異世界灯台守の日々   作:くりゅ~ぐ

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第217話 更なる混乱へと

 

「オメーが下らん事ばっか言うから話が進まねーんだろうが。クソガキが……」

 

「うるせーなぁ……。お前がいちいち突っ掛かって来るからだろ?」

 

「ハァ? お前のせいだろうが」

 

生意気だなこの鈍牛野郎が。

 

「はい問題です。八×七は? はい! ローガン君答えなさい」

 

「・・・ご……、五十六?」

 

「お前躊躇わず即答えろや。何お前は自信無さげに答えてるんだ? 十歳位の子供でも即、答えられるぞ。お前マジでヤバいな……。逆に怖いよお前」

 

学校の勉強何か意味はないって、そう思ってるタイプなんだろうな。そんな訳あるか。何やかんやで学校の勉強ってのも役に立つし、意味もあるんだよ、アホが。

しかしこの寝取られジジイめ素直に答えたけど、いきなり言われてつい咄嗟に答えたってとこかな? この様な不意打ちって意外と効果あるんだよな。

 

「ちゃんとあってるだろうが。大体だな、そんなモン出来る奴にやらせれば良い。俺ァ人に使われる立場じゃねーんだ、使う側だから別に良いんだよ」

 

「ふーん……。ある意味間違ってはいないが、九九みたいな簡単な計算位出来ないと、お前の()()の金を抜かれても気付かないマヌケにその内なるぞ。別にどうでも良いんだけど」

 

所でスミスおじ様、何で片眉がピクッと動いたんだろうね? 器用だねキミ。

 

「ウチはその辺りは気ぃつけている」

 

だね、俺が初めて会合に飛び入り参加した時に色々あって、それで金庫番三人にそれぞれ監視させて、さらに外部からも監視させたもんな。元々あった監視システムを強化させたから、多分大丈夫だと思ってるんだろう。それでも抜こうと思えば俺なら抜けるけど、それは言わないでおこうか。

 

「あっそ、で? 俺の改善案は? どうすんのお前ら?」

 

「あー……。その件に関しては後日議題に上げて話し合う」

 

ふーん。後日ねえ。さっさとやれば良いのに。

多分俺には関わらせず、自分達で決めたいって思ってるのかな、議長さんは。

それか後日って言いつつ、俺がこの場から消えてから、つまり今日、後で話し合うとかかな? 別にどうでも良いけど。

 

「俺は親切だから一応お前達に伝えてやるが、さっさと決めた方が良いぞ。多分来年辺り更に今より状況は悪くなる。多分では無くそうなるだろうな。希望的観測を述べれば、最低でも今よりバハラの治安状況が悪化する()()()()()だと思うぞ」

 

「おい、それはどう言う意味だ? オメーは何か情報を掴んでんのか? まさかフカシじゃねーだろうな?」

 

失礼な事を言うねスミスおじちゃまは。まさかさっきのマヌケ発言を根に持ってるのかな?

 

「フカシでも無いし、お前らをおちょくる為のハッタリでも無い。情報源は確かだ」

 

「バハラの行政府情報か?」

 

「んーな訳無いだろ。今の行政府にまだ残ってる知人情報じゃ無い。それにだな、今の行政府にそんな能力があると思ってんのか? 全体的に行政府の能力は落ちてるよ、今のバハラの状況を見ればいちいち口に出さずとも分かる。当然情報収集能力だってお察しだ。あくまでこれは、俺の分析、そして確固たる情報があって発言してる」

 

チッ……。胡散臭げに俺を見て来やがってからに。何だよその目付きは? お前らまさか俺の事を詐欺師か何かと思ってないか? 失礼な奴等だよ。

 

「皆ちょっと良いか? 今回の会合の議長として俺が代表してこのガキに聞く。悪いが皆、俺に任せてくれるか?」

 

あらあら、皆賛成ですか。信頼されてますね宵闇のおじ様。

 

「俺も別に良いぞ。いちいちしょーもない茶々入れられても話が進まんからな。お前が代表して話すなら、その方がスムーズに話が進む。それとその前にっと……」

 

うーん……。存在を忘れられてるかの様なキミ達。そして弟よ、お前はそれを願ってるんだろうな。

 

「おいハゲ、そして弟。お前らこの先の話を聞きたいか? 聞きたくないってんなら耳を塞いでおけ。どうするお前ら?」

 

「自分達は席を外します」

 

おいおい弟よ、お前はそのハゲの事を助けの天使を見た様な目で見るな。キラキラってエフェクト掛かってるみたいに俺には見えるぞ。それ、ちょっと気持ち悪いからヤメとけ。

 

「何言ってんのお前? 逃す訳無いだろ? 良いからこのままここに居ろ。聞きたくないなら耳を塞ぐ事を許可してやる。一応忠告してやるが、思いっきり、耳を塞いでおけ。それこそ頭が潰れるくらいにな」

 

で、今度は絶望か弟よ。お前は本当面白いな。自分が勝手に誤解して契約したのに、まるで悪魔に契約の履行を求められたみたいだぞ。もちろん悪魔との契約の対価は魂だがな。

 

「おいケント、耳を塞ぐんだ。言うまでもないが、絶対に聞こえない様に塞ぐんだぞ」

 

「ちょっ……。ゲ、ゲーブルさん、ゲーブルさん、いや、俺はここに居たく無いですし、聞きたくも無いんですけど」

 

「諦めろケント。それにお前の親父さんも了承済みだ」

 

「えっ、えっ?」

 

我が弟よ、お前はもっと周りの状況とか見た方が良いぞ。気配り目配りってのはどんな組織でもそうだが、社会人の必須スキルだぞ。最低でもそれが出来ないと、どんな所でも出世出来ないからな。

 

遅いな。弟よ、今やっとフルハウスおじ様の方を見たか。てかさっきからフルハウスおじ様はお前の方を見てたぞ。つまり諦めろって事だ。

そしてハゲはいち早く寝取られ牛の方を見たし、自分のパパが頷いたのを確認したのにな。この辺りは年齢や人生経験の差かな?

