九十世紀の兄弟が   作:Y-K4183

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ゲームの終わり

「……終わった、か?」

 

 意識が戻った時、目の前には光を放ち消えるボスの姿があった。どうやら倒したようだ。

 

「兄貴ー、戻った?」

「うん。……どんな感じだった?」

「よくわかんねえ」

 

 頼りにならない奴だなあ。

 

「まあいいや、勝ったし」

「そうだ、勝ったんだー!」

 

 勝利の喜びをかみしめていると、何やら画面が表示された。どうもボスを撃破したときのリザルトらしい。何かいいアイテムでも手に入っただろうか。

 

「……碌なのが無いな」

 

 どうも手に入ったので一番いいのはランクCのアイテムの様だ。ZZは……

 

「おれも大したの無いぞ」

 

 ……強かった割にケチなボスだ。

 

「ゼロさんは……」

「私は正直、ここのレベルだと何が手に入っても型落ちですね」

「そうですか……」

 

 うーん、ゼロさんに何かお礼をしたかったのだが……

 

「再三言いますけど別に大丈夫ですよ。私の好きでやっている事ですので」

「はい……」

 

 この人やたら勘が良いな。

 

「ゼロさーん、これなにー?」

「それは脱出用のポータルですね」

 

 割と勝手に動き回るZZを抑えに走る。もう少し大人しくできんのかアイツは。

 

 

 

 

「クリアー!!」

「イエーイ!!」

「おめでとうございます」

 

 ダンジョンをクリアし、地上に戻る。大体一時間は潜っていた所為で、日の光が少し懐かしい。

 ……そう言えば、結構遊んでいたけれど今何時だ?

 

「えーっと、あ、見れた。もうこんな時間か……」

 

 昼から遊んでいたはずだが、既に六時を少し過ぎている。……ダンジョンの時間を差し引いても五時間はこの世界ではしゃぎまわっていた様だ。

 

「兄貴、どうする?」

 

 ZZも時間を確認したらしく、聞いてくる。俺としてはもう十分遊んだので、そろそろ終わってもいいと思うが……

 その事を伝えると、ZZも納得した様に頷いた。

 

「ゼロさん。僕達そろそろゲームを終わりますので……」

「はい、お疲れ様です。楽しかったですね」

「はい! 楽しかったです! ありがとうございました」

 

 心の底からお礼を言い、ゲーム終了の画面を出す。

 

「それでは、縁があればまたどこかで会いましょう」

「「ありがとうございましたー!」」

 

 手を振りながら別れを告げた直後、視界が揺らぎいつもの部屋へと戻っていた。……いや、何故かアダムが居る。

 

「おう、戻って来たか」

「何でいるんだお前」

 

 朝からいなかったのが戻って来たのは別に良いが、そもそもここは俺の部屋だ。勝手に入ってくるな。

 

「別に良いだろ、建ててやったの殆ど俺なんだから」

「……建てる羽目になったのもお前の所為だろ」

 

 何をやったか忘れたとは言わせんぞ。ZZ(バカ)にガソリンなんか渡しやがって。

 

「それについては謝っただろ。で、今いる理由なんだが……」

 

 何かを言おうとして、アダムが俺の頭を見る。

 

「取りあえずそれ外せ、間抜けに見える」

「え、あ」

 

 頭にヘッドセットを付けたままであった。

 

「WORLDか。お前ら初期のレベル滅茶苦茶な事になってなかったか?」

「なってたよ、俺が999でZZが600とかそこらだ」

 

 あのおかげで楽は出来たが、割と面倒な仕様の気がする。ONOFFできるのだろうか。

 

「兄貴ー、どうだったー……あれ、アダム?」

「おう間抜け、頭にヘッドセット付きっぱなしだぞ」

 

 同じように頭のそれを外したZZが、アダムを相手にゲームの出来事を語り始めた。……殆ど雑過ぎて体験していた俺ですら何言っているのか分からなかったが。

 やれ広かっただの強かっただの具体的な言葉が出てこない。

 そんな話を適当に聞いていたアダムが、ゼロさんの名前が出たとたん急に反応を見せた。

 

「ノーン・レイ・ゼロって……運良いな、お前ら」

「?」

 

 多分凄い人だとは思っていたが、アダムでも知っている程なのか?

 そう尋ねると、アダムが答えた。

 

「そいつ、WORLDの伝説の一人だ」

「伝説!?」

「十八の方でだけどな。あのゲーム、ギルドとかも作れてそう言うので有名どころがいくつかあるんだよ。 ソ連にエルドラド、桃源街…‥そんなかで、三天っつうギルドがある。このギルド、十八の方で千超えてるギルドの中で、単純な戦力なら最強って言われてんだ。そこのトップ三人の一人が……」

「今日の、ゼロさん」

 

 あの人、滅茶苦茶凄い人だな。

 

「本人かは分からんって言いたいがな。まあ間違いなく本人だとおもうぜ。やたら表情薄い女だっただろ、そいつ」

「うん」

「なら間違いなく本人だな。喜んどけよ、とんでもない相手とのコネだ」

 

 ……あのゲーム一日……と言うか六時間やっただけで何でそんな相手とかかわりになってくるんだ?

 と言うか……

 

「何でそんな凄い人が俺らみたいなのが居る場所に来たんだ?」

「知るかよ、偶然だろ」

「偶然にしては運が良すぎないか?」

「偶然以外の何物でもねーだろ。俺でもお前らがこのゲーム買ったなんて知らなかったし、そもそも地球と同じ広さのマップで、見ず知らずの相手探すのは無理だ。……そもそも、お前らを探す理由も無いしな」

「確かに……」

 

 ここは素直にゼロさんと、幸運に感謝しておこう。……そう言えば、アダムは何かここにいる理由があったはずなんだが……

 

「あー、その事なんだがな。お前ら、南極行くぞ」

「「は?」」

 

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