ガンダムビルドダイバーズフリューゲル   作:ポメラニアンドロイド初号機くん

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ヒロイン増員回です。前回の更新から長らく間を空けてすみませんでした。最初の方は勢いがあったので毎日更新みたいな形をとっていましたが、失速してしまいました。失速はしたけど失踪はしないつもりなのであたたかく見守っていただけたならば幸いです。では七話目、どうぞ。


第七話 狐耳と尻尾とフォースバトルと幼なじみ

カラスマ・ユウゴ(リアル)side

 

その日、俺はバエルという概念に心を奪われた。そして気付いたらHG1/144バエルを購入していた。

 

 

少し前の話。俺、カラスマ・ユウゴはヤタガラスに変わる新たなガンプラのアイデアを得ようと土日を使って歴代ガンダム作品のDVDをレンタルして見ていた。

その中には今まで敬遠していた鉄血のオルフェンズ二期もあったのだがその終盤あたり、アリアンロッド艦隊相手に無双するバエルに心惹かれた。

劇中の鉄華団の最期は到底認め難い物ではあったけど、バエルの活躍は妙に印象深い。そうして、新しいガンプラはバエルに即決した。そして今に至る。

 

「しかしどうする?バエルの改造か……」

 

バエルの強みは阿頼耶識による機体追従性と近接戦闘。ナノラミネートアーマーによる基礎防御の高さもある。射撃面が頼りなく不安に思うが、アグニカ・カイエルならばバエルソード以外の武器など使わないはず、という考えが邪魔してアイデアが浮かばない。

 

「邪魔するぞユウゴ」

 

背後から凛とした女子の声。

振り返ると見慣れた黒髪ロングで眼鏡の長身美人系な見た目(でも性格は悪い。主に人嫌いで偏屈な方向)の少女。俺の幼なじみ、黒崎御影(くろさきみかげ)だ。

ミカゲも実はガンプラを少々嗜む。いわゆるガンプラ女子ってやつだ。でもGBNはやってないので最近誘ってみたら見事布教成功。ダイバーランクを上げたら正式にフリューゲルに加入してもらうつもりだ。

 

「何か悩んでいるようだな、ユウゴ」

 

「そういうミカゲはGBN用の新しいガンプラできたか?」

 

「ああ、これが私のガンプラ、アストレイブラッディフレーム……」

 

ミカゲがHGレッドフレームインバージョンがベースの黒い1/144アストレイをテーブルの上に置く。フライトユニットの側面のウイングの代わりにマガノイクタチが取り付けられていて手にはドリル付きのハンマー、アーマーペネトレーター(ミカゲ命名。なんとなくSEEDっぽい名前だ)が装備されている。ちなみにGBNで使う時にはミラージュコロイドを機体システムに設定するつもりらしい。アストレイ系統だからシステム上可能ではあるが、なんともミカゲらしい性格悪……技巧派な選択。

 

「カラスマの新しいガンプラは……バエルか……」

 

机の上に置いてあるバエルの箱を横目で見てミカゲが呟いた。

 

「とりあえずバエルのスラスターウイングにV2のミノフスキードライヴ付ける辺りまではアイデアは固まった。だけど決め手がない。あと、射撃面が不安だ」

 

俺はとりあえずミカゲからアイデアを貰えないかと、悩みを口に出した。

 

「せっかくミノフスキードライヴ付けたからビームライフルでもなんでも使えばいいじゃないか」

 

「バエルが銃使ったら変じゃないか?バエルを扱う者ならばバエルソード以外の武装に頼るのは抵抗が……」

 

「それはアグニカ・カイエルのバエルの話だ。カラスマのバエルなら銃使おうが何しようが別に関係ない。遠距離から中距離で銃使って最終的に近接戦闘に持ち込めばバエルの強みも充分活かせると私は思うが」

 

「……!?」

 

