進撃の巨人 The end -ゲームの主人公が生きていました- -誰が為の翼-   作:キラトマト

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#26 繰り返し

 作戦は開始された。レベリオ区を強襲するという作戦が。

 

「ッ……!」

 

 それでも我慢ならなかった、子供が犠牲になるのは。そして彼らが俺の父さん母さんのように岩に潰されて死ぬのは。そして何よりあの子たちは俺たちと……"同じ"だから。

 

「え……?」

 

 エレンが吹き飛ばした岩が落ちてくる丁度真下にいた少女を抱えて俺は飛び去った。

 

(この機械……まさか立体機動装置……?)

 

「クソッ……そんなつもりなんてなかったのによ……」

 

 体が勝手に動いた、というのが正しいだろうか。だがこれでは戦闘など出来そうにもない。俺は物陰に隠れ、ハンジさんたちが乗っている飛行艇が来るのを待った。

 

「君は……ゾフィアくんだね……?」

 

「貴方は、島の悪魔ですか?」

 

 ダメだ、会話になってない。もう聞き飽きたんだよ島の悪魔島の悪魔ってさ……。

 

「あぁそうだ。学校で習うんだろ? 滅ぼすべきはパラディ島だって」

 

「はい、まぁ別にそんなことどうでもいいです。自分が生きれるのであれば」

 

「……」

 

「……」

 

「「なぁ」あの」

 

「……」

 

「……君は、パラディ島のことを嫌っていないのか?」

 

「別に、どうでもいいです。マーレとかエルディアとか。私別に生きられればそれでいいので」

 

「……随分と……ドライなんだね」

 

 見たところ9歳くらい……俺の父さん母さんが死んだくらいの歳か。

 

「死にたくないのか?」

 

「はい」

 

「じゃあ俺に着いてこい。それとこれは……外しておけ」

 

 腕に付けられた戦士候補生の証である腕章を外し、ようやく来た飛行艇に飛び乗った。

 

「随分早いね……グリュック、その子は、誰?」

 

 ハンジさんに引き上げられる際にそう問いかけられたが、差別されていたエルディア人と誤魔化し、何とか難を逃れた。

 

「……君はここにいるんだよ。絶対に出てきちゃダメだ。俺が呼びに来るまで」

 

 俺は彼女にそう言い聞かせ再び戦場に降り立った。

 

 しかしもう戦況は一方的だった。超大型巨人によって軍港に来ていた増援部隊は壊滅、顎、車力も無力化と。だがまだだ、まだ……。

 

(……エレン!)

 

 エレンが両足が切られた顎の巨人に目を向けた。そして顎を掴み、戦鎚に続きその力を得るため食おうとするエレン。だが、背後に落ちた雷に思わず振り返る。

 

「鎧の巨人……」

 

 それを見た俺は、頭に電気が走ったような感覚に陥る。

 

 

 

 

 

 

 

 ###850

 

 あれは、4年前のこと。なんとかウトガルド城から生還した104期の面々。だがそんな中、ライナーとベルトルトが叫んだのだった。

 

「やるんだな? 今!! ここで!!」

 

「あぁ! 勝負は今! ここで決める!」

 

 そんなふたりに、ミカサは急いで駆け寄り、首を掻っ切った。

 

「うッ……あ!!」

 

「あぁ? あぁあああ!!」

 

「エレン逃げて!!」

 

 ミカサがそう言った瞬間ライナーとベルトルトは鎧の巨人、超大型巨人になったのだった。

 

 俺は鎧の巨人を視界に収めた瞬間に今まで考えていたことが全て吹き飛び、憎悪と失望、そしてそれに相反するライナーへの信頼と憧憬の念でぐちゃぐちゃになっていた。

 

「でも……」

 

 エレンを手の中に収めた鎧だったが、彼も巨人化し巨人同士の戦いが始まった。

 

「このッ、裏切りもんがぁぁぁあああああああ!!!」

 

『怪我はないか!? 早く避難しよう!』

 

 そう言って俺を連れて逃げようとした父さんと母さんを殺したのは紛れもなく鎧の巨人であり、ライナー・ブラウンなのだ。

 

「絶対に……殺すッ!!!」

 

 覚悟した俺だったが、激昂しているのに不思議と頭はスーッと冴えていた。

 

(硬いのはあの白い部分だけ……赤い肉の部分は……!)

 

 エレンに組み付されている鎧の巨人の膝裏を削ぎ落とし、巨人に対しては効果はないとわかっていながらも首元を掻っ切った。

 

「お前にもう……目はいらないよなぁッ!」

 

 顔の、目付近も鎧には覆われていなかったため俺は目に刃を突き刺し、引き抜くことなく刃をグリップから取り外した。刃は目に突き刺さったままだ。そうして何も見えなくなった鎧の巨人は、エレンに首を引っこ抜かれそうになる。

 

「エレンやっちまえ!」

 

「そのまま首ごと引っこ抜いて裏切り者を引きずり出せ!!」

 

 面々が口々にそう言ってやるが、何故か鎧が叫んだ。

 

「なっ……」

 

 あの声はなんだ? と思っていると……。

 

「上だぁぁあああああああ!!! 避けろぉぉおおお!!」

 

 壁上から超大型巨人が降ってきた。俺は慌てて壁の上に退避するが、超大型から発せられた熱風と蒸気によって鎧の巨人を除くその場にいた全員が一時再起不能となるほどのダメージを受けた。

 

「くっ……逃げるなライナァァァアアアア!!! この殺人鬼がぁあああぁぁ!!!」

 

 叫んでいる間も、喉が焼けそうになったが、それにも関わらず叫び続けた。エレンとユミルを連れ去ったライナーとベルトルトに向かって。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ###

 

(あの日、どんな顔で俺たちを……)

 

 それがライナーとの、決別だった。

 

「────!!!」

 

 後先考えず鎧に向かっていく。エレンの手から顎が奪還されるが、そんなこと構わない。

 

「鎧もないお前に……!! 負けるはずが────」

 

 何故かは分からないが現れた鎧は不完全のようだった。チャンスだと思ったのだが、ジャンに引き止められる。

 

「今は引くぞッ! 熱くなりすぎんな!」

 

「ジャンッ! あいつは俺の親をっ!!」

 

「もう撤退用の飛行艇が来てる! 乗り過ごせば一巻の終わりだぞっ!」

 

「ッ……! わかったよ……」

 

 仕方がなく俺たちは飛行艇に飛び乗り撤退した。




原作でゾフィアは島の悪魔に対する見解を聞くことがなかったので想像です。
感想くれると嬉しいです。辛口がいいです

グリュックに魅力は感じますか?

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