ガンダムビルドダイバーズフリューゲル 作:ポメラニアンドロイド初号機くん
今回はザクばっかり出てくる回になります。ザクⅡ大好きなので我ながら嬉しいです。ジオン系モビルスーツはだいたい好きだけど中でもザクⅡはデザイン面で完成されていると思うのですよ。ジ・オリジンのルウム戦役でのシャアザクはかっこよかったしテレビアニメ版ジ・オリジンで途中からオープニングテーマ曲がbeyond the time のアレンジ版に変わったのはまさに神がかり的な演出でした。
まあ個人的な話題はこれくらいにして、第四話、どうぞ
あの模擬戦以来、シグレは少しだが俺の実力を認めたようで馬鹿にした態度をとる事はなくなった。別に打ち解けたというほどではないけど普通に会話するくらいにはなった。
だけどEXAMの話題は禁句みたいになっていて少し気まずい。何があったか知らないけど流石に俺もわざわざその話題を追求するほど無神経ではない。とりあえずこの話題には触れないのが暗黙の了解となった。ゲーム内で相手の事情に深入りして自分から人間関係を壊す理由もないし。
それはそれとして、俺のダイバーランクがついにDになった。
「そろそろフォースを作りたいんですが……やっぱしメンバー少ねーっすよね?」
俺はジュピターさんに相談してみた。
「そうだなぁ……シグレ、心当たりとかないか?」
ジュピターさんはそれなりにGBN歴の長いシグレに尋ねた。
「GBNやってるリア友がいるにはいるけどあいつもう自分のフォースに所属してるからなぁ……こっちが向こうのフォースに入るかなんかすれば……いや、待てよ……なんとかなりそうだ」
ジュピターさんに何事か耳打ちするシグレ。なんか嫌な予感しかしない。
「シグレ、何話してんだ?俺にも教えろよ」
「だが断る!!このシグレ・ソウスケの最も好きな事は本来YESというべきところであえてNOと言ってやる事だ!!!」
シグレがめちゃくちゃキメ顔でひねくれた発言しやがった。たぶんこれが漫画だったらこのシーンだけ顔がリアルタッチになるところだろう。地味にムカつく。
「まあお前に全部話すと秘策が成功しなくなりそうだからな、秘密って事で我慢してくれカラスマ」
ジュピターさんまでもがそう言っている。仕方ないか……まあシグレの考える事だからたぶんろくでもない事だろうけど。
「なら追求はしませんけど上手くいったら全部話してもらいますよジュピターさん」
とりあえず何も言わない事にした。その後、シグレはフレンドのクロというダイバーに連絡をとる。クロの所属するフォース「彗星隊」に新しくフォース作るという事で交流を行う名目で。彗星隊は平均ダイバーランクAの強豪フォースだ。
フォースリーダーのクロとサブリーダーのサヤはリアルでも彼氏彼女の関係で二人を中心にジオン系モビルスーツ好きが集まり結成されたとか。
それにしても彗星隊っていうフォース名、鉄血のノルバ・シノみたいなネーミングだな。彗星ってのはやっぱりシャアの二つ名「赤い彗星」からだろうか?もしかしてフォースメンバーのガンプラがザクばっかり……というのは流石にベタか?
そうして、フォース「彗星隊」との交流会が始まる。
なんというか、予想通りフォースメンバーのガンプラがザクで統一されていた……いや、予想以上だ。なんか明らかに見た目不良っぽくていかついメンバーもいるし。シグレの話では少し暴走族気質のメンバーが多いらしいがリーダーのクロがしっかりしてるのでGBNのマナーとかはちゃんと守ってるらしい。
「おうシグレ。お前結局俺らのフォースには入ってくれなかったな。さんざん勧誘したのに「ソロでやりたい」ってのらりくらりかわしてたくせによ」
黒染めのジオン軍服を着た彗星隊のリーダーの男、クロが気さくな感じでシグレに話しかける。
クロは少し身長低めだが整った顔立ちで女子から見れば普通にイケメンの部類に入りそうだ。その一歩後ろでクロの彼女であるサヤが寄り添っている。
サヤは小柄で華奢な体格で赤いジオン軍服の美少女。ディフォルメされたシャアザクのぬいぐるみ(クロからのプレゼントらしい)を片時も離さず無口で人見知りな印象だ。
「すまんな、いずれフォース入るとしたらお前のところにするつもりではあったがそれより先にジュピターさんに弟子入りする事になった。まあ今まで通り傭兵としてなら加入してもいいぜ、リア友価格で10万ビルドコイン」
「そういうところしっかりしてんな……」
以外な事に、シグレがクロと気安く会話している。
「リア友ってのは本当だったんだな……」
思わず率直な感想が口から出た。
「カラスマてめぇ今度フォースでバトルする時に後ろから斬り捨てるぞ……」
ヒェッ!?シグレならばマジでやりかねん……
「すんませんした……」
とりあえず謝る。
