ガンダムビルドダイバーズフリューゲル   作:ポメラニアンドロイド初号機くん

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ついにストーリーが大きく動く第十五話です。しかも不穏な方向に………ここまで長かったけど、勝負はここから。
(何と勝負しているかというと、自分自身の執筆能力)
自分自身が満足のできる作品に仕上げてみせます。
それでは第十五話、どうぞ。


第十五話 サタケ・ショウマとアルテミス

その男は、天才ではあったが人格破綻者だった。

男の名は佐竹章真(さたけしょうま)。GBN運営側の人間でセキュリティシステムの保守管理を行う部署に所属している。

サタケはその環境に不満を抱いていた。

彼の身勝手な自尊心は、自身の置かれた環境に対して才能を無駄遣いさせられていると逆恨みしてささやかな復讐とばかりに(実際は復讐ですらない私怨だが)セキュリティにハッキング用のバックドアを仕掛けて巧妙に隠した。

彼は自身が保守管理しているシステムにもGBNにもなんの興味も持っていなかったからだ。

そして仕事の関係上、運営側IDでGBNにログインしていたサタケはある時、フリューゲルで保護されているアステリアと同じく、人格を構成するデータが欠落しているELダイバー「アルテミス」と出会う。

アルテミスとアステリアはかつてのアルス襲来の際に誕生し、サーバー負荷の影響で人格が引き裂かれたELダイバーの片割れどうし。

サタケは一時の興味でアルテミスを保護した。今となって見ればそれが事件の始まりだったのだ。 

 

 

アルテミスside

 

目覚めて最初に私が感じたのは、自分の中身に埋まらない欠落がある事。そしてそれに対する不安と恐怖だった。そんな私を拾ってくれたのがサタケさんだ。サタケさんは私の話を親身に聞いてくれて、この電子世界のどこかにいるはずの私の片割れを探すのを手伝ってもくれた。きっと、私の片割れも自分自身の欠落に怯えていると思ったから。

けど、ようやく見つけた私の片割れ、アステリアは笑っていた。なんの不安も恐怖もなく幸せそうに。

どうして………………?なんで………なんで………ナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデ!!!!

ナンデ、ワタシガオビエテイルアイダ、アナタハワラッテイルノ??

ナゼ、アナタダケガ、ソンナ二シアワセソウナノ??

ユルセナイ………

 

「なら、壊してしまえばいいんじゃない?」

 

サタケさんがそう言って私にほほえみかける。

 

「壊すって、何を?」

 

「例えば、アステリアを。憎いんだろう?はたまた、この電子世界を。君がスッキリするならなんだっていい。人生一度っきりなんだ。悔いなく生きようじゃないか!!」

 

「壊すって言ったって、どうやって?」

 

「君にはその力があるはずだよ。好きなようにやってご覧?」

 

たまたま目についた高層ビルに意識を集中させる。

すると、ビルに亀裂が走り、瓦礫になり爆ぜた。

 

 

「ハハハハハハハハハハ!!素晴らしい!!」

 

「君は自由だ!なんだってできる!!」

 

「私は、自由……??」

 

なら、アステリアを、消してしまおう。

 

 

アルテミスside 終

 

 

 

カラスマside

 

ある日、すっかりフリューゲルのフォースネストの代わりになったジュピトリス(ジュピターさん作)にてくつろぐ俺とシグレ、ユウ、アステリア。ミカゲはリアルの都合で今日はログインできないらしい。そういえば、ここ数日ミカゲに会ってない。

他のフリューゲルメンバーはジュピターさんに駆り出されてレアな採掘アイテムを人海戦術で採掘しに行った。つまり今日はジュピトリス貸し切りも同然。

 

「ボクもガンプラ、ほしいなぁ」

 

アステリアがそう呟いていた。

 

「どんなやつ?手に入れにくいのでなければ俺が……」

 

「作ってくれるの……!?」

 

期待に満ちた表情のアステリア。

 

「写真撮って送ってやるよ」

 

「カラスマのケチ……」

 

「というのは冗談で、作ってやる……って、シグレが言ってたぞ」

 

「カラスマ、テメェェェ……!!」

 

「じゃあ……ネオジオング……」

 

「アステリアさんや、俺の財布が可能性に殺される前にやめとくれ……つかやめろやめてくれやめてくださいおねがいします……」

 

ガチトーンで三段活用の懇願をするシグレ。珍しいものを見た。明日は雪か?

