異世界灯台守の日々   作:くりゅ~ぐ

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第52話 追憶とアマンダとの夜

 

夕飯を食い終わり外へ出た

 

俺達で作った夕飯は中々の出来であった

 

俺達、滑り無し派閥の皆も大満足の結果だ。

 

 

ふと空を見上げた

 

本当に美しい 何度見ても美しい

 

夜空の宝石箱 そんな言葉を思い出した

 

『ちょっ、田舎スゲー 星空めっちゃ見えてんじゃん 綺麗過ぎだろ この星空全~部あっしの物な』

 

『はぁ~ あっしの物だし~ どうだ、羨ましいだろ~ てか本当スゲー、夜空の宝石箱ってこーゆーんだろうな、マジ綺麗過ぎだろコレ』

 

『おい! そこは君の方が美しいってゆートコじゃねーの? おい! 鼻で笑うな!』

 

『はぁ・・・ ■■■に期待したあっしがバカだったよ、え?・・・ ちょっおま、良くそんな臭いセリフ言えんな、でもありがとう‥‥ 嬉しいよ‥‥』

 

『ふふふ‥‥ ■■■もやれば出来るじゃん、ホレ、お礼だ受けとれ‥‥‥‥ あっしの初めてなんだぞ、 て、おい! お前 何頬っぺた拭いてんだよ! あっしの初めてなんだぞお前! てかどんだけ潔癖症なんだよ、びっくりするわ! お前、異世界転移か異世界転生したら生きていけないぞ、て、おい! 不意打ちかよ! お前なぁ・・・ コレ‥‥ あっしも頬っぺた拭いた方がイイのか? 絶対ソレ待ちだろ‥‥ まぁ拭かないけどな、ししし ば~か♪』

 

流れ星が流れた。

 

流れきる前に三回願いを言えば叶うのだろうか?

 

 

「守長?」

 

人が近づいているのは分かって居た。

 

振り返るとニコニコと笑いながらアマンダが居た。

 

 

「アマンダかどうした?」

 

「夜風に当たりに来たら守長が居て‥‥ 笑ってたみたいだけど良い事でもあったの?」

 

「そうじゃ無い‥‥ 少し昔を思い出してな‥‥」

 

嘘では無い、まぁ前世の事を思い出してとは言えないしな、気が触れたと思われるか冗談と思われるか、まぁ相手との人間関係によるな。

 

「あら、もしかして帝都に居る守長の好い人の事でも思い出してたの?」

 

「帝都にそんな奴、いや帝国にも居ないさ」

 

「へぇ~ 怪しいな~」

 

「残念ながら本当の事だ、俺は帝都でお仕事に精を出して居たからな、仕事と結婚した男とか、仕事と寝る変態って言われてたんだぞ」

 

「又そんな事 言って‥‥ もう、すぐからかうんだから」

 

「残念ながらそれも本当の事だ、まぁ悪口だな、心温まる様なエピソードだろう? 官吏と言うのは性格の良い人間が多くてな、足の引っ張り()をして毎日楽しく楽しくじゃれあって居るんだ」

 

「もう‥‥ 守長ったら‥‥」

 

そんな困った様な顔するなよ、俺が言った事は事実だ、官吏にとって足の引っ張り()はちょっとした挨拶みたいなもんだからな。

 

泥水で心洗われるような、心温まる関係だ。

 

「ねえ、守長は結婚はしないの?」

 

「また唐突だな、どうした?」

 

「んーー 何となく?」

 

アマンダの奴狙ってやってんのか? 首をコテンと傾げて・・・ 可愛いな‥‥

 

意識してやって無いならマジですげえわ。

 

男を無意識に引き寄せる仕草だよな‥‥

 

「守長?」

 

「あー すまんな、結婚は今の所はするつもりは無いな、第一相手が居ない」

 

「ふーん‥‥ 守長はどんな女が好みなの?」

 

「んー そうだな‥‥ アマンダみたいな女?」

 

「もうもうもうもう! すぐそう言う事言うんだから もう、村には居ないの?」

 

「うーん‥‥ やっぱアマンダかな」

 

「もう、本当にダメだよ、メッ!」

 

うん・・・

 

やっぱ可愛いよな、村の中で選べと言われれば、アマンダ一択だろ。

 

むしろコイツ以外誰を選べって話しだからな。

 

えっ? アンナ? 男子~ ふざけないでください~ マジメにしてください~ と言いたい。

 

やたらアンナを進めてくる奴が居るが、あれは間違い無く、アヤツの猛アピールに感化された奴等の戯言だ、てかアンナの奴まさか洗脳魔法使ってるんでは無いだろうな?

