異世界灯台守の日々   作:くりゅ~ぐ

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第53話 駆け落ちゴッコ

 

流れ星が見えた

 

ここでは夜空を見上げると流れ星は割と見る

 

それも又 この地の夜空の美しさを彩る化粧の様だ

 

「まぁアマンダ、こんなアホみたいな話しを、面白おかしく真面目に話すのも これはこれで楽しいもんだ」

 

「まぁそうね、たまにはこんな話しも面白い物ね」

 

「そー言う事だ、まぁたまにはこんなバカみたいな話をアホになって真面目に話すのも人生には必要だ」

 

「もう本当に‥‥ 仕方無い人ね」

 

はい、仕方無い人です、だってアマンダと話しをするのは楽しいですから。

 

その上で妄想シチュエーションで話しをするのは、更に楽しさ倍増だ。

 

「もう‥‥ そんな楽しそうな顔して」

 

「えっ? だって楽しいんだから仕方無い、さてアマンダ君、君は魔族の国チェリッリシュを知っているかね? そこに行くのも一つの手だ、人族でも住みやすいみたいだからな、ただ問題が一つあって 魔法を使える奴が多過ぎて魔法による金銭収入が他の国に比べて少なくなると言う事だな」

 

「じゃあ駄目じゃない」

 

「アマンダ君、俺は魔族の国の言語も完璧に習得しているのだよ、先程も言ったがつまり通訳としても働ける、それに何なら商売をしても良い、小さな店で良いんだ、食事や酒、そうだな、酒のツマミを出す様な店を二人でやっても良い」

 

「うーん‥‥ それなら大丈夫かな、でも(つて)も無いのに大丈夫なの? まぁ他の所に行っても一緒なんだろうけど、それに私、魔族語は話せないし‥‥」

 

うん、確かにそうだな、だがその心配は無い。

 

「俺が言葉も文字も全て教えるさ、それに伝が全く無い訳でも無い、魔族の国にアイスブルーと言う、ドワーフ族が住む地域があるが 其処なら多少はコネがあるんだ、ソコで食事と酒、それに酒に合うツマミを出す店をやる、美味い酒には美味いツマミって言うしな、繁盛させる自信はあるぞ」

 

「守長 何でそんな伝があるのよ? 魔族の国ねー 人族も住みやすいって聞いた事はあるけど、自分が住むとなったら大変そう」

 

「まぁそうだな 確かに一から言語を習って知らない国に行くのは躊躇(ためら)うよな、因みに伝はバハラに住む知人だ、年は離れてるが友人と言っても良い関係だな、そいつは魔族なんだ、まぁ伝はそのじいさん関係になるな」

 

「守長は顔が広いね、でも魔族の国か~ それはちょっと面白そうだけど私はやっぱり帝国が良いな」

 

まぁそうだよな、何やかんやで帝国は住みやすい、ならその住みやすい国をわざわざ出て他国に移住なんかしたくは無いよな。

 

そりゃよっぽど訳ありなら又 話しは別だが、そうで無いならば帝国内が良いと思うのは普通だ。

 

それをアマンダに言うと

 

「そうだよねー」

 

何て言って笑う。

 

アマンダもこんなお馬鹿な空想、妄想ゴッコを楽しんで居る様だ。

 

「でも駆け落ちなら訳ありなんだから、それを考えたら一つの手なのかも知れないね」

 

「そうだな、とは言え選択肢の一つとは言え現実的に考えればその選択は選ばないだろうな、アマンダは帝国内なら何処が良い? 希望は無いのか?」

 

「うーんそうだね‥‥」

 

えらく悩んでいるな、ゴッコが割と真剣になって来た様だ。

 

アマンダは割と遊びに真剣になるタイプかもな。

 

「何処でも良いぞ、何ならバハラにするか?」

 

「もう‥‥ バハラは近すぎるよ、そりゃあ子供の頃は憧れたけど、駆け落ち先としては流石にどうなの?」

 

「街中に居れば村の連中とは会わないし、意外と盲点だと思うんだけどなぁ‥‥ 」

 

「駄目ね、違う所にしましょ」

 

うーん・・・

 

バハラは意外と良いと思うが駄目かぁ。

 

どうせ村の連中は魚市場か、その近くの路上で直売する位なんだから 盲点だと思うんだ。

 

だが却下されたのなら仕方無い。

 

「なら帝都だな、ここからも遠いし俺の実家もある、仕事も家もどうとでもなるな」

 

「でも私みたいなおばさん連れて行ったら守長の家族に反対されるんじゃ無いの? 」

 

「そんな事は無いさ、むしろこんな若いお嬢さん連れてきて何を考えてるんだって怒られそうだな」

 

「もう、もうもう 又そんな事言って、からかわないで、私 真面目に言ってるのに」

 

うーん・・・

 

それがあながち冗談でも、からかってる訳でも無いんだよなぁ。

 

アマンダは童顔だから、本当にお嬢さんって言われても違和感無いんだ。

 

本当に若く、言い方は悪いが幼く見えなくも無いんだよなぁ・・・

 

それなのに、大人の女の色香も魅力もある。

 

