進撃の巨人 The end -ゲームの主人公が生きていました- -誰が為の翼- 作:キラトマト
窮地に陥ったミカサを救った巨人を補給所まで誘導して、駐屯兵団本部に群がる巨人たちを倒せないか、と提案したアルミン。その提案を受け、コニーの援護のもとミカサは駐屯兵団本部に辿り着いた。一方、ジャンたちは立ち塞がる巨人たちをすんでのところで躱しながらミカサたちよりひと足早く本部にたどり着いていた。
「なん……だと?」
(巨人が、巨人を殺しているのか……?)
「巨人を……利用する……?」
「巨人に、助けてもらうだと? そんなっ、夢みたいな話……」
「夢じゃない。奇行種でもなんでも構わない。ここであの巨人に、より長く暴れてもらう。それが、現実的に私たちが生き残るための最善策」
同じ15m級の不規則な動きと共に繰り出されるパンチとは違い、謎の巨人の放つ技には人間の使う柔術にも似た型が使われていた。15m級を投げ飛ばし、3m級を巻き込み、咆哮する。
「ウォォオオオオオオオッ!!!」
「他の巨人に、やられたりしないのか?」
「大丈夫だ、あの巨人は並の巨人より強い」
コニーがそう言うと、謎の巨人は走り寄ってくる3m級を次々と蹴り飛ばす。
「あいつが派手に暴れてる内は、この建物は潰されないだろう!」
下の補給所からリフトが登ってくる。
「お前ら……あの巨人についてどこまで知ってるんだ?」
と、ライナーがコニーに尋ねる。
「え? 助かってからでいいだろそんなこと」
「っ、そうだな……まずは助かってからだ」
「あのみんな! 僕から提案なんだけど────」
アルミンの提案した作戦の元、皆は行動した。
「憲兵団管轄の品だ! ほこりを被っていやがるが……」
そう言ってジャンたちが箱を持ってきた。
「弾は本当に散弾でいいのか? そもそもこの鉄砲は、巨人相手に、役に立つのか……?」
「ないよりは、ずっとマシだと思う……。補給所を占拠している3,4m級が7体のままなら、この程度の火力でも、同時に視覚を奪うのも不可能じゃない」
アルミンにより、作戦を今一度確認することとなった。
「まずリフトを使って、中央の天井から大勢の人間を投下。あの7体が通常種であればより大勢に反応するはずだから、中央に引き付けられる。次にリフト上の人間が7体に巨人それぞれにの顔に向けて同時に発砲……視覚を奪う」
「そして……次の瞬間に全てが決まる。天井に隠れていた7人が発砲のタイミングに合わせて巨人の急所に切りかかる……つまり、この作戦では一回のみの攻撃にすべてを……全員の命を賭けることになる。7人が7体の巨人を一撃で同時に仕留める為の作戦なんだ。運動能力的に最も成功率が高そうな7人にやってもらうけど……全員の命を背負わせてしまって……その……ごめん」
選ばれたのは、ライナー、ベルトルト、アニ、サシャ、コニー、ミカサ、グリュックの7人。
「問題ないね」
「誰がやっても失敗すれば全員死ぬ。リスクは同じだ……」
「でも……僕なんかの案が……本当にこれが最善策なんだろうか……?」
「これで行くしかない、時間もないし、もうこれ以上の案は出ないよあとは全力を尽くすだけだ!」
マルコは作戦の概要を示した図面を見ながら言った。
「大丈夫……自信を持ってアルミン。あなたは正解を導く力がある。私もエレンも以前はその力に救われた」
「そんなことが……? いつ?」
「自覚がないだけ、後で話そう」
ミカサはそう言って天井に向かう。
「しかしよぉ立体機動装置なしで巨人を仕留め切れるのか?」
「行けるさ。相手は3,4m級だ。的になる急所は狙いやすい」
「どんな大きさにわらず、縦1m、横10cmだっけか」
「あぁ、もしくはこいつを奴らのケツにぶち込む。弱点はこのふたつのみ」
ライナーはブレードを掲げて言った。
「はじめて知ったぞそんなこと。ライナー、ありがとう」
と、グリュックがクソ真面目に返答する。
「いや……冗談のつもりで言ったんだが……だが3,4m級ならケツからでもうなじに届くかもな」
「グリュックは真面目すぎるんですよ!」
「そーだそーだ!」
「バカ二人には言われたくないな……」
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「……あれはミーナを食った」
(あれは……サシャの担当か)
(不利な戦闘は避けるんだ……)
(一人も死なせたくないのなら……!)
(この一撃に、すべてを……!)
「用意……撃てッ!!」
マルコの合図で、全員の散弾銃が発射される。それと同時に巨人討伐組が動き出す。
「はぁッ!」
(捉えた……!)
