進撃の巨人 The end -ゲームの主人公が生きていました- -誰が為の翼- 作:キラトマト
人類の活動領域を囲む壁には、突出する半円形の区画が4箇所ずつ設けられている。この区画に人口を集めることで巨人の標的を絞り、守備兵力を集約するためだ。そのうちの一つが、ウォール・ローゼ南方に位置するトロスト区である。
トロスト区には駐屯兵団本部が存在し、訓練兵は正式配属までの期間、駐屯兵団と共に様々な任務にあたることになっていた。
成績上位10名の中にグリュックの名前はなかったが、もとより彼が志していたのは調査兵団だった。あの日から5年間、抱き続けた思いを遂げるためである。そんな彼もまた 、104期の同期たちと共に、トロスト区での任務に励んでいた。
「はぁ……? 調査兵団にするって? コニー、お前8番だろ! 前は憲兵団に入るって……」
「エレンの昨日の演説が効いたみたいね」
先日のエレンとジャンの喧騒の際のことである。
「う、うるせえ! 俺は自分で決めたんだよ!」
「そう照れるなよ、お前だけじゃない……」
「あぁ、トーマスの言う通りだ」
「あのぅ、上官の食料庫から、お肉盗ってきました」
と、サシャが剥き出しの肉を持ってやって来た。
「いや……これはいい機会かもしれないぞ」
「はぁ!? グリュックまで何言ってんだよ! もうサシャはこんなんだからいいけどよ」
エレンは頭を抱える。
「でもさぁ、考えてみたんだけど、もしもマリアを奪還出来たらまた肉を食えるようになるんだぞ? だからその前祝いってことか。……よし、俺もその肉食う!」
「わ、私も食べるから! 取っといてよ……! さあ、作業に戻ろう?」
「……あ、そうだ。コニーはああ言ってたけど、お前はどの兵科を志願するんだ?」
「……調査兵団に決まってんだろ」
グリュックは顔に暗い影を落とす。
「そ、そうか……一緒に頑張ろうな! お前もあの時シガンシナ区にいたんだよな……お互い、目的を果たせるといいな」
「あ……あぁ!」
「二人とも、早く作業に戻らないと上官にバレちまうぞ!」
「トーマス! 今行く!」
────あれから、5年経った。ウォールローゼ・トロスト区の外壁にて壁上固定砲の整備をしていた104期訓練兵のメンバーたち。
「……よし、ここはこれでOKっと」
!?
突然、とてつもない雷がマリア側に落ちた。
「は……? 一体何が……」
グリュックは振り向く。
「超大型巨人……?」
それを視認した瞬間、超大型巨人から発せられた上記によって壁上から吹っ飛ばされてしまう。グリュックたちは壁にアンカーを刺し、落下を防ぐ。だが……。
「サムエルが!」
吹き飛ばされ、気絶してしまったサムエルは重力に任せ、50mもある壁の上から落ちていく。
「……!」
サシャは落ちていくサムエルの足にアンカーを打ち込み、なんとか落下を阻止する。
「……っし、サシャ! サムエルを壁の上まで運べ!」
「は、はい! グリュック!」
「おい……壁が……壊れてんじゃねぇか!」
「まただ……また巨人が入ってくる……」
皆が口々に絶望を現す中……。
「俺とエレンでデカいのを殺る!」
「ぐ、グリュック……? ……あ、あぁ!」
目標を一点に絞る。
「俺が奴の手を切る! エレンがうなじを!」
グリュックは巨人の指を切る。
「目標目の前! 超大型巨人! これは好機だ! 絶対逃がすな! はァァァああああ!!」
そしてエレンがうなじに向かってアンカーを放つ。
「殺ったッ!!」
刃がうなじを切り裂く……! が、
「外した……? イヤ……超大型巨人が消えた?!」
「殺ったのか!? エレン!」
と、壁の上からグリュックが問いかけるが、エレンは否定する。
「違う! 5年前と同じだ……。あいつは突然現れて、突然消えた……!」
「殺ったと思ったんだがな……」
「すまん……逃した」
「何謝ってんだ、俺たちなんて何も動けなかったぜ。……つかグリュック、いつもと違くなかったか……?」
コニーは顔を俯けながら言った。
「ん? 何か言ったか?」
「何してる! 超大型巨人出現時の作戦は既に開始している! ただちに本部に戻れ!」
先輩兵士は空いた穴から入ってきた巨人を掃討する為壁から飛び立った。
「先遣隊のご武運を祈ります!」
グリュックたちは心臓に拳を当て敬礼をした。