 

「……というのは冗談」

 

テテテテッテッテッテ〜。レベルアップ!!アステリアは 冗談の使い方を 覚えた。

 

まあ、さっきまでのおフザケはさておき、ガンプラの一個くらい安いもんだけどな……そのうちプレゼントしようと思ってたんだ、そのうち……(ウソつけ。byシグレ)

なんて思っていたその時、ジュピトリスの船体が大きく揺れた。

 

「敵襲か!?」

 

「落ち着けカラスマ、ここはヴァルガじゃない。これは……スカイグラスパーかなんかとジュピトリスが接触事故を起こしたんだ、たぶん……」

 

シグレは冷静に適当な事を言っている。

 

「それはそれで大惨事だと思うよ、兄さん」

 

ユウの穏やかなツッコミ、それはそうと、実際何が起こったんだ?

 

「呆れた……危機管理能力がなさすぎる……こんな奴らと一緒にいるから馬鹿みたいに笑ってられるんだね、アステリア」

 

「!?」

 

コイツ、どこから入ってきた???突然現れた見知らぬ少女がアステリアを憎々しげに睨んでいる。

 

「アルテミス……??………なんで?……なんで今まで会った事ないのに……名前、わかるんだろ……」

 

「自分の片割れの事もわからないの?」

 

いつの間にか現れた見知らぬ少女が心底蔑んだ表情でアステリアを見ながらそう吐き捨てた。

 

「そうか……キミがボクの片割れ……どこかにいる事はなんとなく知ってたけど……」

 

「そう。そしてあなたを消す相手よ」

 

「「「!?」」」

 

「?」

 

艦内に緊張が走る。アステリアを除いて、だが。

 

「私が自分自身の欠落に怯え震えてる間、あなたは笑っていた!!怯える事もなく幸せそうに笑っていた!!なんであなただけがそんなに幸せそうに笑っていて私は怯えていなきゃならないの??私はそれが許せない!!!」

 

アルテミスは悲痛な叫びとともにアステリアへの憎悪を吐き散らす。

 

「そうか、キミは優しい人達に出会えなくて辛い思いをしたんだね……」

 

 

「………れ」

 

「だま、……れ……黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ!!サタケさんの事を悪く言うな!!」

 

アステリアの言葉に対して過剰な反応を見せるアルテミス。

 

「おいあんた、アルテミス?でいいんだよな……?落ち着けって」

 

俺はアルテミスに歩み寄る。

 

「近寄るな!!」

 

「グァッ……!!」

 

「カラスマ先輩!?」

 

ユウの叫び声で自分が壁まで吹っ飛んだ事にようやく気付く。

今、何が起こった?触れられてもないのに壁まで吹っ飛ばされた……

 

「もういい!!みんな死ね……!!」

 

アルテミスの周りに黒いオーラのような物が漂う。

 

 

「なんかヤバイぞコイツ………こんな時は……」

 

シグレに何か考えがあるらしい。

 

「どうすりゃいいんだ……?」

 

「逃げる!!GBN忍法雲隠れ!!」

 

シグレが煙玉を床に叩きつけた。

 

「ッ!?」

 

アルテミスが怯んだ隙にジュピトリスの格納庫にダッシュして生存フラグを奪取。って、誰がうまいこと言えと??

 

格納庫にはさっきの船体の揺れでブラックエンドアクセル改めブラックエンドフィアーズのつま先にコーヒーこぼしてブルーになってるクロと、クロを励まそうとして何を言えばいいかわからないサヤがいた。今それどころじゃねぇから!!

 

「クロ、サヤ、緊急事態だ。今すぐガンプラ乗ってジュピトリスから逃げろ!!ヤベーやつが今ジュピトリス内にいる!!」

 

俺の真剣な表情を見てクロとサヤは事態を察したらしく、すぐさまガンプラに乗り込む。しかし格納庫のハッチが全く開かない。

その時、轟音とともにジュピトリスの船体が傾いた。

あいつ、ジュピトリスごと俺達を地上に落とすつもりだ……。

 

「ジュピターさんすまねぇっす。背に腹はかえられないからあなたが大事にしてるジュピトリスを……今から派手にぶっ壊します……!!」

 

苦渋の決断、3秒で決着。ゲームの中とはいえ死にたくないからな。仮想世界でも怖い物は怖い。しかたないね。

 

「バエル・フギン=ヴィゾフニル、四剣ノ型、バエルソードファンネルもサービスだ!!」

 

ハッチも外壁も滅多切り。これで脱出できるな……

そうして俺達は堕ちていくジュピトリスから無事に脱出した。

 

命からがらの脱出劇の余韻に浸っていた俺達のもとに唐突な秘匿通信。声は機械音声で相手の素性の手がかりは微塵もない。

 

