ガンダムビルドダイバーズフリューゲル 作:ポメラニアンドロイド初号機くん
それでは、どうぞ。
カラスマside
サタケの事件の後、アステリアとアルテミスには現実世界での身体となるモビルドールが用意されて今後もフリューゲルと行動を共にする事となった。
最初は事件の時の負い目からなかなか馴染めなかったアルテミスもアステリアのおかげで今ではすっかりフリューゲルのメンバーとも打ち解けていた。
そして、今はペリシアにいる。アステリアとアルテミスにじっくりと色々なガンプラを見せる為に。
「……………凄い…………どのガンプラもみんな嬉しそう………」
「そうだね、アステリア………GBNってこんなにも愛に溢れた場所なんだね………」
感動している様子の二人、連れてきて良かった。
「その通り。個人の技術の差はあれど、GBNは誰もが自分の『好き』を表現できる素晴らしい場所さ」
そんな声に俺達が振り向くと、そこにはロータスチャレンジver.エルドラの時に一度だけ会った事がある有名ビルダー、シャフリさんがいた。しかもビルドダイバーズのコーイチさんと一緒に。
「シャフリじゃないか!!久しぶりだな~!!」
妙に親しげなジュピターさん。まさか知り合い?顔が広すぎない?
「相変わらずビルダーとしての技術もバトルの強さも規格外のようだねジュピター。聞いた話では、一度カラスマ君に負けたって本当かい??」
穏やかな表情ながらライバル心剥き出しで言葉に皮肉を込めるシャフリさん。しかし、
「あああれか!!負けた負けた。カラスマの奴、アタシの必殺技ごとジ・オを消し飛ばしやがってさぁ~」
ジュピターさんにめちゃくちゃ明るく笑い飛ばされた。ジュピターさんが俺の肩を叩きながら笑っている。痛い痛い痛い(←物理的に)
シャフリさんの 皮肉 攻撃
ジュピターさんには 効果が ないようだ
「やはりコイツは苦手だ………(ボソッ)」
シャフリさんもジュピターさん相手では調子が狂うらしい。ジュピターさん、実際めちゃくちゃコミュ力高いからな………
「それはそうと、シグレ・ソウスケ君と少し話したい」
気を取り直してシャフリさんは話を切り出した。
「はいどうもご指名のシグレ・ソウスケです」
気の抜けた態度でふざけた事言ってるシグレ。
「もしかして、君のお父上はプロビルダーの、
シグレが苦虫を噛み潰したような表情になった。
「そうっスけど、もしかしてペリシアで親父に会いました??」
真剣な表情で尋ねるシグレ。リアルで何があったというんだ……
「ああ、会ったよ。向こうの広場で最新作のガンプラを展示していた。今はリク君達と一緒にいるはずだ」
「しかし驚いたな……ソウスケ君がかつてのGPデュエルプロリーグの強豪チーム、『モルゲンアウト』のコウスケさんの息子だなんて……モルゲンアウトは僕にとっても憧れだったから………」
感慨深い様子のコーイチさん。
「あのヤローふざけやがって……」
一方、コーイチさんの話など聞いていない様子のシグレがシャフリさんの指さした広場の方に走っていく。
とりあえず俺達も追いかける事にした。
「テメェ見つけたぞ!!!積みプラクソ親父!!!!」
「ソウスケ………!?何故ここに………!?というか何故ここが分かった………!?」
「シャフリさんに聞いたんだよ………押し入れの積みプラ整理しろって言ったら『探さないでください』って書き置き残していなくなりやがって………こんな所で油売ってる暇あったらとっとと帰って積みプラを減らす努力をしやがれ!!!それができないなら積みプラ全部俺によこせ!!」
「この前俺のHGイフリート改を強奪したばかりじゃないか!!!新品でまだ箱も開けてなかったんだぞ!!」
「それはそれ、これはこれ。あのイフリートはユウのGBNデビュー祝いだ。可愛い娘の為ならそれくらい安いもんだろ??積みプラクソ親父」
シグレに追いついた俺達が見た物は、なんか、プロビルダーとその息子が同レベルの親子喧嘩をしている姿だった。
というか、フリューゲルのシグレ・ソウスケ、俺達の仲間だった。
どちらもヒートアップして、一歩も譲る気配はない。その時、
「こっちだよ、母さん」
「探しましたよ、コウスケさん…………」
ユウがめちゃくちゃスタイル良くて青みがかった銀髪の美人な女性ダイバーを連れてきた。
「あ、アカリさん………これは家出とかそんなのじゃなくてですね?積みプラを作る前にペリシアでインスピレーションを得ようかと………」
タジタジになってるコウスケ氏。誰この人??只者じゃなさそうだけど。
