ガンダムビルドダイバーズフリューゲル   作:ポメラニアンドロイド初号機くん

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今回はロンメル隊へのリベンジマッチ回です。既にお気づきの方もいるかもわかりませんがサブタイトルは水星の魔女一期のエピソード「グエルのプライド」から拝借。
第七機甲師団との再戦の行方は如何に………??
それでは、最新話までこの作品を追ってくださる貴重な読者の皆さん、今回もしばし自分の文章にお付き合いください。
ではどうぞ。


シグレのプライド

ロンメルside

 

 

「今日はなんの用件かね?シグレ君………今の君にはフリューゲルがある、まさか私のもとでまた1から鍛える気になった訳でもあるまい??」

 

私は目の前にいるかつての部下にそう尋ねた。

 

「流石大佐……話が早い。俺は…………、俺達フリューゲルのシグレ小隊は第七機甲師団にバトランダムの時の借りを返したい、だから前回と同じ5対5のポイント戦ルールで第七機甲師団に対してリベンジマッチを申し込みます」

 

かつての部下であり現在はフリューゲルの参謀、シグレ・ソウスケはそう言ってフォースバトルの申請画面を出してきた。

運営すら欺いてGBNを脅かしたサタケ・ショウマの、その悪意に満ちた企みを人知れず打ち破ったフリューゲル………相手にとって不足はない。

それだけでなくかつての部下が成長を遂げ、今や私の新たな好敵手となるとは………面白い………!!だからGBNはやめられない。

 

「その挑戦、我が第七機甲師団は正面から受けて立つ……しかしこちらからも条件を出させてもらおう。フィールドはルナツーで期日は2日後、それまでは互いに猶予期間としたい」

 

「なるほど、わかりました」

 

「君たちの健闘を期待している」

 

私はシグレ君と握手を交わし、別れた。

確かにシグレ君はダイバーとして大きく成長してはいる、しかし………()()()()()()()()()()()()()()()()

今回のバトルの申請もおそらくは彼の独断だろう。()()()()()()()()()()()()()

シグレ君は仲間に恵まれているがなんでも一人でやろうとする傾向がある。真の戦略家は己を使い、仲間を使い、敵すらも使う。

君は自らのプライドゆえにまだそのレベルには達していないのだ。

それを乗り越えない限り、君に勝ち目はない。

 

ロンメルside 終

 

 

クロside

 

「なんでだよシグレ!!!」

 

カラスマがシグレに詰め寄る。

 

「独断でロンメル隊にリベンジマッチを挑んだ事はこの際構わない………俺達だっていつかは借りを返したかった。だが、なんでお前達だけで……勝手にシグレ小隊だけで戦おうとする………!!!」

 

 

「…………」

 

黙り込むシグレ。

 

「なぁ、俺達はそんなに信用できないかよ………?ベストメンバーで挑めばきっと大佐にだって勝てる、だから………」

 

カラスマはシグレを説得しようと試みたが、シグレの意思は固かった。

 

「これは………俺の戦いだ!!!!俺のっ……………!!!俺だけのっ!!!!」

 

激情に駆られて叫ぶシグレ。もう見てられねぇな………

 

「別に、お前だけの戦いでもねえだろ………」

 

俺は呆れてそう言った。

 

「ッ………!?」

 

シグレは気まずそうに黙り込む。

 

「だがな、お前がロンメル大佐に自分の成長を示したい気持ちはわからんでもない。だから俺はお前を止めねーよ。その代わり、情けない試合だけは許さん。一発かましてやれ、ダチ公!!!」

 

俺はそう言ってシグレを送り出した。

 

「リーダーがそう言うなら仕方ないか………」

 

カラスマも一応納得したようだ。その時、ミカゲがシグレに歩み寄り、唐突にビンタした。

 

「グフッ………!?」

 

全員があっけにとられる。

 

「ぶったな!!!親父にもぶたれた事ないのに!!!」

 

突然の事だったのにここでアムロの台詞が出てくる辺り、シグレはかなりのガンダム通だ。

 

「うるさい黙れこの与太郎が……これはカラスマの分だ………負けたらむこう一カ月『戦術屋(笑)』と

呼んでやるからな……」

 

ミカゲが地味に嫌な罰ゲームを宣言した。

 

「わかったわかった………それじゃ、今回の選出メンバーはシグレ小隊よりホンダ、ミツビシ、マツダ、スズキで決まりだな………」

 