「僕はレン、ジュピターの代理だ。先程お前達のいたジュピトリスの座標からGBNのプログラムの不正改変をこちらで独自に感知した。しかしGBNのメインセキュリティはその改変を認識できていない。改変が確かにあったにも関わらず。何か知っているか?」

 

「なんか妙な力を使うアルテミスって奴が襲ってきて、今逃げてきたところだ」

 

「情報提供、感謝する。さらばだ」

 

「ちょいまち、レンさんよ……」

 

シグレが険しい表情でレンと名乗る機械音声の人物を引き止める。

 

「僕は暇ではないのだが……」

 

「あんたさっき、ジュピトリスの座標から不正改変を独自に感知したって言ったよな?さては、アルテミスが現れた辺りから、もしくはその前からモニターしてたな?俺らよりも事情を知ってるんだろ?」

 

「……ただの忍者コスプレ野郎ではないようだな……」

 

「機械音声でディスられると3割増しくらいムカつくな……舐めんなよ、これでも俺は元ロンメル隊だコノヤロー!!」

 

シグレ、キレる。……みたいな煽り文がつくんだろうなこれが漫画なら。

 

「アルテミスは僕が今追っているELダイバーで、プログラム不正改変の元凶だ。奴は何らかの手段でメインセキュリティをすり抜けて意のままにGBN内のプログラムを改変する」

 

「あの、すみません……セキュリティに穴があるとかは考えられないんですか?」

 

ユウが礼儀正しく訪ねた。

 

「ありえない。たとえそうであったとしても、一介のELダイバーにすぎないアルテミスがどうやってプログラムを改変しているか僕には検討もつかない」

 

「そして悪いニュースだ。アルテミスがこちらに高速で接近している。アルテミスがそちらで保護しているELダイバー、アステリアを狙っている事はこちらの調査でわかっている。なんとかアルテミスから糸口を引き出してくれ」

 

「アステリアをおとりにしろって事かよ……!!」

 

やり場のない怒りから思わず拳を握り締める。爪の痕が手のひらについた。

 

「カラスマ、大丈夫だよ」

 

先程までバエル・フギン=ヴィゾフニルのコックピット内で俺の後ろに隠れていたアステリアがそう言った。

 

「ボク、さっきアルテミスを傷つけてしまったから謝りたいんだ。アルテミスはサタケさんを悪く言うなって言ってた。きっとその人はアルテミスにとって大切な人だったんだ……」

 

「サタケ……そうか、サタケ・ショウマ、メインセキュリティに穴があるとするならばチェック漏れか意図的に作られた物……穴を作る場合、メインセキュリティに細工できる者は限られている。お手柄だ、ELダイバー、アステリア」

 

「……??よくわからないけどボクの事は呼び捨てでいいよ」

 

なんかピンときてないマイペースなアステリアだが、レンにはもう真相が見えているらしい。

 

「なるほど、やはりか……メインセキュリティシステムをチェックしたら巧妙に隠されていたがバックドアが作られていた。状況証拠から見てサタケ・ショウマが作ったと推測できる」

 

「だがバックドアはすでに消去した。アルテミスはもうプログラム改変ができないはずだ」

 

「名探偵レン……ってところか?」

 

俺は冗談めかしてそう言ってみた。

 

「ハハハ……ならばアステリアがワトソンだな、妖怪切り裂きカラス」

 

「ハハハハ、違いねえ……って、誰が妖怪切り裂きカラスだテメェー!!その二つ名で呼ぶんじゃねぇー!!!!」

 

「カラスマ先輩、そう呼ばれるの気にしてたんですね………」

 

「ああ、それと、ヴァルガのチンパンスレイヤーも禁句だ……クフッ………」

 

笑いをこらえながらクロがささやいた。

 

「聞こえてんぞリーダー、ブラックエンドのつま先にコーヒーぶちまけてブルーになってたくせに……」

 

「フフッ……」

 

女子のものと思われる忍び笑い。

 

「今の笑い声、ユウか?」

 

「いえ違います」

 

「ならサヤだな」

 

「記憶にございません」

 

サヤは無表情でしらをきった。あまりに無表情なので逆にこっちが嘘ついてる気になる。あくまでもごまかす気らしいので、ま…、そういう事にしておこう。笑いたい時は笑ってもいいのにな。

 

「あ~もう……うるさいうるさい……駄弁る元気があるなら辞世の句でも考えるか死ぬ前の懺悔でもしてればいいのに……」

 

このやたらトゲトゲしい喋り方、アルテミスだな。俺達はガンプラのコックピットから降りてアルテミスを見下ろす。

 