「ガンプラ七天流師範代のナナミヤ・アカリ氏まで……失礼、今はシグレ・アカリ氏でしたね……」
「お久しぶりですシャフリヤールさん。ボクの事を覚えていてくださって光栄です」
俺達に追いついたシャフリさんがユウの連れてきた女性ダイバーに挨拶した。
話がどんどん大きくなってる………シグレの親父さんがプロビルダーで元GPデュエルプロリーグの強豪チームメンバーで、その奥さんがガンプラ七天流の師範代で(しかも一人称がボク)………情報量多すぎ。
「つまり、シグレ家全員集合………って事だな」
説明ご苦労さま、シグレ(←ソウスケ)。
「コウスケさんの積みプラ、泣いてますよ………ガンプラの泣き声がボクにもはっきりと聞こえました」
「ウッ………おっしゃる通りでございます……すみません………」
コウスケ氏はアカリさんには頭が上がらないようだ。
それにしても、ガンプラの声が聞こえるって………まるでアステリアみたいな事言ってる………不思議な人だ。
「母さんは共感覚者でな、この才能ゆえに若い頃は『ガンプラ七天流の天才少女』と呼ばれてたんだ」
なるほど……
「ソウスケ………それはもしかして、ボクはもう若くないって意味ですか………?」
穏やかな表情でシグレ(←ソウスケ)に圧をかけるアカリさん。
「スミマセンでしたぁぁぁぁ!!!」
シグレ(←ソウスケ)が全力で謝ってる………アカリさん怖すぎだろ。
「とにかく、あのまま積んでたらガンプラがかわいそうです。誰かに譲るなり作るなりしないと………押し入れのスペースもそろそろ限界ですし」
「頑張って作るのでリサイクルショップ行きだけはご勘弁を………!!!」
コウスケ氏は土下座しながら懇願した。
「なら、ガンプラバトルで決めようか。積みプラ整理を手伝ってやる。モルゲンアウトとフリューゲルでガンプラバトルして、フリューゲルが勝ったらその積みプラをアタシがいくらか貰う。で、その後フリューゲルのメンバーに配る。その方が面白そうだ」
ジュピターさんがそう言って間に入る。
もはやめちゃくちゃだ。意味がわからない………というかその条件、コウスケ氏になんの得もなくないか?
「ふざけた話だが……、舐めるなよ………!!俺はモルゲンアウトのシグレ・コウスケ………!!!自分自身の夢も、好きな子の笑顔も、全てを手に入れた男だ!!!」
バトルを挑まれて黙っていられなかったのか、はたまた何か譲れない物があったようで意外にもコウスケ氏はあっさり乗ってきた。
こうして、ビルドダイバーズとシャフリさん、アカリさん、フリューゲルの他のメンバーが見守る中、フォース「モルゲンアウト」とフリューゲルの3on3バトルが始まった。
カラスマside 終
コーイチside
あのモルゲンアウトとフリューゲルが積みプラをかけてバトルを始めた………少し意味がわからない状況だけど、このバトルは見逃す事はできない。
フィールドはヘリオポリス。
フリューゲル側はカラスマ君とミカゲちゃん、シグレ君の三人、対するモルゲンアウトは………
「ヤシロ・エイジ……アストレイゴールドフレームセカンドE……」
「シグレ・コウスケ、ブルーフレームセカンドK………」
「クドウ・タクロウ、レッドフレームタイプT………」
「「「バトルスタート!!!」」」
GPデュエル時代から変わらないフルメンバーだ。
「コーイチさん、俺、GPデュエル全盛期の事はよく知らないんだけど、モルゲンアウトってどんなチームなの?」
リク君がそう尋ねてきた。
「モルゲンアウトの戦法は至ってシンプル、敵戦力の徹底的な分断と各個撃破だね。一人辺り一機抑えてそもそも敵に連携させない戦い方だよ」
「まずエイジさんのゴールドフレームセカンドEが、ミラージュコロイドステルスやカーボンネットなどの特殊兵装で隙を作り確実に相手を仕留めるポイントゲッター。コウスケさんのブルーフレームセカンドKが圧倒的な機動力と汎用性の高い武装の万能型、タクロウさんのレッドフレームタイプTは四刀流使いの剣豪機で、カラスマ君に近いタイプかな」
「へ〜参考になるなぁ………」
リク君は納得したようで目の前のバトルに視線を戻す。
コーイチside 終
シグレ・ソウスケside
「モルゲンアウトの戦法はバトル前に調べた、下手に連携しても崩される事は目に見えてる。だから………親父は俺が討つんだ………今日………!!ここで………!!」
「さあこい我が息子よ!!!」
なんか親父めちゃくちゃノリノリだな………おおかた、母さんの前でカッコつけたいだけだろうけど………
