進撃の巨人 The end -ゲームの主人公が生きていました- -誰が為の翼- 作:キラトマト
「日没の直前……いよいよだな」
辺りがそろそろ暗くなる頃、調査兵団は壁上へと集合していた。彼はナナバの家を後にし、仲間の元に急いだ。
「わりぃ、遅れた」
家の中で着替えるには些か時間が足りなかったため、道中兵団ジャケットを羽織りながら、皆の元に辿り着いた。
「いいや、時間通りだ、安心しろ」
「珍しいねジャン、人の心配するなんて」
「あぁ!? なんだと!」
(……まぁでも、今日が最後になるかもしれないからな……)
壁上に登る頃には、民衆が集まっていた。
「うおおおおおおぉぉおおい!!! ハンジさぁぁあああああん!!!」
「あれってもしかしてリーブス商会の息子ってやつか?」
「あぁ、君はまだ知らなかったね。彼はフレーゲル・リーブス」
「ウォール・マリアを取り返してくれぇぇえええ!!」
「人類の未来は任せたぞぉぉおおおおおお!!!」
「リヴァイ兵長ぉぉおお!!! この街を救ってくれてありがとぉぉぉおおおお!!!」
「全員無事に帰ってきてくれよぉぉおお!!!」
「でも領土は取り戻してくれぇぇえええ!!」
(ん……?)
彼には心做しか、リヴァイの口角が少し上がっているように見えた。
「勝手を言いやがる」
「まぁ……あれだけ騒いだらバレるよね」
「それが……リーブス商会から肉を取り寄せたもので……」
「フレーゲルめ……」
それだけ騒いでいる民衆に対して、ジャン、サシャ、コニーのパンピーどもは「任せろぉぉおおおおお!!!」なんて大手を振りながら叫んだ。
「調査兵団がこれだけ歓迎されるのは、いつ以来だ?」
「さてなぁ……」
「そんな時があったのか?」
「祖父が言ってたんですが、できてすぐの頃はかなり歓迎されてたみたいですよ」
「だが……私が知る限りではこれほどまでのは……初めてだ」
エルヴィンは少し黙ったあと、叫んだ。
「ウォール・マリア最終奪還作戦────開始!!」
調査兵団は、ウォール・マリア、シガンシナ区まで馬を走らせた。同日同時刻、ライナー、ベルトルトは壁上にテントを張り、調査兵団たちの到着を待ちわびていた。
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ウォール・マリア領は人類に残された領土の3分の1にあたる。5年前にこの領土を失った人類は、多大な財産と人名を失った。
そしてそれらの損失は始まりでしかない。残された2枚の壁の中で、誰もがそう悟った。私たちはもう生きてはいけないのだと。人類が明日も生きられるか、それを決めるのはは人類では無い。全ては巨人に委ねられる。なぜなら人類は、巨人に勝てないのだから。
『駆逐……してやる!! この世から……一匹……残らず!』
だが、ある少年の、心に抱いた小さな刃が巨人を突き殺し、その巨大な頭を大地に踏みつけた。それを見た人類は何を思ったのだろうか。
ある者は誇りを
『何としてでも生きる!!』
ある者は希望を
『僕たちはいつか……外の世界を探検するんだろ?』
ある者は憎悪を
「ライナァァアアアアアア!!!」
そしてある者は怒りを
『駆逐……してやる……いや……殺すッ!』
叫び出した。
では、ウォール・マリアを奪還したなら、人類は何を叫ぶだろう。人類はまだ生きていいのだと、信じることが出来るのだろうか。自らの運命は、自らで決定できると、信じさせることができるだろうか。
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「麓が見えたぞ! 街道跡がある!」
「もう……すぐそこだ」
「川の音が聞こえる!」
「僕達……帰ってきたんだ……」
「あの日……こっから逃げてきて以来」
グリュックたちは、心臓をバクバクと高鳴らせながら、自分たちの故郷へと帰った。
感想くれると嬉しいです。辛口がいいです
グリュックに魅力は感じますか?
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