進撃の巨人 The end -ゲームの主人公が生きていました- -誰が為の翼- 作:キラトマト
「
「俺たちはライナーをアルミン達の方から遠ざければいい! 微妙な距離を飛び回って注意を引け!!」
「「了解!!」」
しかし、鎧は彼らを気にも止めず、その場を走り抜けた。
「え!?」
「な!?」
「無視かよ!?」
「野郎!! エレンに狙いを絞る気か……!?」
(だったら……!)
「殺すしかねぇだろ!」
グリュックとミカサは鎧の膝裏に雷槍を打ち込み侵攻を止めさ せる。
「オイ!?」
「鎧の注意を引けないのなら、今ここで息の根を止めるしかない。ここでエレンとアルミンを守る」
「あぁ……わかった!!」
ミカサはジャンに言った。
「雷槍は残り3本だぞ!? クソっ……でも!!」
「やるしかありません!! だって……戦わないと!! 勝てませんから!!」
そんな中、膝を壊され跪くことしかできない鎧。
(今何を食らった!? 一撃で鎧の膝が砕けたのか!? あれから記憶が飛んでいる……ベルトルト……俺に一体……何があったんだ……?)
彼の体は巨人の中で徐々に再生されつつあった。そして、遠くでは超大型の体が白く光り輝いて、超高熱の蒸気を発していた。
「エレン……アルミン……」
しかしミカサはアルミンたちを信頼し、目の前の鎧の巨人に集中することにした。
(3本の雷槍で鎧を仕留める方法があるとすりゃ……もうこれしかねぇ……奴が動けねぇうちに勝負をかける……、勝負は一度きり、どうなろうとこれが最後だ)
「今だッ!」
「ライナァァアアアアア!!!」
ジャンが示した作戦はこうだ。まず自分とグリュックが囮になり────。
「はぁぁあああ!!!」
コニーとサシャが雷槍を2本使って鎧の顎を破壊する。しかし、鎧が崩した家屋の破片がサシャに直撃し、狙いがぶれてしまう。
「サシャ!? ジャン!?」
(顎を吹っ飛ばされれば鎧の口が開くはずだ。ミカサは残りの1本で鎧の口の中からうなじを狙え)
しかし……
(口は開いていない……それでも……やるしかない)
「ミカサ無茶だ!!」
「────イイヤ、よくやった!!」
遠くから迫る人影が、鎧のもう片方の顎へと雷槍を放った。
「……!!」
「ハンジさん!!」
「今だ!! ミカサ!!」
鎧の口は力なく開く。
「オイ……まさか……」
「ライナー、出て」
###
一方、アルミンを蒸気で封殺したベルトルトは、次なる目標であるエレンに目を移した。しかし……
「これは……硬質化……?」
エレンは超大型のうなじにアンカーを刺し、急速に接近する。
「殺った」
(陽動作戦……!? 最初にエレンが脳震盪で動けないと思わせたのも、アルミンの抵抗も……硬質化した巨人のカカシを作るための時間稼ぎ……全ては僕の周りに敵がいなくなったと思わせるため……僕の隙を作るための……)
エレンは、うなじにいるベルトルトを引っ張り出し、アルミンのところまで急いだ。
「クソ……わかってたはずなのに……お前が誰よりも……勇敢なことぐらい……」
そんな中、グリュックがやってきた。
「状況は! それは……ベルトルトか!? アルミンは……まさか……」
「っ……あぁ……」
「でもっ、兵長が持ってる注射なら……もしかしたら……」
「そうか……そうだな」
とそこに、獣の中身を加えた四足歩行型が現れる。
(巨人!?)