そんなこんなで合同訓練が始まり、シグレは彗星隊のメンバーを連れて戦術指導(シグレは元「第七機甲師団」、俗に言うロンメル隊の所属で一軍メンバーに選出される事もあったらしい。つまりシグレの実力はロンメル大佐仕込み)、クロがその付き添いでジュピターさんは俺とサヤの射撃訓練の監督という割り振りで訓練が始まった。
そして現在、
サヤの赤いオリジン版ザクⅡと俺のヤタガラスはジュピターさんのジ・オに対して射撃を行っている。限りなく実戦に近い形式でやるとの事でフィールドは峡谷地帯。俺とサヤは狙撃手有利の高台に陣取り、峡谷を高速機動で駆け抜けるジュピターさんのジ・オを迎撃するという訓練だ。ちなみに近接戦闘を許すくらい接近されたら負け。既に34連敗だ。
「だ~ッ!!勝てね〜!!」
俺はともかく、狙撃が得意で優秀なスナイパーであるはずのサヤでさえかすりもしないとか無理ゲーすぎる。回避行動を誘導して置きビームしても駄目、俺の射撃が避けられた後にサヤと連携して回避先にビーム撃ち込んでも駄目、ジュピターさんのジ・オが近接戦闘の間合いに入るギリギリで超至近距離射撃しても駄目。
何をしてもシロッコが乗り移っているとまで思えるほどのニュータイプ的な察知能力で神技回避される。
ひとまず休憩という事で俺とサヤだけがその場に残される。
「……………」
気まずい沈黙が流れる。どうしよう……マジで話す事ない。サヤはザクのぬいぐるみを離さない。人見知りらしいから俺とふたりっきりという状況が不安みたいだ。
「あの〜……」
緊張を緩和しようと話しかけてみる。
「!?」
作戦失敗。よけい緊張させてしまったようだ。この状況、どうしようか……今更黙るのも逆に不自然だし、何か適切な話題を……
「ザク、好きなんですか?」
いや、我ながらめちゃくちゃぎこちない会話だな。
「……好き……特にシャア専用……」
サヤが俺の振った話題に反応した。
「ガンダムとの圧倒的な性能差をものともせず、高速機動でアムロを翻弄する姿が最高にかっこいい……オリジンのルウム戦役でザクの性能限界を発揮して、めちゃくちゃ活躍する姿に痺れた……そもそもザクⅡはいちモビルスーツとして完成されたデザインだから好き……」
めちゃくちゃ語り始めた……よっぽどザクが好きなんだな。
とりあえず気まずい雰囲気は少しだけ緩和された。と思ったその時、
「てめぇサヤと何話してたんだ?てめぇがサヤを狙ってるってシグレが言ってたが、本当だったみてぇだな……」
ブチギレ寸前のクロがいた。
「違う!!これは……」
「やましい事がある奴はみんなそう言うんだよ!!」
なんで俺、クロの彼女を奪おうとしてると思われてんの?まさかシグレ……あいつのせいか!!あいつの秘策って俺に濡れ衣着せる事だったのか!!
「なら、ガンプラバトルで決着をつけようか」
唐突に現れたジュピターさんが俺とクロの間に割って入り、そう言った。
「お前が勝ったら、カラスマを殴るなり好きにすればいい。けどカラスマが勝ったら彗星隊のメンバーともども、全員アタシの弟子だ」
ジュピターさんはそう言って、俺にアイコンタクトを送る。なるほど、そういうことか……勝てばいいのか、任務了解。
とりあえず勝ってから誤解を解くとしよう。
ただしシグレ、テメーは駄目だ。あいつはマジで許さん。
「上等だゴルァ!!俺はカラスマに決闘を申し込む!!」
こうして、クロと俺の一対一の決闘が始まった。
「やっちまえ〜リーダー!!間男なんかぶちのめせ〜!!」
「「烈戦斧のクロ」の本気、見せてくだせぇ!!」」
始まる前から彗星隊の面々による熱烈なクロコール。事の発端となったサヤはクロに対して「俺と話していた」という負い目があるからか黙っている。
「カラスマ・ユウゴ、ヤタガラス。飛翔する!」
「クロ、ザクⅡブラックエンド。Go to Hell!!」
同時に出撃。フィールドはア・バオア・クーだ。
「ブッ○したるァ!!」
巻き舌気味に叫びながらクロのザクⅡブラックエンドが高速で接近する。
ザクⅡブラックエンドはオリジン版高機動型ザクⅡオルテガ機にギャプランのシールドバインダーを改造したフレキシブルブースターアームを装着した改造機体。サイコザクを参考にしたらしくフレキシブルブースターアームにザクマシンガンとザクバズーカを持たせて牽制射撃しながら高速で接近してきた。
「速い!?あれ通常ザクの3倍くらい出てんじゃないか!?」
ザクⅡブラックエンドの凄まじい機動力に驚きながらもこちらも負けじとビームライフルとグレネードを撃つ。
互いに牽制射撃を行いながら距離を詰めるが射撃は決定打にはならず、先に動いたのはクロの方だった。
「ドラァ!!」
フレキシブルブースターアームから邪魔になったバズーカとマシンガンを捨ててジャイアントヒートホークを振りかざすザクⅡブラックエンド。ヤタガラスのビームライフルが破壊された。
