異世界灯台守の日々   作:くりゅ~ぐ

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第101話 真円はほぼ真円

 

「はぁ? 守長流石にそれは見間違いじゃ無いのか? 聞いた事無いぞそんなの?」

 

「見間違いじゃ無い、間違いなく見た」

 

うん横幅‥‥ 1m 縦も60cm近くはあったし、

高さも60cm近くはあったな。

 

その事を二人に言ったが信じなかった。

 

「守長、嘘とは言わないけど見間違いじゃ無いのか? 流石にデカ過ぎる、てか真珠貝じゃ無くて別のやつなんじゃ?」

 

「見間違えでは無いな、まぁもう一回潜って確認する、真珠貝以外にアワビや岩がきやサザエに棘鎧なんかも居たしそれも獲ってくる」

 

この辺り、まぁ身体に付けた命綱代わりのロープの届く範囲は根こそぎ獲ったがそれ以外にまだまだアホ程居たから又増えるだろう。

 

大体取り零しが全く無いと言うのはそれこそ無いだろうし、明らかに小さな物は獲らずにそのままにしたしな。

 

うん、そんでも山盛り獲れた訳だが。

 

我ながらちょっとやり過ぎた感は正直ある。

 

だがそれでもまだまだこの辺りには居るんだよなぁ、元々多かった上にこの十年手付かずだった訳だからそら獲りきれ無い位居てもおかしくは無いよな。

 

「なぁ守長、真珠貝かどうかは置いといて、そんなデカイのどうやって上まで引き上げるんだ?」

 

「細縄に括り付けてそんでこの命綱代わりのロープに結んで引き上げる、合図をしたらお前たちに引っ張り上げて貰いたい」

 

「あー そうだなそれならまぁ‥‥ だけど守長、細縄はいざとなったら切れる様にしてくれよ、てか切ってくれ、命に関わるからな」

 

「そうだな兄貴の言う通りだ、てかそんなデカイのなら俺達二人で引き上げられるか分からんし、命綱に結んで貝と守長を引っ張り上げる事が出来るかわかんねーんだから」

 

命綱外してアコヤ貝に括り付けるって言ったら多分反対されるだろうなぁ‥‥

 

命綱外す何て本末転倒だし、そら反対されても仕方無いか。

 

「なぁ村から力自慢を呼んで来るか? お前達二人で行けそうならこのままこのままやるが?」

 

「あー‥‥ それも一つの手だな、てか試してみないとなぁ‥‥ お前どう思うよ?」

 

「いや兄貴、そら人を呼んで来てやるのが確実だよ、てか守長、引き上げる事が出来てもどうやって村まで、灯台まで運ぶんだ? 海の中だから引き上げるのは何とか出来ても灯台まで三人で運ぶのはきつく無いか?」

 

うーん、その問題があったか‥‥

 

確かにあんだけの大きさなら運べない事はないと思うがきついか?

 

うん、かなりきついな てか足場が余り宜しく無いからきついな、平坦な場所でもあの大きさならきつい、それが足場が悪いとなると‥‥

 

「おい、村からブライアン呼んできてくれるか? 大銅貨一枚やるから手伝いに来いと言ってきてくれ?」

 

「分かった、でも守長、もしブライアンが来ないと言ったらどうする?」

 

「そん時は 来た方が良い、守長が手をワキワキさせてたぞって言え、そう言えばゴネてても来るはずだ、それとついでに命綱と同じ位の長さのロープを持って来てくれ」

 

「? 分かった、守長それと太めの棒も二本持って来るよ、棒に括り付けると運びやすいからな、それと兄貴が居るからって海には入らないでくれよ」

 

「お前気が利くな、分かった大人しく休憩しとくよ、じゃ頼むぞ」

 

モリソン弟は頷くと走って行った、てか本当アイツ気が利く奴だ、確かに棒に括り付ければ運びやすい、下にぶら下げるか 棒上に括り付けるかすれば大分楽に運べるな。

 

「なぁ守長、待ってる間に棘鎧食っても良いかな? 何か腹減った」

 

「・・・」

 

本当コイツは残念な奴だよ、何と言うか‥‥

 

「好きにしろ」

 

「やったマジで? 焼いちゃおーっと♪」

 