「ッ! コイツ! それ以上近づいてみろ!! こいつを奪われるくらいなら……殺すからよ」
先程リヴァイに大量の巨人をけしかけた獣の中身は言った。
「お前がエレン……イェーガーか?」
(ダメだ、こいつだけでも────)
「全然親父と似てないな……」
「……何……?」
「信じて欲しい、俺はお前の理解者だ。俺たちはあの父親の被害者……お前は父親に洗脳されている」
エレンはそう言ったジークに、父グリシャの面影を感じていた。
「父……さん!?」
ジークは壁の上にリヴァイを見た。
「おい……!? 嘘だろ!? ここまで追ってきやがった……」
数十体の巨人に平地で囲まれても尚、リヴァイは生還し、ジークを追ったのだ。彼は壁を飛び降り、ジークに近づく。
「……あぁ、わかったよリヴァイ。痛み分けで手を打とう。ベルトルト……どうやらお前はここまでらしい。……エレン、いつかお前を、救い出してやるからな」
「は……!? 逃げた!? 兵長!!」
「今のでガスが完全に切れた。奴をおう。ガスと刃全てよこせ。……はい!!」
「急げ!!」
押し問答を繰り返していると、アルミンから息が漏れ出た。
「え……?」
「……。兵長!! 俺があいつを追います!! 兵長とエレンはアルミンを……救ってやってください……!」
###
「ライナー、この左胸に入っていた鉄のケースはなんだい? 君が手足を切り落とされる前……最後の力で取り出そうとしたものだぞ。自決用の薬? それとも爆弾か?」
「いっつ」
「ごめん」
ジャンは怪我を負って、ミカサに手当を受けていた。
「……てがみ」
「手紙? ……何の手紙?」
「ユミルの……手紙だ。クリスタに……必ず……渡して欲しい……」
「……中身を改めてからね」
ハンジはそれを懐に収めてから、ブレードを取り出す。
「さて……聞きたいことは山ほどある……んだけど……君の口も鎧のように堅そうに見える。君は……私たちが知りたいことを教えてくれるかな?」
「いいや」
ボロボロの声帯から無理やり捻り出した声で、彼はそう言った。
「……ありがとう。覚悟ができてて助かるよ」
「……待ってください!!」
「グッ……」
「いいんですか? その力……奪えるかもしれないのに」
「いいや、今はリヴァイやあちらの状況が分からない以上、条件が揃ったとは思えない」
ハンジはライナーの首に刃を押し付ける。
「ハンジさん……らしくないですね。分からないものに分からないと蓋をして、この先どうやったら俺たちは巨人に勝てるんですか?」
「ジャン……」
「俺たちが敵を計り知れるようになるのは……いつですか?」
「……ミカサ」
ハンジは少し考えた後に口を開けた。
「はい?」
「ガスはあとどれくらいある?」
「……もうほとんど残っていません……ですが、エレンとアルミンの元への片道分くらいはあります」
「……私よりはあるな」
「ミカサ。すぐにエレンたちの状況を見てきてくれそしてガスを補給し、リヴァイから注射を貰ってこい。何らかの理由でそれが叶わない場合には信煙弾を撃て。それを合図にライナーを絶つ」
「了解です」
ミカサはそう言ってエレンたちの元へと向かった。
「……ハンジさん。俺は……」
「私の判断だ。君のは判断材料」
(俺は……なんだ? まさかこの期に及んで……)
一方、ミカサはアルミンが生きているということを知り、信煙弾を放った。
「ッ! ハンジさん!!」
四足歩行型が近づき、ライナーを奪還した。
「クソっ、1歩遅かったか……ハンジさん! 注射はアルミンに打ちます! エレンたちに合流してください!!」
###
クソ……あの巨人は一体なんなんだ? 知性を持っていることは明らかだが……巨人には必ず特徴が……鎧は文字通り全身を鎧で覆っていたり、超大型はデカかったり……なのにあの巨人は姿は普通の巨人と同じじゃないか!!
「まぁ……警戒は怠るなってことか……」
それに……ライナーは……俺が殺さなきゃなんねぇからな。
「なっ……なんなんだよあいつ……なんで追ってきてんだよ……ピークちゃん、もっと速度上げて」
「チッ……逃げ足だけは立派だなぁ!!」
何とか四足歩行型にアンカーを打ち込もうとするが、躱され、更に速度を上げられてしまう。
「クソっ……!! ここらが潮時かよ……」
ガスももう残り少ないし……このままじゃエレンたちの元にも戻れねぇからな……
###
グリュックがみんなの元にたどり着いたのは、ベルトルトが食われる寸前のことだった。
「あぁ……アルミンが……そうか」
ベルトルトを食って、アルミンは人間へと戻った。しかし、それはエルヴィンを犠牲にするということと同義であった。
感想くれると嬉しいです。辛口がいいです
グリュックに魅力は感じますか?
-
感じる
-
感じない