転生したので昇龍打てるよう頑張ります。

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酒飲みながら一時間で書きました、ノリと勢いで何とかしてるし推敲全くしてません。


多分主観的にはSFより鉄拳。

 無敵技、というものを知っているだろうか。

 簡単に解説すれば主に格闘ゲーム等で使われる用語で技を発動する一瞬だけ相手の攻撃を無視することが出来る技の事だ。たった一瞬? と思う人もいるかもしれない、例えば有名な格闘ゲームのストリートファイター、その主人公であるリュウの持つ昇龍拳は作品によるが凡そ上昇中or出始めの数フレームのみ全身が無敵になる。秒数にすると60分の5秒(多少前後するけど)、ざっくり0.08秒。それが何の役にたつ? 格闘ゲームに馴染みのない人はそう思うかもしれない、しかし無敵技を持つキャラは強キャラの証と言っても良いくらいには無敵技というものは頼れる技なのだ、相応に隙もあるけれど。

 

 そして俺はふと思った、「あー、現実で昇龍拳使えたらなー」

 別に昇龍拳じゃなくてもいい、無敵ならヴォルカニックヴァイパーだろうがサマソだろうが空中ドルフィンスラッシュだろうがなんだっていいのだ。とにかくそんな無敵技(昇龍ぶっぱ)が出来たらどんなに素敵だろう。そしてある日目指そうと思った、1F無敵を出せる日を。そして狂ったように鍛え始めたのが16の夏。そして35になった冬、俺は昇龍拳を打てるようになっていた。

 

 だが俺は満足していなかった、山篭りのある日迫り来る熊の爪に合わせるように昇龍をパナしても傷ついたのは俺の腹と砕け散った熊の顎、一方的に打ち勝ってこそ無敵技だと言うのに俺は相打ちで終わってしまった。薄れゆく意識の中俺は「(もっと力があればEX打てたのかな)」などと思い俺の人生は幕を閉じた。

 

 そして二度目の人生、俺は異世界にいた。

 

「いよいよタイガも魔術学校に行く歳か」

 

 この世界で15歳になった俺をタイガと呼ぶイケおじはフージン、今世での俺の父に当たる。この世界、ゴリゴリに中世ファンタジーの癖して極東という国があるからか少数とはいえ和風な名前がある。俺も祖先が極東らしくタイガ・アラカ(恐らく元は大河・荒川だと思う)、父はフージン・アラカという。

 

「タイガなら大丈夫よ、きっとお友達が沢山できるわ」

 

 優しい声で俺を応援してくれる美女はヘイズ、こちらは今俺のいる国でもあるヴェイパー王国の出身で母に当たる。父母共に元冒険者だったらしく馴れ初めを聞いたが中々に小っ恥ずかしい話だった……

 

 さて、俺はこれからヴェイパー魔術学園に通う。実技試験もあったが楽々通ったし生まれ変わってから遂に無敵技を使えるようになったのだ、学園が楽しみで仕方ない。

 するとコンコン、と扉にノックする音が鳴るとそれに続いて声がする。

 

「おはようございます、タイガ君は起きてますか? 」

 

「いらっしゃい、フェルちゃん。タイガなら……」

 

「もう準備出来てるよ」

 

 俺を起こしに来た見た目通りの高飛車なお嬢様はフェル・ディバイ。ディバイ家の4兄妹の末妹、5歳の頃俺を平民上がりのハリボテ貴族等と言い虐めてこようとしたので小足見てからしゃがみ大Pかましたら「ふんっ! アナタやるみたいね! ワタクシのごえいにしてあげますわ!」とか言ってきたので俺は両親と話しアラカ、ディバイ両家公認の専属護衛として仲良く遊んでいる、俺は普通に友達が欲しかったし稽古相手が欲しかったので良かったと思っている。最近は大人になったのか普通に剣と魔法の稽古をしてる。今は魔法(無敵)無しなら俺と五分の実力が身についているようだ。

 

「おはよう、フェル。制服似合ってるよ」

 

「そう? 貴方も護衛に相応しい出で立ちですわよ」

 

「お褒めに預かり光栄です」

 

 挨拶も程々に、そろそろ出発しなければ入学式に遅れてしまう。

 

「歩くと間に合うか怪しいし走ろうか?」

 

「そうですわね、では着替え類は私が、道具類は貴方が持ちなさい」

 

「おっけー、じゃあこっちが俺の服ね」

 

 フェルに服を渡し、代わりにその他の荷物を受け取ると俺とフェルは足に魔力を集める。

 

「「せー……のっ!」」

 

 ドパンッ! と大きな音がするとすぐに二人の姿は消え後に残るのは土煙だけだった。

 

 数年前は移動にはディバイ家の馬車を使って一緒に出かけていたのだが去年から魔力操作と筋トレの両方を兼ねてこうした移動方法を始めたのだ、これがまた馬車の何倍も速くこの速度に関してはフェルの方が上回っていた。

 

「到着ですわ! やはりレースは私の方が上手のようですわね!」

 

「ふぅ……そうだね、こればっかりは努力が足りないみたいだ」

 

