ガンダムビルドダイバーズフリューゲル 作:ポメラニアンドロイド初号機くん
カラスマside
新年早々、停泊中のジュピトリスの目の前にヨヅキの天津九尾頑駄無と黒いシルヴァ・バレトとスナイパーライフル持ちのエアリアルが現れる。
「カラスマ〜♡会いにきたのじゃ〜」
ヨヅキからの通信。続いてブリッジに立った黒いシルヴァ・バレトのコックピットが開く。
「なるほど………ここがフリューゲルの本拠地か。私はクロツキ。先日の紅白戦では一緒だったな」
「アオイ・ヴァールハイトと申します」
クロツキとエアリアルに乗ってたアオイがガンプラから降りて姿を現した。
クロツキは和装狐娘風のダイバールックの少女だが、その雰囲気はチャンピオンに比肩する存在としての自負とプライドに満ちている。一方、狼耳ダイバールックメイドのアオイは実力者である事は間違いないのだが掴みどころがなく底知れない空気を纏っていた。
「今日は
「率直に言おう。シグレが欲しい。うちにくれ」
ヨヅキの言葉を遮りながらのクロツキによる唐突なヘッドハンティング宣言。
「って、えぇ!?クロツキ様!!わっちはそんな話聞いてないのじゃ!!」
「今言ったからな」
「そんな殺生な!?というか何故カラスマでなくてシグレなのじゃ?」
思えば当然の疑問だ。クロツキの答えは………
「カラスマは確かに強い。だが今の強さのままでひとまず落ち着いてしまっている節がある。現に奴のバエル、本当はリミッター解除も使えるのだろう?何故使わない。それに引き換えシグレは今でこそ燻っているがカラスマよりも強さに飢えているし、何より指揮官としての能力もある。そこが気に入った」
図星だった。確かに今のバエル・フギンでも俺自身への負荷を無視すればリミッター解除はできる。使えば更に上を目指す事もできるだろう。でも俺は
「勝手な事ぬかすなよクロツキ………そんなのアタシが認めると思うか?」
珍しく怒りを露わにするジュピターさん。しかしクロツキは平然としている。
「ダイバーなら、こういう時どうやって決めるかは明白だろう?それとも逃げるのかジュピター?そういえばお前は私に勝てた事なかったな。それでは永遠にクジョウ・キョウヤには届かない」
「…………」
ジュピターさんは何も言い返せずに黙り込んだ。
「お嬢様が失礼しました。では、3本勝負と致しますか。フリューゲル側からは3人選出で1人ずつお嬢様と戦い、一勝でもすればこの話はなかった事に致しましょう」
アオイが助け船を出す。
「アオイめ、勝手に仕切るな。まあ、そのくらいは譲歩してやらなくもない」
そうして、クロツキとの3本勝負が始まる。メンバーは一番手が俺で二番目にミカゲ、最後にジュピターさんとなった。
1戦目、
「ファンネルミサイル、フルバースト」
クロツキは初手でファンネルミサイルを豪快に使い切った。
「バエルソードファンネル!!」
俺はブレードホルダーバインダーにマウントされた予備のバエルソードをすぐさま展開して遠隔操作でファンネルミサイルを迎撃、四剣ノ型の構えに移り間合いを詰める。クロツキもデモリッションナイフを抜き放ち左手に持った。
「小手調べだ………ファンネル·インコム!!」
黒いシルヴァ•バレトの背部から展開されたインコムがバエル・フギン=ヴィゾフニルを襲うが、ナノラミネートアーマーによりダメージはない。しかしクロツキはインコムの射撃に織り交ぜてグレネードを撃ってきた。完全に油断していた為にモロに食らう。装甲が炎上した。まさか………焼夷榴弾!?
