ガンダムビルドダイバーズフリューゲル 作:ポメラニアンドロイド初号機くん
では八話目、どうぞ。
クロ&サヤ&シグレside
サヤとクロは月夜の狐火団とのフォースバトルで経験した敗北の後、機体の改造とさらなる訓練を重ねていた。
そして現在、
「ファンネル!!」
クロのザクⅡブラックエンド改めブラックエンドアクセルが背部コンテナからサザビーの物を流用したファンネルを展開した。
「狙いが見え見え……」
新たにアストレイレッドフレームのフライトユニットを背部に固定装備したサヤのザクⅡスナイパータイプ改めソニックスナイパーが全身のスラスターとシールドブースターをフルに使用した変則的な機動でファンネルの全方位攻撃をかいくぐった。
その後サヤは機体に急制動をかけてクロのブラックエンドアクセルにビームスナイパーライフルの銃口を向ける。発砲、
「甘い!!」
ブラックエンドアクセルは右のショルダーアーマーに取り付けたIフィールドジェネレーターで防御した。
「盛り上がってるねぇお二人さん」
シグレのイフリートナハト・アメジスティアーがコールドブレードと振動式対装甲ブレード「幻夜」を抜き放ち、クロに迫る。
「リィラトランザム……」
シグレがそう呟くと、イフリートナハト・アメジスティアーの疑似太陽炉2基が最大稼働し、機体全体が幻想的に揺らめく紫の光を纏う。
「くっそ……、ファンネル!!」
クロはファンネルでシグレを牽制するが6基のファンネル全てを持ってしてもトランザムしたイフリートナハト・アメジスティアーを捉える事はできず、10秒程の間に6基全てのファンネルが破壊されてしまった。
イフリートナハト・アメジスティアーがブラックエンドアクセルに肉薄した。
「たかがトランザムしたくらいで接近戦で俺に勝とうだなんて10年早い!」
クロはジャイアントヒートホークのみでシグレの双刀による乱舞を凌ぎきる。その直後、
「隙だらけ……」
サヤがブラックエンドアクセルの頭部を狙撃。メインカメラを失ったクロのブラックエンドアクセルは前後不覚な状態となった。
一方、一瞬速く狙いをかわして巻き添えを逃れたイフリートナハト・アメジスティアーはそのままソニックスナイパーにターゲットを変更してすぐさま斬り捨てる。
「「「またか……」」」
これまでバトルロワイヤル形式の模擬戦を繰り返してきた3人であったが、またもや同じような結果にうんざりしていた。
この3人の力関係はだいたい三すくみになっている。
近接戦闘では敵無しで防御性能も高いクロのブラックエンドアクセルはシグレのイフリートナハト・アメジスティアーに強く、イフリートナハトアメジスティアーは近接戦闘能力が低いサヤのソニックスナイパーに強い。サヤとソニックスナイパーはシグレのような搦め手が得意な相手は苦手だがクロのような猪突猛進タイプには強く、的確に隙を突く。
毎回この結果だ。
「まあ、全員新しい機体には慣れたようで何より。明日のロータスチャレンジver.エルドラにはなんとか間に合いそうだな」
シグレがそう言って苦笑した。
ロータスチャレンジver.エルドラ、それは伝説的フォース「ビルドダイバーズ」と同じ名前で少し綴りの違うフォースの為にアダムの林檎のマギーさんが知り合いに呼びかけた所、数々の精鋭フォースが集う一種の祭りのようになってしまった大規模訓練ミッションである。それが明日開催される。
なんでも、ジュピターさんがマギーさんとフレンドだそうでフリューゲルも招待されたのだ。
「楽しみ……」
サヤがザクのぬいぐるみを抱きしめながら小さく呟いた。
クロ&サヤ&シグレside 終
カラスマside
遂に時は来た。今日は待ちに待ったロータスチャレンジver.エルドラの開催日。俺の新たなガンプラ、バエル・フギンのお披露目の時だ。遂に来たのだ、俺とバエルが立ち上がる時が……。
3日間だ、慣らし運転はもう充分だろうバエル・フギン……
HGバエルのフレームパーツを元にフルメカニクス並の内部フレームを制作、更にそこへ専用の外装パーツを被せて俺のバエル・フギンは完成した。
ここまででもかなり時間がかかったが完成したバエル・フギンはかなりのじゃじゃ馬だった。
慣らし運転が今日までに間に合って本当に良かった……