「き……君達、一体どこから来たのだね……?」

 

 眼鏡をかけた教師が震えながら俺達に声をかける、それに対し俺たちは揃って

 

「ディバイ領から(来た)(来ましたわ)」

 

「し、しかし……馬車が見えないようだが……」

 

「ええ、走ってきましたの」

 

「走って……??? 確かここからディバイ領まで5キロはあるはず……??」

 

 信じられないと言った顔をした教師を置いてフェルが入学式の会場に向かうので慌てて着いていく、すると道中フェルがこんな事を言ってきた。

 

「タイガ、ここでは護衛関係は秘密になさい」

 

「なんで?」

 

「貴方が護衛にいたら皆怖がって離れてしまうでしょう?」

 

 その言葉に俺は自分の顔を触る、若干中性よりではあるがそこまで怖い顔だとは思っていない、むしろ傷もない分なよっとした印象を受けると自分では思っているのだが……

 

「まぁ、君がいいなら。じゃあここでの関係ってどうするの?」

 

「…………友達?」

 

「つまりいつも通り」

 

「いいんですのよ!」

 

 そういうものかと思いつつ、入学式に挑むのだった。

 

 

 

 さて、入学式だが……特に、本当に何事も無かったので割愛しよう。

 問題があったのは入学式が終わり寮案内が終わった後の交流会の時だった。

 

「タイガ君って極東出身なの?」

 

「いや、先祖は極東生まれらしいけど俺も父もヴェイパー出身だよ」

 

「へぇー、極東の名前って珍しいから声かけちゃった」

 

「ディバイ家の末娘のフェル君だね?」

 

「……? ええ、そうですわ」

 

 俺が友達作りのため色々な生徒と話をしていた時ふと話し声が耳に入った。

 

「君の美しさに一目惚れしてしまってね、まだ出会って1時間も経っていないが是非僕と清い交際を「お断りしますわ」……何だって?」

 

「私、自分勝手な殿方は好きではありませんので」

 

 フェルに振られた男は濃い緑色をした髪の男だった、自信があったのだろうか美男子ともとれる顔つきはひくついている。

 

「誰? あの男」

 

「あぁ、タイガ君ディバイ領に住んでるんだっけ、彼はディバイとは真反対に位置するバック領家の長男、テック君だよ」

 

「真反対……へぇー」

 

「な……何故なんだい? 自分で言うのもなんだが僕は学年一位で試験を突破し爵位も公爵だよ?」

 

「先ほども言いましたけど私、自分勝手な殿方は好きではないので。ごめんなさい」

 

「……っ! ……っ……」

 

 開いた口が塞がらないという言葉の見本みたいなことになっている、このままだと面倒が起こりそうなのでさっさと割り込みに行こう。

 

「フェル」

 

「あ、タイガ!」

 

「なっ……! お、おい! そこの君! 彼女とはどういう関係だ!?」

 

 俺が呼んだらすぐさまこっちに来てくれた事に驚いているのかえらそーに聞いてくる、……何というのが一番面白い(削りダメがデカい)だろうか。

 

「……一夜を共にした仲?」

 

「はぁっ…………!!??!?」

 

「ちょっと……! それは7歳の時の話ではなくて……!?」

 

「言うてまだ8年前でしょ」

 

()()8年も前です!!」

 

 そうは言うが歳を食うと一年なんてあっという間に過ぎ去るぞ、気づいたら昔の友人が結婚して子供までこさえてるなんてざらにあった。なんて考えているとテックが俺に手袋を投げつけて来た。

 

「タイガ君とやら、彼女を賭けて君に決闘を申し込ませてもらう!」

 

「……手袋で決闘の意思表示をする風習、まだ残ってたんだ」

 

 俺はその手袋を受け取るとテックに投げ返す。

 

「いいよ、その勝負。何をするの?」

 

「受けたな! よし、表に修練場がある。共に行こうじゃないか!」

 

 高らかに笑いながら修練場に向かうテックに待ったをかける声が

 

「お待ちなさい、そんな事勝手に決められて黙ってるわけないですわ!」

 

「……無理だよ、フェルさん」

 

 女子生徒の一人が恐る恐るフェルに言う。

 

「この学園のルールの一つに、当事者同士の揉め事を決闘で解決するのが許されて、両者が合意した場合他の人の権限で止めることはできないの……」

 

「なんですのそのルール……!」

 

「そういう事さ、フェルさんは僕と交際が出来てHappy、僕は更に君を彼女から遠ざけることが出来てHappy、皆幸せというわけさ!」

 

「とにかく今すぐ止めなさい! タイガも! どうして受け取ったんですの!」

 

 タイガに詰め寄るフェルだったがタイガは柔らかい笑顔を浮かべると。

 

「大丈夫」

 

 そう言って修練場へと向かって行った。

 

 ぺたんとその場に座り込んでしまうフェルだったが女子生徒が支えて見ると血相を変えていた。

 

「……不味いですわ」

 

 

 

 

 

 

「ここが修練場か、DOJOを思い出すよ」

 

