異世界灯台守の日々   作:くりゅ~ぐ

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明けましておめでとうございます

本年もよろしくお願いします

それと前話にもお知らせ致しました様にお正月休みを頂きます 再開は一月九日の月曜日です

それと正月バージョンで何時もより文字数が多くなっております


第158話 ハロウィンのトゥルーラブ

 

秋も深まり冬一歩手前

 

今は所謂 端境期と言った所か‥‥

 

前世で言うならハロウィンだな。

 

もう過ぎたか? それともまだか?

 

そんなどうでもいい事を考えてしまう。

 

枝葉末節、俺の悪いクセだ。

 

しかしハロウィンか‥‥

 

あの時も確か‥‥

 

 

~~~~~~~~

 

『おい黒ギャル、何しに来やがった?』

 

『ハァ~? 手伝いに来てやったのに何て言い草だよ、あっしみたいな可憐で儚げな美少女が折角手伝いに来てやったのに、大体お前こそ何だよ? 何で鎧武者なんだ?』

 

『ハァ? お前な、今日はハロウィンだぞ、仮装するのは当たり前じゃないか、それともあれか? ハロウィンに鎧を()けたらダメって法律があんのか? そんな法律は無いだろうが』

 

『いやお前‥‥ 腰に差してる刀って真剣だろ?』

 

『・・・』

 

『なぁ銃刀法違反って知ってるか?』

 

『も 模造刀だもん‥‥』

 

『ウソつけや! 真剣だろそれ? 前に見た事あるぞ、お前‥‥ 流石にそれはどうなんだ?』

 

クソ‥‥

 

コイツ無駄に記憶力が良いよな、コイツ確かに前に見た事合ったわ。

 

『なぁそれってどうなん? あっしでも流石に引くわ~ 』

 

『うっせーな‥‥ コスプレだよコスプレ、てかお前こそ何だよ? ハロウィンだぞ、それなのにお前は‥‥ まさか制服が仮装ってしょーもない事言わないよな?』

 

『しょうが無いだろ、学校からそのまま来たんだから、帰りに色々あって家に帰れなかったんだよ』

 

『どーせ何かやらかして職員室にでも呼び出されたんだろ?』

 

『違うわ、お前と一緒にすんな』

 

『てかお前、トゥルーラブ女学院って‥‥ 未だに信じられんわ』

 

『お前トゥルーラブ言うな、あっしらソレ言われんのスッゲー嫌ってんだからな、ちゃんと真愛女学院って言え!』

 

うん、真愛女学院は世間ではトゥルーラブ女学院と言われて居る。

 

コイツが通って居るトゥルーラブ事、真愛は所謂お嬢様学校だ。

 

それも超が付く程のお嬢様学校である。

 

正に真のお嬢様達しか通わないし、通えない、超名門お嬢様達の集まり、超お嬢様学校、いや、学院である。

 

それがコイツみたいな小汚ない黒ギャルが通って居るって、何のギャグだと思うが、ギャグでも冗談でも無い本当の話だ。

 

真愛女学院は厳しい事でも有名ではあるが、反面自由な校風でも有名である。

 

自由と厳しさ、相反する校風であるが、自由にはある種の節制と義務が生じるからとの事らしい。

 

コイツの様に黒ギャルであっても許されるのは、自由には責任が伴う、そして自己責任と言う生徒の自主性と自立、それに伴う責任は自らが負うとの校風なのだ。

 

つまりコイツが黒ギャルであってもコイツの責任であり自由でもあり、それに伴う様々な物、良いも悪いも含めて自分自身の裁量で処理しなければならない。

 

特権には義務が伴うだったか?

 

ノブレス・オブリージュと言う事だな、確か元は貴族の特権に伴う義務を言って居たんだったっけ?

 

自由には責任が伴う、権利には義務がともなう。

 

確かその様な言葉もあったはずだが、真愛は正にその様な校風であり、真愛女学院はそれを国是と言えば大げさだが、実践? している。

 

『お前なぁ、世間じゃ皆トゥルーラブって言ってるだろ?』

 

