ガンダムビルドダイバーズフリューゲル 作:ポメラニアンドロイド初号機くん
それでは第二話、どうぞ。
フォース
俺たちは悪夢を見てるのだろうか?眼前のイフリートナハトの改造機体1機にフォースメンバーが次々と狩られていく。既に俺のダチのデュナメスとヴァーチェがバラバラにされて行動不能、手下のジンクスやアヘッド共も切り刻まれて死屍累々だ。
「ふ〜ん……最近ここいらでポイント荒稼ぎしてるからどんな物かと思えば、ただの烏合の衆か……」
イフリートナハトのダイバーは余裕たっぷりにそう言った。機体色に明るい紫が混じったイフリートナハトがコールドブレードを右手に持ち紫のモノアイを光らせながらゆったりと俺のエクシアに迫る。その姿は死神を思わせた。
「なんだよ!?ちょっと初心者カモっただけだろ!!なんで俺たちがこんな目に合わなきゃならねぇんだよ!!」
「いや、確かにあんたらは悪質なダイバーだが別に恨みはない。強いて言うなら運が悪かっただけだ。たまたま俺が悪質ダイバーや悪質フォース狩りの賞金稼ぎをしてただけの話だよ」
イフリートナハトのダイバーは一方的にそう告げると、バックパックに接続された可動アームに懸架されている鞘からもう一本の刀を抜き放つ。
「幻夜、抜刀……」
「思い出した……てめぇ夜天の……!!」
叫びながらほぼヤケクソでせめて一矢報いようとエクシアのGNソードを振るう。
そこまで言った辺りでイフリートナハトが左手の刀でGNソードもろとも俺のエクシアの右腕を切り落とした。
「ここは俺の距離だ……なんてね。そうそう、よく知ってんな。俺が夜天のシグレだ」
夜天のシグレが駆るイフリートナハトが両手の刀で俺のエクシアをバラバラに切り裂く。
奴の言葉を最後に俺の意識はフェードアウトした。
フォース 徒乱座武side 終
今日も学校帰りにすぐGBNにログイン。楽しみがあるというだけでいつも通りの一日がとても張りがあり充実した物となった気がする。
「よ〜っす。今日も修行だ。今日は宙間戦闘やってみるか?」
出会い頭に本日の課題を提案するジュピターさん。俺がどんどん上達するから教えるのが楽しいみたいだ。
「そっすね。宙間戦闘、ご指導おねがいします!」
そんなこんなで宙間戦闘系のミッションを選択、格納庫へ。今回はジュピターさんも同行するようだ。
「カラスマ・ユウゴ、ヤタガラス。飛翔する!」
「ジュピター、ジ・オ。出るぞ」
カタパルトから飛び出した2機の巨躯が宇宙空間を駆ける。と、なんかナレーションみたいになったけどガンダム作品の
ワンシーンみたいで自然とテンション上がってくる。
「宙間戦闘は平衡感覚を失ったらアウトだ。接敵時は基本的に敵機体を軸にして動け」
ジュピターさんが敵の黒い三連星ザクを指差して言った。手は出さないつもりらしい。
俺はウェポンスロットからビームライフル(シナンジュの物を流用)を選択して射撃。一射目は当然のように躱される。黒い三連星が散開した。とりあえずマッシュ機に狙いを定め、ビームライフル銃身下のグレネードランチャーを発射、そして時間差で少し狙いをずらしてビームライフルでの射撃。
すると狙い通りマッシュ機はグレネードに対して回避行動をとる。無造作に撃ったがNPD機のザクを撃破するには充分な攻撃値なので回避するのは当然、そこまでは予測済み。
そしてザクの回避した先にビームが着弾、動力部に直撃して爆散した。
いわゆる置きビームってやつだ。
『マッシュの仇!!』
ガイア機がザクバズーカを三連射してきた。慌てずに首の横に配置されているビームガン(クロスボーンの胴体に付属する物。引き抜いてビームサーベルとして使える)で弾頭を迎撃。爆煙により視界が遮られた。
『奴はどこだ??』
ヤタガラスを見失ったガイア機はバズーカのマガジンを交換しながら辺りを見渡す。
「下だよ……ってもう気付いても遅いか……」
既にガイア機の真下の空間に位置取りしていた俺はビームライフルでガイア機のランドセルを破壊、続けて頭部とバイタルパートをビームライフルで射抜き撃墜した。
『ガイア……!?許さんぞガンダム!!』
オルテガ機がジャイアントヒートホークを構えて吶喊してきた。射撃ばかりというのも芸がないので武器をビームブレードに切り替えて迎撃する。
オルテガ機が間合いを詰め、ジャイアントヒートホークを大きく振りかぶってスラスターで回転をつけて振り抜く。
流石に正面から受け止めるのは機体強度的にもパワー的にも自信が無いので素直に回避。そのまま踏み台にしてジャンプしてから急降下で頭から竹を割るように両断した。
「簡単だったっすね。宙間戦闘の基礎はこんな感じで大丈夫っすか?」
「これでも物足りないってマジかよ……この黒い三連星も本来初心者にやらせるようなミッション内容じゃないんだがな……まあ合格だ」
その時、遠くの空間で何かが光ったように見えた。スラスターの光だ。追う側と追われる側、2機のモビルスーツのようだ。