 

~~~

 

「守長、来たぞ だから勘弁してくれよ」

 

「ブライアン、何でそんな焦ってるんだ? てかもしかしてだがゴネたのかお前?」

 

「違うよ、暇だったし行くと言ったんだ、だけど詳しく話を聞いたら守長が手をワキワキって‥‥」

 

「お前‥‥ まぁ良いだろう、話を聞いたのなら何をするか分かるよな? 大銅貨一枚 手間賃としてやるから手伝え」

 

「まぁくれるなら有り難く貰うけど、本当にそんなデカイ真珠貝が有ったのか? 見間違いじゃ無いのかよ?」

 

「何だブライアン‥‥ お前信じて無いのか?」

 

「も 守長! 信じてるから! 俺は信じてるから、だから手をワキワキさせないで下さい」

 

うん良い子だ、俺は聞き分けの良い子は好きだぞ、

人間素直が一番だからな。

 

「なぁ何でブライアンはあんな焦ってるんだ?」

 

「いや兄貴、守長の話をしてからずっとあんな調子なんだよ、てか俺も何でなのかわかんねーんだ、何でなんだろうな?」

 

うん、この世には知らない方が幸せな事もあるんだ、例えばブライアンのブライアンとかな。

 

しかしブライアンの奴、ちょっと手をワキワキさせただけで即素直になるな、流石にちょっとやり過ぎたかな?

 

まぁ良いだろう、やりやすいのなら大歓迎だ。

 

「なぁ守長ちょっと良いかな?」

 

「何だブライアン、俺には親が決めた婚約者が居るからお前の気持ちに応える事は出来ないぞ」

 

「何でだよ‥‥ いや真面目な話もう夕方だから早くやろうって言いたかったんだが‥‥」

 

「お前どうしたブライアン? お前がまともな事を言う何てまさかお前酔ってんのか?」

 

「何でだよ、俺の事なんだと思って‥‥ いやまぁ良いんだけど、てかこれから潮の流れが又変わるし、激しくなるって聞いた事があるんだ、だから早くやろう」

 

コイツえらい真剣だな、まぁ俺も真面目にやろう、

ふざけてばかりも居られ無い、潮目が変わると危ない、てか今でも大概 潮の流れが激しいんだ、うん、ふざけ無いで真剣にやろう。

 

~~~

 

おっ微妙に潮目が変わったかな?

急いで済ませないとな、

但し焦らず落ち着いてと‥‥

 

うーん、やっぱアコヤ貝だよな、突然変異か?

異常なデカさだぞ、これ真珠が入ってるかは兎も角、貝柱食いでがありそうだな。

 

こんだけデカいと貝殻を鍋代わりに出来そうだ、

まぁアコヤ貝は殻が柔らかいから使い勝手が宜しく無いからな、だが飾りには出来るか?

 

良し、細縄で括り終わりっと、

後はロープに括って終わり‥‥ OKOKバッチリだ、

さて、この窪みから出して‥‥ 完了っと。

 

アイツらちゃんと引き上げれるかな?

 

まぁ試してみないと分からんな、

ロープを三回引っ張ってと‥‥

 

おっ、上がってる上がってる。

 

てかブライアンの馬鹿力かな?

 

うーん、凄い勢いで上がって行ってるな、あれなら大丈夫そうだ、さてと、俺は窪みの岩がきとアワビにサザエを獲ってから上がるか。

 

残念ながら伊勢海老は居なくなったがまぁ良いだろう、あんだけガチャガチャさせてたらそら逃げるわ、仕方無い。

 

 

窪みの獲物を根こそぎ回収して上がると三人がアコヤ貝を見てた、てか本当デカイよなビックリだよ。

 

「守長マジじゃないか! えっ? 俺幻見てんのか? 夢じゃ無いよな?」

 

「いや兄貴コレ現実だ、てか俺も信じられないよ、目の前にあんのに夢みたいだ」

 

「・・・」

 

うん、ブライアン 口半開きにしてかなりアホ面になってるね、驚き過ぎて声も出ないみたいだな。

 

「オラお前達、俺が言った事は本当だっただろうが、てか改めて見ると異常にデカイな、これ大丈夫だよな? 中に海の悪魔が入ってたりしないよな」

 

うーん、海中で見るより更にデカイ、本当凄いな、

流石異世界だなビックリだよ。

 

「守長‥‥ 俺夢見てるんじゃ無いよな?」

 

「おう現実だし起きてるはずだ、何だブライアン、寝てるなら起こしてやろうか?」

 

「いやいやいや大丈夫! だから手をワキワキさせないで下さい守長」

 

「そうか残念だな、まぁ良い、それより棒に括り付けてとっとと帰るぞ、まぁ着替えが先だが」

 

俺の言葉に三人が動き始めた、

どうやら棒の上に載せて括り付けて運ぶ様だ。

 

神輿スタイルだな、下にぶら下げるとブラブラして危ないから神輿みたいにした方が安定するだろう。

 

おっと、

「おい貝の中の海水を抜けるなら抜いとけ、少しでも軽くして持って帰ろう」

 

「うーん‥‥ そうしたいけど口が固くて開かないな、立て掛けて少しづつでも抜くか?」

 

「兄貴、それなら時間が掛かるよ」

 

「二人共押さえといてくれ、俺が開けてみる」

 

 

ブライアンの奴め顔真っ赤にして力を入れてる様だが貝はうんともすんとも言わないな、てか無理だろ?