俺はGNソードⅡを両手に持ち、新装備のライザーパックを装備したアメジスティアーを加速させる。
「覚悟しろ……この積みプラクソ親父!!!」
GNソードⅡとライザーパックのGNミサイルを乱れ撃ちながら間合いを詰めた。当然回避されたがここまでは想定内。
「行くぜ………カノン!!」
充分に間合いを詰めた後に右手側のGNソードⅡを一度マウントし直して右手で、腰に下げた多目的ハンドリボルバー「カノン」をメインカメラめがけて素早く抜き撃ちした。
「甘い!!!ハンドガンごとき………」
親父のブルーフレームは左腕の装甲でカノンの弾丸をガードした。いくらアストレイが紙装甲とはいえ、ハンドガン程度では致命傷にはならない。だからまず装甲で受けてメインカメラを守る。確かに正しい判断だ。これが
「ヒット……スモークバレット………」
カノンをホルスターに納めながら呟く。
弾丸が命中した箇所から黒煙が吹き出し、ブルーフレームの視界を覆う。
「クソっ………油断した……」
親父のブルーフレームは高速機動でその場を離れ、煙を振り払おうとした。だが、俺のアメジスティアーは既にジャミングを起動して背後に周っている。青く塗られた強化フライトユニットをGNソードⅡで斬った。
「まだだ………!!!」
一瞬速くフライトユニットをパージした親父のブルーフレームが、レッドフレームから流用したバックパックよりビームサーベルを抜き放ち、振り向きざまにGNソードⅡを破壊した。
「まだもう一つ………」
「ところがギッチョン!!!」
もう一つのGNソードⅡもビームサーベルで斬り飛ばされた。
「終わりだソウスケ………!!!」
両手にビームサーベルを構えた親父のブルーフレームがアメジスティアーに迫る。これは、あれをやるしかないな………
「リィラトランザム!!!」
ライザーパックで強化されたリィラトランザムの爆発的な機動力で回避して、腕部複合武装ガントレットからビームダガーを発振させて斬りかかる。
「親父ィィィィ!!!」
両方の腕を斬り落として親父のブルーフレームにはもう何も武器はないはずだった。しかし、
「ソウスケェェェェ!!!」
親父のブルーフレームはつま先からアーマーシュナイダーの刃を展開して、ビームダガーでコックピットを貫かんと襲いかかるアメジスティアーのコックピットにカウンターのキックを放った。リィラトランザムの加速により避ける事すらできずに機体が致命傷を受けた。
それと同時にブルーフレームのコックピットをビームダガーが貫く。
シグレ・ソウスケside 終
アメジスティアー、ブルーフレームセカンドK、両機撃墜。
ミカゲside
ヘリオポリス内の市街地マップ、
虚空よりガトリングが放たれる。ミラージュコロイドで姿を隠したゴールドフレームのコンバインシールドによる物だ。
こちらもシールドで防ぎ、素早くガトリングを撃ち返す。
「やはり、ミラージュコロイドは自分で使う分には良いが他人が使うと面倒だな………」
「そういうお前もさっきからミラージュコロイドで姿を隠してる俺の奇襲を全部躱しやがって………自信なくすぜ……こちとらこの技術でGPデュエルのプロやってたのによ………」
ゴールドフレームのダイバー、ヤシロ・エイジがぼやく。
「そうだな………お前と戦うのが、
「あ?何言ってんだ??」
「カラスマは確かに強いが、アイツの戦い方はクソ真面目で、馬鹿正直で、ストイックだからな……だから、私のようなひねくれ者がお前の相手で良かった…………!!!」
「貴様はカラスマにとって邪魔な存在だ……私がそう判断した、ゆえに………恋の炎に抱かれて消えよ………!!!燦然世壊、恋獄大炎照!!!!」
「クソっ!!このタイミングで必殺技かよ!?」
ミラージュコロイドで姿を隠すのなら、辺り一帯に恋の炎を放ち、炙り出すのみ…………。
「ハハハハハハ……………!!!!!燃えろ燃えろ燃えろ燃えろ燃えろ燃えろ燃えろ燃えろ燃えろ燃えろ燃えてしまえ………!!!!!!」
ミカゲside 終
ゴールドフレームセカンドE、マップもろとも燃やされ撃墜。
カラスマside
「お、あんたも四刀流かいな………腕がなるってモンや!!!行くで〜、魔○剣!!!!」
クドウ・タクロウの、戦国アストレイの肩アーマーとノーマルのレッドフレームのフライトユニットを付けたレッドフレームが刀を振るった瞬間、斬撃が間合いを無視して飛んできた。
すごい技だけど、あんたはとりあえずバンナムさんに怒られろ!!!
