進撃の巨人 The end -ゲームの主人公が生きていました- -誰が為の翼- 作:キラトマト
「俺たちがこうしてる間にも……」
「あぁ、だから止めるんだ、
「……だな」
「そうだグリュック、お前ナナバさんはいいのかよ」
「あぁ、憲兵団に保護してもらってる。それにもし俺に何かあってもアイツらのために残してあるものがあるしな」
「はっ、辛気臭ぇな、お前らしくねぇぞ」
「なんてなジャン、死ぬつもりはねぇよ────」
な、なんだ急に……景色が変わったぞ? 今俺は船の上にいたよな!?
「エレン……?」
辺りを見渡すとエレンがいたような気がして、そこですぐに景色が元に戻った。
「……? どうした」
「いや……なんでもない」
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「着いたな、やっと」
日も暮れて俺たちはようやくオディハの港にたどり着いた。船に引っ張られていた飛行艇を整備の為に倉庫まで引っ張り上げる。
「急げ!!」
「クソッ爆薬が邪魔だ!!」
「切り捨ててしまおう」
そう言うライナーをアルミンは止め、何か使い道があるかもしれないと飛行艇に積み込んだ。
「ああ……エレンに使うのか?」
「……それはわからないけど」
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そしてミカサは替えのガスボンベを持ちながらアニの元へと向かう。
「アニ、装備の確認をして。まだ新型の立体機動装置に慣れてないでしょ? ライナーとその辺を飛んで慣らしてきて」
「……何で?」
「今できることをやるべき……なので」
「私は降りると伝えたはずだけど」
「……飛行艇にも乗らないつもりなの?」
「悪いけど……乗らない」
アニは本当に悪いと、謝意を示す。
「でも……私はもう戦えない。最期の瞬間くらい……穏やかで、いたい……」
アニは飛行艇の方で作業をしているアルミンの姿を見つめる。そしてミカサと顔を見合せ、頬を赤らめる。
「……いつの間に?」
「……何が?」
「……イヤ……そう。わかった……」
「何が!?」
「あなたはもう辛い思いをしなくていい。でもアルミンは私たちと飛行艇に乗り、エレンの下に向かう」
「……わかってる。それで……あんたはどうしたいの? 人類を救う為にエレンを殺しに行くの?」
「殺さない。遠くに行ったエレンを連れ戻す。私は……ただそれだけ」
「……ところで……マフラーはもう巻いてないの?」
「持ってるけど、今は……巻いてない」
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そんなミカサとアニの会話が聞こえる中、俺はライナーに話しかけた。
「なぁライナー、お前、エレンをどうしたい」
「どうって……止めないと……」
「もし、殺すことになってもか?」
「それは……分からない。俺はエレンを……」
「殺せない、か……俺も一緒だ」
少し沈黙が続く。しかし話さなければと思い、俺は無理やり話題をひねり出す。
「あ、そういえばお前の好きなヒスト……クリスタが結婚して子供産むんだってよ」
「は……は……? 」
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「……そうか、やっぱりアニは降りるんだな。……アニ、ガビとファルコの子守りは頼んだぞ」
「……うん。さっきライナーにも言われた。あんたら、案外似た者同士なのかもね」
「はは、まさか」
「正直……頼りにしてたからな」
「でも……アニはもう十分戦っただろ」
コニーとジャンに会話を横耳に、俺はライナーと共に飛行艇の方に向かう。
「君たちもこっちでいいの? 地鳴らしが止まったとして……後のエルディア人の立場を考えたら……」
「別に、自己犠牲のヒーロー気取ってるじゃありませんよハンジさん。俺はただ、ナナバさんとゾフィアに恥じるような事はしたくないだけです」
「それに……あなたの言う通りマガト元帥は私達に最後の指令を遺したんでしょう。力を合わせて為すべきことを為せ……と」