『あんなぁ、アレは元々ネットの中で言ってたのが、何時の間にか世間に広がって言われる様になったんだぞ、あっしらは本当にその言い方嫌ってるからな、大体トゥルーラブって、真愛って言うより長いし言いにくいのに何で皆そんな言い方するのか訳分かんないわ』

 

『俺に言われてもなぁ‥‥ てかお前その制服目立つぞ、まぁ今日はハロウィンだからコスプレしてる様に見えなくも無いが‥‥』

 

『言うな、あっしもそれは分かってるから、てか普段からコスプレしてるみたいだって言われてんだぞ、失礼な奴等だよ全く‥‥』

 

『いやお前‥‥ 黒ギャルでトゥルーラブの制服着てたらそら言われるわ、違和感が半端無いぞ』

 

『だからお前トゥルーラブ言うな! さっきも言ったけど分かってんだよ、ウチの学院は清楚な感じの子が多いから、あっしみたいなのは目立つし、違和感があるのもな、でも本当に学院生なのに‥‥』

 

そう思ってるなら黒ギャルを卒業しろや、てか何がコイツを黒ギャル道に進ませてるか全く分からん。

 

似合っては居るんだよな、でも清楚な格好はもっと似合ってると思うが‥‥

 

どんな格好をしようがコイツの自由だし、俺がどうこう言う権利は無いし、コイツが好きでやってるなら尊重はしなければな。

 

十七歳なら自由に、そして思う様に生きるのは今しか出来ない事だ。

 

とは言えトゥルーラブでは目立つだろうがな。

 

てか高二か‥‥

 

下の学年は兎も角、上の学年の奴から何か言われたりしないのかな?

 

うん、言われ無いんだろうな。

 

自由と権利と義務、それがあの学院の校風なんだ。

 

それに伴う責任と義務を果たして居ればあの学院生は、他者がごちゃごちゃ言わない雰囲気と精神を持って居るみたいだからな。

 

正に真のお嬢様の集まりだわ。

 

金持ちケンカせずって所かな?

 

『なぁ、配るお菓子多くないか?』

 

『ん? ああ‥‥ 近所の子等が結構来るし、道場のガキんちょ達もほぼ皆が来るからな、多少は多めに用意してるんだよ』

 

『それにしては多いな‥‥ コレ師匠達が作ったんだよな?』

 

『うん、ばあちゃんとお母さんと俺が作った』

 

確かに少々多い気がしないでもないが、足りなくなるよりは良いだろうと言う事でこれだけの量を用意して居る。

 

個別にラッピングしたデカイマシュマロに、クッキーに、グルテンフリーのバウンドケーキをカットした物、それにいきなり団子だ。

 

いきなり団子はあんこ入りとあんこ無しの二種類あるし、グルテンフリー、コレは米粉を使って作った物でアレルギーのある子用の物だ。

 

マシュマロは彩り豊かで、様々な色の物がある。

 

クッキーはスライスアーモンドを入れたのと、カボチャの種入りのと、チョコチップと、チーズクッキーのがある。

 

量もそうだが種類も豊富だ。

 

てか俺も手伝ったからなぁ‥‥

 

否も応も無く、強制参加させられた。

 

拒否権なんて物、そんな上等な物はこの時期には無い。

 

それを言い始めたら年末も何だがな‥‥

 

しかしコイツ、お菓子を物欲しげに見詰めやがってからに‥‥

 

『おい、トゥルーラブ女学院二年の天音、君はお菓子が欲しいのか? なら可愛らしく、ハッピーハロウィン、お菓子かイタズラどっちが良いって言ってみろ?』

 

『お前‥‥ 又トゥルーラブ言ったな‥‥ はぁ‥‥ もう良いわ、いや、良くは無いんだけど‥‥ てかハッピーハロウィンっておかしく無いか? 普通はトリックオアトリートだろ?』

 

『うん、そうだな、だって適当に思い付きで言っただけだから、てかお菓子が欲しいなら欲しいニャンって言ってみろ? 言うなら考えてやらん事もないぞ?』

 

『お前は本当‥‥ 欲しく無いって言ったらウソになるけど、コレ子供達に用意した物だろ? それを貰うのは流石に‥‥』

 

うん、コイツは何を大人ぶってるんだろうな?

 

てかお前まだガキじゃないかよ。

 

とは言えそんな事を言おう物なら又ギャーギャー うっせーから言わないがな。

 

しかしコイツ、制服案外似合っているな。

 

反面コスプレ感も凄い。

 