この日の為に俺は新たにダイバールックも機体イメージに合わせて黒コートに革鎧の剣士風に変更した。飾りだけど腰に剣も付けた。けっこう気に入っている。
ところが俺の新しいダイバールックを見たシグレの奴、めちゃくちゃ冷めた表情で「キ○トのコスプレか?厨ニ病、乙」とか言いやがった。
てめぇだって忍者コスプレしてるくせに。地味にいらつく。
それはそれとして、打ち合わせの結果、フリューゲルは最終防衛ラインを任される事となった。マジカヨ……めちゃくちゃ暇だ。
そうしてミッション開始となった。ちなみにジュピターさんは見るだけ。
何度倒されても挑み続けるBUILD DiVERS。その姿には背後に何か重いバックボーンを背負っているような必死さが感じられた。それはそれとして、フリューゲルはめちゃくちゃ暇な時間を過ごしていた。
クロのブラックエンドもなんかファンネルとかパイルバンカーとか付いて明らかにパワーアップしてるし、サヤのザクⅡスナイパーは明らかに超高機動化してるし、おまけにシグレのイフリートナハトは疑似太陽炉のツインドライヴだ。しかもなんか紫のGN粒子出てる。
あのBUILD DiVERSのヒロトって人のガンプラもなかなか面白いビルドだ。換装型のガンプラだがおそらくAGEのウェア換装が元ネタだろうか?
やたら防御が高いイージスナイトっていうガンプラ使うカザミって人もいい動きしてるし、BB戦士系のガンプラを使ってるパルヴィーズって人はシャフリさんの弟らしい。トランザムまで使ってたし機体の完成度はかなり高いんだろうな……
ウォドムを模したガンプラに乗ってるメイって人は冷静な戦い方が目立つ。見たところかなり良いチームみたいで今から戦うのが楽しみだ。
最終防衛ラインは暇なのでしばし集まったダイバー達のガンプラを見て過ごす。
ついでに今、挑戦者の方のBUILD DiVERSは本家ビルドダイバーズと戦っているところ。これはもうすぐここまで来るかも。
でもこの後って、確かチャンピオンが控えてるはず……
頼むからここまで来てくれよ……諦めないでくれ……
密かにそう願っていたのが通じたかどうかはわからないけど、遂にBUILD DiVERSがチャンピオンを突破して最終防衛ラインに到達した。
「カラスマ・ユウゴ、バエル・フギン。飛翔する!!」
待ちに待ったBUILD DiVERSとのバトルにテンションが上がりまくった俺は、黒と赤で彩られたバエル・フギンを駆り先陣を切る。
「カラスマ!!あのバカ……頭マクギリスか!!」
シグレがなんか言ってるけど気にならない。俺は最速でヒロトのジュピターヴガンダムに吶喊した。
「ボルトアウト!!」
バエル・フギンが肉薄して脚部ハンターエッジでの蹴り技を繰り出した瞬間、ヒロトの叫び声とともにジュピターヴガンダムの手足や装甲がバラける。
分離合体機能を自在に駆使した柔軟な戦法。しかし、その回避方法はすでにビルドダイバーズのリクとの戦いで見た。
肩透かしを食らいジュピターヴガンダムを捉え損ねたバエル・フギンを急旋回させて、ガンブレード型ビームライフル「バルムンク」を撃つ。
アーマーをパージして一回り小さくなったヒロトのガンプラ(この形態はコアガンダムというらしい)が軽量ゆえの機動力を活かして回避した。しかしそれも予想済み。
俺はバエル・フギンの左手に持ったバスターライフルでお得意の置きビームを行う。
「危ねえヒロト!!」
カザミのイージスナイトがコアガンダムを庇った。流石の防御力、バスターライフルの直撃でも傷一つついてない。
「なら、バエルソードで……」
両手のライフルを捨ててバエルソードを抜き放つ。
イージスナイトとの間合いを詰めて斬りかかった。
「硬え……」
バエルソードでもダメージは鈍く、イージスナイトの装甲を突破できない。
イージスナイトはショットランサーからビームを乱れ撃ちながら後退していく。しかし俺も逃がすつもりはない。機動力ならバエル・フギンの方が圧倒的に上!!ナノラミネートアーマーならその程度のビーム、屁でもない。
「アカ○ックバ○ター!!」
ミノフスキードライヴ最大出力で光の翼を展開し、突進攻撃を敢行。
「カラスマ……それ別作品……」
分離したパーツと再度合体したヒロトのジュピターヴガンダムを狙撃で牽制しているサヤが呆れながらそう呟くのが聞こえた。
「ぐぁっ……」
手応えアリ。ならばこのまま畳み掛ける!!