シグレはそう言いながらバトルの参加メンバーリストの編集を行う。

 

「待ってください!!」

 

さっきまで静観していたユウが前に出た。

 

「兄さん、私をこのバトルに参加させてください。サタケの事件の時、私はなんの役にも立てなかった……私だってフリューゲルに貢献したい………だから………だから……私を参加させてください!!」

 

「ユウ、お前そんな風に思ってたのか………OK。スズキ、悪いが今回はユウと交代だ」

 

フリューゲル選出メンバーは、

 

シグレ

ホンダ

ミツビシ

マツダ

ヒイロ・ユウ

 

に決定した。

 

クロside 終

 

 

 

カラスマside

 

 

第七機甲師団との再戦当日、フィールドはルナツーと、その周辺中域に決定してバトルが開始する。

ロンメル大佐が取った戦法はというと、()()()()()()()()()だった。

 

ロンメル大佐のグリモアレッドベレー以外の機体は全てアーミーカラーのAGE-2アルティメスがベースの改造機体だ。

AGE-2アルティメスの特徴を簡単に表すならステルスメタ機。

ステルスで隠れた機体そのものではなく周囲の空間に漂う宇宙塵の動きを分析する事により間接的に位置を割り出す。

 

「君のガンプラ、イフリートナハト・アメジスティアーは確かに素晴らしい機体だ……イフリートナハトのステルス性能を残しつつ換装機能による高い汎用性、更にはツインドライヴシステムにより個の力も高めている。しかし、ステルス機能を封じればその脅威は半減する」

 

ロンメル大佐の分析した通り、ステルス封じはシグレ対策として有効すぎる。

シグレに為す術はないかと思われた。しかし、シグレとシグレ小隊は戦術換装を駆使して正面からロンメル隊と渡り合った。

シグレ小隊の僚機ウィステリアザクは全機がアメジスティアーと共通の換装機能を持ち、アメジスティアー用の武装パックを運搬、運用できる。更には戦場で2機が合流すれば戦闘中でも部隊内で換装が可能。唯一ユウのガーネットレイジだけは戦術換装に対応していないがシグレは4種類の武装パックをシャッフルしてロンメル隊を翻弄していた。

 

 

カラスマside 終

 

シグレside

 

 

「マツダ、俺と合流。戦術換装フォーメーション、コスモtoフルセイバー!!!」

 

もう何度目かもわからない戦術換装、ブースター装備のコスモパックとソードビットウェポンのフルセイバーパックを交換する。

バトルの制限時間も既に三分の一を切った。

 

「なかなかやるな………シグレ君!!!」

 

ロンメル大佐のグリモアレッドベレーが俺の前に姿を現した。

 

「ここで大将機を落とせば………!!!行くよ、兄さん。トランザム!!!」

 

「待て、ユウ!!」

 

俺が止めるのも聞かずユウのガーネットレイジがトランザムを使用してグリモアレッドベレーとの間合いを詰めるが、

 

「ふむ………トランザム相手では分が悪い。シグレ君との決着はひとまず預けた」

 

グリモアレッドベレーはユウではなく、まだトランザムを残している俺を警戒してか撤退していく。

 

「逃げないでください……!!ツインバスターライフル!!」

 

「やめろ!!深追いするな」

 

ユウはツインバスターライフルの圧倒的火力でグリモアレッドベレーを追撃するがロンメル大佐は当たれば即撃墜の巨大ビームによる猛攻を平然と回避してユウをあるポイントへとおびき寄せる。

 

「チェックメイトだ」

 

「!?」

 

レーダー波を遮断するシートで姿を隠していた伏兵2機がガーネットレイジに襲いかかった。すぐさまツインバスターライフルを捨ててヒートサーベルを抜くガーネットレイジ。

トランザムのスピードとパワーには敵わず瞬殺される2機だったがその2機が稼いだ時間は、ガーネットレイジの()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「言ったはずだ……チェックメイトだと」

 

トランザムが切れて動きが鈍ったガーネットレイジにグリモアレッドベレーがシザークローを展開して襲いかかる。ヒートサーベルが破壊された。グリモアレッドベレーがガーネットレイジに銃口を向ける。

 

「そんな………まだ………まだ私は………兄さんの役に立ててない!!!」

 