だが、その先遣隊は直ぐに巨人の餌となってしまった。そんなこととは露知らず、本部へと向かった訓練兵。
「それでは各班に分かれて巨人の掃討を行ってもらう!」
「前衛を駐屯兵団の追撃班、中衛を支援班率いる訓練兵団、後衛を駐屯兵団の精鋭班がそれぞれ受け持つ! また、伝令によると先遣隊は既に全滅したとの事だ!」
「ウォールローゼの死守のため、みな心して命を捧げよ──解散!」
「まさかジャンと一緒になるとはな。よろしく」
ジャン率いる38班はコニー、ユミル、クリスタ、グリュック、5人はひとまずガスの補給を済ませていた。
「おいお前、もう一回言ってみろよ!」
「バカと一緒でツイてないって言ったんだよ、私は」
「な、なんだとぉ!?」
ユミルとコニーの言い争いを、クリスタが止める。
「もう、今はケンカしてる場合じゃないよ! あっ、いいところに!」
「聞いてよ、ユミルとコニーったら……」
「いつものことだ。放っておけ」
とグリュックが言うとユミルは呆れたように言った。
「あぁーったく、わかったわかった、私のクリスタに免じて、今回は仲良くしてやるよ」
「おいテメェら! ケンカはおしめぇだ! 巨人が迫ってきてるぞ!」
ジャンの言葉に全員ハッとして戦闘態勢に入る。
「ジャン! 巨人の腕を斬るんだ!」
グリュックはジャンに指示する。だが、初めて巨人に相対したジャンとクリスタは怖気付く。
「チッ、これだから憲兵志望はなぁ!」
グリュックは巨人の目を切り付け視界を奪う。そして次に巨人のアキレス腱にあたる部分を切り、歩行能力を奪う。
「おいジャン! クリスタ! これで訓練の模型と一緒だ! これで殺せんだろ!」
「チィっ! んな親切にして貰わなくたってなぁ!」
ジャンは違う巨人に向かっていった。
「おいジャン! 調子に乗るな!」
が、それでも成績10番以内。ジャンは巨人のうなじにアンカーを打ち込み、討伐に成功する。
「心配の必要はなかったか……」
先程視界と足を奪った巨人が再生の兆しを見せてきた。
「クリスタ!」
「わ、わかった!」
クリスタは先程の巨人のうなじを切り裂く。
「支援班と合流するぞ!」
「んな事言われなくてもわかってるっつーの!」
そして、支援班に合流したものの……。
「うわあああああ!!!」
「今の声……アルミンか!? 急ぐぞ!」
一方その頃、アルミン達訓練兵団34班は……。
「前衛部隊が総崩れじゃないか……!」
「決して楽観視していたわけじゃなかったが……これはあまりにも……」
だが、突然奇行種が飛びかかってきた。
「奇行種だッ!!」
それにいち早く気づいたエレン班員に知らせその場から退く。だが家屋に捕まった中で、一人だけいないことに気づく。
「あぅ……しまっ……」
トーマスはそのまま、巨人に飲み込まれてしまった。
「何しやがる!」
「エレン!」
アルミンの制止を振り切りエレンは駆けた。
「待ちやがれ! よくもトーマスを! 絶対に逃がさんッ!!」
刃を振り掛かるその瞬間、家屋の物陰に隠れていた巨人が顔を出し、エレンの足に噛み付く。
「がァっ!」
奇行種を追いかけていたその勢いのまま、エレンは家屋の屋根を勢いよく転がってしまう。そして先行したエレンを追っていたミーナはアンカーを引っ張られ地面に落ちたところを、ナックは体を捕まれ、ミリウスはエレンの脚を喰った巨人に食い殺されてしまった。
────そうして、エレン達訓練兵団34班はアルミンを除く5名トーマス・ワグナー、ミーナ・カロライナ、ナック・ディアス、ミリウス・ゼルムスキー、そしてエレン・イェーガーは巨人に捕食され死んでしまった。
そして、アルミンたちの方へ向かったグリュックたち38班は……。
「一旦休憩しないか?」
「俺は賛成だ」
「で、でもアルミンたちが……」
「人のこと心配するよりまずは自分のことだろ?」
「まぁ、うん……そうだけど……」
「とにかく一旦休憩しようぜ」
────巨人はあまりにも、強すぎた
感想くれると嬉しいです。辛口がいいです
グリュックに魅力は感じますか?
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感じる
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感じない