異世界灯台守の日々   作:くりゅ~ぐ

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第86話 旅の途中

 

越冬するために鳥が移動する

 

その鳥を渡り鳥と言うが、渡りバトも越冬の為に移動する。

 

渡りバトは帝国のある大陸だけで無く、南方諸島や、魔族の国の大陸、それ以外の地域にも居る。

 

総数がどれだけ居るのかすら分からない位に居る事は確かだ。

 

とある学者は400億以上は居ると言って居る。

 

帝国のある大陸だけでもそれだけの数が生息しており、他の地域も合わせると1000億以上は居る何て言われており、渡りバトの絶滅等この世界では誰も思っておらず、その様な事を言えば笑われるだろう。

 

とは言え無差別に、まぁ乱獲をして居ると言う訳では無い。

 

前世の先住民の様に繁殖期には狩りをしない等、保護とは言わないが、ある意味一定の配慮はして居る。

 

だがそれは資源保護の観点からでは無く、宗教的、又は道徳的な観点からの物だ。

 

だがそれが結果的に保護へと繋がって居ると思われる。

 

その辺りはゴブリンとは違うが、ゴブリン共は只の害獣だが、渡りバトは寧ろその存在が人の役に立って居るからだろう。

 

肉に羽等、使える部位が多く、特に肉は非常に美味い、それに虫等も食べる為、色んな意味で益鳥と言われている。

 

まぁ渡りの時期はフンが凄い事になるが、それでも渡りバトは皆にとって役に立つ鳥だ。

 

今は無き、まぁ帝国が征服した国の中に、渡りバトが国旗に描かれて居た国も合った位だ。

 

しかし渡りバトなぁ‥‥

 

完全にリョコウバト何だよなぁ‥‥

 

前世で子供の頃から何度も何度も見て読んで、思いを馳せた鳥が居るとは感慨深い物があるな。

 

この世界では絶滅はしないとは言わないが、しにくいだろうな。

 

帝国のある大陸だけで無く、魔族の大陸、南方諸島にその他の地域にも居るんだ、とは言え文明が発達し、更に人の生存圏が拡大すればどうなるか分からんな、まぁそれでもここ迄広く生息していれば可能性は低いか。

 

帝国だけでも帝国内のみで移動する群れや、帝国から南方諸島に渡る群れも居るからなぁ。

 

更に遠く、何故か魔族の国チェリッシュに迄渡る群れも居る位だ。

 

学者が言うには血の拡散と固定化を防ぐ為と言ってるが、遺伝子流動って奴なんだろうな。

 

そしてこれからの季節はその渡りバトが、南方諸島へ向け旅立つ季節となる。

 

とは言え飛行ルートからはこのハルータ村は外れている、まぁ隣村のフィグ村や、バハラや近隣の村や地域は外れているんだが。

 

だが はぐれと言われる少数の個体や、小さな群れは飛んで来る。

 

渡りバトの繁殖地はこの辺りだと東にあるが、ここら辺りからは離れており、たまに見掛ける事もあるが稀であり普段は基本的に居ない。

 

だが越冬の為に繁殖地から東に、南方諸島に旅立つ為に飛行し、おこぼれとでも言うべき少数が飛んで来る。

 

まぁそのおこぼれを捕まえて、ほんの少し頂くと言う訳だ。

 

それでも数が膨大だからな、まぁ決して必要以上捕まえたりはしないがな。

 

基本的に自分達で食べる分だけ捕り、それに加えてほんの少し余分に捕まえて行商人等に売ったり、バハラに売りに行ったりする。

 

バハラに売りに行くのは、魚市場に行った際に青空市でついでに売るが、これも貴重な現金収入になり、村民は渡りバトが来るこの時期を楽しみにして居る。

 

まぁその前に村の祭りもあるし、この時期はイベントが目白押しだ。

 

暑い夏が終わり涼しくなり、その上で楽しいイベントが盛り沢山だからな、まぁ気持ちは分かる。

 

そして渡りバトが過ぎ去ると、冬になり、春になるまで厳しい時を過ごす。

 

だからかこの時期になると皆、浮かれ始めるし、結婚する奴も増える時期だ。

 

うん、盛り上がってそのまま二人で愛を育み‥‥

 

なんと言うか、前世のクリスマスみたいだな、それか夏祭り?