ユウは悲痛な叫びを上げた。

 

シグレside 終

 

 

ユウside

 

また、役に立てなかった…………

少しでも兄さんの力になろうと焦って、空回りして、結果的に兄さんの足を引っ張ってしまった。情けなくて涙が出てくる…………兄さんと一緒に作ったガーネットレイジも私には宝の持ち腐れ、ガーネットレイジだって呆れてるよね?ごめんなさい………

私が諦めかけたその時、ガーネットレイジから炎のようなオーラが溢れ出す。

 

「!?」

 

「ヌゥ………!?」

 

トランザムの輝きにも似た、同時に攻撃判定をも持ち合わせているらしい炎のオーラに堪らず距離をとるロンメル大佐。

 

「まだ………私と一緒に戦ってくれるの……?ありがとう、ガーネットレイジ………」

 

「これが私の必殺技………トランザムバーニングレイジ!!!」

 

さあ、反撃開始だ。私はもう、泣いてはいなかった。

 

 

ユウside 終

 

 

シグレside

 

追い詰められたかに見えたユウのガーネットレイジは、死に瀕した不死鳥が自ら炎に飛び込み蘇るかの如く燃え盛る炎のオーラを纏い再び立ち上がった。

 

「これはむしろチャンスかもな………ユウに加勢する。リィラトランザム………!!!」

 

俺はアメジスティアーの両手にダブルオーから流用したGNソードⅡを装備させてユウの援護に向かう。残った2機のAGE-2アルティメスが立ちふさがるが1機は動力部にビームを撃ち込み爆散させてもう1機はすれ違いざまに斬った。

 

「これは………俺の戦いだ!!!俺の………!!俺達の………!!」

 

ソードビットウェポンを全基展開してグリモアレッドベレーを牽制、その隙にグリモアレッドベレーのライフルをビームで撃ち抜いた。

 

「やっちまえ………!!ユウ!!!」

 

「チェストォォォォ!!!」

 

ユウが駆るガーネットレイジの拳がグリモアレッドベレーを打ち砕く。

 

「見事だ………」

 

制限時間は残りわずかだがロンメル大佐を討ち取り同点に並んだ。しかし、ここでロンメル大佐の最後の一手が俺達に牙を剥く。

ロンメル大佐が倒されるまでの時間に撃墜後のクールタイムを終えた4機のAGE-2アルティメスが俺達を強襲した。

ユウも俺も完全にパワー切れ、打つ手は既にない…………っていうと思ったか!!!

 

「こっちも最後の一手だ………やれ!!!ホンダ、ミツビシ!!!」

 

奥の手としてあらかじめフィールドに隠しておいた対艦ライフルを回収して装備したホンダのザクⅡウィステリアと、ミツビシのザク・ハーフキャノンウィステリアが同時にAGE-2アルティメス達に砲撃を仕掛ける。ギリギリで気づかれてアルティメス達は回避行動をとった為に1機しか倒せなかった。そこでタイムアップ。

結果は、わずか10ポイント差でフリューゲルの勝利だ。

 

 

シグレside 終

 

 

ロンメルside

 

勝負は時の運、とはよく言った物だ………私とシグレ君の指揮官としての力には今回のバトルにおいて見ればそこまでの差はなかった。

では何が勝負を分けたのか?それはおそらくシグレ君の妹、ユウ君だったか……?彼女の意志の力もあったのかもしれない。

あのタイミングでユウ君が必殺技を獲得しなければこの勝負はまた違う結果となっていただろう。

かつて私の部下であったシグレ君だが、これからはライバルとして認めるしかないようだ。

ああ、本当に………これだからGBNはやめられない。

 

 

ロンメルside 終

 




ギリギリのラインとはいえ無事、ロンメル隊にリベンジを果たしたシグレでした。
今回はサブタイだけでなく作中でもグエル君の台詞を2度に渡ってオマージュしました。
さて、ここらで勝利の鍵となったユウの必殺技、トランザムバーニングレイジの解説をします。
トランザムバーニングレイジの発動条件はズバリ、「その戦闘中既にトランザムを使い切っている事」
単純に考えたらトランザム切れた後もう一度トランザム出来るに等しい必殺技です。更にはこの技の最中に放つ炎のオーラじたいに攻撃判定があり、武器に纏わせて威力上げたりできます。
おそるべしボーイッシュ武闘派妹………
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