九十世紀の兄弟が   作:Y-K4183

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秘境の冒険

「兄貴ーあれなに?」

「俺が知るか」

 

 ZZが適当な物を指さしては聞いてくる。知っている物なら答えられるが……ここは動物も植物もまるで見たことが無い物ばかりだ。

 謎の──多分アダムの仕業──光によって大穴が開いてからというもの、俺とZZはやることもなく座り込んでいた。ZZは早々に飽きが来て大穴を適当に見て回っている。今のところ危険な物は出ていないが……。

 

「兄貴ー、何か出たー!!」

「お前はなあ……」

 

 案の定何か危険な物に当たったらしい。ZZはやたらでかい動物に追い掛け回されていた。

 

「取りあえず落ち着けー、ちょこまか動かれると狙えん」

「わかったー!!」

 

 ZZが逃げ回るのを止める。どころかその場で足を止める。……大丈夫だとは思うが度胸が凄いな。

 

「……おらぁ!!」

 

 ぶっ放した大砲がでかい動物に直撃して吹き飛ばす。そのまま十メートル程転がって動かなくなった。

 

「足が遅くて助かったな」

 

 アダムの狩っていた奴は早すぎて動きが捉えられなかったがこいつはノロい。これなら何頭か来ても大丈夫だろう。

 

「だからって変なもんに近寄んなよ、下手するとどうしようも無いやつが来るからな!!」

「はーい」

 

 気のない返事をしてくるZZにため息を吐く。多分分かってない。

 とはいえ見た限りこの辺りにそこまで危険な奴は居ない。いてもどうやらさっきの光で逃げてしまったようだ。

 

「ま、暇だしな」

 

 アダムが迎えに来るまで出来ることは特にない。精々、暇をつぶすくらいの物だ。

 俺も何か辺りを見てみるか。……そういえば資源になるって言ってたな。適当な何か持って帰ったら金になったりしないだろうか。

 

「これとかどうだろうな……」

 

 大穴を覗いて見かけた鉱石を手に取ってみる。やたら重い。手のひらサイズで百キロは有る。

 もう一つ見つけたのは異様に頑丈な植物の根だ。俺の全力でもまるで引きちぎれない。最も、さっきの光で途中から焼き切れているが。

 

「兄貴―、何か見つけたー!!」

 

 ……ZZが何か妙に黒い箱のようなものを持ってきた。

 

「何だこれ」

 

 触ってみるとちょっぴり柔らかい。立体感が分からないくらい黒いが、何で出来ているんだろう。

 

「何だろーなー」

「何だろうな、ほんと」

 

 取りあえず持って帰ってみよう。アダムなら何かわかるだろうし。

 

 

 そのまま俺とZZは辺りの物を適当に集め始めた。変な物が山ほど見つかり、その度にそれが何かを考える。まあ大抵結論は出なかったが。

 そうこうする内に集めた物で山が出来上がって来た。その殆どが分類は出来るものだったが、偶にZZが見つけた箱の様に全く分からない物がある。

 俺はそれを山からどかし、分からない物として分類することとした。

 

「これ本当に何なんだろうな」

 

 見つけた機械の様な何かを前に腕を組む。さっきから電気を流したり信号を送ったりしているがまるで反応しない。

 ZZの方は集めた鉱石や植物を転がしたりして遊んでいる。……あいつは何歳だ。

 

「うーん……」

 

 分からない物は二十個ほど、その全てが生物か何かすらわからない。例えば、この白い布のようなものは電気を流したら透明になった。本当に何か分からない。

 

「ひゅー!!」

 

 ZZが丸い鉱石をボールの様に投げて遊んでいた。あいつ、あれだけのものでよくあそこまで遊べるな。

 俺も適当な物を組み合わせたりしていたが、そろそろ飽きてきていた。

 見つかった物の内、分からない物はいくら考えても分からないし、鉱石や植物等は持って帰ったら金になるだろうが今あっても特に何にもならない。

 

「はぁー」

 

 持っていた物を投げ出し寝転ぶ。やることは特にない、もういいや、寝ておこう。

 青空を眺め、目を閉じる……寸前何かが視界に映った。

 直後、辺りに途轍もない衝撃が響く。

 

「何だ!?」

 

 慌てて飛び起きて辺りを見渡す。殆どが先ほどまでと変わらぬ光景の中、一つだけ明確な異常があった。

 女の子が、倒れていた。

 

「……えー……」

 

 ……それを見た時に挙げた第一声はそれだった。

 正直、何をどうすればいいのか分からない。手当? 救護? そんな知識は無い。と言うか。

 

「……これがなあ……」

 

 その女の子には一本の角が生えていた。

 ……多分これあれだな。ZZが言ってた襲いかかって来た奴、だよな。

 大体の特徴は一致しているし、そもそもこんなところに女の子がいるはずがない。ただ、それでもZZに見せないと分からないが……。

 

「あー、さっき殴り掛かって来たチビだ!」

 

 予想的中。こいつは俺らがここまで吹っ飛ばされてきた元凶だ。だとすると、取る対応は一つ。

 

『いいか、近付くなよ。声も出すな。出来るだけ通信で話せ』

『え、うん。分かったけど、何で?』

『あのな、こいつはあのアダムと張り合えるレベルのバケモンだぞ。おまけにこっちに攻撃してきた。なら出来るのは逃げることだけだ。分かったら、逃げるぞ』

『おう、わかった』

 

 そろーり、そろーりと距離を取る。起きませんようにと願いながらゆっくり距離を取り……。

 

「あー、糞、負けたか! 畜生!」

 

 いきなり飛び起きて叫ばれた。これは終わったな。ハハッ。

 

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