進撃の巨人 The end -ゲームの主人公が生きていました- -誰が為の翼-   作:キラトマト

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#23 日常

「パラディ島作戦は順調だな」

 

 マーレの戦士たちは次に行われるタイバー家来寇の知らせを聞いた。

 

「上官方は大変聡明であられる。どんな作戦を告げられるか楽しみだな」

 

 ポルコは皮肉めいた口調でそう言った。

 

「例えば……4人の子供に全てを託すとかね。……これからどうなるんだろう、エルディア人は」

 

 それを聞きながら階下で競走をしている子供たちを見たライナーが声を上げた。

 

「おぉ……抜いた……ファルコがガビを抜いた」

 

「フッ……一度勝ったくらいであの騒ぎだ。まったく……こっちの気も知らないで」

 

 ガビに勝ったファルコはウド、ゾフィアとともに大きく喜ぶ。「……あいつ」

 

「ファルコが今更どんな成績を残そうと、ガビの優位は動きませんよ」

 

「それはどうだろうな。選考基準なんて曖昧なもんだぞ」

 

 かつてライナーに対し圧倒的な成績差を誇っていたのにも関わらず戦士に選ばれなかったという過去を持つポルコは当てつけのように言った。

 

「……!? そんな……いくらマーレ軍でもそんな判断しませんよ。ファルコまで巨人にならなくたって……」

 

「気をつけろよコルト。名誉を軽んじる気か?」

 

 自分の次の継承者であるコルトにジークは釘を刺す。

 

「……すみません。軽率でした」

 

「まぁ……それが兄貴ってヤツだろ。行くぞ」

 

「えっと……どちらへ」

 

「キャッチボール」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ###

 

 今日はあの子たちの訓練の日みたいだ。彼らは年相応にはしゃぎながら訓練地の門まで走ってきた。

 

「オイ、チビ共、今日はどうした?」

 

「ファルコがついに勝ったんだよ!!」

 

「へぇ……成績で勝ったのか?」

 

「ううん、かけっこで勝っただけ」

 

「でもガビを負かした歴史的快挙だよ!!」

 

「もうやめてくれ……恥ずかしくなってきた」

 

 門に立っている兵士さんの問い掛けに、

 

 実際に勝ったファルコ少年よりも、眼鏡の少年と狐目の少女の方が喜んでいるように見えた。

 

「そりゃすげぇな、次の鎧はボウズで決まりだな!」

 

 兵士の人もマーレ人だというのに子供たちと対等に接していた。そうやって楽しんでいる後ろから迫ってくる少女がいた。

 

「そんなわけないでしょ!!」

 

「いってぇ!!」

 

 放たれた強烈な頭突き。あれがガビか……? 

 

「ウドもゾフィアも、ファルコを贔屓するのはやめて。今更あんたが比較対象になるわけないでしょ!? 私は戦果を挙げて祖国に貢献したんだから」

 

「……そうだな。でも軍はまだ鎧の継承者を発表していない。その日が来るまで俺は、やることをただやるだけだ」

 

「おいアイツ、かっこつけてんぞ」

 

「あんたの家は兄貴が獣を継ぐんだからもう名誉マーレ人になれるのに!! なんのためにそこまでするの!?」

 

「…………」

 

 ファルコはチラチラとガビの方を振り返りながら叫んだ。

 

「お前のためだよ!!」

 

「あらぁ」

 

「言っちゃったぜオイ〜〜」

 

 周りは完全にわかってたみたいだが、ガビという少女はわかっていないみたいだ。

 

「はぁああ!? 私のために私の邪魔してだって言いたいわけ??」

 

「……」

 

 ファルコは気まずかったのか、走り去ってしまった。

 

「伝わんなかったか〜」

 

「は? 何?」

 

「あいつどこ行くの?」

 

「さぁ? またあの病院じゃない?」

 

 どうやら兵士さんもファルコの恋路を応援してるみたいだ。……てか病院ってエレンがいるとこだよな? あの子……何者だ?




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