異世界灯台守の日々   作:くりゅ~ぐ

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第57話 胸部装甲の薄いむっつりスケベ

 

潮風が吹いて来た

 

磯の香りが鼻腔をくすぐる

 

そして耳障りな声が聞こえる

 

 

「おい貧乳、夜にデカイ声出すなや、つーか聞こえてるからもう少し声を落とせ」

 

「又貧乳言ったー 何なの、貧乳がそんなに悪いの? ねえ?」

 

「うっせーな‥‥ だから聞こえてるって言ってるだろ、むっつりジル・スケベ」

 

「ぬぬぬぬぬ」

 

本当にこれだから貧乳は‥‥

 

しかしコイツもめげないな‥‥

 

心をへし折ってやろうと思ったのにまだ折れないか。

 

「本当! 結婚出来なかったらどうしてくれるの! 責任取れないならヤメてよね」

 

「心配しなくても結婚何てそれじゃあ出来ないから安心しろ、むっつり貧乳」

 

「又言ったー しかも胸見ながら言った!」

 

てか胸何て何処にあるんだよ? 何処にも見当たらないんだが カモフラージュ機能でもあるのか?

 

おっと。

 

「近寄らないで下さい、貧乳とむっつりスケベが移りますので」

 

「又又又又又又、ま~た!」

 

「ちゃんと帝国語を話せ、俺はむっつり貧乳語は流石に分からんぞ」

 

「誰のせいで・・・」

 

いやいやいや、事の発端は君だよね?

 

コイツらが、そうコイツが覗き見何て事をしなければ良かったんだ。

 

そうすれば俺は今もアマンダと楽しくお喋りして居れたのに、邪魔するから幸せの時間が打ち切られてしまったんじゃないか。

 

しかしコイツはギャーギャーうるせーな。

 

少し面倒になって来たな。

 

「てかお前、結婚って言ってるけどまだ相手も見付かって無いんだろ?」

 

「だからだよ、そんなあだ名付けられたら相手すら寄って来ないじゃない」

 

それは貧乳が移るからなのでは?

そう思ったが口には出さないであげた。

 

「お前どんな奴が好みなんだよ?」

 

「えっ? そりゃー 顔が良くって、お金持ってて、甲斐性があって、優しくって、思いやりがあって、強くて頼りがいが合って、将来性がある男かな」

 

「・・・」

 

コイツ‥‥

 

マジか?

 

理想高過ぎだろ、己を知れよ。

 

恋に恋する乙女かよ?

 

コイツ位の歳ならそんなもんか?

 

いやいや、それにしても理想高過ぎだ。

 

まぁ一人だけその条件に合う男は居るが・・・

 

「あー 一人だけ居るな」

 

「えっ! ウソ、本当に?」

 

「うん、てかお前やっぱそうだったのか」

 

「えっ 何が?」

 

期待に満ちた目をしてやがる。

 

現金な奴だな。

 

「その条件なら俺だろ? 何だ、やっぱりそうだったのか、俺の事を想ってたから盗み見、盗み聞きしたのか? てかお前そんなに俺が気になってたか? だがまぁ、お前の気持ちは嬉しいがその期待に応える事は出来ないな、残念だったな、来世で又逢おう」

 

「何でよ! 何でそうなるの? 何で守‥‥

ん? アレ? ん・・・」

 

何でコイツいきなり動きが止まった?

 

そして何故俺を真顔で見つめて来る?

 

気のせいか何だか嫌な予感がするんだが・・・

 

「そう言われたら守長って条件に当てはまるわ、そうだ条件満たしてるじゃないの! 何で今まで気が付かなかったの? そうだ!」

 

いや、そうだじゃねーよ!

 

コイツさっきまで散々俺に言われてたのに何考えてんだ?

 

えっ? もしかしてコイツ、ドMなのか?

