進撃の巨人 The end -ゲームの主人公が生きていました- -誰が為の翼-   作:キラトマト

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#6.5 トロスト区残党討伐作戦

 調査兵団第4分隊長ハンジに勧誘され調査兵団に仮入団したグリュック。

 

「あっ、グリュック! エレンたちから話は聞いたよ! 私達がトロスト区に到着する前にも大活躍してたんだってね?」

 

「え、えぇ……まぁ」

 

 ハンジにいきなり話しかけられて、困惑の表情を隠せないグリュック。

 

「まったくもう、そういうことはもっと早く言ってくれよ、グリュック! そんな有望な兵士である君を、ぜひ次の任務に連れていきたいんだけど……どう? 出撃の用意はできてる?」

 

「い、いきなりですか!?」

 

「まだ時間に猶予はあるから、準備しておいで」

 

 グリュックは急いで戦闘服に着替え、立体機動装置を装着しに行った。

 

「よーし! それじゃさっそく、エルヴィンのところに行こうか」

 

 

 

 

 

 

 

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「トロスト区復興作業の一助とすべく、我々調査兵団は壁外付近に残存する巨人の掃討を担当することになった」

 

 団長であるエルヴィンは言った。

 

(そうか……いくら壁の穴を塞いだからと言っても、街がそっくりそのまま戻ってくるってわけじゃないもんな……)

 

「速やかに任務を完了し、我々は次の壁外調査の準備に取り掛からねばならない……皆、頼んだぞ」

 

「ねえエルヴィン、この新兵の子を参加させてもいいかな?」

 

「小規模な任務とはいえ、巨人との戦闘は不可避だぞ、ハンジ。それでも参加させたいのか?」

 

「今回の任務は経験を積ませるのにちょうどいいと思うんだ。私がしっかり見てるからさ」

 

「私から強制はしないが……グリュック、君はどうしたい?」

 

「俺は……参加させてください!」

 

「そうか、では君にも参加してもらおう。今回の経験が糧となるなら私も嬉しい」

 

「ハンジ、そいつはお前が連れてきたんだ。お前がきっちり面倒を見るんだろうな?」

 

 人類最強の男、兵士長のリヴァイは少し威圧的に言った。

 

「それはもちろんだよ! 君も遠慮しないで、困った時はいつでも私を呼んでよね!」

 

「そんなこと言って……巨人が現れたら新兵のことなんてほったらかしになるんじゃないっスか?」

 

「オルオ、何か言ったかい?」

 

「い、いえ何も……ハハハ」

 

 オルオは頭をかく。

 

「新兵については、全員でサポートしてくれ。……以上だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「今日は参加ありがとう! 初めてで緊張するだろうけど、私達がサポートするからね!」

 

 作戦開始早々、ハンジさんが声を上げる。

 

「それに、あの子達の可愛さを前にすれば緊張なんて一発でほぐれるに違いないよ!」

 

(……は?)

 

 グリュックには、その言葉の意味が理解できなかった。

 

「さぁ、まずは壁のそばにいる子達を片付けてしまおうか!」

 

 そう言ってハンジはうなじに直接アンカーを刺し、巨人の手を躱しながらうなじを削いだ。それに続いてグリュックも巨人の足を切り、体勢を崩した隙にうなじを削いだ。

 

「あそこで戦ってるのはモブリットだな……。おーい、拠点の設営は終わりそうかい!」

 

 それは分隊長補佐のモブリット・バーナー、自由奔放な彼女を御する苦労人だった。

 

「分隊長! 手伝ってください! 新しい拠点の効果を検証するはずが、巨人が邪魔で……」

 

「了解しました!!」

 

 近辺の粗方の巨人を討伐したグリュック。

 

「そういえば君、馬の扱いは得意?」

 

「はい、一応訓練兵時代に習いました」

 

「知ってるとは思うけど、壁外調査は基本的に馬に乗って行うんだ。立体機動装置とは違ってガス切れの心配もないし、長い距離を巨人より早く移動できるからね。あ、それとこの子達って、かなり高価なものだから、無駄にしないでね」

 

「あ、ハンジさんでもそういうの気にするんですね」

 

「ちょっと、それどういう意味?」

 

 

 

 

 

 

 

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 何かを感じ取ったのか、ハンジが勝手に行動してしまったためそれについて行くグリュック。

 

「やぁリヴァイ! 加勢しにきたよ!」

 

「クソメガネ……何でお前がここにいる」

 

「うっはあああ!! リヴァイと戦ってる巨人、なーんて面白い子なんだろう!!」

 

「おいミケ……何であいつを連れてきた。しかも新兵まで巻き込みやがって」

 

「ハンジが勝手にやったことだ」

 

 とミケは開き直る素振りを見せた。

 

「ちっ……おい新兵! その巨人バカに付き合って、突っ込んでいくんじゃねぇぞ!」

 

 リヴァイたちは新兵であるグリュックをなるべく巻き込まないよう付近にいた三体の奇行種を討伐した。

 

「あらかた片付いたようだな。撤退するぞ!」

 

 

 

 

 

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 任務を終えたグリュックは、壁上でエレンと談笑していた。

 

「お互い無事で何よりだったな」

 

「あぁ、エレンも暴走することがなくてよかったよ」

 

「しっかし、先輩たちはやっぱすげぇな。リヴァイ兵長だけじゃなくて、他の先輩方も……」

 

「……なんだ、俺の噂話か? 確かに俺は優秀だからな」

 

 と、いきなり会話に入ってきたオルオ。

 

「まぁ、お前らが俺の域に達するためには、あと100回くらい場数を踏む必要があるだろうな」

 

「いや、できれば別の域に達したいというか……」

 

「そうそう、かっこつけてすぐ舌を噛むような人を目指してもね」

 

「ペトラ、この俺の底知れぬ実力を見抜けねぇとはお前も存外、見る目がねぇな……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「皆、ご苦労だった。これでトロスト区での我々の任務はすべて完了した。なお、トロスト区の外門が封鎖されたため、次の壁外調査は東のカラネス区が出発地となる。それから────エレン、君には特別作戦班に加わってもらう」

 

「特別作戦班、ですか?」

 

「通称リヴァイ班……リヴァイが選抜した精鋭からなる班だよ」

 

「え、やったじゃないかエレン! 精鋭の班に入れて貰えるってよ!」

 

「今後お前には、常に俺の班の監視下で動いてもらう」

 

 しかし、それは巨人化の力を有するエレンの監視のためであった。

 

「ペトラ・ラル、オルオ・ボザド、エルド・ジン、グンタ・シュルツ────。もしもお前が、巨人になって暴れだしたとしても、こいつらならお前を殺せるだろうからな」

 

「う……」

 

「大丈夫だよエレン、君が自分の力を掌握さえ出来れば問題ないんだからさ。そのために、私も精一杯協力するつもりだしね……ふ、ふふふ」

 

 と、愉悦に満ちた表情で気持ちの悪い笑みを浮かべるハンジ。

 

 ────変人の巣窟、それが調査兵団




ライナーの裏切り発覚はかなり先になりますが見せ場があるのでご安心ください。感想くれると嬉しいです。辛口がいいです

グリュックに魅力は感じますか?

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