「バエルソードファンネル、防御だ!!」
インコムからのビームをバエルソードファンネルで防御しつつインコムのケーブルを切断する。しかし黒いシルヴァ•バレトのインコムは有線式と無線式を切り替えられるらしくなおもバエル・フギン=ヴィゾフニルに襲いかかる。
こうなればバエルソードファンネルで防御できているうちに四剣ノ型で畳み掛けるしかない。クロツキのシルヴァ•バレトとの間合いはまだある。全速力で接近して斬る………と思っていたのだが突然、シルヴァ・バレトのデモリッションナイフを持った左腕が伸びた。
鞭のようなしなやかさと遠心力による打撃。四剣ノ型ですかさずガードするがこの攻撃は重すぎる。デモリッションナイフ振り回してる時点で予想できてたけどこれはサブアームが壊れるから何度も受けられないな………
ガードした次の瞬間にはシルヴァ・バレトの両肩のバインダーからフックアンカーが射出されてサブアームに絡みつく。その直後、バエル•フギン=ヴィゾフニルのコックピットに電流が流れた。それで怯んだ隙にクロツキのシルヴァ・バレトはアンカーを巻き取りバエル•フギン=ヴィゾフニルを引き寄せてデモリッションナイフを一閃。為す術もないまま完敗した。
2戦目、
「カラスマの仇だ………恋の炎に抱かれて消えよ………燦然世壊、恋獄大炎照!!!」
初手で必殺技を使ったミカゲに対して、クロツキも必殺技を使ってきた。
「絶対猟域:
クロツキの必殺技の発動後、広範囲に彼岸花が咲き乱れた。
クロツキのシルヴァ・バレトが肩部ビームキャノンで恋獄大炎照の炎を吹き飛ばす。恋獄大炎照の炎の対処方法は純粋に高火力で炎を吹き飛ばすか、炎が燃え移った部分を切り離すか、無敵状態しかないのだがクロツキは火力で完全に恋獄大炎照を上回ってきた。しかもただのビームキャノンではありえない威力………おそらくクロツキの必殺技はバフ系だろう。
シルヴァ・バレトの周りの炎の壁が破られてミカゲへの道ができる。ミカゲはミラージュコロイドを起動して隠れようとしたが1手遅かった。シルヴァ・バレトの鞭のような斬撃で撃墜される。
3戦目、
「悪いが速攻で決める。禍津彼岸花殺生石!!」
戦闘開始と同時にクロツキは必殺技を使用。ジュピターさんも必殺技で対抗する。
「
ジュピターさんの最強の必殺技、全てを斬り伏せる無双の一刀は、禍津彼岸花殺生石のバフで強化された黒いシルヴァ•バレトのビームブレード2本で受け止められた。
「そんなものか………」
「ッ!?」
クロツキはジュピターさんの振り下ろすビームソードをパリングしてそのままジ・オを斬り捨てた。
フリューゲルの完敗だ。
「では、シグレは貰うぞ」
クロツキが冷酷な事実を告げる。
「待てよシグレ………」
「行かないで兄さん!!」
俺とユウはシグレを引き止めようとした。しかし、
「悪いカラスマ………俺は、お前を仲間だと思うと同時に超えたいと思っている………だから、クロツキのところに行く」
シグレは俺達に背を向けてそう言った。
「では、私達もお供します」
シグレ小隊を代表してスズキがそう宣言する。
「またな、カラスマ。俺達はどこまでもシグレ隊長について行くよ」
「マツダ………」
「決まりですね。では、フリューゲルの皆さんごきげんよう」
アオイがそう挨拶してエアリアルに乗り込む。続いてクロツキもシルヴァ•バレトに乗りシグレ達とともにジュピトリスから去っていった。
「すまない………アタシのせいだ。アタシがクロツキよりも強ければ………」
ジュピターさんは悪くない。誰一人としてクロツキに勝てなかったのだから仕方ない。
だが、シグレとシグレ小隊のメンバーがフリューゲルを抜けた。その事実は俺達の心に重い淀みを残した。
はい、今回はクロツキが無双してましたね~。これからフリューゲルどーなるんだ?って感じですがそれは未来の自分の仕事です。ついでにクロツキの必殺技、「禍津彼岸花殺生石」について解説します。この必殺技はカラスマの分析通りバフ系です。発動時に自機と味方機にバフを付与する特殊フィールドを展開するタイプの必殺技です。
バフの内容は、攻撃(全ての攻撃手段が必殺技級の威力になるくらい)、防御(相手の必殺技にもある程度耐えられるくらい)、全武装クールタイム半減、全武装弾数無限のバフを付与します。一見、ぶっ壊れに見えますが一度でも特殊フィールド外に出るとバフ効果が完全消滅する上にフィールドじたいの展開時間にも制限があります。
ちなみに、特殊フィールドの展開範囲には彼岸花が咲き乱れて視覚的にわかりやすくなってます。
禍津彼岸花殺生石はGBNでの必殺技でも非常に珍しい「固有結界型」と呼ばれるタイプです。