異世界灯台守の日々   作:くりゅ~ぐ

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読んで下さる皆様のお陰で100話迄来れました

ありがとうございます



これからも宜しくお願いします


第100話 六月の君

 

ご機嫌斜めな波の下は心地好い場所であった

 

海中の表層は激しい動きと身体に心地好さが

 

そこから少し潜れば潮の流れは穏やかであり、

更にそこから下に潜れば又、潮の流れがご機嫌斜めな空間であった。

 

流石に十mも潜れば心地好さより冷たさが身体を包んだ。

 

濁りと気泡のあるガラスであるがまぁまぁ視界は良いと思う、

アホみたいに価格の高い水中メガネであるがそれだけに、いや、それに見合うだけの値打ちはあったと言う事だろう。

 

まぁ魔法で灯りを、光を照らして居ると言うのも大きな要因ではある。

 

しかし潮の流れが安定してないな、激しかったり緩やかであったりと中々に、身体の制御と言う意味では嫌な流れだ。

 

うん、こりゃ駄目だ、身体の制御でかなり激しく動かざるを得ない、酸素の消費量が大きくなる、決めた通り五分程度で一旦上がる様にしないと体力が大きく削られるな。

 

オイオイオイ、さっそく見付けたぞ。

 

デカっ! 1キロ超えてるぞ、おっ、ここにも、

マジかここにも、さっそく三つ獲れた。

 

暗いが海中に濁りは無いな、だが潮の流れが早いし複雑な流れではある、気を引き締めてやろう。

 

おー アワビも‥‥ デカっ! 何じゃこりゃ。

 

てか意外に分かりやすいな、もっと分かりにくいかと思ったが、あっサザエだ。

 

潜って三分でアワビが五つに、岩がきが四つ、サザエが一つか、あっ、岩がきが‥‥

 

岩がきが更に三つ追加か、一旦上に上がるか。

 

幸先良いな、タコらしきのも見えたしマジで凄いなココ、獲物が豊富でしかも無茶苦茶デカイ。

 

伊勢海老やロブスターも何となくだが気配を感じた、次に潜った時に気配を感じた場所を探してみよう。

 

 

「あっ守長どうだ獲れたのか?」

 

「おうモリソン兄、すげえぞ」

 

上がる時も気を付けないと危ないな、波で足を取られるし身体も持って行かれそうになる。

 

「おいおいマジか‥‥ そんな獲れたのかよ‥‥」

 

「すげえな守長、てかデカイな‥‥ ガキん時に見たのよりデケェ」

 

うん本当ビックリするぐらいデカイ、予想以上にデカイ、嬉しい誤算だよ。

 

「こんな物じゃ無いぞ まだまだ居るな、タコも見えたが一旦上がって来たんだ、てかお前らにもやるよ 持って帰ってから食え」

 

「守長、くれるなら今食いたい、良いかな?」

 

「いやまぁ良いけど砂抜きしないと食感悪いぞ、砂抜きしてから食えば更に美味くなると思うんだが」

 

「うーん‥‥ でもなぁ‥‥」

 

「兄貴、守長が言うように砂抜きしてからの方が良いって、折角なんだちょっと我慢すればもっと美味く食える」

 

モリソン兄が今まで見た事無い様なツラして真剣に考え込んでるんだが、コイツは何故ここまで真剣なツラしてんだ?

 

もっと真剣になる場面があるだろ、まぁモリソン兄だからって事で、その一言で済む訳だが‥‥

 

「岩がき一つづつやるから好きにしろ、それとアワビもやるから、まぁ俺は砂抜きしてから食うがな」

 

うん、好きにすれば良い、多分我慢出来ずにコイツは食うだろうな。

 

まぁアワビは肝の砂袋さえ取れば今食っても問題無い、海水で軽く洗えば良いし焚き火もあるから焼いて食うには丁度良い。

 

少し駄弁って再び潜る、おっほー 岩がきがアホ程密集してるじゃないか。

 

七つかまぁまぁだな、あっサザエが何十と張り付いてる。

 

せっせと獲り、途中で酸素を補給しつつ根こそぎ網の中に入れ終わった時だ、伊勢海老を発見した。

 

それも二匹居るじゃないか!

エビバサミを使い一匹捕まえたがもう一匹が逃げやがった、まぁ仕方無い 次に居たら捕まえれば良いんだ。

 

一旦上がってと、うーん‥‥

 

岩がきもサザエも大量ゲットだ、

あっアワビが、どうする? 次に潜った時に獲るか?