 

やっべ‥‥

 

ジルの奴まさかの被虐趣味の持ち主だったのか。

 

まさかと思うがさっきので目覚めたのか?

 

となると俺が目覚めさせてしまったのだろうか?

 

てかコイツ新たな扉を開いた、いや、新たな世界を発見したのだろうか?

 

「おいジル、お前まさか被虐趣味に目覚めたのか? 新たな世界を見つけたのか? それか元々持ってた性癖なのか? そうなのか?」

 

「何でよ、そんな訳無いじゃ無いの! 私は普通よ普通」

 

本当か~ さっきので目覚めたんじゃないのか~

しかしコイツ・・・

 

「なぁ アマンダ、気のせいかジルの奴 獲物を狙う猫みたいに見えるが気のせいだよな?」

 

「守長、現実を見て、アレ(・・)狙ってるわよ」

 

「貧乳なのに?」

 

「それは関係無いと思うの、守長、現実逃避しても駄目よ」

 

てかいきなりかよ! 条件に合うからって一年も経ってからいきなり狙うか?

 

コイツ実は俺の口撃で結構 精神がイッちゃってしまってたのか?

 

まさかマジで目覚めたとかか?

 

「アマンダ、あんな貧乳の被虐趣味は嫌だ!」

 

「ねえ、うん、ねえ」

 

おいおい、見捨てる気か?

駆け落ちの約束までしたのに。

 

「ジル、お前はマジで無理、歳が離れてるし好みじゃ無い、ついでに貧乳だから無理」

 

「何でよ! 良いじゃない、条件に合うんだから私は良いわよ」

 

「あっ、マジ無理、むっつりジル・ド・スケベ 貴女は無理です、勘弁して下さい、てか俺は無理」

 

コイツ目がイッてるな‥‥

 

強烈な光を浴びてある意味人格否定されて、それで洗脳状態になってしまったのか?

 

ありうるな、まぁそれなら一晩寝れば解除されるだろう。

 

ならとりあえずは今を乗り切ろう。

 

それでどうにかなるはずだ。

 

最悪解除方法が無い訳では無いが、ショック療法だからなぁ・・・

 

「責任取ってね、そんな変なあだ名付けたんだから」

 

「嫌じゃボケ、ふざけんな、俺は大人な女が好きなんだ ガキはごめんだ! 大体お前ケツがデカイから無理、俺は小尻が好きなんだ ケツを小さくして、乳がデカくなってから出直せ、ついでに言うと足が細くて綺麗じゃないと無理、腰周りもくびれが無いと無理、そして当然 全体的に細く無いと絶対無理」

 

覗き娘達が、

「守長も大概なんじゃ‥‥」何て抜かしてやがる。

 

うるせーな、俺は昔からそうなんだ、今更変わる訳無いだろ。

 

まぁお互い歳取って、その上で老いて肉体が変化して行くのなら良いんだ。

 

だが出会った時は好みの見た目に(こだわ)るのは当然だろう。

 

「そんな女居る訳無いじゃ無いの」

 

「アホか、幾らでも居るわ、帝都やバハラ処かこの村にも居るわ」

 

アマンダの方を見かけたが何とか踏み留まった。

 

いかん、いかん、アマンダをその様な目で見て居ると思われたら今後 気まずくなる。

 

「お尻はね守長、大きい方が良いんだよ、子供産む時お尻が小さかったら辛いらしいし、だから私は安心でしょ? でも私そんなにお尻おっきく無いと思うんだけど‥‥」

 

十分デカイです、デカケツです、ついでに貧乳でございます、マジ無理っすわ。

 

大体コイツちょっとやんちゃな所があるからなぁ。

 

控え目で大人し目なのがどちらかと言うと好きだから、コイツはちょっとな・・・

 

「おい巨尻ジル」

 

「誰が巨尻よ、守長さっきから変な言い方で私を呼んでるけど本当ヤメて、胸はともかくお尻は何か嫌だ」

 

