異世界灯台守の日々   作:くりゅ~ぐ

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第80話 季節終わりて 季節始まりて

 

カモメが鳴いている

 

頬を撫でる潮風が乾いている気がした

 

季節が変わり始めているのだろう。

 

灯台横の建物から様々な声が聞こえてくる。

 

対応5が終わり、今は後片付けの最中だ。

 

祭りのあと、その言葉が浮かんだ、村民達の顔や声は明るい。

 

皆、寂しさよりも嬉しさが勝っている、今日から又、日常が始まる。

 

日々が、日常が戻ってくる事に皆が喜びを感じている。

 

「ねえねえ守長聞いてるの?」

 

「・・・」

 

コイツはさっきからうるせーな・・・

 

ちょろちょろと纏わり付いてからに・・・

 

「ね~え守長! 昨日アマンダと何話してたの? ね~え?」

 

「うるっせーな、お前は何サボってんだよ? さっさと後片付けを手伝いに行けよ」

 

「もーう! 何で教えてくれないの?」

 

「あーもう! 別に何を話してても良いだろ」

 

本当に‥‥ 余韻が台無しだよ。

 

昨日の夜は最後の夜と言う事もあり、結構遅く迄アマンダと話し込んで居た。

 

本当に楽しく、心から楽しいと思える夜だった、少々寝不足ではあるが目覚めは素晴らしく良かった。

 

その余韻に浸って居たと言うのにコイツは‥‥

 

「良く無い! 私とゆーものがありながら何なの? そんなにアマンダが良いの? ねえ?」

 

コイツは何を抜かしてるんだ? 100人居たら 99人はアマンダって言うだろ。

 

比べるのも烏滸がましいわ、この小童(こわっぱ)が!

 

まぁ、そんな事を言ったら又、ギャーギャーうるさいから言わないがな。

 

チッ‥‥

 

視線を感じる、目を合わさない様に気を付けなければ、あの変態(ジル)めが‥‥

 

熱い眼差しで俺を見つめるなや!

マジで洗脳‥‥ 暗示が解けやがったんじゃないだろうな?

 

勘弁してくれよ、アンナだけでも持て余してるのに、あの変態まで加わるとか悪夢でしかないぞ。

 

しかもアイツの場合、縛れば喜びやがるからなぁ。

 

てか無敵かよアイツ‥‥

 

若い男衆に緊縛‥‥ もとい、捕縛術を教えるか? いや駄目だ 『守長に縛られるのが一番良いの~』とか抜かしそうだな‥‥

 

「守長! ね~え」

 

「・・・」

 

アンナの奴がマジでうるせーんだが、どうしよう、簀巻きにして吊るすか?

 

いやダメだ、ジルの前でそんな危険な事は出来ない、万が一の事がある。

 

奴の封印はまだ完全には解けて居ないはずだ、今ここでそんな事をすれば封印の綻びが見られる今、危険な賭けになってしまう。

 

くっそー、何で俺にはロリや貧乳が寄って来るんだ?

 

おかしいだろ? 俺は昔から大人な女が好きなんだ。

 

昔からだぞ、呪いとしか思えない。

 

育つのを待て何て事を言う奴も居るだろうが、そーゆー問題じゃねーんだよ!

 

今だよ今、つーかチンピラ幼女と被虐趣味の貧乳ケツデカって、おかしいだろ。

 

まぁ、アンナが居るから他のロリっ子が寄って来なくなったのには、まぁありがたいとは思うが、だからと言って はいそうですねと素直には言えない。

 

理由

アンナが他の女の子を追っ払ってるのは、自分の為だから

 

アンナ自体が捕食者になっちゃってるから

 

アンナのせいで俺がロリコン扱いされてるから

 

アンナだから

 

やっぱりアンナだから

 

うん、感謝する理由は無いな。

 

ジルの場合

 

理由

変態だから

 

変態だから

 

変態だから

 

変態だから

 

ド貧乳ケツデカ 被虐趣味 むっつりスケベ変態だから

 

うん無いな、まぁ再転生したら考えてやらん事もないが、今世ではないな。

 

「ねえ守長聞いてるの?」

 

「聞いてないよ!」

 