「カザミさん!!」
パルヴィーズがカザミの救援を試みるが、シグレに阻まれていた。
「夜天のシグレ……参る!」
「どいてください……ガンドランザム!!」
「リィラトランザム!!」
パルヴィーズとシグレの機体が同時にトランザムした。
超高速で飛び回りながら何度も切り結ぶ二人の機体。
シグレが作ったチャンス。今のうちにイージスナイトだけでも仕留めるか……
俺はバエル・フギンの機動力でカザミを翻弄しながらバエルソードによる斬撃やハンターエッジによる蹴りなどをひたすらイージスナイトに叩き込む。
「このままじゃ……やられちまう……!!ならイチかバチか!」
カザミは攻撃を受けながらもバエル・フギンの動きを観察して、バエル・フギンがバエルソードを振りかぶる一瞬の隙をついてカウンターのパンチを放った。
コックピットが大きく揺れ動き、バエル・フギンの胸部装甲が陥没した。
「届けェェェェ!!」
カザミのイージスナイトがショットランサーを構え直し、バエル・フギンの胴体めがけて加速をつけた刺突を繰り出した。狙いは当然、先程陥没させた胸部装甲。
「させねえよ!!」
素早く機体の姿勢を安定させて蹴りでショットランサーを弾く。
「ッ!?」
もう一度光の翼で攻撃しようとした次の瞬間、
メイのウォドムポッドが加速をつけたキックでバエル・フギンを吹き飛ばした。その後、破損したバエル・フギンの胸部装甲にビーム砲とミサイルで集中攻撃。バエル・フギンの上半身はフレームがむき出しになった。
「助かったぜメイ!」
カザミは素早くショットランサーを拾い、バエル・フギンにトドメをさすつもりだ。
「俺の負けか……でも、最高に楽しかった」
俺がそう呟いた直後、
「ファンネル!!」
クロのブラックエンドによる援護射撃。6基のファンネルはウォドムポッドとイージスナイトに襲いかかり分断した。
ファンネルで二人を牽制しながらクロのブラックエンドはウォドムポッドに肉薄してジャイアントヒートホークを振るう。
「ドラァ!!」
荒々しく叫びながらジャイアントヒートホークを振るうクロのブラックエンドとクロの斧捌きに翻弄されるメイ。そしてカザミにはミラージュコロイドで姿を隠していたミカゲのブラッディフレームが牙を剥いた。
「うぉっ!!」
「マガノイクタチ……」
ブラッディフレームはイージスナイトから機体エネルギーを奪い取る。カザミがマガノイクタチを力ずくで振りほどくとブラッディフレームは再び姿を隠して死角からアーマーペネトレーターで強襲してジワジワと装甲の耐久値を削っていく。
ミカゲに加勢してイージスナイトを仕留めようとした俺だがサヤのマークを振り切ったヒロトがカザミに合流。戦況は混戦の模様。そこからは一進一退の泥仕合となった。
最終的にBUILD DiVERSの全機合体、全機分のエネルギーを集約した必殺技「グランドクロスキャノン」が発動した。
俺達は散開して避けたから食らわなかったけどそれにより要塞のコアユニットが破壊されてミッションはクリアされる。
結果、BUILD DiVERSの勝利に終わった。
というか、フォースメンバーのガンプラ全機合体とかすげぇアイデアだ。あの合体状態のガンプラに勝てる奴とかいるんだろうか?
そもそもそれだけの力が必要な相手って?
向こうはなんか色々背負ってそうだが、フリューゲルとしてはとても楽しいバトルだった。
彼らがいったい、何を背負っていかなる戦いに赴くのかはわからないが、幸運を、そして勝利を祈ろう。
はい、今回はフリューゲルから見たBUILD DiVERSがテーマの原作合流会でした。フリューゲルの仲間達のガンプラが強化されてたり、カラスマが頭マクギリスのバエリストになったり……今回登場したガンプラはなるべく速くGUNSTAに投稿しますのでお楽しみに。
以上、第八話でした。