次々と巨人が倒れていく。だが……。
「ウッ!!」
サシャとコニーは仕留めきれなかったようだ。巨人は二人の方に振り返る。
「サシャとコニーだ!」
マルコが叫ぶ。
「急げ援護を!」
だがそれを見る前にグリュックは動き出していた。サシャが仕留め損なった巨人に対して。
「あ……あの……う……後ろから……突然……」
「やばい……」
「た、大変……失礼しました……」
そんなサシャに向かって、ズンズンと歩みを進めていくミーナを捕食した"覗き込む"巨人。彼女の鼓動がドクンドクンと音を立てて増していく。
「ひッ……すいませんでしたぁ!!」
ドザァッと巨人が倒れ込む。だが……。
(倒れ込んだ……! 今がチャンスだ!)
「これなら……狙える!」
グリュックは補給所のガスを足場にし跳躍、巨人のうなじを削り取る。それと同時にコニーに歩みを進めていた巨人もアニがうなじを削り、何とか補給所にたむろする巨人の殲滅に成功する。
「グリュックぅぅぅ!! 助かりましたぁ!!」
「あぁ、ケガはないか?」
「おかげさまで!!!」
「ならよかった、……あの巨人はミーナの仇だからな。これ以上奪われたくなかった。と、そんなことより、みんな! 巨人は全部殺した! 補給作業に移行しよう!」
「すまねぇな……」
「どうも……」
コニーがアニに感謝していると、ライナーとベルトルトがバタバタと駆け寄ってくる。
「危なかったなアニ……怪我しなくてよかったぜ本当に……」
補給中、マルコとジャンが話しているのがグリュックの耳に入る。
「俺が指揮役に向いてるとは思えねぇ。……もうああいうこと言うな」
「怒らずに聞いて欲しいんだけど……、ジャンは強い人ではないから、弱い人の気持ちがよく理解できる。それでいて、現状を正しく認識することに長けているから……今何をすべきか、明確にわかるだろ?」
「……!」
「まぁ……僕もそうだし大半の人間は弱いと言えるけどさ……それと同じ目線から放たれた意見なら、どんなに困難であっても切実に届くと思うんだ。ジャンの指示は正しかった。だから僕は飛べたし、こうして生きている」
「ぁあ……!」
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補給作業を終えた訓練兵達は一斉に外に出て壁を目指す。だがジャン、ミカサ、アルミン、グリュック、ライナー、ベルトルト、アニは本部に登り謎の巨人を眺めていた。それはもう、他の巨人に群がられており、戦闘などできる状況ではなかった。
「共食い……?」
「どうにかして、あの巨人の謎を解明出来れば……この絶望的な現状を打開するきっかけになるかもしれないと思ったのに……」
「同感だ! あのまま食い尽くされちゃ何も分からずじまいだ! あの巨人にこびりついてる奴らをオレ達で排除して……とりあえずは延命させよう!」
そんなライナーの意見にジャンが噛み付く。
「正気かライナー!! やっと……この窮地から脱出できるんだぞ!?」
「例えばあの巨人が味方になる可能性があるとしたら……どう? どんな大砲よりも強力な武器になると思わない?」
普段はあまり発言しないアニが珍しく口を開いた。
「!? 味方……だと!? 本気で言ってるのか?」
「巨人を兵器利用するなんて正気とは思えないが……でもやってみる価値はあるだろう」
グリュックもその案を受け入れることとなった、が、その時……。
「あ……あいつは……」
アルミンは歯を噛み締める。
「トーマスを喰った奇行種……!?」
それを聞いたグリュックは、その巨人を殺そうとするが、それと同時にその奇行種を見た謎の巨人もなりふり構わず、まとわりついていた巨人を振り払って真っ先にその巨人に向かって走り出す。
「「!?」」
「アアアアアアァァァアア!!」
腕がない謎の巨人は奇行種のうなじにかぶりつき、それをそのまま群がっていた巨人に勢いをつけて放り投げる。
「ウォォオオオオオオ!!!」
「オイ……何を助けるって……?」
全ての力を使い果たしたのか、その巨人は膝をつき倒れる。
「さすがに……力尽きたみてぇだな」
「もういいだろ……? ずらかるぞ! あんな化け物が味方なわけねぇ。巨人は巨人なんだ」
「あれ……うなじから何か見えてないか……?」
「……!」
それを見たミカサの表情はぱあっと明るくなり、その巨人の元に駆け寄る。
「エレンが……生きていた……」
ミカサは目から大量の涙を流し、エレンを抱きとめる。
「一体……何が……?」
アルミンも状況が理解できないまでも、死んだはずの幼なじみが生きていたことに対する安堵感からか目に涙を浮かべていた。
「これを……エレンがやったって……ことなのか?」
────巨人になれる人間、それは1人だけなのか
ナナバさんって原作だと足食われてるんすよね。その後食われるっていう。ちなみに何故しくじったサシャとコニーの代わりじゃなかったかというと、サシャが倒すはずだった巨人⟵ミーナの仇
コニーが倒すはずだった巨人⟵アニの身体能力の高さを示すためだったからです。
感想くれると嬉しいです。辛口がいいです
グリュックに魅力は感じますか?
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感じる
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感じない