確かにコレならコスプレとしても通用する。

 

本人は違うと声を大にして抜かしやがるだろうがな。

 

『おい、余ったら多分お前にもお裾分け出来るだろうから、期待せず待っとけ』

 

『うーん‥‥ 余るか? いや、この量なら余りそうな気もするけど‥‥』

 

『だから期待せず待っとけって言ってるだろ?』

 

『期待はしないでおく、じゃないと後でガッカリするから』

 

確かにそうだな、とは言え去年より多く用意したし、今年より少なかった去年は余ったからな。

 

だが何があるか分からん、期待させてガッカリさせる事になるかも知れないから黙っておこう。

 

『おう、てかお前ウチに手伝いって、友達居ないのか?』

 

『何でだよ?』

 

『いやだって、ハロウィンなら皆で集まって騒いだりするだろ? てか都心部で毎年アホガキ共は集まって騒いで居るじゃないか』

 

『お前偏見だぞソレ、ウチの学院の生徒はあんまそーゆー事はしないんだ、あんな所に行って何か合ったら大変だし、騒がしすぎて意外と楽しく無いみたいだしな、てかお前は行かないのか?』

 

『うん、行かない、今まで二回行ったけど案外楽しく無いからな、高校ん時初めて行ったけど大して楽しくなかったし、アレって酒飲めないと楽しく無いのかと思って、去年酒が飲める様になってから行ってみたけど全然楽しく無かった』

 

端から見てると楽しそうに見えるが、行ってみると案外楽しく無いんだ。

 

ただただ人が多いだけ、若い奴等が、所謂アホガキばっかで、雰囲気と言うか空気感が一定の流れしかしなくって、全然面白くない。

 

大晦日にデカイ神社に、年越し参りに行く方がよっぽど楽しいし面白い。

 

アレは様々な年代の人間が居て、空気感や雰囲気が様々に入り交じって、独特の物があるからだろう。

 

それに(おごそ)かな雰囲気と、騒がしいと言うより活気があって、独特の空間が出来上がってるからこそ何だろうな。

 

ハロウィンはガキが騒ぎたいだけの、只の祭りモドキでしか無かったわ。

 

その事を天音に言うと‥‥

 

『ふーん‥‥ そんなもんかぁ‥‥ 確かに端から見たら楽しそうに見えるけど、現実はそんなもんだなぁ』

 

『そうそう、そんなモンだよ、二回共ツレや彼女達と行ったけど皆ガッカリしてたな、こんなもんかってな』

 

『・・・』

 

『ん? どうした?』

 

『い~や、べっつに~』

 

何を拗ねて、いや、やさぐれてんだコイツは?

 

ん? そうかそうか、なるほどな。

 

『もしかしてハロウィンの真実を知ってガッカリしてんのか?』

 

『い~や~ ふーん、彼女達ねー』

 

『彼女達って言っても俺やツレ達のだぞ、二回共そうだ、彼女は一人しか居なかったからな』

 

『へえ~‥‥ おモテになられる事で』

 

『お前なぁ、俺だって彼女位居たわ、と言っても今は元カノ達だがな』

 

『達ねえ‥‥ ふ~ん‥‥ お盛んな事で』

 

何をコイツは突っかかって来るんだ?

 

もしかして‥‥

 

『何だ、もしかしてハロウィンの時に都心部に行ってみたかったのか? そんで行った俺が羨ましかったと、そんなトコか?』

 

『・・・』

 

『何だよ黙んなやトゥルーラブ学院生』

 

『だからトゥルーラブ言うな、本当もう‥‥』

 

 

『トリートオアト‥‥ ヒッ!』

 

玄関から入って来た子供達が無茶苦茶ビックリして居る、そしてフリーズしちゃって居る。

 

うん、俺の姿を見てビビった様である。

 

『あー‥‥ お菓子な、うん、好きなのを一つ選んで良いよ、アレルギーある子用のもあるからな』

 

『あ あ ありがとうございます‥‥』

 

チラッと横を見ると、黒ギャル天音が笑いを堪えてやがる‥‥

 

コイツ‥‥

 

『お前何か言いたい事があるのか?』

 

『フヒヒ‥‥ やーい、子供にビビられてやんの~』

 

『・・・』

 

何でだ?

 