「そっちこそ、ちょっと超能力を手に入れたからって悪役気取りで物騒な言葉吐き散らして恐怖感を演出中か?」

 

「殺すわよ……」

 

アルテミスは俺の心臓の辺りを指差して、念を送るような動作をした。しかし、何も起きない。

 

「どうして………なんで……嘘……」

 

「私はなんでもできるはずなのに……こんな奴ら指先一つで消せるはずなのに……なんで……」

 

「お前の手品は打ち止めだ。魔法使いごっこはもう終わりだぜ」

 

「助けて……助けてサタケさん………サタケさんサタケさんサタケさん……」

 

パニック状態に陥り虚ろな目でサタケとやらに助けを求め続けるアルテミス。

 

その時、

 

「うるさいなぁ……そんなに何度も呼ばなくても聞こえてるよ……」

 

そんな声とともにゲストアバターの白いハロが現れた。

 

「サタケさん……!!」

 

顔を上げたアルテミスにサタケがかけた言葉は残酷なものだった。

 

「君、鬱陶しいよ」

 

「え……??」

 

「僕の口からでまかせをホイホイ信じちゃってさぁ、馬鹿だよねえ、君の力は僕がメインセキュリティに作ったバックドアにアクセスしてただけ。そしてその力を与えたのも僕だ」

 

「最初に君を保護した時、目を覚ます前に君の人格データの欠落領域にさ、僕が作ったハックツールのデータを埋め込んだのさ~、あれはワクワクしたなぁ〜。この電子世界のあらゆるプログラムを意のままに改変できるモンスターを作ってしまったんだから……まあ、途中までは楽しかったね」

 

「どいつもこいつも僕の邪魔ばかりするんだから。あ、君の事はそれなりに気に入ってたよ。従順で扱いやすいおもちゃとしてね……」

 

「私が……、おもちゃ……!?」

 

アルテミスは絶望した表情でサタケの声を発し続けるハロを見下ろす。

 

「ああ、そうだとも。だって君、ただのデータじゃないか」

 

「この腐れ外道がぁ………!!!!」

 

クロが怒りに任せてサタケのアバターのハロをわしづかみにし、地面に叩きつけた。

 

「ずいぶんと乱暴だな君は……そんな事しても無駄なのに……馬鹿だなあ……」

 

「サタケ、ボクはキミを許さない。キミは、アルテミスの心を弄び、おもちゃにした……ボクは絶対に許さない。アルテミスはサタケを信じていたのに………!!!」

 

俺達はアステリアが本気で怒っているのを初めて見た。冷静そうに見えるが言葉の端々に籠もる熱は普段のおっとりしたアステリアからは想像できないくらいに苛烈だ。

しかしサタケには何も響かない。

 

「たかがデータに何をそんなに熱くなってるんだか……まあ、僕ももうすぐ捕まるし、最後にもうひと遊びしようかな……キーワードは、ゲームオーバー」

 

サタケがキーワードとやらを口にした直後、アルテミスの身体から黒いモヤが出てきた。アルテミスは意識を失った。

 

「とっておきのウイルスさ。その子には害はないけど、この電子世界を根幹から揺るがすほどのプログラムだ……その子を消去すればウイルスは消える。どうする?」

 

 

その言葉を最後にサタケのゲストアバターはログアウトした。

 

「クソ野郎が!!どうすればいいんだ……!!!」

 

「あ~あ~あ~、聞こえるか?諸君、僕だ。レン……」

 

緊張感のない機械音声が、今は救いの声に聞こえる。

 

「一つだけ、アルテミスもGBNも救えるかもしれない手がある。君達の一番得意な分野だ」

 

「ウイルスは現在、アルテミスを中心としてGBNの中に広がろうとしている。僕はそのウイルスの分析に成功した。分析した事でアルテミスに投与するワクチンはできている。しかしGBNからウイルスを完全に除去するには広域散布ワクチンが必要だ……そこで、君たちのガンプラにウイルス浄化プログラムを付与する」

 

「対症療法に過ぎないが広域散布ワクチンができるまで汚染テクスチャを跡形もなく殲滅すれば解決だ。しかし汚染テクスチャは防衛機能として近付いた存在の形質をコピーする。君たちのガンプラさえも。コピーガンプラを倒しながら汚染テクスチャを浄化すればいい。適任だろ?ガンプラバカども」

 

はあ………??

 

 

 

カラスマside 終

 




いや〜ご都合主義、ここにあり!!!って感じの展開ですよね~~。なんだよガンプラバトルでウイルスバスターって………(ガンダムブレイカーで似たような展開があった気ガガガガ。)
一体何書いてるんだろ自分……。迷走してます。
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