「たぶんろくでもない話だろうがまあ、行ってみるか……ついてこいカラスマ!」
ジュピターさんがジ・オのスラスターを全開で急加速して光の見えた方に向かい飛び立つ。
「了解っす」
俺もヤタガラスでジュピターさんを追う。
光が見えた辺りの宙域に近付くと、オープン回線で通信が入った。
「だ、誰か!?助けてッ!!あのイフリートナハトを追い払ってェ〜!!」
通信はボロボロのストライクルージュ改造機からの物だった。オネエ口調の男性ダイバーがグレイズアインの足を背中にサブアームとして付けた変な見た目のストライクルージュで何かから逃げるように飛んでいた。
「イフリートナハト?」
イフリートナハトは本来陸戦型の機体だ。こんなところにいるわけが…………
いたよ……。背中にブースターつけて宇宙空間をかっ飛ぶイフリートナハトが。オネエ口調のダイバーのストライクルージュを追いかけてきたようだ。
「ヒッ……!!」
ストライクルージュがヤタガラスの後ろに隠れる。
「そのオカマをこっちに引き渡せ。お前らに危害は加えない」
イフリートナハトのダイバーからの通信だ。
「断る。この人は助けを求めてた。それに、あんたは信用できない」
イフリートナハトのダイバーの要求をきっぱりと拒絶する。
「そいつは初心者狩りの悪質なダイバーだ。別に恨みはないが一度依頼を受けたからには狩らなきゃならん。依頼主は仇討ちを所望だからな」
イフリートナハトのダイバーは冷静にそう言い放つ。
「仮にその話が本当だとして、あんたは義賊気取りな訳?それはご立派な事で……」
皮肉を込めてそう言い返してやった。
「ムカつくな、お前……」
「奇遇だな、俺もだよ」
ガンプラのカメラ越しに睨み合う俺とイフリートナハトのダイバー。
「イフリートナハトを駆る賞金稼ぎ……どこかで聞いた事あるような……」
ジュピターさんは何か考え込んでいる。
「思い出した!!こいつ、夜天のシグレだ。元、第七機甲師団所属でAランク帯ではそこそこ有名な傭兵兼賞金稼ぎ!!」
ジュピターさんがイフリートナハトを指差して唐突にそう言った。その直後、
「アハハハハァ!!」
オネエ口調のストライクルージュの改造機のダイバーが背後からヤタガラスを羽交い絞めにした。
「なっ……!?」
突然の出来事に反応ができない。ストライクルージュの改造機は背中に付けたグレイズアインの足先のドリルをヤタガラスに向けてきた。
「全員動かないでちょうだい、この子は人質よ。ワタシはこのままトンズラさせてもらうワ♡」
「ほら言わんこっちゃない。お人好しが……」
イフリートナハトのダイバー、シグレが呆れたように呟く。
「オイテメェ……アタシの弟子を離せよ。ブチ○すぞ……」
ジュピターさんが凄む。その瞬間、空気が変わった。ハマーンやシロッコの放つニュータイプ能力によるプレッシャーのような凄まじい威圧感。人質にされてるはずの俺まで鳥肌が立つ。
プレッシャーのせいでジュピターさんのジ・オがサイコガンダムくらいのサイズまで巨大化しているように錯覚した。
「ち、近付かないで!!」
明らかに気圧されてるオカマダイバー。次の瞬間、ジュピターさんのジ・オがオカマダイバーが駆るストライクルージュの背後に瞬間移動した。いや、違う。瞬間移動と錯覚するほどの高速移動。あのジ・オはユニコーンガンダムデストロイモード並みの機動力を持っているとでもいうのだろうか……なんかド○ゴン○ールのバトルシーン見てるような感覚だ。
「アタシの弟子を返してもらうぞ!!」
ジュピターさんはそう叫ぶと、ジ・オを駆りストライクルージュの背中に付いてるグレイズアインの足を千切った。
しかも、ジ・オのマニュピレーターで。
ちなみに、オカマダイバーは恐怖のあまり失神した。(ついでに言うと、ハイエナのラルフって通り名らしい)
その後、
「しかしこれ、どうすっかな?」
シグレがラルフのストライクルージュを指差しそう呟いた。
「ラルフを倒したのは俺じゃねえし、報酬もらえるかどうかも怪しいぞこれ……」
「なら、手柄を譲ってもいいぜ」
ジュピターさんが意味ありげに笑いながらそう言った。
「マジで?」
「ただし条件がある……」
ジュピターさんがシグレに提示した条件とは……
「夜天のシグレ、アタシの弟子になれ。お前は依頼主から問題なく今回の報酬をもらえる。アタシは優秀な弟子を取る事ができる。win-winだろ?」
「確かにあんたくらい強いダイバーの弟子になれば得る物も多そうだ。その条件、乗った」
こうして、夜天のシグレがジュピターさんの弟子になった。
補足編
最初の方に出てきたフォース 徒乱座武(トランザム)は荒くれ者が集う悪質フォースです。主に初心者狩りやフォース戦で負けた相手から多額のビルドコインを巻き上げたりとか、たちの悪い事をやってます。それで被害にあったダイバー達からの依頼でシグレが仇討ちしに行くという流れです。