俺は鎧を着けて、床几(しょうぎ)に座って居る。

 

床几は戦国時代等の時代劇で武将が座って居る、折り畳み式の椅子だ。

 

そんなビビるか? 寧ろ格好良いだろ?

 

最初はコレに加えて頬当(ほおあ)ても装着しようと思って居た。

 

だが流石にそれはやり過ぎと思い止めたのだが‥‥

 

『お前分かって無いな、いきなり鎧武者が現れたらそら驚くわ、あっしも小学生だったらむちゃビビったと思うし、てか今日お前を最初に見た時ちょっとだけだけどビックリしたからな』

 

『格好良いだろコレ?』

 

『格好良いとか、格好悪いとかの問題じゃ無くてだな、てかまずビックリするわ』

 

『・・・』

 

おかしいな?

 

男の子こう言うの好きだから喜ばれるかと思ったのに、何故だ?

 

いやまぁ、女の子にはいまいち不評かなとは思ったぞ、でも男の子は喜ぶと思ったのに‥‥

 

男とか女関係無しにビビられたんだが?

 

今もビクビクしながら子供達はお菓子を選んでる。

 

解せぬ? 何故なんだ?

 

『あ ありがとうございました‥‥』

 

子供達は逃げる様に出て行った。

 

てかダッシュで出て行くって‥‥

 

『お前何考えてるか分かるぞ、どうせ何でなんだおかしいとか思ってるんだろ? てかな、その姿リアル過ぎなんだよ、本物の鎧だから当たり前だけど』

 

『・・・』

 

だからこそ格好良いと思う俺は少数派なのか?

 

いやいや、道場のガキ達なら分かってくれるはずだ。

 

うん、奴等なら分かる。

 

武術を嗜んで居るんだからな、アイツ等ならキャッキャ言いながら喜ぶだろう。

 

『トリ‥‥ うおう!』

 

『ト‥‥ ヒャッ!』

 

『お菓子貰いに来たー トリックオアトリート‥‥ えっ? えっ? えっ?』

 

『キャー』

 

『お 落武者だ~』

 

コ コイツら‥‥

 

『お前ら何で驚いてんだよ、てか何で泣いてるんだ? おかしいだろ?』

 

『アレ?‥‥ 銀河兄ちゃん?』

 

『俺だ俺!』

 

『ちょっ‥‥ お前オレオレ詐欺かよ』

 

こんの黒ギャルめが、何がオレオレ詐欺だ。

 

ふっざけやがって‥‥

 

てか何で道場のガキんちょ達までこんなビビってるんだ?

 

しかも落武者って言った奴も居たぞ。

 

誰が落武者だ‥‥

 

『アレ? 銀河兄ちゃんと天音ねーちゃん? ビックリしたぁ、もう、そんな格好して‥‥ コスプレの域越えてるよー』

 

『・・・』

 

この女子中学生め、何て事言いやがるんだ。

 

コスプレの域越えてるって、これは只のコスプレだ! それ以上でもそれ以下でも無い。

 

『アレ? 中学生もハロウィン参加してんだ?』

 

『そうだよ天音ねーちゃん、と言っても道場だけで他所ではやって無いよ、この子達の付き添いなんだ』

 

『あー そうかぁ、て、おい、泣いてる子どうにかしろよお前』

 

『えっ? コレ俺のせいか?』

 

『いや、お前以外誰が居るんだよ』

 

んーな事言われてもなぁ‥‥

 

何か不本意と言うか納得行かないんだが?

 

『本当お前は‥‥ やり過ぎなんだよ』

 

『うっせーな‥‥ トゥルーラブ女学院の制服着たコスプレしてる奴に言われたくねーよ』

 

『お前又言ったな‥‥ てかあっしはコスプレじゃ無く本物だっつーの! それとトゥルーラブ女学院言うな!』

 

『何だよトゥルーラブ女学院生? ギャーギャー喚くなや』

 

『お前又‥‥ 言った側から‥‥』

 

俺と天音のやり取りを見て、泣いてたガキんちょが何時の間にか何故か泣き止んで居た。

 

そして‥‥

 

俺達二人が何やかんやで仲が良いだのと好き勝手に言って盛り上がって居やがる。

 

トゥルーラブ、それは真実の愛である。

 

女子中学生が他のガキんちょ達に説明してる声が聞こえた‥‥

 

 

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