 

まぁ流石にそれは無いか、使えるなら俺に使うだろうし、それ以前にアンナは全く魔法が使え無い。

 

「本当にもう、すぐ守長はふざけるんだから‥‥ 私はね、守長は帝都に好い人が居ると思ってたの、だから聞いたのかな?」

 

「どうしてそう思った? 俺は本当に帝都所か帝国にはそんな奴は居ないぞ」

 

「うーん・・・ 立ち入る様だけど、守長ね、時々遠くを見て、それで物思いに(ふけ)てる時があるからそれで‥‥」

 

「・・・」

 

鋭いなアマンダ、そうだな自分では気付かぬ内に想いに浸って居る時があるんだろう。

 

「あ~ やっぱりそうなんだ、帝都とここじゃ距離があるからね、中々会えないわよね‥‥」

 

「アマンダ、本当に帝都にも帝国にも居ないんだ、そう見えるなら多分それ以外の色々な事を考えて居るんだと思う、過去の事とか、色々な想い出だとか、まぁ感傷に耽てたんだろうな」

 

「ごめんね守長、何だか立ち入る様な事聞いちゃって、そんなつもりでは無かったの」

 

何かアマンダの奴 勘違いしてるみたいだな、まぁ俺は嘘は言って無い、ただアマンダが勘違いして思い込んでるだけだろうが、そんな申し訳無さそうな顔されたら俺が悪いみたいだ。

 

「アマンダ、過去と言っても色々だぞ、楽しかった思い出や お隠れになった・・・ 故人の、と言っても男の方の事とか色々だぞ、多分アマンダは色々と誤解してるみたいだけどな」

 

「えーと‥‥ 男の方ってもしかして上司の人かしら?」

 

「まぁそうだな、上司だな」

 

「そっか‥‥ その亡くなった方って守長にとって大事な人だったんだね、守長遠くを見て考え事してる時、思い詰めた様な悲しい様な、それでいて楽しそうな顔してるから・・・」

 

「まぁそうだな、色々と振り回されたり、無茶振りされたりしたけれど、どれも今となっては楽しい思い出だな、本当にお隠れになられたのは残念だよ」

 

まぁこれも嘘では無い、陛下には結構 無茶振りされたし、振り回されたりしたが 何やかんやで楽しい思い出だ、今となっては笑える話しだ。

 

まぁ当時は笑えない事も多々あったが‥‥

 

今こうして笑えると言う事は、何やかんやで俺も楽しかったんだろうな。

 

「・・・」

 

ん? どうしたんだアマンダは?

何か凄い困った様な、不思議そうな、何とも言えない顔してるんだ?

 

「アマンダどうした? 俺 何か変な事言ったか?」

 

「あのね守長、さっきからお隠れって言ってるけど・・・ 私の聞き間違いじゃ無いよね?」

 

「ん? 言ったけど、どうした? そんなに変か? おかしな事は無いと思うけど」

 

「うん‥‥ そのね、もしかしてそれって、お隠れになったって皇帝陛下の事? 二年前にお亡くなりになった・・・」

 

「ああそうだ、アレ? 俺言ってなかったか?」

 

「うん、初めて聞いたわね」

 

そう言えば言って無かったな、まぁ聞かれもしなかったから 言って無かったな。

 

ああそうか、陛下何て聞いたらそりゃそうなるか、だからアマンダは困った様な、不思議そうな、何とも言えない顔になってるのか。

 

「まぁ俺はこれでも一応は官吏だからな、帝都勤めしてたし、当時は関わる場所に居たからな、俺の上司にあたるお方だったんだ、まぁそうだな過去形になるんだがな」

 

「そっか、そう言えば守長は偉い官吏だったね、そっか‥‥ 私ったらてっきり女の人とばかり思ってたけど・・・」

 

まぁそっちも考えてたけど陛下の、先帝陛下の事を考えてたのも本当だ。

 

「何だアマンダ、もしかして俺の過去の女が気になってんのか~ どうした、俺にホレたか?」

 

「もう、又そんな事を‥‥ もし私がそうよって言ったらどうするの? 私、人妻だよ」

 

「うーん・・・ そうだな、まず口説く、で 二人で駆け落ち? 何か恋愛物語みたいだな、それもやっすい恋物語だな」

 

「駆け落ちって・・・ もう、二人ともそんな歳じゃ無いでしょ、大体何処に駆け落ちするの」

 

女は現実を見る、まぁそうだな、駆け落ちって歳でも無いか、生活はどうするんだ? やっていけるのか? 先立つ物は? まぁ現実を考えると普通は難しいな。

 

「そうだな、楽しい想像? それとも妄想かな? まぁ現実的に考えると生活費や仕事、先立つ物はって色々と考えて難しいが、もしもって言う楽しい空想としては、行き先は帝都になるな、実家があるし、それか何処か遠い所だな」

 

「空想ね‥‥ なら空想として遠い所に行って仕事はどうするの? 先立つ物だって必要よ」

 

アマンダの奴ちょっと楽しそうだな。

 

まぁあくまでも空想、妄想、ただのごっこ遊びとしての話しなら面白いからな、少し付き合ってみよう。

 

「先立つ物はある、ついでに言うと俺は何処に行っても仕事に困る事は無い、通訳の仕事をしても引く手あまただし、一応は海事法弁士の資格も持ってるし、何より生活魔法を使えばどんな所でも稼ぐ事は出来る、そして元特級官吏ならそれこそ何処に行っても、帝国外に行っても引く手あまたで、仕事に困る事は決して無いな」

 

「反論出来ない位に完璧な理由だわ、そうだね、守長は魔法が使えるから確かに生活に困る事は無いんだね」

 

「そう言う事だよアマンダ君、何だかこんな妄想、空想を割と真面目に話すのは、これはこれで楽しいな」

 

「もう本当に‥‥ すぐそうやってふざけるんだから、その話しに付き合ってる私が言うのも説得力無いけど‥‥」

 

そうだよアマンダ君、まぁこう言うバカっ(ぱな)しは案外楽しいもんだからな。

 

もう少しアマンダとお喋りしたい気分だ。

 

 

 

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