異世界灯台守の日々   作:くりゅ~ぐ

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第49話 なんちゃって肉団子

 

爽やかな朝だ

 

今日の目覚めは 中々に(よろ)しかった

 

何時もこうだと良いのだがな

 

 

身支度を済ませ灯台横の建物に行くと マーラが声を掛けて来た。

 

「守長、ちょっと良いかね?」

 

「済まんなマーラ、俺には親が決めた婚約者が居るんだ、お前の気持ちは嬉しいがその気持ちは受け取れない、来世に期待してくれ」

 

「朝から‥‥ ハイハイ来世に期待するよ、そんな事より相談したい事があってねぇ」

 

コイツ、俺の華麗なボケをスルーしやがった。

 

やるじゃないかマーラ、とは言えおかわりでボケたら怒りそうな気がするからヤメとこう。

 

「何だよどうした?」

 

「いやね、実は・・・・・・」

 

 

マーラの話によると、食事がちとワンパターンになって来ており 皆が飽き始めて居るらしい、そこで何か案は無いかと思い 俺に聞きに来たそうだ。

 

気持ちは分からんでも無いが、これはある程度仕方無い部分もある、保存食を工夫して出すにしても限度がある、その為似たような料理になるのはある程度は仕方無い事なのだ。

 

「贅沢だな‥‥ まだ三日目じゃないか、大体漁に出れて無いんだから 仕方無いだろうに、まぁ気持ちは分からんでもないがな」

 

「そうなんだよねぇ モノが無いんだから似たような料理になるのは仕方無いんだよ‥‥」

 

「だな、とは言えモノが無いんだからどうしようも無いぞ、今あるので何とかしないとな、1から0には出来るが、0から1には出来ないんだから」

 

「だよねぇ‥‥」

 

「スープとパンだけってのが不満じゃ無いんだろ? 大体何時もそんな食事が多いんだ、魚が無いのが不満なんだろうな、モリソン弟も肉とは言わないが せめて魚が食いたいって言ってたからなぁ」

 

「まぁそんな感じの事を皆も言ってるねぇ、まぁこんな状況だから食べる位しか楽しみが無いしねぇ」

 

気持ちは分かるが、とは言えなんだよぁ‥‥

 

まぁ放置するのも良くないな、飯の不満は結構尾を引くからな。

 

とは言えなぁ、うーん・・・

 

 

ん? そういや

 

「マーラ、じゃがいもはあるよな?」

 

「あるよ、何か思いついたのかね守長」

 

「ああ ちょっとした物だがな」

 

マーラの奴、興味深そうに見つめて来やがった。

 

あんまり期待されても困るが‥‥

 

 

 

 

「良いか皆、説明を始めるぞ」

 

調理場には、俺とマーラ以外に八人の調理担当の女衆が居た。

 

「なんちゃって肉団子の作り方だが、じゃがいもを皮付きで茹でる、そして茹で終わったら皮を剥き潰す、そして小麦粉と混ぜて丸めて潰す、で それを茹でてお湯から取り出し第一段階完了」

 

「えっそれだけ?」

 

「慌てるな 慌てるな、第一段階って言っただろ」

 

マーラの奴が大丈夫か? って顔してやがるな。

 

心配すんな、多分大丈夫のはずだ。

 

「味付けに関しては皆に任せる、でだ、次に干し肉を石臼で粉状にする」

 

「あー 守長、干し肉を粉にするって言ってるけど 時間も手間も掛かるんだがねぇ」

 

「マーラ君、良い質問だね」

 

「マーラ君って‥‥」

 

何だよ 少しはノッてくれても良いだろうに‥‥

 

「心配するなマーラ、干し肉に乾燥の魔法を掛ける、只でさえ硬い干し肉が更に硬く、むしろ脆くなる、ホレ 手でも簡単に砕けるだろ?」

 

 

「本当だ! ポロポロ崩れた!」

 

「ひゃー 本当だ、無茶苦茶脆くなったよ」

 

「やっぱ魔法って凄いんだねー」

 

女衆がキャッキャ言いながら大喜びしている。

 

まぁこの辺りの細かい魔法の制御は結構凄い事なんだが、それよりも単純に脆くなって手でも砕ける事に大喜びだ。

 

何か子供みたいなはしゃぎ方だな‥‥

 

まぁ楽しそうで何よりだ。

 

「ホレ、これを石臼に入れて粉にする為に乾燥させるから、干し肉を全部こっちにくれ」

 

さっさと乾燥を掛けてしまおうか、ホイ完了。

 

「後はこれを石臼で粉にしたら、茹でたのにまぶして完成だ」

 

まぁ干し肉のふりかけだな、それをいももちモドキに掛ければなんちゃって肉団子になる。

 

いももちモドキと言うより じゃがいも団子なのかな? まぁ似た様な食い物は帝国にもあるしな。

 

だが干し肉を粉状にしてまぶすのは無いからから、ちょっと珍しい料理になるだろう。

 

片栗粉が無いからちと不安だが何とかなるとは思う、卵が入ってないニョッキ、いやなんちゃってニョッキかな?

