進撃の巨人 The end -ゲームの主人公が生きていました- -誰が為の翼- 作:キラトマト
「どういうことだ……ワインにジークの脊髄液が入ってるって……?」
ジャンがニコロの胸ぐらを掴み、壁に押付けた。
「確証は無い……。ただ……このワインは第一回の調査船から大量に積まれていた。短期の調査船には不要な酒と量だ……。そして……俺がここで料理人としての地位が安定してきた頃になって、このワインを兵団組織高官らに優先して振る舞うよう言われてたんだ」
「誰からだ!?」
「……イェレナだ。俺の知る限りじゃアイツだけがそう働きかけてきた。他の義勇兵は分からないが……」
「お、俺もなんのことだか……!? 初耳です!!」
オニャンコポンもそう言って首を振った。
「でも……おかしいだろ!!」
ファルコの口をゆすいでいるコニーが口を開いた。
「ジークの脊髄液を飲んだ時点でエルディア人は硬直するんだろ!? ラガコ村じゃそうだったって……」
「ジークがそう言っただけだ。誰もその現場を見たわけじゃないから私達には確かめようがない。……だけど、たった一言で済むその嘘の効果は絶大だ」
ハンジはそう言いながら、冷や汗をかいていた。
「ッ……」
「もしジークに脊髄液を盛られても硬直という前兆があるのなら、その前兆が見られない限り毒を盛られたという発想すらわかない」
「いや……でも!! それはニコロ、お前がそう思っただけなんだろ!?」
「あぁ……確証はない。でも……マーレ兵なら知ってる。ジークの脊髄液がこれまでどんな使われ方をしてきたのか……」
「……?」
「10年くらい前、マーレは敵国の首都を一晩の内に陥とした。ある晩に何百もの巨人が湧いて出たからだ。予め脊髄液を服用したエルディア人を忍ばせておけばジークが一声叫んだだけで街は壊滅するからな……。そんなようなことでも企んでなきゃ、何であんな怪しいワインを、上官方に振る舞わないといけないのか、俺にはわかんねぇけどな……」
「お前……じゃあさっき俺たちからあのワインを取り上げたのは…俺達を……守るためか!?」
「……さぁ……何やってんだろうな俺……悪魔の島を調査して、世界を救うつもりだったのに……こんなことバラしちまったら……長生きなんかできねぇだろうに……」
そしてニコロはブラウス夫妻達を見て言った。
「ブラウスさん……あなたみたいにはまだ……俺は……なれないけど、これがせめてもの償いになれば……子供を殺すなんてどうかしてました……」
「ニコロ君……。ハンジさん、ベンはどうなることやろか?」
「とにかく、ニコロの話を前提に動きます。決して手や顔や口に触れてはいけません。オニャンコポン、ミカサ達に同じことを伝えてくれ」
「了解ですハンジさん」
そう言って部屋を出たオニャンコポンは、ある人物と出会った……。
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「何だと?」
「司令からの伝令ですので恐らくは……」
エレンの始祖を誰かに移す、という伝令を受けてリヴァイは激昂した。
「俺たち調査兵団が今まで
「は?」
「アイツだ」
木の下でくつろいでいるジークに目をやる。
「で、でも……」
「イェーガー派とかいうのを1人巨人にしてジークを食わせるといい。ピクシスにそう伝えろ、行け」
「ですが司令からの……」
「四肢でももいでおけばじいさんも腹くくるだろう」
そう言ってリヴァイは木の下にいるジークの元に向かった。
「読書は楽しいか?」
「楽しいよ、7回も読んだ割には」
「俺たちの会話が気になって集中できなかっただろ」
「7回も読んだ本に熱中しろってか? ところで、ワインはもう残ってないのか?」
「ひと月もここに居るんだ、一滴も残ってねぇよ」
「はぁ……ひでぇ拷問を考えつくもんだな」
「……。読書を続けろ」
「了解だ、ボス」
(ピクシスの返答がどうであれ、奴を巨人に食わせる。完全武装の兵士が30人、この森を囲んでいる。獣の巨人になろうと、奴に逃げる術はない。やはり髭面野郎は俺たちの敵だった。それが判明した時点で人質に手足を付けとく理由はねぇよな。…………。……長かった、エルヴィン、お前との約束、ようやく果たせそうだ)
そんなことをリヴァイが考えていると、背後のジークが突然走り出した。
「……?」
「ん?」
「うおおおおおおおおおおおお!!!」
グリュックに魅力は感じますか?
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感じる
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感じない