コイツはさっきから本当にうるさい、てかもう無理、とゆー訳で強制排除する。

 

~~~

 

「おいマーラは何処だ?」

 

「そんな大きな声出さなくても聞こえてるよ」

 

「おいマーラ、これ(・・)どうにかしろ」

 

「・・・」

 

何でマーラはそんな胡散臭そうな顔して俺を見るんだ?

 

「マーラ、何か言いたい事がある様な顔しているが、何かあるなら言ってくれ」

 

「いやさ守長、言いたい事も何も、何でアンナの首根っこ持ってんのさ? しかしよく持てるねぇ‥‥ どんだけ力あるのさ」

 

「コイツ位なら余裕だ、七歳児なんだぞ、元が軽いんだからな、ハンナよりちょっと重いだけだ」

 

「いや‥‥ 全然違うと思うんだけどねぇ‥‥ それで用件は?」

 

「コイツがちょろちょろ纏わり付いて、しかもうるさいから何とかしてくれ はい以外の言葉は聞かん、以上だ」

 

「そんな無茶苦茶な‥‥ 」

 

「無理無理言ってたら何も出来ないぞマーラ」

 

「・・・」

 

あっ、マーラの奴ため息吐きやがった。

 

てか俺がため息吐きたいよ、アンナを連れてくる時、ジルがアンナを見て羨ましそうな顔してやがったんだぞ。

 

あの恐怖が他の奴には分からんだろう・・・

 

久々に恐怖を感じたわ。

 

てかゾッとしたわ、何が怖いかって、無言で羨ましそうにアンナを見てやがったんだぞ。

 

しかも物欲しそうにして俺を見て来やがったんだ、あんなに恐怖を感じたのは今世では初めてかも知れない。

 

本当の本気で奴は何とかしないと大変な事になってしまう、主に俺の精神がヤバい。

 

「守長、アンナがやけに大人しいんだけど何でなんだね?」

 

「ん? いらん口開いたら簀巻きにして木に吊るすって言ったら大人しくなった」

 

「又かね・・・」

 

「失礼だなマーラ、俺がしょっちゅう簀巻きにして木に吊るしてるみたいな言い方して、心外だな僕は」

 

「・・・」

 

おいおいおい、俺は確かに簀巻きにしたり、木に吊るしたりしてるけど、そんなしょっちゅうしてないぞ。

 

数えれる位しかしてないんだが、まぁ主にアンナにしかやってないしな。

 

「まぁと言う訳でコイツをマーラに任せた、とゆー事で俺は行く、さらばだ!」

 

「あっちょっと守長!」

 

俺はマーラの声を背に、その場から離脱した。

 

アンナと変態の居ない所へと行こう。

 

まぁ灯台に行くだけなんだが、とりあえず執務室に行ってコーヒーを飲まねばならない。

 

 

 

~~~

 

「あーあ 守長行っちゃったじゃないのさ、いや逃げたねぇ」

 

アンナを見ると大人しい、まぁこれはこれで珍しいねぇ‥‥

 

しおらしいと言うか、沈んでると言うか‥‥

 

こうして見るとジゼルに少し似てるねぇ。

 

アンナもねぇ、何時もこうなら守長も少しは考えると思うんだけど‥‥

 

「アンナ、あんた一体何をやらかしたのさ?」

 

「・・・」

 

「まぁ言いたくなかったら別に良いけどねぇ」

 

「守長が‥‥」

 

あれまぁ、蚊の鳴くような声で‥‥

 

「守長が何なんだい?」

 

「守長が昨日の夜にアマンダと二人で話してて、何話してたのか聞いたのに教えてくれないの‥‥」

 

「それは‥‥」

 

あの二人又、夜に話してたんだねぇ、何を話してたのかアタシも気にはなるけど‥‥

 

立ち入るのは控えようって言ってる訳だし、とは言うものの、アンナにはその辺りの大人の気持ちってのはまだ分からないからねぇ。

 

この子が守長を慕ってるのは知ってるけど、

流石に歳が離れすぎてるからねぇ。

 

これも巡り合わせ、運命ってやつなんだろうけど、この子は納得出来ないだろうねぇ。

 

本当に人の気持ちってのは難しいねぇ、この歳になってもまだ悩むし、分からない事もあるんだから、アンナの歳じゃその辺りの機敏が分からないのも仕方無いか‥‥

 

守長もさっさとアマンダの事ハッキリさせれば良いのに、まぁアタシらがどうこう言うのもねぇ‥‥

 

 

~~~

 

「おお~う」

 

何だ何だ?

 

何か悪寒がした様な気がするんだが?

 

日が高くなるにつれ温度が上がってきて、しかも温かいコーヒー飲んでるのに変だな?

 

風邪は無いな。

 

何故なら毎日クリーンを自分に何回も掛けてるし、

転生してから更に体が頑強になったから、風邪何て引いた事無いしな。

 

うん、気のせい 気のせい。

 

さぁ、明日から機を見て少しづつ、やる事を増やして行こう。

 

流石に軍人や官吏達が居るのに、普段通りに色々とやるのは如何な物かと思うしな。

 

まぁもうちょっとの辛抱だ。

 

後一週間ってトコだな、

それ迄は大人しくしておこうではないか。

 

うーん、コーヒーが美味い!

 

チェリッシュ産のコーヒーは最高だ!

 

ちとお高いがそれだけの価値はあるな。

 

「おお~う」

 

何だ? 又寒気が・・・

 

 

 

 

 

~~~

 

『ネイサン様、後少し、後少しで楽園へと(わたくし)は参りますわ 必ずネイサン様を‥‥ 私は素敵なレディになりましたのよ 私は、マデリンは交わした約束を守りました、ネイサン様・・・』

 

 

 

 

 

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