 

仕方無いな‥‥

 

「おいあんま無理すんな、無理なら無理で仕方無い諦めて運ぶぞ」

 

「分かった、だけどこれ運ぶの骨が折れるぞ‥‥」

 

「諦めろ、小遣いやるんだから頑張れ」

 

うんざりしたツラしてやがる、まぁ諦めてもらうしかないな、てか俺も嫌だが仕方無い。

 

~~~

 

「なぁもうちょいゆっくり運ぼう、結構しんどいんだけど、てか重過ぎだろコレ」

 

「兄貴、喋ると余計辛くなるぞ、もうちょいだ頑張れ」

 

「・・・」

 

モリソン兄弟がちよっと辛そうだな、ブライアンが無言なのは言葉を発したら俺に股間を掴まれるって思ってるかも知れない。

 

何故そう思うかと言うとさっきから俺をチラチラ見て来てるからだ。

 

ブライアンの奴かなり警戒して居る。

 

うん、マジでコイツの股間を掴むのは控えよう。

 

流石に俺もやり過ぎな気がしてきた。

 

 

そんなこんなでヒイヒイ言いながらやっとこさ灯台まで運んだ。

 

約束通り三人に小遣いをやったんだが、ブライアンがモリソン兄弟に渡した銀貨を見て物言いたげな顔してたので、金額に差がある理由はモリソン兄弟に聞けと言い二人に説明を丸投げにした。

 

うん、何やかんやで疲れたし面倒になったからだ。

 

まぁ獲物をブライアンにもお裾分けしたら割と喜んで居たので良しとしとこう。

 

そして灯台守のじい様達にもお裾分けし、

家に居るじい様達にもお裾分けしたんだが、

アコヤ貝のデカさに皆驚いてたのが印象的だった。

 

じい様達曰く、この大きさは流石におかしい、

大丈夫か? 中に悪霊でも入ってるんじゃ無いか?

とか皆が言って居たので少し不安になったが気にしない事にした、だって疲れたんだもの。

 

うん、何かどうでも良くなったのだ、

てかこんだけ大きいと貝柱が楽しみである。

 

まぁ砂抜きしてからだな、とは言えこれだけの大きさであれば三日は砂抜きした方が良いだろう。

 

 

そして後日、俺は貝口を開けるのに苦労して居た。

 

バールを使い開けようと頑張って居たのだが余りの固さに断念した。

 

第二案として殻頂の部分をノコギリで切ろうと思い実行したがやりにくいし時間が掛かりそうなので断念した、てかイラついたので止めた。

 

第三案、てか面倒臭くなったので殻頂の部分をノミで叩き壊した、トンカチでノミを狂った様に叩きまくったら案外簡単に壊れ胸がスッとした。

 

さて、お楽しみのご開帳である。

 

どんだけデカイ貝柱が出るかお楽しみだ。

 

アレ? 貝の内側がえらくキラキラしてんな‥‥

 

そういやこれアコヤ貝、この世界では真珠貝だったな?

 

でも天然で真珠が出来る確率は一万個に一つだ、

まさか‥‥ てかアレ‥‥

 

「おいマジかよ! デカっ!」

 

思わず声が出てしまった、えっ? マジ?

 

真珠入ってたよ‥‥

 

しかも粒が異常な大きさだ、

俺の握りこぶしよりデカイんだが?

 

しかも真円、いやまぁほぼ真円なんだが‥‥

 

えっ? 粒の大きさもそうだがほぼ真円って‥‥

 

これ幾らになるんだ?

 

金貨千枚? いや‥‥ 二千枚になるんじゃ‥‥

 

ん? まだある‥‥

 

あっ‥‥ 真珠が更に二粒入ってる‥‥

 

ゴルフボール位の大きさか? だが形がいまいちだな、ちょっと歪と言うかデコボコしてんな。

 

だがこれでもまぁまぁの価値はある、

あくまでまぁまぁではあるが‥‥

 

しかしこのほぼ真円の真珠どうしよ‥‥

 

余りにもデカ過ぎだろ、

取り扱い間違えたらややこしい事になりそうだ

 

 

ああっ、貝柱デカイなぁ‥‥

 

食いごたえがありそうだ、楽しみだなぁ わーい

 

どうやってたべようかなぁー

 

 

 

 

人が見たら言うだろう 現実逃避と・・・

 

 

 

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