「道場? あぁ、極東の訓練ギルドの事をそう呼ぶんだったね。さて、ルールを説明しよう」

 

「うん、お願い」

 

「ルールは簡単、相手を仰向けかうつぶせに倒すか、まいったと相手の口から言わせれば勝ち。それ以外は何を使ってもいいよ」

 

「オッケー、わかりやすい」

 

「あぁ……早く止めないと!」

 

 フェルが息を切らしながら修練場に来ると既に多くの生徒たちが観客として二人の決闘を見物しようとしていた。

 

「フェ、フェルさん……もう無理だよ……それにテック君は学園どころか王国の騎士団生候補として期待されてるんだよ、試合は止められないし……あ、タイガ君が今から謝れば大けがで済むかも……」

 

「何言ってますの!」

 

「な、なんでもないです……!」

 

「さて、流石に真剣は危ないからね、修練場にある訓練用の武器を使おう。僕は……これだ」

 

 テックが抜いたのは刃が潰れているにも拘らず明らかに他の訓練用とは違う輝きを放っていた。

 

「さあ、君の武器を見せてくれ!」

 

「……うーん、いらないや」

 

「は?」

 

「タイガ!!! 絶対に止めなさい!!」

 

 フェルが怒声を投げかけるもどうやら観戦席には魔力結界が張っているらしく声が届かなかった。

 

「ああもう……どうしましょう」

 

「……ね、ねぇ、どうしてタイガ君は武器を使わないの? もしかして謝ろうと……」

 

「そんなわけありませんわ! タイガが武器を使わないという事は……」

 

『それでは両者同意の校内決闘! タイガ・アラカVSテック・バック! 決闘……』

 

()()()()()()()()()()()()()()()

 

『開始!!』

 

「先手は貰うよ! 〈基礎・魔法弾(マジックショット)! 〉」

 

 さて、学園に来て初めての対人戦だが……ここでこの世界でどうやって無敵技を使うか説明する時が来た。とりあえず魔力の弾は左右に避ける、そしてゆっくりと前へ接近する。

 

「へぇ、大口叩くだけはあるって事かい? ならこれはどうだい<氷・魔法連槍(アイシクルガトランス)>!」

 

 まずこの世界には魔力がある、そしてそれの使い道はテックの様に属性を持たせて放つ、体内に魔力を纏わせて身体の強化。とりあえずこの二つだ。この魔法はスライディングで回避(弾抜け)

 

「くっ! だが近づけても僕の剣技は甘くないぞ! <連撃(スラッシュ)>!」

 

 余談だがこの世界は剣技も魔法も声に出しながら放つと強くなる、まぁ格ゲーもなんか言うしな。そして無敵になる方法だが……魔力を体に纏わせる、この方法を使う。剣の腹を殴って受け流す。

 

「うあっ……小癪なっ!」

 

 普通に魔力を体に纏わせるだけでも多少の防御力はあるが精々痛みを抑える(アーマーが付く)だけだ。全身無敵になるには『一瞬だけ』『凝縮した』魔力を纏わせる必要がある。そろそろ反撃をしよう。

 

「そろそろこっちの番だよ」

 

「っ!」

 

 剣を構え防御の姿勢を取るテックだが俺は目と鼻の先にまで近づくと

 

「下段」

 

「ぐっ……!!?」

 

 脛を蹴り潰した、そのまま体勢を崩したテックに連撃を加える。

 

「下段下段下段中段下段中段!」

 

「がっ、おま、足ばっか、腹っ……!」

 

 この世界は60Fじゃない、だから硬直も有利不利も相手によって変わって来る。それはこっちも同じ、ならば一生下段と中段で択を仕掛け続ける。

 

「いい加減にしろっ!!」

 

 自分の周囲ごと凍らせることで俺を遠ざけた、とっさの判断としては悪くないし実力は確かなようだ。再度接近するとテックは整った顔を崩しながら叫ぶ。

 

「もう容赦しない! この一撃でお前を殺してやる!!」

 

 模擬剣に氷を纏わせると殺傷力の高そうな剣が生まれた、そして俺に斬りかかる。速度も申し分ない。

 

「死ねぇっ!!!」

 

 長々と語ったが、つまりこの世界の無敵技とは強力な魔力で全身を守りながら腕力でしばく事である。

 

「剣が……刺さらな……!?」

 

「見様見真似だ、我流・勝龍拳!!」

 

 俺は正しい昇龍拳を知らない、なのでそれっぽいアッパーカットに勝手に名付けた、名付けて勝つ龍の拳。勝龍拳……

 

「決まった……」

 

「このおバカ!! やると思いましたわよだから素手はやめなさいと何度も言っていたのに……!!」

 

「いや……ごめんなさい」

 

「罰として一週間私の部屋に入るのを禁止しますわ」

 

「ちょっと重すぎない!? せめて三日とか……!」

 

「いいえ、入学初日からトラブルを起こすような悪い護衛には罰が必要ですわ」

 

 この時、この試合を見ていた生徒たちは、この学校の勢力図をなんとなく察したのだった。




続き無いです

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