いやいや、胸は良いのか? まぁ自覚があるんだろうな、と言いつつ胸がそこそこあるとか抜かしてやがるが。

 

「お前 結婚したいならモリソン兄としろよ、一応は若手で有望株だろ? うん、アレにしとけ」

 

「嫌よ、アイツ普段は兎も角たまにやらかすし、それもやっちゃ駄目な時にやらかすでしょ? それにたまにアホ面してるから嫌だ」

 

「・・・」

 

どうしよう、反論出来ないんだが。

 

モリソン弟は・・・

 

駄目だ、アイツ恋人が居たな。

 

ジルは貧乳でケツがデカイが全体的に細くてスラッとはしてる、ついでに背もそこそこ高い。

 

悪くは無いのだろう、悪くはな。

 

だがなぁ‥‥

 

うん、やっぱ無いわ。

 

好みじゃ無いな、と言う訳で何とか諦めさせよう。

 

大体コイツ目がイッちゃってて怖い。

 

何と言うか必死過ぎと言うか、普通に引くわ。

 

これで相手が はい何て言うと思って居るのが怖い。

 

うーん・・・

 

とりあえず縛るか。

 

「えっ、守長何処から縄を出したの?」

 

「服の中からだアマンダ」

 

アマンダが軽く驚いて居るが 細縄なんだ、服の中に入れる事は出来る。

 

まぁ腰にも細縄はある訳だが。

 

「さて、大人しくしろよジル」

 

「ちょっと待って、守長、私に何するつもり?」

 

「面倒だからとりあえず縛る」

 

「えっ?」

 

「・・・」

 

何でジルの奴ちょっと嬉しそうなんだ?

 

頬を染め、少し期待に満ちた目をしてるのは何故なんだろうか?

 

俺は開けてはいけないパンドラの箱でも開いてしまったんだろうか?・・・

 

まぁ‥‥ とりあえず縛るか‥‥

 

「大人しくしろよジル」

 

「ちょっと~ や~だ も~う やん♪」

 

「・・・」

 

おい! ジルの奴マジで新たな扉を開いたのか?

 

こんな奴では無かったはずだ。

 

他の覗き娘達も引いて居る、てか俺も引いてる、ドン引きだよ・・・

 

「アマンダ~」

 

「もう‥‥ 何で守長はジルを縛っているの?」

 

「いや‥‥ コイツの目を覚ましてやろうかと思ったんだが、逆効果だった様な気がして来た」

 

てかオイ!

 

こ コイツ・・・

 

「おいジル! 変な声を出すな 気持ち悪いんだよ」

 

「やだ~ そんな声出して無~い」

 

もうヤダこの貧乳、何なん、完全に目覚めただろ。

 

これは俺のせいなのか?

 

確かに多少は俺のせいかも知れないが、ジルが元々持って居た性癖だろう。

 

うん、俺はコイツのパンドラの箱を開けたかも知れないが、コイツの元々の性癖だ。

 

だから俺は悪く無い、うん悪く無い。

 

さてと・・・

 

「おい皆 後ろ向いて目を閉じとけよ」

 

「えっ? 何で?」

「守長何するの?」

「まさか変な事するの?」

「私らの前で・・・ 大胆過ぎでしよ」

「ヒャー 流石にそれは‥‥」

 

コイツらは‥‥

 

「お前らが考えてる様な変な事何かしねーよ!」

 

何考えてるんだ? あー そうかエロい事か。

 

コイツらも所詮はむっつりと言う事か。

 

「ほら皆、守長はそんな事しないから、後ろ向いて無いと後悔するよ」

 

アマンダが素直に後ろを向いたからか、他の奴も後ろを向いた。

 

うん、準備完了。

 

このむっつり貧乳が‥‥

 

開いた扉を閉じてやる!

 

パンドラの箱からは最後に希望が出てきたが

 

コイツからは何が出て来るんだろうな?

 

 

 

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