進撃の巨人 The end -ゲームの主人公が生きていました- -誰が為の翼- 作:キラトマト
ハルキゲニアを倒すと覚悟はしたのだが、史実通りならまだまだ現れる事は無い。グリュックはこんな声を漏らした。
「……暇だ」
『確かにな。アイツから出てこねぇ限りすることねぇし……』
「よし、国作っか」
『はぁ!?』
突然の言いように、ユミルでさえ少し動揺してしまう。初代王の邪智暴虐を止める為に王をユミルに据え『パラディ王国』を建国したグリュック。そして建国から半年ほどが経ったある日。
『こんな小さい子に任せるなんてお前らしくねぇぞ』
「いや……あの子にはただ王としていてもらうだけだ。実務は俺がやる」
『そうか、危険な目には合わせるなよ?』
「当たり前だ。ユミル様、今日は民を集めてくるから、待っててくれる?」
「誰もいないんだから、別に様付けじゃなくていいのに……うん、わかったお兄ちゃん」
旧エルディアの民に迫害や支配されそうになった者たちを集め、パラディ王国の民としたグリュック。そしてユミルの元に戻ってきた彼は報告する。
「ユミル様、ただいま戻りました」
「もぅ……何でそんなかしこまった言い方なのよ」
「女王陛下だからですよ」
『おい、楽しんでるとこ悪いが、歴史ではそろそろハルキゲニアが現れる頃だぞ』
「はぁ!? もうそんなに経った……」
彼は咳払いをし、ユミルから少し離れエレンとの会話を再開する。
「もうそんなに経ったのかよ、でも、結構国民も集まったし、エルディアの方とは上手くいく気がするけど問題は……」
『ハルキゲニア、だな』
「あぁ、あいつをどうにかしなければまた同じ事が繰り返されるだけだ。絶対に……な」
『お前、それを達成したらどうするつもりなんだ?』
「そりゃもちろん、帰るだろ。元の時代に」
「お兄ちゃん?」
「あ、あぁ……なんでしょうか」
「いや……ちょっと様子が変だったから……それに今帰るって……お兄ちゃん、ここからいなくなっちゃうの?」
「い、いや……そういう訳じゃないんだけど……そうだユミル様! 今日は誕生日でしたよね!」
『誤魔化したな……』
「……黙れ、ミカサに好きの一言も言えなかったくせに。ね! ユミル様! とりあえず誕生日だってことで果物持ってきましたよ!!」
「……!!」
目を輝かせ、果物に目をやるユミル。そしてその光景に対して(ちょろ……)と思うグリュックであった。
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一方その頃、旧エルディア帝国では巨人の力を手に入れることが無かったため一方的な侵略こそ出来なかったものの、かねてより持ち合わせていた屈強な体と、恐れ知らずの精神で着々と支配地を増やしていたのだった……。
グリュックに魅力は感じますか?
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感じる
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感じない