ONE PIECE 赤き神父   作:ヴァンプッシュ

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2話

テゾーロ達を逃す目的を達し、あとは撤退するだけとなったシロウは出口である赤き土の大陸へと向かっていたが広場に出た時に凍った壁が迫って来るのを回避した。

 

「あらら〜、またこらぁ派手にやってくれたなぁ。あんちゃんが今回の襲撃した犯人で間違いないか?」

 

「予想より早い…もう来てしまいましたか」

 

 

冷気を漂わせながらこちらを睨む大男を見据えて、シロウは気を引き締めて両手に黒鍵を3本ずつ出し構えた。今までの奴とは雰囲気や強さが違う。実際に対面してわかる。

 

大将・青雉がそこに居た。

 

「あんちゃん…ちょいとこれは初犯にしてはやりすぎじゃねぇの?」

 

青雉は当たりを火が燃え盛る建物を見渡しながら言う。

 

「そうでしょうか?私が今日やったことに関しては天竜人がやってきた事に比べたら可愛いものでしょう?違いますか?海軍本部大将”青キジ”」

 

「まぁ…そうなんだがな。世の中にゃぁ世間体ってもんがあるわけよ」

 

「…と言いますと?」

 

「お前を逮捕しなきゃならん。で?おめぇさんの名前は?逮捕した後にまた名前を聞くのは面倒なんでな」

 

「捕まる予定はありませんし死ぬ予定もありませんが名を名乗らせていただきます。私は天草四郎時貞。以後よろしくお願いします」

 

「そうか。なら…最初から本気でいくぞ」

 

この体に憑依して以来、初めての格上との戦い、身体が震えて来るのがわかります。島にいた猛獣達と戦った時とは比べ物にならないくらいの緊張感だ。

 

氷河時代(アイス・エイジ)

 

青雉の発言と同時に広場は辺り一帯は氷に包まれた。

 

足を凍らされる前に天草はジャンプして躱し着地。足場が氷になり滑りやすくなるが魔術で補いなんとか立てる状態になったがあのまま何もしなければ私の全身が氷漬けになっていただろう。

 

「初手は躱すか…なら!」

 

青雉は右手に氷を纏わせると一息つく間もなく追撃してきた

 

「アイス塊・両棘矛(ブロック・パルチザン)!!」

 

 氷の槍が空中に何発も精製されこちらに迫る。しかし、これなら対処はしやすい。

 

「フッ!」

 

両の手にある黒鍵で次々と氷の槍を落としていく。対処できないのは無理せずに避けていく。

 

氷の槍が無くなるとすぐさま私は両の手の黒鍵…計6本を青雉に投げつける。青雉はこれを難なく避けるが次に彼は驚愕来る事になる。

 

「うぉ!?マジか!なんだそりゃ!?」

 

そう。黒鍵は追尾式の術式があるので黒鍵は青雉に当たるまで追い続ける。青雉はあっさりと回避していくが途中で避けていても無駄と思ったのか右手に氷で出来たサーベルを持ち黒鍵を破壊した

 

「あんちゃん…お前能力者か?なんの能力だ?追尾して来る武器なんて聞いたこともねぇ」

 

「さぁ…何でしょうね」

 

私は明確には言わず、ぼかしながら言う。

 

すると青雉は一旦攻撃をやめ話しかけてきた。

 

「目的はなんだ?ただ奴隷達を解放するためだけにきたのか?

仮にどんな目的があったとしても、世界政府や海軍、世界貴族である天竜人に真正面から喧嘩売るなんて正気の沙汰じゃない」

 

青雉の言葉に私は思わず微笑んだ。

言っていることがおかしくつい笑ってしまった。

 

「何がおかしい?」

 

「ふふ、正気の沙汰じゃない…確かにあなた達からしたら私のやっていることは正気の沙汰じゃないと思うのは当然だと思います」

 

「…なら」

 

「ですが、私からしてみればあなた達の方がよっぽど正気とは思えない」

 

私の語気を強めて言うと、言葉に青雉は眉を潜めた。

 

「天竜人がした行いで家族を…恋人を…友を…攫われ、逆らうと目の前で殺されていくのをただ見ている事しか出来ない。貴方達、海軍は異常だ。なぜ天竜人を罰しないのです?」

