進撃の巨人 The end -ゲームの主人公が生きていました- -誰が為の翼- 作:キラトマト
「エレン、ちょっといいか?」
「なんだ?」
「少し頼みがあるんだが……シガンシナ区にある……俺の父さん母さんが潰された大岩……退けてくんねぇか? 墓……作りたくてよ……」
「あぁ……いいぜ」
快諾したエレンは巨人化し、その大岩を持ち上げる。
「うっ……」
「大丈夫かよグリュックっ、無理なら俺がやるぞ?」
「いいや……俺にやらせてくれ」
彼は僅かに残った遺骨を拾って、地面に埋め、そして墓標を立てた。
「これで……俺は……」
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エレンが作った地獄の処刑台から、巨人を潰す音が聞こえなくなったのは、雪の降り積る頃だった。積もった雪が溶けだす頃、兵団はウォール・マリア内の巨人は掃討されたと発表した────。トロスト区から昇降機が解放され、街道の舗装事業が開始される頃には、草花が芽吹き、蝶が舞っていた。シガンシナ区を拠点とする住民の入植が許可されたのは、トロスト区襲撃から1年が経過する頃であった。1度目の超大型巨人の襲来から6年、調査兵団はウォール・マリア外への壁外調査を行った。
「ハンジさん、ありがとうございます許可してくれて」
ナナバと2人乗りをしながら彼は壁の果てまで進んだ。
「お前の読み通りだハンジ。ウォール・マリア内に入り込んでいた巨人がほとんどだった。俺たちは奴らを1年でほぼ淘汰しちまったらしい」
「……そんじゃ予定通り、目的の場所を目指すぞ!」
前方から赤い信煙弾が放たれる。
「巨人だ」
「やっと現れたか! 気をつけろ!!」
「あそこに……」
サシャが指さしたその巨人は小さい両手両足で芋虫のように這って進んでいる異様な巨人だった。
「……動けない……のか?」
「あの体で、少しづつ這って進もうとしたんでしょう。……とても、長い時間をかけて……」
エレンはその巨人に近づき、額に手を当てた。
「『楽園送り』にされた……俺たちの同胞だ……。行こう……近いぞ」
エレンたちは再度馬に乗り、目的地を目指す。
「オイ!! こいつをこのまま置いていくのか!? 殺さなくていいのかよ!?」
フロックは刃をその巨人に向ける。
「行くぞフロック、こいつに人を襲えるとは思えない」
「クソッ」
グリュックは引き返してフロックにそう呼びかけた。
(いくら今の仲間が大事って言ったって、無抵抗の巨人は……殺せない)
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「間違いない……ここの場所でエルディア人は巨人にされた」
彼らが通ったのは『楽園送り』と称し巨人化させられた人間が連れられ、そして彼の父グリシャが初めて巨人化した港であった。
「そして……あの先に……」
断崖絶壁の先に広がるのは見渡す限りの青。
(これが……アルミンの言ってた……海)
「どうですかナナバさん。すごい……ですよね」
団員は立体機動でその壁を下り、海に入る。
「おいおい立体機動装置は外しとけよグリュック!!」
「わかってんよジャン!!」
危うく忘れてそのまま入りそうになるのを引き止めたジャン。
「すげぇ星っすよ!! 星が海にある!! しかも触れる!!」
「あとは……すげぇこれハサミある!! 両手に!!」
「ふふっ、可愛いね」
「そうっすよね!? これなんなんだろ名前……」
ヒトデとカニを手に持って、彼はナナバに見せた。
「あぁぁあああい!!」
「目がぁぁあああ」
「うおおおおしょっぺえぇ!!」
遠くではコニーサシャジャンが遊んでいるのが見えた。
「うへぇええ!! これ本当に全部塩水なの!? あっ!? 何かいる」
「おいハンジ、毒かもしれねぇから触るんじゃねぇ。テメェもだグリュック」
「はっはい!!」
一方のエレンたち幼なじみ組はと言えば……。
「ほら……言っただろエレン……商人が一生かけても取りつくせないような巨大な塩の湖があるって……僕が言ったこと……間違ってなかっただろ?」
「ひっ」
ミカサは冷たさに少し声を上げてしまう。
「あぁ……すっげぇ広いな」
「ねぇ……エレンこれ見てよ────」
「壁の向こうには……海があって……海の向こうには自由がある……ずっとそう信じてきた……でも違った。海の向こうにいるのは敵だ。何もかも、親父の記憶で見たものと一緒なんだ」
そのエレンの表情を見て、ミカサとアルミンは違和感を覚える。
「……なぁ? 向こうにいる敵……全部殺せば。……俺たち、自由になれるのか?」
この時のエレンはまだ未来を変えれると信じてるから闇堕ち感は出してなくてちょっとダウナーなだけって解釈です。
次回、第4章『自由への咆哮』#21 祖国への帰還
感想くれると嬉しいです。辛口がいいです
グリュックに魅力は感じますか?
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感じない