 

「なんかニョッキみたいだねぇ、繋ぎが少ないから上手いこと形成出来るかちと不安だけどまぁ何とかなるかな」

 

「マーラのお墨付きなら大丈夫だな、それとマーラ、小麦粉に水と塩を入れて、耳たぶ位の柔らかさになる迄 練って丸めて、それをスープに入れるのもアリだぞ」

 

「あー スープの嵩増しにはいいねぇ、それに二日続けて同じようなメニューだったから 具材で変化させないと飽きちまうからちょうど良いじゃないか」

 

「それに干し肉の粉をまぶすんじゃ無く、混ぜこんでも味に変化があって良いと思うな、干し肉の乾燥は大した手間では無いから何時でも言って来いよ」

 

 

まぁ後は任せるか。

 

「マーラ行こう」

 

「そうだね、皆後は任せたよ」

 

しかしあれだな、保存食をもう少し考えないといけないな、非常時だからと言ってもやはり限度がある。

 

まぁこの辺りは要改善だな。

 

「マーラ、保存食だがもう少し備蓄する物を考えないといけないな、でないと今回の様に毎食同じ食い物になっちまう」

 

「そうだねぇ、でも保存が効くってなると限られてくるからねぇ・・・」

 

だよな‥‥

その問題があるよなぁ、缶詰、いやビン詰めも難しいな、ガラスが高価過ぎてとてもじゃ無いけど使え無いし。

 

この世界の文明の発達具合から考えると、どうしても限度がある。

 

それに予算の問題もあるし、中々難しいよな‥‥

 

 

そうだ、保存庫の件もあったな。

 

「マーラ、保存庫を山の辺りに新たに設置する案はどう思う? マーラは反対か?」

 

「あー 前に村の話し合いん時に言ってたあれかい? 守長の考え過ぎじゃないかねぇ? 地揺れで、でっかい波が村まで押し寄せて来るからって、流石にねぇ‥‥」

 

「地震‥‥ 大きな地揺れの後は大きな波が海岸沿いに押し寄せて来るんだ、それを津波と言うんだが それこそ 灯台よりも高い波が壁の如く押し寄せてくる、であれば備えはしておくべきだよ、 確かにこの辺りではそんな地揺れは起きないが万が一の事を考えると作っておいて損は無いと思う」

 

「うーん・・・ 想像もつかないねぇ、言いたい事は分かるけど 山のそこそこの高さの所に作るとなると流石に難しいねぇ」

 

やっぱりか‥‥

 

反対の人間が多いんだよなぁ‥‥

 

この辺りは地震が無い地域だ、しかしその他の地域で起きれば津波は来る、今まで無かったからって備えも意識もしないで居るといざという時に大変な事になるんだ。

 

まぁ 起きないのが一番だが、起きた場合の行動と対処の仕方は伝えた、後は自己責任になる。

 

今回の件は良い機会なんだけどな、もしもの時に備え、準備する事の大切さを考えると言う意味では。

 

 

前世の事があるからどうしても地震に関しては気になってしまう。

 

 

 

「ねぇ守長?」

 

「どうしたマーラ?」

 

「いやね、これ何時まで続くのかと思ってねぇ

 

「明日辺りにはある程度の目処は立つと思う、今日の昼頃にバハラからの連絡員が来るから、その辺りの話しをしてみようと思う、こっちでは人 処か船の残骸もあれ以来見つかって無いが、バハラ側では続々と見つかって居るみたいだからな、このまま捜索しても不発に終わる可能性が高い、言い方は悪いが漁をしながらついでに捜索する方がまだ見付かりそうだ」

 

「まぁ坊やが浜で見付かってから 何も見付からないしねぇ・・・」

 

だよな‥‥

 

ここでの捜索は無駄骨に終わる可能性が高い。

 

とは言えこちらから中止は出来ないからなぁ‥‥

 

まぁその辺りは昼頃に来る連絡要員に話してみよう、

 

「バハラから来た陸軍の連中だけでも事足りるし、昼頃来る連絡要員にその辺りを話してみるよ」

 

「そうだねぇ‥‥ これだけ何も無いと流石にダレて来るし、手当てが出るとは言っても あんまり長引くと懐に響いて来るからねぇ、何か見付かるんならまだ納得も理解も出来るんだけど‥‥」

 

「マーラ、やっぱり皆ダレ始めてるのか?」

 

「まぁ‥‥ そりゃーねぇ、こんだけ何も無いと気が持たないさね」

 

だよなぁ・・・

 

ちょっとした気分転換も必要だな。

 

そうだな‥‥

アレ(・・)でもやるか。

 

 

「マーラ俺に少し考えがある、気分転換と食事情の改善の一石二鳥の案だ」

 

「どんな案だね?」

 

マーラが興味深そうにちょっと笑って居る。

 

 

そうだな、村民だけで無く陸軍の連中も巻き込むか、人手があった方が捗るしな。

 

 

 

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