そうか。それならこだわりは捨てよう。当たり前の事だが俺はアグニカ・カイエルではない。だから俺のバエルであれば銃を使おうと俺の勝手だ。ミカゲに言われるまでこんな当然の事にも気付けなかった。

ならば俺は俺の理想のバエルを作ろう。だが、原作のバエルへのリスペクトは忘れない。

俺は俺が考えうる限り最強のバエルをこの手で生み出す。

 

 

カラスマ・ユウゴ(リアル)side 終

 

 

 

本日、ミカゲはダイバーランクがDに上がった。他のフリューゲルの仲間と会う約束をしていたので正式加入ついでに顔合わせを済ませた。そして俺は知らなかったのだが、いつの間にか今日フォースバトルの予定が決まっていた。

 

「なんで言わないんだよ」

 

俺はそう言ったが、シグレの答えは、

 

「だってお前、最近新しいガンプラ作るとかであんまりいなかったし、いたらいたで一人でどっか行ってたし言う機会がなかっただろ。ダイバーギアにもメール送ったけどスルーされたし」

 

との事。まさにその通りで返す言葉もない。そういえばバエル制作に忙しくてメールもチェックしてなかったな。

 

「ミカゲ……加入後早速で悪いが、今日はフォースバトルの約束がある。ミカゲさえ良ければこれをフリューゲルでの初陣にするのはどうだろう?」

 

「わかった。ブラッディフレームの性能を試したかったところだ」

 

快諾するミカゲ。こうして対戦相手のフォース「月夜の狐火団」との顔合わせ。

 

 

 

「わっちはヨヅキ。偉大なる九尾の妖狐じゃ」

 

「月夜の狐火団」フォースリーダーでSSランクダイバーのヨヅキによるキャラの濃い自己紹介。

月夜の狐火団のメンバーはみんな狐耳と尻尾のある人狐型のアバター(上位ランカーで有名ビルダーのシャフリさんもそんな感じのアバターらしいと聞いた事がある)で、ヨヅキに至っては九尾妖狐型アバターの美女。

あとで聞いたが九尾妖狐型のアバター外観はGBNの中でもめちゃくちゃレアらしい。

 

「フリューゲル……なかなかつわものぞろいと聞いておる。ヌシらはわっちを楽しませてくれるかの?」

 

言葉の端々から感じ取れる強者の雰囲気と自信。おそらくヨヅキは俺が今まで戦ったダイバーの中で一番強いかもしれない。あ、ジュピターさんはノーカウント。戦った事ないけど明らかに別格だから。

こうしてフォースバトルが始まった。

 

 

フィールド、市街地

5対5 殲滅戦

 

戦闘開始してもヨヅキは動く様子はなく、他の4人のメンバーをこちらに遣わせた。自分と戦いたければ先にこの4人を倒せという事らしい。

 

「なめられた物だ……サヤ、フィールドを俯瞰できる高台で待機して狙撃、シグレ、敵陣の撹乱と他の仲間のフォロー、カラスマとミカゲは俺についてこい!!」

 

クロが全員に指示を出す。

サヤのザクⅡスナイパータイプはビルの上まで移動。

シグレのイフリートナハト紫暮は今回はシアーハートアタックのコンテナと砲撃オプションを同時装備して見た目は過積載状態。

 

「任された」

 

イフリートナハト紫暮の背部コンテナを展開して自走式地雷シアーハートアタックを全機展開したシグレはジャミングを起動。空になったコンテナユニットを付属のロケットブースターごとパージして、遮蔽物を利用しながら迂回ルートで敵の虚を突き強襲。対艦ミサイルと4連ラピッドミサイル、実体弾キャノンのフルバーストで赤いバクゥハウンドベースの狐型機体を撃破、さらに爆煙で敵の視界を遮った。

 

「ナイスだシグレ!これで5対3!」

 