 

簡単に、明け透けに、言葉を飾らずに言えば盛ってるって事なんだよなぁ‥‥

 

まぁそれは別に良い、勝手にしてくれとしか思わんし、お好きにどうぞとしか思わん。

 

問題は渡りバトが、安定して捕れないって事だな。

 

まぁこの辺りは、基本的に飛行ルートから外れてるし、はぐれも絶対来るとは限らないからな。

 

年によっては当たり外れも当然ある。

 

灯台守のじい様達曰く、去年は可も無く、不可も無く例年並みだったらしい。

 

だがあれで多くも少なくも無いって、どんだけだよって思ったわ。

 

少数の群れと言っても、数が数千、時には数万になるから結構迫力がある。

 

うーん‥‥

 

俺がバハラに赴任してた時も思ったが、それだけの数になると凄い迫力がある。

 

てかバハラに居た時はこの村で見た群れより遥かに多い群れを見たが、あれより少ない群れなのに何故かこの村で見た群れは迫力があったんだよなぁ。

 

周りに建物が少ないからかな?

 

そう言えばバハラに居た時に、数十万の群れが飛んで行くのを見たがアレは大迫力だったな。

 

バハラじゃ過去には群れの規模がそれこそ、五日間も途切れる事無く続いて居た事も合ったみたいだ。

 

まぁその時はバハラ中がフンまみれになって大変だったらしいが‥‥

 

記録ではそれこそ建物だけで無く、人も多いにフンを浴びて フンまみれになったりしたらしい。

 

てか五日間も群れが飛び続けたって、前世より凄いよな。

 

帝都じゃ渡りバトの飛行ルートでは無いから、そんなの見た事なんて無かったし、少数の群れですら数の多さに驚いたもんだよ。

 

とは言え少数の群れで数が多いって文法的に矛盾してるよな‥‥

 

だがそうとしか言い様が無い。

 

まぁ兎に角、転生して良かったって思える事の一つだな、まさかこの目でリョコウバトを見る事が出来るとは思わなかった。

 

生きて居るのも、飛んでいるのも見れたし、ましてや食えるとは思わなかった。

 

実家に居た時、その時は子供だったが、生きたのが見たいと言って取り寄せて、初めて見た時は感動したもんだ。

 

まぁその時は渡りの時期では無かったし無理かなと思ったが、食材として帝都に運ばれてたから割と簡単に手に入ったんだよな‥‥

 

帝都から離れて居る場所から持って来るからこそ、生きて運んで来てると言うちょっとした盲点であったな‥‥

 

てかそれ以前の問題として実は食卓にも上がってたって事だな。

 

うん、知らず知らずとっくに食べてたってオチだ。

 

前世でも鳩料理は食べた事があったから、鳩だって言われても余り違和感無く食べてたが、まさかそれが渡りバト事、リョコウバトとは夢にも思って無かったわ。

 

 

「守長、今年はたくさん渡りバト捕れるかな? 」

 

「運だな、運次第だから何とも言えないな」

 

「私、運は良いから今年は大猟だね」

 

「でもお前 日頃の行い悪いじゃないか、日頃の行いが悪いと運気が逃げるぞ」

 

「わ 私、日頃の行い良いもん!」

 

「アンナお前本当凄いな‥‥ アレで日頃の行いは良いってお前‥‥」

 

アンナの奴マジか?

 

本気で日頃の行いが良いと思ってやがるぞ‥‥

 

余りの驚きに、俺の黒髪が真っ白になったかと思ったわ‥‥

 

何時も思うがアンナのこの絶対の自信は何処から来てるんだ?

 

本当コイツある意味凄いよな、将来大物になるかもしれないな‥‥

 

しかしコイツは自覚は全く無いのか?

 

村一番の問題児だって自覚無いって‥‥

 

アンナは村一番の美人を自称して居るが、現実は、村一番の問題児なんだがなぁ‥‥

 

全く自覚してないってのが怖いな。

 

「どうしたの守長? 私を見詰めて? あっ! そうかそうか! 私の可愛さに見とれてたんだね?」

 

「・・・」

 

本当コイツ、自分自身に絶対の自信を持ってるよな、マジやべえな‥‥

 

「も~う 守長なら、見たいなら何時でも見ても良いよ、エヘヘ」

 

「・・・」

 

どうしょう、ここ迄極まってると何だか突っ込んだら負けな気がするんだが‥‥

 

てかコイツ芸人になったらこの芸風で大成功しそうだ。

 

残念だな、アンナは生まれる場所を間違えたな。

 

アンナが俺の前世の世界に生まれたのであれば、この芸風で売れっ子芸人になっただろうに。

 

人生儘なら無いもんだよ

 

 

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