 

「分かりました……。ボス、壁の方に行って、壁際の方を向いても良いですか?」

 

「そうしろ。性根のねじ曲がった上、普段そんな事を言わず、むしろ聞きたくも無い事を聞かせる様なこのクソガキが、聞かせない方が良いと言ったんだ、なら聞かない方が良い。世の中には知らないで済むならそれに越した事ってのはある。そうしておけ」

 

「おいコラ。その言い方だと俺って人間は、普段はむしろ聞かせた方が面白いって、そう思ってる人間だって思ってんの?」

 

本当に失礼だなキミは。ボクの人間性が疑われる様な発言は慎みたまえ。失敬だなキミは。何なんだねキミは本当。

 

「違うのか?」

 

「お前は失礼だな、俺ほど出来た人間は居ないぞ。失敬じゃないかねキミは」

 

「・・・」

 

おい、お前今絶対、俺に関わったら面倒だって思ってるだろ? 分かるんだぞ、目付きでな。

 

「そんな失礼な態度をボクに取ると、シャロンおばちゃんに又、そう、又愛人が増えたって言い付けちゃうぞ。ついでに切れの良い、細身で扱いやすい剣をプレゼントしちゃうからな。おまけにシャーロットちゃんのお家もシャロンおばちゃんに言い付けてやるからね」

 

「お前! 止めろ、シャレにならん事をするな。お前は俺を殺す気か?」

 

「だってだってボス君がぁ、ボクに意地悪するんだもん。だからね、ボクもね、シャロンおばちゃんに言い付けてやるんだ」

 

「お前ふざけんな! やって良い事と悪い事があるんだぞ! 本当に止めろ! 俺はまだ死にたくない」

 

「いや、そう思うなら浮気はヤメとけよお前。しかももうお前の股にブラ下がってるモノは、色んな意味で役に立たないんだろ? どうせ膝枕されてるだけなら、シャロンおばちゃんにして貰え。その方が色んな意味で平和だぞ」

 

「このクソガキ! 何でそれを?」

 

「何でだって? さぁ? 俺は魔法使いだから、それで知ってるんじゃないか?」

 

「何が魔法使いだ? そんな魔法があって堪るか。大体お前は生活魔法しか使えないだろうが」

 

そうだね、だから? バカだなぁ、本当コイツだけは。素直に謝れば俺だって許してやるのに。プライドは大事だが、時にプライドを捨てて、謝罪ってのも社会人として必要な事だぞ。

 

「うるせーなぁ……。今朝起きたら、いきなり覚えたんだよ。それで良いだろ。で? 俺に生意気な口を利いた件は? あーあどうしよう? 何か、シャロンおばちゃんにお手紙書きたくなったなぁ。ついでに切れ味の良い包丁をプレゼントしたくなっちゃったなー」

 

「このクソガキ……」

 

「何だって? 聞こえねーよ? 人に謝る時は相手の目を見て、心からの誠意を見せろって言われた事無いのかお前は? ホレ、どうした?」

 

「クッ……。すまねえ……。俺が悪……かった……」

 

「チッ……。謝罪の一つもまともに出来ないのかお前は? まぁ良い、今日はそれで許してやる。じゃないと話が進まんからな。しゃーなしだからな。それとお前、議長さんが話を仕切る、そう言っただろ? もう忘れたのか? ついさっきの話だぞ。これだから老害は……」

 

あらあら、ご不満そうですねボスさん。俺に舐めた事を抜かすからそうなる。自業自得だ。

 

「おいもう良いだろ? 話を進めよう。皆も、このガキに煽られても辛抱してくれ。それと悪いがなるべく口を挟まんでくれたら助かる、良いか?」

 

議長さん大変ですね。こんなアホ共を相手にしなきゃいけないんだから、そら議長も持ち回りになるか。まぁ良いや、話を進めよう。

 

「とりあえず何も言わず話を聞け。繰り返しになるが、下らない茶々入れたり、ギャーギャー喚くなよ。これは前提の前の段階の話しだ。お前らある程度余分な金は持ってるよな? 今は無駄遣いせず、とっておけ。これは前提の前段階であり、俺の忠告だ」

 

よしよし、言いたい事はあるみたいだが、ちゃんとお口にチャックして黙って聞いたか。

 

「おい、それはどう言う意味だ? 前提の前段階って言葉の意味は分かるが、何故それが忠告になる? それが分からん。今お前はふざけたり、おちょくる為に言ってはいない。だからこそ分からん。何故?」

 

「それを今から言う。慌てるな宵闇のおじ様。慌てる乞食はなんとやらって言うしな」

 

うん、今の俺の乞食発言でも、突っ掛かって来ず、ちゃんと話を聞いてるな。これならちゃんとした話し合いになる。

 

「偉いぞお前達。ちゃんと話を聞き、沈黙を保てているじゃないか。良し、今から言う事を黙って良く聞け。来年以降バハラの混乱が加速する。つまり今より状況が悪くなる。何故来年からバハラの混乱が酷くなり、荒れるかを説明してやる。繰り返しになるが、南方諸島が来年以降必ず荒れる。具体的に言えば、複数の国で革命が起きる」

 

さて……。具体的な事をコイツらには言えんが、何故そうなるのかの説明をしてやるか。

このまま大人しく話を聞けよお前ら。

じゃなきゃ来年以降お前達自身に災いとなって降りかかって来るぞ。

 

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