TS劣等生の婚約者   作:排他的

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水を司る魔法科高校の転生者に少し行き詰まっていたので息抜き的な感じで書いてみた。好評だったら続くかもしれませんが、エタる可能性大。


プロローグ

とある実験室の中、その中で黒い髪に紅い目を持つ端正な顔立ちをした少年と濃い紫色の髪を持つ妙齢の女性が椅子に座って話していた。

 

「もし達夜の感情を無くし、昔の記憶を無くすというなら俺はアンタの魔法技能を永遠に抹消する」

 

いや、話していた、というより少年が脅していたという方が正しいかもしれない。

 

「……私を脅す気かしら?脅したところでこの決定は覆らないわ。これは達夜の魔法をコントロールするために必要なことなのよ」

 

「人工的な魔法演算領域の作成は俺もいいんじゃないかと思うが、感情を無くす、そして記憶を操作する。これだけはやらせない。達夜の友として、そして婚約者として阻止させてもらう……」

 

「……達夜のためにそこまで言うのね。それじゃあ聞くわよ、貴方はどうやって達夜の魔法を暴走させないようにするつもりかしら?」

 

我儘な子供を見ているかのような表情をして、女性は目の前の子供を見て、自分達が練り出した解決策より良いものを提案してみろと言った。

 

「精神構造干渉系魔法というアンタしか使えない魔法は俺にも使えない。だが特定の魔法を使わせないということはほかの方法でも可能だ。例えば錬金術だな」

 

「錬金術ですって?」

 

「哲学兵装というものがあってだな?例えば『剣と定義したもの全てを切り刻む』という性質を持った剣や『怪物は迷宮の中にいるもの』という人々が今まで蓄積してきた認識を反転させた迷宮なんてものがある」

 

「それと達夜に何の関係が……」

 

ポカーンとしている女性を見て少年はその女性を馬鹿にしたような笑い方をしながら説明し始めた。

 

「『特別な力は封印されているもの』という人々の認識を使った哲学兵装を作った。俺もつけてみたが、見事に俺の固有魔法である抹消が封印されたよ」

 

「……それをどうするのかしら?」

 

「達夜の体の中に埋め込むんだよ。これで達夜の感情を消すことも無く、記憶も消す必要が無くなった。どうだ?」

 

「……わかったわ。だけど人工的な魔法演算領域はつけさせてもらうわよ?」

 

「それは勝手にしろ」

 

苦々しい表情をしながらも、女性は了承した。この後、達夜という1人の女の子に仮装魔法演算領域と哲学兵装『シール・マジック』というものが埋め込まれたが、それ以外は何もされなかった。

 

この物語は主人公司波達也が司波達夜へとTSしてしまった『魔法科高校の劣等生』で達夜の婚約者ポジションの転生者が達夜を幸せにする物語である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お姉様、桜歌さん……なんで私が総代なのですか!納得できません!私なんかよりもお姉様と桜歌さんの方が総代を務めるべきでしょう!」

 

「今更そんなこと言っても仕方ないでしょう……」

 

「ですが!」

 

桜が綺麗な春、魔法大学付属第一高校、通称一高の門前にて、今年の総代を務める少女『司波深雪』がその姉である『司波達夜』とその婚約者である『津久葉桜歌』に対して文句を言っていた。

 

「あのね、深雪ちゃん。俺は現代魔法にあまり精通してないし、達夜は魔法理論やペーパーテストが満点でも実技がダメダメなんだよ?仕方ないことさ」

 

「うぅ……」

 

「私たちは深雪の晴れ姿が見たいんだ。総代として活躍している深雪の姿をダメな私や桜歌に見せて欲しい」

 

深雪は桜歌と達夜の言葉に心が揺れる。総代を辞退して達夜や桜歌に総代をやって欲しい気持ちと達夜と桜歌の期待に応えたい気持ちが深雪の中でごちゃ混ぜになっているのだ。

 

そして深雪が導き出した答えは───

 

「お姉様はダメじゃありません!2人の気持ちはわかりました……その代わり私の答辞をきちんと見ていてください!特に桜歌さん!お姉様に魅入っていて見てなかったなんて言ったら怒りますからね!」

 

「あぁ、任せておきなよ」

 