「射撃武器はもうビームガンしかねぇ……接近戦しかないか」
首横のビームガンで追撃を牽制しつつ、ウェポンスロットからビームブレードを選択。ジャイアントヒートホークは大振りな武器だからビームブレード二刀流の手数ならば……
「てやァァァ!!」
ビームブレードでジャイアントヒートホークと斬り結ぶ。ひとまず左手のビームブレードでジャイアントヒートホークを受け止めて素早く右のビームブレードで追撃、そのまま連撃で畳み掛けるつもりだったが、俺の思い通りにはならなかった。
「!?ッ、押し負ける……!!」
左のビームブレードの斬撃が力負けして軽々と押し返される。咄嗟に受け身をとり力を逃して関節部への負担を防いだ。
「ブラックエンドを舐めんなよ……こいつには機動力とパワーに特化した改造を施してある。ガンダムフレームとも張り合えるくらいにな!!」
ブラックエンドが再びジャイアントヒートホークを振りかぶる。俺はビームブレードを連結させてビームナギナタ形態にした。手数で勝負するのは無理だからこれしかない。
ブラックエンドは大きく斧を振るう。ビームナギナタでなんとか受け止めた。やはり両手持ちならばブラックエンドのパワーに少しは対抗できる。
「パワーだけと思うな!!」
ブラックエンドが畳み掛けるようにジャイアントヒートホークで連撃を繰り出した。一見、大振りなようで器用。豪快さと繊細さを兼ね備えた変幻自在な斧捌きは見ようによっては芸術的でさえあった。
まあ関心してる場合じゃなくて普通に不利な状況だが。
これをビームナギナタで捌き続けるのは流石に無理がある。なら捌ききれなくなった時が勝負だ。一か八か、賭けるしかない。
そしてついにチャンスが訪れた。ヤタガラスのビームナギナタが弾き飛ばされる。
「終わりだゴルァ!!」
「まだだ!!まだ終わらんよ……!!」
俺はヤタガラスのビームガンをブラックエンドの頭部めがけて連射した。
「狡い真似を……」
ブラックエンドがフレキシブルブースターアームのシールド部分で頭を防御した。一瞬だけ攻撃の手が止まり、シールドによってブラックエンドの視界が遮られるこの瞬間、これを待っていた。
「うォォォォ!!」
ヤタガラスのスラスターを全開で体当たりして先程までビームガンとして使っていたビームサーベルを左右同時に抜き放つ。
一撃目でジャイアントヒートホークを持っている右腕を切断、次の一撃でバイタルパートめがけて突き刺してトドメ。
ブラックエンド、撃墜。クロに勝利した。
「…………」
無言でうなだれるクロ。
「いや~いい勝負だった。ところでクロ、カラスマがサヤを狙ってるって言ったけどな、あれウソだ」
「シグレてめぇ!!やっぱし俺に濡れ衣着せやがったのか!!!」
俺はシグレに詰め寄った。
「へ……??」
先程まで完全に俺を疑っていたクロは呆然としている。
「普通に誘っても無理そうだからお前を焚き付けてカラスマとバトルさせた。騙すような事してスマン。この通りだ!!」
シグレはクロに対して土下座を敢行した。
「私は……何があってもクロと一緒……他の男になびいたりしない……」
サヤはそう言ってクロに抱きついて甘えた。
「まったく、シグレ……本当に仕方ない奴だ……まあ約束通り、負けは負けだ。ただしシグレ、貸し1な。今度メシでも奢れよ」
そう言うとクロは彗星隊のメンバー達に向き直る。
「お前らよく聞け!これより彗星隊は解散して、俺とサヤはシグレ達のフォースに入る。それでもついて来る奴はここに残れ、以上だ!!」
クロは彗星隊のメンバー達に堂々とそう宣言した。一瞬、その場が静まり返る。そして、
「俺達どこまでもお供するッス!!」
彗星隊のメンバーの一人が全員を代表してそう言った。
「「「「「オオオオオ!!!」」」」」
彗星隊の他のメンバー達も異存はないようだ。
「さて、新しいフォースだが名前はなんて言うんだ?」
クロが俺にそう尋ねた。
「フォース名はフリューゲル。リーダーはクロに譲るよ」
「お前のフォースだろ?いいのかカラスマ?」
「ここで俺がフォースリーダーとか言ったらたぶん彗星隊の人達にブッ○されるから……」
「あり得るな」
今ここに、フォース「フリューゲル」が結成された。なんかフォースメンバーのガンプラのザク比率めちゃくちゃ高いけど……
フォース「フリューゲル」結成回でした。シグレとクロがリア友じゃなかったらマジでぶん殴られてるところです。
毎度毎度の事ですが、戦闘描写がめちゃくちゃ頭使います……なるべく相手役のキャラの強さを演出した上でいかにして勝つか。個人的にはけっこう頑張ったつもりですが物足りなさを感じたらすみません。
以上、キツネスキーでした。