「グリュック……。それにピーク……そうだぜひ今度車力の巨人の背中に乗ってその体温を感じなが────」
「嫌です。何ですか急に、気持ち悪い」
久しぶりだな、ハンジさんがこんな風になるのは。
「……相変わらず巨人とは片思いのままだなクソメガネ」
そう思ったのは兵長も同じみたいだ。
「……すぐに仲良くなるさ。……ねぇ、リヴァイ、みんな見てるかな? 今の私達を、死んだ仲間に誇れるかな……」
「……ヤツみてぇなこと言ってんじゃねぇよ……」
最後の安らぎの時間も過ぎ、飛行艇に乗り込もうとした、その瞬間……。
「!?」
びしょ濡れのフロックが飛行艇に向けて何発も銃を発砲する。それにいち早く反応したミカサが彼に向けてアンカーを射出、それは首元に打ち込まれる。
「フロック!!」
「まさか……船にしがみついてここまで……」
「ハンジさん!! 燃料タンクに穴が!! これじゃ……飛行できません!!」
嘘……だろ? ここまで来たって言うのに……。
「まだだ」
ヒィズルの職人の人が急ぎ溶接の準備を始めた。
「どれだけかかります!?」
「……ブリキで塞げば……1時間で……」
ガタガタ、と、地面が揺れる。その揺れは秒を追うごとに強くなっていく。
「この音は……」
俺は真っ先に外に出て状況を確認する。
「……巨人が……巨人が来た……」
次いでライナーが言い放つ。
「地鳴らしだ……」
「行く……な。行かないで……くれ……」
フロック!? そうだフロックが!! 思い出し、倒れるフロックの元へと駆け寄る。
「島の……みんな……殺……される……俺……達の……悪魔……それ……だけ……希……望……」
「フロック!! おいフロック!!」
「……死んだ。……確かに、君の言う通りだよフロック。でも……諦めきれないんだ。今日はダメでも……いつの日か……って」
「フロック……ごめん。でも俺は……やるよ。地鳴らしを、止める」
技術班を除き、俺たちは集まった。
「アルミン、何か……手は無いの?」
「もう……これしかない。僕が残って足止めを……」
「お前はダメだ!! エレンを止める切り札はお前しかいない!! ここは俺の鎧で!!」
「ダメに決まってるだろ!! 巨人の力は、もう一切消耗させる訳にはいかない!!」
「だったら俺が」
巨人の力も持たない俺が手を挙げる。
「それもダメだ!! 君にはまだ待っている人がいるんだろ!?」
「……じゃあハンジさんまさか……!?」
「みんなをここまで率いてきたのは私だ、大勢の仲間を殺してまで進んだ。そのケジメをつける」
ハンジさんはアルミンの前に立ち、肩に手を置く。
「アルミン・アルレルト、君を15代調査兵団団長に任命する。調査兵団団長に求められる資質は、理解することを諦めない姿勢にある。君以上の適任はいない。みんなを頼んだよ」
「……」
「……なんで────」
「というわけだ。じゃあねみんな」
無理やり切り上げ、雷槍をたった2本だけ携え地鳴らしへと歩みを進めていく。
「あ、リヴァイは君の下っ端だから、こき使ってやってくれ」
スタスタと向かうハンジさんの進路上に兵長が立つ。
「……オイ、クソメガネ」
「わかるだろリヴァイ、ようやく来たって感じだ……私の番が。今、最高にかっこつけたい気分なんだよ、このままいかせてくれ」
兵長は目を閉じ、ハンジの左胸に拳を当てる。
「心臓を捧げよ」
「……」
「ハハッ、君が言ってんの初めて聞いたよ」
「ハンジさん!!」
立体機動で瞬く間に超大型のうなじまで飛び上がり、雷槍を放つ。一体が倒れ、そのままそれが足止めとなり他の巨人を倒れさせることに成功する。
「……ッ、無駄にするな!! 急いで押せ!!!!! 乗り込め!!!!」
飛行艇は勢いよく離陸、俺はライナーに手を引かれ乗り込む。
「……ハンジさん……ハンジさぁぁぁああああああん!!!!!」
「……じゃぁなハンジ、見ててくれ」
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フロックだって島の事を第一に考えてた立派な兵士だったよな
グリュックに魅力は感じますか?
-
感じる
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感じない