桜歌に念を押して深雪はスタスタと入学式の会場である講堂に向かっていった。深雪を見送ってから達夜は桜歌に訝しげな表情を浮かべながら問いかける。

 

「ねぇ桜歌。貴方って総代じゃなかったかしら?」

 

「……勘のいい達夜も大好きだぜ?」

 

「深雪にバレないようにしなさいよ……はぁ」

 

達夜は桜歌の胸元に着いているエンブレムを見ながらため息をついた。桜歌が総代を断る電話をしていたのを偶然達夜は見ていたのだ。

 

「……達夜、二科生なのは仕方ないだろ?」

 

「いや、二科生なのは気にしていない。ただ中学まで桜歌と同じクラスだったのが離れてしまったから……」

 

「うん……やっぱり可愛いわぁ〜ねぇ、撫でていい?」

 

「それはやめろ、マジでやめろ」

 

「つれないなぁ……まぁいいや、入学式が始まるまで少し時間潰そうぜ?」

 

達夜の可愛い姿を見て撫でようとすると達夜が避けるので撫でようとする自分の意思を抑えて桜歌は木陰のベンチに達夜と一緒に座る。

 

「達夜、膝枕していい?」

 

「構わないけど」

 

「よし言質取った!」

 

桜歌は達夜の膝に頭を置くのではなく、達夜の頭を自分の膝に置いた。達夜は抵抗しようとしたが、抵抗むなしく桜歌の膝に頭を置くことになるのだった。

 

「達夜の髪は綺麗で触り心地がいいよなぁ……」

 

「……頼むから離して、周りの視線が痛い」

 

「……仕方ないか。今度深雪ちゃんにやろ」

 

達夜の必死な訴えを聞いて桜歌は達夜の頭を解放した。だが桜歌の矛先は深雪に向くことになり、達夜は心の中で深雪に謝った。

 

「……そろそろ時間だな。行くか」

 

「わかった」

 

達夜に時間になったことを伝えると、桜歌は立ち上がって先に行く。達夜はそれを追いかけるようにして講堂に向かうのだった。

 

 

 

 

「……あぁ、行っちゃったわね。司波達夜さんに、津久葉桜歌くん。ペーパーテストトップに本当の総代……話がしたかったのだけど……中々上手く行かないものね……」

 

達夜と桜歌が座っていたベンチを見てため息をついているのは、妖精姫、エルフィン・スナイパーと魔法界で名が轟いている『七草真由美』、この学校の生徒会長である。

 

達夜と桜歌と話がしたかったようだが、2人が行ってしまったせいで話しかけられずに終わってしまっていた。

 

「……そろそろ行かないとあーちゃんに怒られちゃうし、早く行かないとね……」

 

真由美は少し走りながら達夜と桜歌が向かった講堂に移動するのだった。

 

……結局真由美はあーちゃんこと『中条あずさ』に小言を言われる羽目になるのだが、それは生徒会メンバーのみぞ知ることである。




☆オリ主スペック
名前:津久葉桜歌
得意魔法:色々・(現代魔法、古式魔法以外にも面白そうなものは進んで学ぶため色々。錬金術もその副産物で、文中に出てきた哲学兵装は『戦姫絶唱シンフォギア』に登場するもの)

達夜の婚約者であり、転生者。転生特典は文中に出てきた『抹消』。『僕のヒーローアカデミア』に出てくる相澤先生の個性をチート化させたもの。詳細は後々。

達夜と深雪にとても甘く、2人に牙むく奴らは敵。ちなみに深雪は元々その敵に入っていたりする。とあるイベントをキッカケに改心して達夜が許したので身内判定になった。




☆TS原作主人公スペック
名前:司波達夜
得意魔法:無系統魔法

魔法科高校の劣等生の主人公だったがTSした。スペックは原作とほとんど変わらないが、感情がなくなっていないという違いと身体に無数の傷がないという違いを持つ。

子供の頃に手を差し伸べられたという理由から桜歌のことが好きになっており、婚約することになった。

桜歌が達夜のために感情を消させないように動いたことを知っているが、桜歌は達夜がそのことを知っていることを知らないようだ。



☆原作ヒロインスペック
名前:司波深雪
得意魔法:振動減速系の魔法

言わずと知れた原作ヒロイン。百合に走ることは無かった。桜歌のことが好きだったりするが、達夜の幸せのために我慢している良い子。昔は冷たかった。
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