桜歌と達夜は講堂に着くと中に入り、空いている席を探す。辺りを見回していると2人はあることに気づいた。
「一科と二科で別れているのね」
「なるほど、めんどくさいなぁ」
達夜が一科と二科で別れていることに驚いていると、桜歌はそれを呆れるように言って達夜の手を掴んで1番後ろの席にいく。別れているところを見ると二科生の席なのだが、そんなことは関係ないとばかりに桜歌は後ろの席に向かった。
「実に不合理だよ、どちらにも言えることだけどね」
「まぁ選民思想は置いておいて、それはなんだ?」
達夜は桜歌の手元にある小型の大砲みたいなカメラを指さす。どう見ても手ぶらな桜歌がどこから出したのか分からないぐらいの大きさだ。
「これ?これはネットで知り合ったカメラ好きのイギリス人に勧められて買ったものでね、たまに使うんだよ」
「……イギリス人?」
「あぁ、ゲオルギウスっていう名前のイギリス人。ネット内とはいえ、守護聖人の名前を使うなんて思い切ったことするよね」
「……ちょっと頭が混乱してきた、ちなみになんだがたまに使うって何に使ったんだ?」
「達夜の写真だね。達夜が作業中に寝てる写真とか深雪ちゃんに膝枕されてる時の写真とか、後達夜がシャワー浴びてる時の写真とか撮ってるよ」
未来の夫が高そうなカメラを持っている様子を見て額を抑えながら達夜は何に使っているのか聞く。だがその問に対する桜歌の答えにもっと頭が痛くなってくる。
「……とりあえず私のシャワー浴びてる時の写真は消せ」
「え、嫌だけど」
「消せ、今直ぐに」
「達夜がお願い聞いてくれるなら消す」
その言葉を聞いて達夜は消させるのをやめた。1回お願いを聞いてくれるならと言われて辞めさせた時があったのだが、その後桜歌と深雪に着せ替え人形にさせられた時のことを思い出したのだ。
「あの、お隣空いてますか?」
達夜と桜歌がじゃれあっていると2人におっとりとした声の人が話しかけてきた。後ろには3人ほどの女子生徒がいる。
「どうぞ」
別に断る理由もないので達夜が了承の旨を伝えると4人の女子生徒は席に座っていく。
「ありがとうございます」
「良かったね~」
「これで一緒に座れるね」
「4つとなると探すの大変だもんね」
何やら仲良さげに話しているが気にとめない。達夜は入学式が始まるのを、というより深雪の答辞が見たいので周りのことは桜歌以外気にもとめないのだ。
「(……いつの間にカメラが増えている)」
桜歌はなんと達夜が席に座っていいと尋ねてきた女子生徒に言った短い時間の間にカメラをもうひとつ増やしていた。ビデオカメラである。
「(桜歌はどれだけカメラを買ったんだ……)」
達夜は桜歌がカメラをまだ保有しているような気がしてならなかった。そんなことを気にしていたら、達夜はもう一方から視線を感じ、振り返る。
すると先程席が空いているか聞いてきた女子生徒がこちらに話しかけてきた。
「あの私、柴田美月です。よろしくお願いします」
シバタと聞いて少し緊張したが、どうやら違うようだ。新発田の場合、桜歌の機嫌が悪くなるので達夜は心の中で安堵した。
「司波達夜です。こちらは津久葉桜歌。よろしく」
桜歌は反応を示さなかったため、達夜が桜歌のことを紹介する。桜歌はカメラのピントや倍率などにこだわっていて周りのことに一切気を回していない。
「(それにしてもこの時代にメガネ……オシャレか……それとも霊子放射光過敏症か?)」
達夜が美月を見た時に感じたのは違和感だ。美月の目にはメガネが着けられている。視力矯正がほぼ必要ないこの時代にメガネをつけている理由が分からなかったのだ。
だがすぐにそのメガネがオシャレではなく、霊子放射光過敏症のせいで掛けているということだということがわかった。
角度を変えて見てみれば、あのレンズに度が入っていない事が分かった。つまり視力矯正でメガネを掛けている訳では無い事が分かったのだ。あと丸メガネということも彼女がオシャレのためでなく、霊子放射過敏症だということに拍車をかけた。
「(まぁ私の分解と再成は桜歌のシール・マジックで完全に封印されているから気をつけるべきは想子か。なんにせよ見られないようにしなければ………………大丈夫か?)」
達夜はチラリと桜歌を見る。桜歌は面白いことにのめり込むタイプの人間だ。なにかヘマをしてバレたらめんどくさい事になると考える。
「(……まぁ私と深雪でフォローすれば大丈夫か)」
「あたし、千葉エリカ。よろしくね、司波さん、津久葉君」
「こちらこそ、桜歌はカメラに夢中で帰ってこないから返事は期待しない方がいい」
そんなことを考えていると今度は快活そうな女の子、千葉エリカが話しかけてきて、達夜は思考の海から引き出された。
「あはは、そうなんだ。にしてもシバにチバにシバタにツクバね〜なんか面白い偶然だね〜」
「なるほど、確かにね……」
達夜はエリカの言い出したことに同意する。
「(にしても千葉か……千葉にエリカなんて女の子がいたのか?……気にはなるし、桜歌は知っているかもしれないが……聞いたら最後だ。気にしないことにしよう)」
達夜はエリカの出自が気になったが、気にしないことにした。桜歌に聞いたが最後、というのは昔気になったことを桜歌に聞いたら情報の代償として錬金術の成果のテストをさせられる羽目になったからだ。
達夜はそれを着た感想に「二度と着たくない」と言っていた。
その後に残る2人の女子生徒の自己紹介を受けた後、美月が達夜にとあることを告げた。
「……あれ?司波さん、津久葉君が消えているみたいですけど大丈夫ですか?」
「…………え?」
☆柴田美月のスペック
名前:柴田美月
得意魔法:なし(原作の描写がないからわかんね!あったら教えてください)
後々落ちこぼれから天才に逆戻りする
横浜騒乱編の古式魔法師君とのラッキースケベシーンを読んだ時に古式魔法師君爆発しないかなと思った。
☆千葉エリカのスペック
名前:千葉エリカ
得意魔法:白兵戦特化の魔法(剣)
ブラコンな剣術ガール。意外と兄達から好かれていて、嫌われているのは親と姉からだけなのねと思った昔の排他的(横浜騒乱編の時)
メイジアンカンパニーに入る前に強化を貰っていたが、次兄とどの程度やり合えるようになったのか知りたい今日この頃。
☆ゲオルギウスの小話
竜殺しとして有名で、エロが大好きな乳龍帝オッパイドラゴンが使う武器、アスカロンの本来の持ち主である聖ゲオルギウス、またの名を聖ジョージ。
今回の話にはFGOで描写されたカメラ好きなゲオルギウスを使わせてもらいました。デッドヒート・サマーレース!の時はやってなかったのですが、先々週にTwitterでゲオルギウスがカメラ好きという情報を投稿されていた漫画で見たので使ってみた。
これからもちょくちょく色んな別作品キャラが名前だけ出てくるかもしれないのでよろしくお願いします。閑話的なのを出す時に読んだことのある作品のネタ的なのもぶっ込んでみたいと考えています。