何とも言えないアンバランスさと言えば良いのか、ギャップがあるんだ。

 

ころころと笑ってたら 幼くも見えるし、普段の笑わない凛とした立ち振舞いは大人の女の色香があって、目を離せない魅力があるんだよなぁ。

 

気のせいか本当にフェロモンでも出てるんじゃないかって思う時がある。

 

「まぁ実際アマンダなら何も言われ無いと思うぞ、俺は長男だが官吏になったから、姉が婿を取って実家の商売を継いだし、言い方は悪いが、性根の優しい常識のある女なら何も言われないさ、まぁアマンダならそれに加えて可愛いから大丈夫だよ」

 

「もう‥‥ 又‥‥ でも守長、私子供産めないわよ、大丈夫なの?」

 

「それはアマンダだけのせいでは無いだろう、不妊の原因が女にだけある何てのは、只の思い込みと決めつけだよ、男に原因がある場合だってあるんだから、それに駆け落ち迄しておいて子供が出来ないからってそれでさよならは違うだろう」

 

「・・・」

 

だからそんな困った顔すんなよ、大体不妊の原因が男には無い何て完全な決めつけなんだから。

 

男と女の両方に原因がある場合だって考えられる。

 

こう言うのは二人で対応する問題だ、まぁとは言うものの実際はお互いの家族も絡んでくる。

 

これは前世でも、そして今世でも変わらない。

 

人がやる事、考える事何て世界が変わろうと根本は変わらない、面白い事実だ。

 

「まぁ駆け落ちするほど情熱的に想うんだ、子供が出来ないのは残念だが、二人で老いる迄共に過ごす、それが出来るだけで貴重で大切で幸せな事なんだ、失ってしまっては・・・」

 

「そうだね、守長‥‥ 私に気を使ったでしよ?」

 

「ん? どう言う事だ?」

 

「あれ? 私の旦那の事を思い出して‥‥ 違ったんだ、もしかして守長の事だった?」

 

どうしよう‥‥

 

何とも言えないな‥‥

 

確かにアマンダの旦那の事を言った訳じゃ無い。

 

俺多分、自分自身の心の内を言ったんだろうがどんな意味で言ったんだろうか?

 

うーん・・・

 

「一般論だよ」

 

「本当~? まぁ良いけど」

 

「うるさいなー 今は楽しい妄想ごっこの時間なんだ、浮き世の事は忘れろ」

 

「あー 誤魔化した~」

 

うっせーな、アマンダもたまにふざけるよな、まぁ可愛いから別にいいんだけど。

 

「で? 帝都はどうだ? 他の所が良いのか?」

 

「帝都ねー 駆け落ちの物語としては良くある、結構ベタな場所になるわね、それで物語なら夢破れて悲恋になるのよね、水が合わないって言うのかな? 都会の生活に馴染めず、仕事も上手くいかず、すれ違ってそれでってパターンね」

 

「うん、良くあるな、だが俺は帝都生まれの帝都育ちで実家との関係は良好だ、帝都に住むのにむしろ実家以外に住めば 何でなんだって言われるだろうな、ましてや嫁を連れて来たら尚更だ」

 

「何だろう普通はお金が無くって、周りからも認められず二人で孤立して それですれ違う様になって、世間の冷たさと世知辛さを実感して現実は厳しいってなるはずなのに、良い意味で逆なんだね、それってもう駆け落ちじゃ無いと思うんだけど‥‥」

 

「そんな事言われてもなぁ‥‥ 金何か幾らでも稼げるし、何処に行っても仕事に困る事何て俺には無いからなぁ、確かに世知辛い世の中だけど金さえあればどうとでもなるのも事実だし、現実なんだ、まぁ駆け落ちとしては少々盛り上がりには欠けるよな、困難何て何も無いんだから」

 

「そうよね、駆け落ちなのに盛り上がりに欠けるね、困難が無く、行った先で普通に生活して行けるって、それってただの引っ越しだよね?」

 

「うーん、確かにその通りだな、てか駆け落ち妄想ゴッコの前提が崩れるな・・・」

 

「そうだよ、浮き世の事を忘れて妄想ゴッコしてるのに全然困難も無いし、余りにも簡単に行き過ぎてちょっと盛り上がりに欠けるわよ」

 

「「・・・」」

 

アマンダと二人で思わず顔を見合わせた。

 

「はっはっは 妄想ゴッコなのに変に簡単に行き過ぎて、何かしょーも無い出来の悪い物語みたいだな」

 

「本当だよ、子供が読む絵本でも もう少し山あり谷ありはあるよ、もう本当‥‥ ふふ、全然ダメじゃない、ふふふ」

 

二人で大笑いしてしまった。

 

ゴッコなのにゴッコになって居ない。

 

そうだよな、余りにも簡単過ぎて何だか只の嫁紹介でしかないな、帝都以外に行ってもそれは只の引っ越しにしかならない。

 

まぁこれはこれで楽しいもんだが、もう少し違うシチュエーションにしても良かったかな?

 

アマンダを見ると楽しそうに笑って居る。

 

悪く無いな、こんな時間も。

 

うん、これを見れただけでも良しとしよう。

 

 

 

 

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