『兄貴ー! へループ!』
「余計なことしないで大人しく待ってろ!」
ちょっと上に飛んだだけでもうもうと立つ煙が目に入った。アイツどんだけ燃やしたんだ。
『んな事言われてもこのままじゃ燃える……あー!』
ZZの悲鳴が通信越しに響いてくるが、そこそこの距離があるためたどり着くのにはもう少しかかる。
『兄貴ー! まだー!?』
「後二分程だ!」
精々二十キロ程度、全速で行けばそれほどでもない。何せ煙が立ちまくっている。地平線の向こうからでも容易に判別可能だ。
「おし、見えた!」
視界に森と、それを燃やす火が入る。……相当な範囲が燃えているが、アイツは何処に……あ、あれだ。
少し見渡しただけで爆心地のようになっている箇所が目に入った。マジで何やったんだアイツ。
「来たぞー」
「兄貴ー!」
跳びかかってきたZZを回避し、地面に降りる。そして頭から叩きつけられたZZをひっつかみ、再び飛び上がった。
「お前、どんな魔法使ったんだ? いくら何でもこんなことになるのは中々無いだろ」
「え、今取れる奴で一番威力の高い奴」
……アホかこいつは。
「今持ってるスキルポイント殆ど使ったし、魔法系の職業も取れるだけ取ったし……」
「お前馬鹿だろ」
予想以上に間抜けだったなこいつ。金が有ったらあるだけ使うタイプだ。
「ってか職業? そんなのあるのか」
「あるぜー、兄貴も取れるんじゃねー? おれは全部やったからもう無理だけど」
イカレた事を言うZZを無視し、ステータスの項目を確認する。
……現在のレベル分、職業を割り振る事が出来る。そして、一度割り振ると専用のアイテムを使わない限り変更不可、か。
別に取って損をするものでもないようだ。それにしても全部魔術師系に振り切るのは救いようが無いが。
「ZZ、お前今レベル600とかだったよな」
「おう」
600レベル全部魔術師に振って、持ってるスキルポイントで一番威力の高いのを取った……
それでこれか。
「こういうのって特化した方がいいのか?」
何でも出来るようにするのか、何かに特化してやるのか。
一応特化した場合の実例は目の前にあるが……
「あ、これ種族によって取れない職業とかあるのか」
サイボーグだと魔術師系の職業は全部駄目らしい。ZZの選んだ人間は、全ての職業が出来る種族と書いてある。
……これは色々難しいな。
「職業か、種族かで結構悩みそうだな、これ」
こういうのの説明は無いのだろうか……いやあったな、よくわかんなかったから無視したけど。
確か魔法が使えないとかの説明はあったはずだ。操作性に気を取られて見てなかった。
「えっと……完全に使用不可なのは生命系の魔法だけで……魔術師系の職業が取れないけど、魔法は使えるのか」
改めて自分の種族について調べてみるが、色々と複雑だ。というか、人気が無い。その最大の理由はまともに動けない程の操作性の悪さらしいが……
「そんな違うのか、動かし方」
生身だった頃の記憶がそれほどないのと、組み込まれたAIの補助で動かし方に疑問を持った事は無かったが……今の俺は、運用するのが難しい物を使いこなす熟練者になるのかもしれない。
「まあ何にせよ、何を取るかは考えておきたいな」
取りあえずのんびり見て行こう。別に急ぐ理由も無いのだ。
「戦士系が体力、攻撃力に補正、魔術師が魔法攻撃力、魔力量に補正……」
うーん数が多い。
しかも大雑把に戦士系や魔術師系に分けられてはいるが、実際はその中に無数の職業が含まれている。
例えば、通常の戦士に、必要レベルが多いがステータス補正も大きい上級戦士、攻撃力の代わりに器用さに補正の入る侍、体力に大きな補正のかかる重装騎士……戦士系だけでもこれに数十倍する数の職業がひしめいている。
おまけに、職業ごとに上限レベルが存在している。戦士はレベルまでだが上級戦士は五十、中には百まで設定可能な職業まで。
「……これ、どうやって決めようかな」
何にもなしからだとかなり難しい。せめて何か参考になる物は……
「ZZ、お前どんな感じの職業採った?」
「え? 魔術師十攻撃魔術師五十炎魔術師十火炎魔術師五十煉獄魔術師百……」
「もういい、わかった、参考にならん」
「えー」
こいつも素人な上に特化しすぎている。他に参考になる物は無いのか?
『
参考が出てきた。
と言うかナチュラルに突っ込んできたな、この表示。まあ、当然表示だ。後できれば今の種族での人気構成も見て起きたい。
『了解いたしました。ジョブ構成ランキングを表示いたします』