「まだまだや!!魔○剣!!魔○剣双牙!!!魔○連牙斬!!!」
タクロウが魔○剣(マジでバンナムさんに怒られないか?)をやたらめったら連打してきた。遠近ともに隙のない剣豪機、それがレッドフレームタイプTだった。
「突撃あるのみ………!!テトラスタイル、四剣ノ型!!!」
俺は四剣連携の絶技により機体前方から側面にかけて絶対防御領域を作り出す。四剣ノ型は攻防一体ではあるが本来、防御寄りの技。だからこれが本来の使い方だ。
「しゃらくさい………三枚におろしたる!!!!」
なかなか仕留められない事に痺れを切らしたタクロウはまっすぐ突っ込んでくる俺に対して間合いを詰めて正面からの戦いを挑む。
それは俺も望むところだ。四剣対四刀、タクロウと俺は何度も斬り結ぶ。
「なんやけったいな技やな………あんたホンマに人間かいな?」
「そういうそっちも、俺の四剣ノ型に正面から斬り合えるのなんて今までチャンピオンとジュピターさんしかいなかったんだぜ………マジで自信なくすわ……バケモノかよ」
「妖怪切り裂きカラスに言われたないわ~」
「誰が切り裂きカラスだゴラァ!!!」
怒りに任せて四剣連携の斬撃の途中にハンターエッジを伴った蹴り技を放つ。
「ワワッ……!!蹴りはアカンて!!!」
予想外の不意打ちに怯むタクロウ。今がチャンスだ。
「悪いな………俺のバエル・フギン=ヴィゾフニルは………
俺はミノフスキーウイングの加速力を利用した踵落としでガードもろともタクロウのレッドフレームタイプTの頭をかち割る。
「そんなアホな〜〜〜〜!?堪忍してや〜〜〜〜!?」
タクロウ、撃墜。
カラスマside 終
勝者、フリューゲル
シグレ・ソウスケside
「さて、約束通りアタシが積みプラ整理を手伝ってやる」
バトルに負けてうなだれている親父に対してジュピターさんは笑顔でそう言った。鬼だ………
「ありがとうございます。きっとコウスケさんの積みプラもその方が喜ぶはずです」
「送り先はこの住所に着払いで」
母さんとジュピターさんの間で着々と話が進んでいる。
「SEED系だけは…………それ以外全部持っていっていいからSEED系だけはご勘弁を………!!ジンハイマニューバ2型とかハイネグフとかもあるんだ………あれを現代基準でフル可動化したいんだ………」
「わかったわかった。親父がSEEDヲタなのはわかったから」
とりあえずSEED系は見逃してやろう。今日は帰って積みプラ整理だな……
帰ってから俺が見た物は…………、
「なんじゃこりゃぁ…………!!!
謀ったな親父…………!!!
シグレ・ソウスケside 終
シグレ家、ガチのガンプラ一家な件について。
もともとアカリの家がガンプラ七天流の道場で、そこに通ってたコウスケが最終的にアカリと結婚してのちにシグレ・ソウスケとシグレ・ユウトが生まれました。
ガンプラ七天流の極意は「自分が作るガンプラへの理解」です。例えば、ストライク作るならストライクの機体特性なり系譜なりを理解して強みを伸ばしたり弱みを補ったり、はたまた自分用のガンプラとして元の特性を残しながら機能を足したり。シグレ・ソウスケにもしっかりその極意は引き継がれています。
それはそうとシグレ・コウスケ、本当はめちゃくちゃ凄い人のはずなのに普段のシグレ・コウスケは積みプラという名の可能性に押し入れを殺されかけてる残念な大人です。息子のシグレ・ソウスケからも「積みプラクソ親父」と呼ばれる始末………
ちなみに、モルゲンアウトの名前の由来はメンバー全員がアストレイ、つまりオーブのモルゲンレーテ社で開発された機体(←自分の記憶が正しければですが)を使用している事からモルゲンレーテをもじってモルゲンアウト………となりました。
フォース「モルゲンアウト」の使用ガンプラはイメージの上ではプランができているのでそのうち作るかもしれません。