 

うん、無理は禁物だ、アワビは逃げないんだ、

焦らない 焦らない 安全第一で行かねば。

 

上に上がると案の定モリソン兄はアワビを焼いてやがった、まぁ弟も焼いてたがな。

 

二人にあげた物だ好きにすれば良い、だが弟も焼いてたのは意外だ。

 

「何だ兄だけじゃ無く弟も焼いてんのか?」

 

「あー 兄貴を見てたら俺も食いたくなったんだ、無茶苦茶美味そうだったんで‥‥」

 

うん、別に悪い事してるんじゃ無いんだからそんなばつの悪そうな顔しなくても良いのに‥‥

 

「お前等にやった物だ好きにしろ」

 

「ああ、て、何だよそれ! どんだけ採ったんだよ」

 

「モリソン弟、採ったじゃ無い獲ったんだ、言葉は正しく使いたまえ、はっはっは」

 

うーん、何かテンションがおかしくなってんな、

まぁこんだけ獲れたらなぁ‥‥

 

とは言え浮かれすぎない様にしよう。

 

あっそうだ忘れない内に再度言っておかなければ。

 

「おいお前達、再度言うが用足しはあっちの岩場でやれよ、間違っても海にするなよ、やったら俺の本気の気合いを入れたカンチョーするからな、マジで止めろよ! 特にモリソン兄、お前だ、フリでも何でも無くマジでやんなよ」

 

「や やらねーよ、だからマジトーンで言うのは止めてくれ守長」

 

本当か~? 忘れてやらないか? 大丈夫か?

 

モリソン弟を見ると頷いたので一応は信じてやる。

 

だがやったら本気の、本気合いのやつぶちかましてやる。

 

モリソン兄のケツに致命的なダメージを与える

カンチョーしてやる。

 

「てか守長スゲーな、サザエ無茶苦茶獲れたな、しかも全部デカイし‥‥」

 

モリソン兄め話を逸らしやがった、まぁ良いだろう、今日は気分が良いからこれ以上の追及は勘弁してやろうじゃないか。

 

「おう、まだまだこんなモンじゃねーぞ、てか直ぐ潜る、食うのは良いが頼むぞ二人共」

 

「えっもう? 少し休んでから行きなよ」

 

「まだ全然疲れて無いし寒くも無い、てか熱い位だ、じゃ頼むぞ」

 

「あっ!」

 

何かモリソン弟が言いたげだったがまぁ良い、

言いたい事があるなら次に上がった時に言うだろう

 

 

それからは潜ってはせっせと獲り、

そして上に持ち帰るを繰り返した。

 

 

持って来た網や入れ物がパンパンになり、

モリソン兄弟が念の為 持って来た予備の網を出したぐらいだ、てかあんだけ網を持って来てたのに更に予備まで持って来てたとは‥‥

 

まぁ結果的に助かってるから有難いがな。

 

 

「なぁ守長もう焼けたかな?」

 

「イセ‥‥ 棘鎧は生でも食えるんだ、もう大丈夫だよ」

 

「いやぁ‥‥ 生はちょっとなぁ」

 

「そうか生の方が甘味が深いし、舌の上でねっとりとした旨味も又良いもんだぞ」

 

そんな悩む事か? てかまだまだあるんだ、

一匹分位チャレンジしても良いと思うんだがなぁ。

 

しかし本当にこれでもかって程、獲れたな‥‥

 

まさか休憩中に食う事になるとはな。

 

食うにしても伊勢海老は無いと思ってたが、

何十匹も獲れるとは思わなかった。

 

うん、ちょっとは食わないと荷物になる、

半身に切ったのを一人三匹分焼いてるがそれでもまだまだ山盛りあるんだよなぁ‥‥

 

因みにモリソン兄弟には途中、獲れた物を灯台に運んで貰った。

 

その間俺は休憩してたが、二人に絶対一人で海に入るなって釘を刺されたんだが、俺は子供じゃ無いぞ。

 

まぁ危ないから念の為に言ったんだろうがな。

 

おっ、焼けたかな? しかしこうなるんなら醤油を持ってきても良かったかな?