 

「…天竜人のやることは黙認する。それがこの世界での暗黙のルールだ」

 

青雉はそう言うが私はそうは思わない。

 

「…ルールですか。ルールの中で生きていても誰も救えなかった。現に私が今回このようなことをしなければ、ここに居た奴隷達は誰にも救われずに野垂れ死、二度と大切なものに会うことはなかったでしょう。そう…たとえルールを破る事になろうとも誰にも俺の夢(・・・)を邪魔させはしない!!」

 

私の言葉に青雉は驚愕していた目を見開きこちらを人間ではない何かを見るような目を向けた。

 

「お前…何が目的だ?」

 

青雉に促され私は自分の目的を言う

 

「フッ…知れたこと。私の目的は種族の垣根を超えた“全人類の救済(・・・・・・)”だよ…大将・青雉」

 

私の答えに青雉が暫く考えた後…話し出す。

 

「なるほどな…簡単に言えば全種族の自由(・・・・・・)か…。だがそれは、この世界で最も困難で危険な目的だ。それを成すのにどれだけの時間と覚悟がいる?敵だって海軍だけじゃ無いぞ?」

 

「えぇ。覚悟していますよ」

 

「すまねぇが……お前程の脅威を野放しにするわけにはいかねえ…今ここでお前を殺す」

 

先ほど感じた覇気とは比べようもありませんね…これが海軍最高戦力の力ですか。

 

「先程も言ったように私に死ぬ予定はありません。ですのでそこを通らせてもらいます!!」

 

高速で放った3本の黒鍵を青雉はサーベルで追尾されないよう破壊する。先ほどとは威力が違うためを殺す気なのは本当だろう。

 

私はまた黒鍵を両手に出し青雉に向かって振るうが難なく防がれる。

 

「六式の剃でもねぇのにとんでもないスピードだな」

 

「伊達に鍛えていませんよ。ですが、こちらには余裕はありませんのでもう一段階上げていきますね」

 

鍔迫り合いをしていた私は青雉のサーベルを左にそらしこっそり魔術で俊敏性を強化した体で移動する。

 

「あらら〜。マジッやば!!?」

 

私は急に加速をやめ緩急を使い青雉に接近し黒鍵を振るう。

 

青雉はギリギリで避けるが避けられ通り過ぎた黒鍵は青雉の背後にあった壁に大きな亀裂を作った。

 

「ちょっ、ちょっと!?今首切断しようとしなかった?物騒だな〜…スピードだけじゃなくて力もとんでもないじゃないの!バケモンかよ!」

 

「こうでもしないと勝てませんから」

 

とは言ったものの反応に関しては少し態とらしい。魔術で強化した一撃もギリギリ見切られた。戦闘経験が違いますね…油断もせずにこちらの動きを観察している。

 

少し攻撃のパターンを変えましょう。

 

「“ガンド”!」

 

右手を鉄砲の形にし魔力を指先に集中して発射。本来は相手をスタンさせる魔術だか今回は弾丸として使用した。青キジの右肩に命中し、その肩辺りが粉々に砕けた。

 

「ぐぁッ!また妙な技使うな。ほんと何の能力者だ?」

 

「素直に答えるとでも?」

 

「無いな!だが、お前の力は危険だ!!アイス塊・暴雉嘴(ブロック・フェザントベック)

 

青雉は右手に氷を纏わせ固定して巨大な氷でできた雉を放ってきた。

 

「凄い質量の氷ですね…当たったらひとたまりもないでしょう。ですが、私には効きません!」

 

右手を地面につけ魔術を発動。カルナ…少しお借りしますね。

 

「“アグニよ”」

 

シロウの周りに高密度の魔力で出来た炎が発生しその熱で炎に衝突した青雉の氷の雉は徐々に溶けて無くなっていく。

 

「今度は炎まで…出鱈目だ」

 

青雉がシロウが作り出した炎に目を取られている隙にシロウは魔術で強化したままの体で移動し青雉の後ろの通路から脱出した。

決定打が無い以上、このままではジリ貧になると撤退を優先した。

 

炎が収まる頃にはシロウの姿はなく青雉は逃してしまったことに気づき後悔した。

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