クロはブラックエンドのスラスターをフルブーストさせて、得意の斧技で狐をモチーフにした頭部パーツのストライク改造機体の胴を薙ぎ、撃墜。

不利と悟ってその場を離れる白と黒の狐型バクゥハウンド2機。狐型バクゥの足元で先程シグレがばらまいたシアーハートアタックが炸裂。2機の内の白い方をサヤが狙撃。動力部を撃ち抜かれた白の狐型バクゥハウンドは爆散。

ブレイズウィザードを装備している黒い方の狐型バクゥはミサイルを連射して応戦するが、ブラックエンドはフレキシブルブースターアームのシールド部分でガード、イフリートナハト紫暮はジャミングを起動してミサイルの誘導機能を無効化した。

ミサイルがこちらにも飛んできたのでヤタガラス改めヤタガラス陽炎(バックパック部分にGNドライヴを増設。ある程度ならトランザム可能)の首横にあるビームガンで迎撃。その間にミラージュコロイドで姿を隠していたミカゲのブラッディフレームがアーマーペネトレーターを振りかざし奇襲をしかけた。ドリルが狐型バクゥの胴体を深々と貫き、機体の機能を完全に停止させた。

 

「ふむ……なかなかやるようじゃな。ならばわっち自ら相手をしてやろう」

 

先程まで戦いを静観していたヨヅキが遂に動き出す。

 

「見せてやろう、わっちの天津九尾頑駄無。その力を……!」

 

九尾妖狐モチーフでアストレイゴールドフレーム天ベースの機体、天津九尾頑駄無は尻尾の部分にあたる3基のユニットを切り離した。

 

「テールファンネル!!」

 

天津九尾頑駄無から切り離された3基のテールユニットはヒートブレードとビームライフルを搭載したファンネルとして機能し、高台に待機していたサヤのザクに襲いかかる。

 

「!?」

 

すかさずビームライフルで本体の天津九尾頑駄無を狙撃するが3基のテールファンネルがバリアを展開して防ぐ。その直後、テールファンネルはサヤにビームライフルの銃口を向け、乱れ撃つ。

 

「サヤ!!!」

 

クロがブラックエンドを駆りサヤをファンネルの集中攻撃からかばう。しかしテールファンネルに装備されたヒートブレードで機体をバラバラに斬り刻まれてサヤもろとも撃墜された。

 

「みんな……すまねぇ……」

 

「悔しいけど後は任せた……」

 

クロとサヤが秒殺、恐ろしい相手だ。これがSSランクダイバーの実力……

 

「期待はずれじゃ……さて、ヌシらはどうかの?」

 

3基のテールファンネルが俺達3人を同時に攻撃する。天津九尾頑駄無はその場から一歩も動いていないのに俺達はファンネルの集中砲火により近付く事すらできない。

 

「このままじゃジリ貧だ!!何か策はないのかシグレ!」

 

「あるにはある。確かお前のヤタガラスは新しくGNドライヴを付けてあったよな?合言葉は、『刹那、トランザムは使うなよ!!』だ」

 

「なるほど、『了解、トランザム!!』」

 

ガンダムダブルオーの有名なネタゼリフを言いながらトランザムを起動する。それと同時にシグレはEXAMを使用してテールファンネルを振り切り二手に別れて左右から回り込む。さらにミカゲのブラッディフレームがミラージュコロイドを使用した。俺はヤタガラス陽炎の武装をビームブレードに持ち替え天津九尾頑駄無に向かっていく。

 

「味な真似を……」

 

天津九尾頑駄無が一度テールファンネルを自分のもとに呼び戻し、日本刀型ビームサーベルを抜き放った。その直後、天津九尾頑駄無の背後から姿を現したブラッディフレームが接続部ごとテールファンネルをアーマーペネトレーターで破壊した。

 

「貴様、いつの間に!!」

 

これだけ素早く背後に回り込むにはスラスターを使ってまっすぐ突っ込む他ない。しかしスラスターを使う移動は肉眼では見えなくともミラージュコロイドの弱点である熱感知に引っかかる。

では何故ブラッディフレームは天津九尾頑駄無の背後に回り込む事ができたのか?