とは言え残り少ないからなぁ‥‥

 

考えても仕方無いか、先に食おう、海老味噌を身に付けて食うか、それとも最初は海老味噌を付けず身だけを食うか悩むな‥‥

 

えーい、海老味噌は後で付けよう。

 

てかちょっと身が取れにくいな、殻が熱いし身が殻にこびりついてる。

 

箸を身に突っ込んでと、おっ取れた取れた。

 

焼いたら香りが素晴らしいな、何時までも嗅いでられる、香ばしさと身の旨味がたまらんぞ。

 

あっつ! あー‥‥ 月並みだが身がぷりぷりだ、

この身の弾力よ、身が歯の圧力に激しく抵抗してきやがる。

 

噛みごたえが最高最強だよ、噛む度に旨味が溢れて、いや、押し寄せて来るな。

 

お次は海老味噌を付けてと‥‥

 

うーん、言葉は要らんな、全くけしからん食い物だ、人を堕落させる食いもんだよ。

 

悪魔がこの世にもたらしたと言っても信じてしまいそうな程の旨さだ。

 

モリソン兄弟も黙々と食ってる、

何かカニを食ってるみたいだな‥‥

 

 

三人共あっと言う間に食った、

俺も含め名残惜しそうに殻を見詰めてる。

 

良し居るのならもっと獲ろう、

じい様達にもお裾分けを増やしてやりたいしな。

 

 

あれから何度か潜った、流石に魔力が大分減った、

半分以上は減ってる、多分残り三割ってとこか?

 

久々だなこんな魔力をつかったのは、

だがそれに見合うだけの収穫はあった。

 

その影響は顕著に現れてる、うん、流石に獲り過ぎた、残りはあの岸沿いにある窪み辺りか。

 

とりあえず行ってみよう、あの窪み辺りが最後だな、もっと長いロープがあれば更に獲れるだろうが無い物は仕方無い。

 

まぁ良い潮時だな、てか一旦上がるか?

 

もう五分は経ってるしな、見るだけ見て確認してから上がろう。

 

ん? この窪み斜め下にやや深みがあるな。

 

灯りを強めてと‥‥

 

あれ? 何かあるな‥‥

 

微妙に動いてる? 波? いや潮の流れ?

 

岩なら動かないよな? 何だ? 少し中に入るか、

息苦しくは無いし酸素はまだまだ魔法で造れる、

ちょっとだ、ちょっとだけ確認するだけだ。

 

身体は余裕で入る、ん? あー ロープが上に引っ掛かったか。

 

おっ、ロブスターが左に三匹も居るじゃないか、

おっおっ、この窪み当たりだな岩がきもアワビも結構居るぞ、あらあらサザエも‥‥

 

タコは居ないか、まぁ二十匹以上獲ったしこれ以上は要らないが流石に獲り過ぎたか。

 

まぁ良いだろうあの動くモノを先に確認しよう、

ん? えっ? マジか‥‥

 

これって‥‥

 

おい! 何で後ろに引っ張られてる?

 

モリソン兄弟! 引っ張んなや!

 

クソ、凄い勢いで引っ張られ・・・

 

 

 

「あっ守長大丈夫か?」

 

「良かった守長、長い事上がって来なかったから心配したんだぞ! てかロープ引っ張ったよな、何かあったのか?」

 

あーそうか、五分以上潜ってたし ロープも引っ掛かってそれがコイツらから見たら俺がロープを引っ張ったと思った訳か‥‥

 

「大丈夫だロープが引っ掛かっただけだ、それと窪みがあってなそこを確認してたんだ」

 

「はぁ? 守長窪みってあそこは潮の流れが他と段違いに早いし、おまけに複雑な流れなんだぞ‥‥」

 

「良く分かったな守長、てかあそこ人が入れる幅じゃ無いだろ」

 

ん? 潮の流れが早い? 人が入れる幅じゃ無い?

 

「いや、流れは他と変わらんぞ、緩やかでは無いが特別早くも無かった、それに余裕で出入り出来る幅だったぞ」

 

俺の言葉に二人が首を傾げてる、何か意見の相違があるな。

 

てか昔はそうだったかも知れないが今は変わっただけなんじゃ無いのか?

 

この十年で変わっただけの事では?

 

地形の変化何か良くある事だしな。

 

そう思い二人に聞くと、

 

「あり得るのか? 俺らは昔聞いた話じゃ入れない窪みって聞いてたんだが?」

 

「まぁ守長が言ってるんだ、実際見て確認までしてるんだしそうなんだろう」

 

「てか余裕で入れたぞ、しかも流れもそんな早くも無かったし嘘じゃ無い、多分この十年で変わったんだろう、てかもう一回潜る、デカイ岩がきもアワビもサザエも海ザリガニも居たんだ、それに真珠貝(・・・)もだ、あんな馬鹿デカイの見た事無いぞ、絶対引き上げる」

 

そう、この世界では真珠貝と言うが、

前世ではアコヤ貝と言われて居た物だ。

 

しかも超巨大なアコヤ貝があったんだ

 

必ず引き上げる!

 

 

 

 

 

 

 

 

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