るからな、しっかり掴まっとけ」

「なあ、それ加速度とか大丈夫」

「出発」

「ぎゃあああああああああ!!!!」

 

 あんまりにもえげつない加速に一瞬で意識が遠くなる。辺りの景色が全く目で追えない。取りあえずアダムは帰ってきたらぶん殴ろう。そう考えながら俺の意識は彼方へと飛び去った。

 

 

 

 

「起きろタコ、着いたぞ」

 

 衝撃を浴びせられ目が覚める。

 目の前にはアダムの姿。普段とはまるで変っていない。

 

「あれ? アダム? 何か戦ってたんじゃ……」

「とっくに終わって帰って来たよ、途中で乱入されたときは面倒だったけどな」

 

 話を聞いてみると、キリカルと戦っていたら天元が参戦してきたらしい。……何の冗談だと言いたくなる。

 

「七界神が二人って……何があるんだあそこ……」

「俺も知らん。一応調べては見るが……」

 

 何か出るとは思えんな、とアダムは言い放った。

 正直、俺も割と気になるがアダムが分からない以上、俺に分かるはずがない。この件は放り投げておこう。

 

「あ、ZZはどうした?」

「あっちで……ほら」

 

 アダムが指さした方を見る。

 

「天道と遊んでるよ」

「はああああああ!?」

 

 え? 何で? 天道さん!? 何で!? 

 

「こっちも見たいってさ。要するに、観光だ」

「……大丈夫なのか?」

 

 正直言って問題が起きるようにしか思えない。ちょっとしか話さなかったけどあの人大分無茶苦茶な性格してるし。

 

「まあ大丈夫だろ、駄目だったら政府に押し付けたらいい」

「……あの人政府位で止められるのか?」

 

 あの七界神と張り合えるような化け物じみた人を政府程度が止められるとは思えないが……。

 

「どうにかするだろ、どうにもならなくても政府が死ぬだけだし」

「いやダメだろ」

 

 色々言われる政府だが流石に無くなったらダメな気がする。……俺も政府には割と言いたいことが有るけど、それはそれとして良くしてもらっているし。

 

「兄貴ー、天道さん街のほう行きたいってー!」

「……大丈夫かなあ!!」

 

 これ以上ない位不安なんだが。

 

「まあ適当に何か色々見せてやったらいいだろ。塔とか、八角大要塞とか」

「全部割と遠いじゃねえか……移動途中で問題が起きまくるぞ……」

 

 あの喧嘩っ早い人が問題を起こさない事はまずありえないと思う。

 

「心配あるならポータル使えばいいじゃねえか、それなら一瞬で着くだろ」

「そんな金無え……あ」

 

 そういえば金、まだ貰ってない。

 

「おいアダム、金」

「振り込んどくっつったろ」

「俺口座何て持ってねえんだけど?」

「……チッ」

 

 ……こいつ舌打ちしやがった。信じられねえ。

 

「ほらよ、換金所いってこの番号言えば支払われるから」

「おう……」

 

 アダムから紙が渡される。……紙かよ。何かデータで欲しい。無くしそうで不安だ。

 

「何かデータとかねえの?」

「めんどい。頑張って保存しとけ」

「ねえよそんな機能」

 

 こちとら脳の部分は基本生身だ今畜生。

 

「ならあきらめろ」

「……お前何か番号覚えといてくれないのか?」

「んなどうでもいい事に容量使えるか」

「良いだろ……どうせ殆ど無駄なんだから」

「あァ?」

 

 アダムのデコピンが飛んできた。クッソ痛てえ。体飛んだんだけど。

 

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