答えはイフリートナハト紫暮のジャミング。イフリートナハトの持つジャミングはレーダーや熱感知を無効化する。

それとミラージュコロイドが同時に使用された事によりブラッディフレームはあらゆる機体反応を消し去りながら天津九尾頑駄無に高速で接近できた。

 

「この勝負もらった!!」

 

ミカゲはブラッディフレームのマガノイクタチで天津九尾頑駄無を抑え込みながら機体エネルギーを奪う。

 

「ナイス!ここからは俺の出番だ」

先行して天津九尾頑駄無との間合いを詰めたイフリートナハト紫暮が幻夜とコールドブレードを抜刀し、両手に構えた。ミカゲのブラッディフレームが天津九尾頑駄無を離して突き飛ばす。

 

「奥義、紫水晶の涙、氷晶の幻夜(アメジスティアー・クリスタルナハト)!!」

 

冷気を込めた斬撃を飛ばし、天津九尾頑駄無を氷漬けにした後に両手の刀で連撃を叩き込み氷ごと砕いてダメージを与えるイフリートナハト紫暮。しかしその必殺技も天津九尾頑駄無を倒しきるには足りなかった。

 

「小癪な……!!」

 

天津九尾頑駄無が日本刀型ビームサーベルを一閃してイフリートナハト紫暮の胴を両断した。だが、ヨヅキはある違和感に気付く。

 

「なんじゃ?機体の動きが鈍い……」

 

シグレの必殺技、紫水晶の涙、氷晶の幻夜(アメジスティアー・クリスタルナハト)はただの攻撃技ではない。ジュピターさんのクソゲー的修行の後、また模擬戦してその時に俺も食らったからわかる。あれは命中後一定時間、凍結由来の防御力ダウン、行動速度ダウンのデバフを敵機体に付与する厄介な技だ。そして、レイドバトルなどフォースで戦う時に真価を発揮する。

 

「トドメだ!!いくぞミカゲ!」

 

「OKだ。次は胴体ブチ抜く……」

 

背後からアーマーペネトレーターで天津九尾頑駄無の胴を貫くブラッディフレームと前方から天津九尾頑駄無をビームブレードで斬り裂くヤタガラス陽炎。

俺達の勝利だ。

 

 

「なかなか楽しませてもらった。特にカラスマ、わっちはヌシが気に入った」

 

そう言いながら俺にくっついて甘えてくるヨヅキ。

ヤバいって、当たってる!!胸が!!尻尾のモフモフが!!

 

「オイコラ女狐、幼なじみの私をさしおいてカラスマに色目使うとはいい度胸だな……」

 

ブチギレ寸前のミカゲが俺からヨヅキを引き離す。

 

「やかましいわ陰険メガネ!!だいたい幼なじみなんぞ負けヒロインの定番じゃろうが!!」

 

「よ~し貴様、決闘だ。もう一度アーマーペネトレーターで胴体ブチ抜いてやる」

 

「上等じゃ負けヒロイン!!テールファンネルでバラバラに斬り裂いてついでに蜂の巣にしてくれるわ!!!」

 

もしかして、これ修羅場ってやつ?

 

「お前も大変だな……」

 

シグレが俺に憐れむような視線を向けてきた。うっせぇわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回は狐推しの回でした。ちなみに天津九尾頑駄無の武装であるテールファンネルの元ネタは、コトブキヤのプラモデルシリーズ「ヘキサギア」の「ウィアードテイルズ」っていう狐型メカの武装です。尻尾の部分を切り離してファンネルのように使える設定らしいので安直ですが、リアルで天津九尾頑駄無を作るとしたらそれを装備したガンプラという感じですね。とりあえずヒロイン枠に美人系眼鏡っ娘幼なじみ(ただし性格は悪い)と狐耳九尾系美女を追加です。以上、第七話でした。
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