異世界灯台守の日々   作:くりゅ~ぐ

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第93話 ネイサン・サリバンの追憶

 

ジゼルが風に髪を靡かせ少し俯いて居る

 

まだ顔が赤いのは恥ずかしさがあるのだろう

 

「ジゼルもう一個 飴食べるか?」

 

「はい‥‥ 頂きます‥‥」

 

同じ様に顔を真っ赤にしながら恥ずかしがって居ても、アイツとは大違いだ。

 

まぁ‥‥

 

アイツは恥ずかしさより怒りの為、顔が赤かった訳だが・・・

 

あのブラのホック事件のその後を、アイツとの事が記憶から消える事は決して無いだろう。

 

最後辺りがどうしても思い出せ無い。

 

だがその最後辺り迄の事は、俺が前世で生きた事、

思い出、特にアイツとの事は今でも鮮明に思い出せる。

 

忘却とは神々の慈悲である。

 

前世で聞いた言葉だ。

 

忘却出来て居ればどうだったのだろう?

 

だが俺は忘れるつもり等無い。

 

忘却等、一切望んで居ない。

 

今でも鮮明に覚えて居る、あの日の事も、アイツの事も、その後の事も・・・

 

 

 

『テメー■■■ 待てやコラ!』

 

『嫌じゃボケ、待てと言われて待つ奴が居るかよ』

 

『ふざけやがって! ぶっ殺す ぶっ殺す ぶっ殺す』

 

『アホか、そんな間抜けな姿の奴にぶっ殺されてたまるかよ!』

 

バカめ! 普通の時でさえ俺を捕まえる事等 出来ないのに、今のその間抜けな姿で捕まえる事が出来る訳無いだろう。

 

大体両手が塞がって居るのにどうやって俺を捕まえるんだよ。

 

その事を分かりやすく、アイツが聞きたいであろう言い方で言ってあげると、アイツは顔を真っ赤にして大喜びしてくれた。

 

『マジでぶっ殺す あっしのブラのホック外しやがって! てか妙に手慣れてるのもムカつく! ■■■お前片手で外しただろ、何であんな簡単に外せるんだコラ! あームカつく、手慣れ過ぎてムカつく』

 

『アホか! 生きてりゃブラのホック位外す事もあるわ! あんなん普通に慣れるわ』

 

『マジぶっ殺す! お前コラ■■■マジで手慣れ過ぎなんだよテメー! ふっざけやがって、今迄どんだけ外したんだよ』

 

『んーなもんイチイチ覚えてるかよ』

 

『ふっざけやがって! 待てや■■■ 全部吐け 』

 

道場の稽古が終わったばかりで、道場には門下生が大勢残って居た。

 

そしてそんな大騒ぎをして居ると、道場に隣接して居る我が家、まぁ実家なんだが、当然聞こえて居た訳で、そんな大騒ぎ、まぁバカ騒ぎをして居れば見に来るのは当然の事である。

 

『■■■君 何してるのかなぁ?』

 

『あっ! お母様‥‥』

 

『あらぁ 何時もはお母さんなのに何でお母様になってるのかなぁ? 取り敢えず止まろうか』

 

お母様怒ってらっしゃる‥‥

 

むっちゃ笑顔で、額に青筋が‥‥

 

あっ‥‥

もう一人来はったわ‥‥

 

『■■■ちゃん何の騒ぎなのかしら? お家の方迄聞こえて来てるんだけど、どう言う事なのか説明してくれるわよね?』

 

『お 御祖母様(おばあさま)‥‥』

 

『あらあら大層な言い方ね、何時もはばあちゃんなのにね、で? 説明は?』

 

あっ‥‥

無茶苦茶笑顔で怒ってらっしゃる‥‥

 

額に青筋が出てますよね?・・・

 

『あっ! 師匠! 実は■■■が・・・・・・』

 

ちょっ! コイツは‥‥

 

チ チクリやがった‥‥

 

不味い、不味いぞ、危険が危ない!

 

どうする? 逃げ‥‥ あっ!

 

ばあちゃんが然り気無く逃走ルートを塞いで‥‥

 

 

『へえー ‥‥ ■■■君そんな事したんだぁ、フフフ、お母さん悲しいなぁ、女の子にそんな事しちゃダメって昔から言ってたよね? それに今日私、注意したよね? 忘れちゃったかなぁ‥‥』

 

あっ‥‥

ママ上殿 怒ってらっしゃるです‥‥

 

おばば様がため息を‥‥

 

『違うんですお母様!』

 

『何が違うかお母さんが納得出来る説明してくれるんだよね? で?』

 

ヤベ‥‥

 

ばあちゃんからさりげなくズレてと、良し今だ!

 

あっ! 流石我が母、俺の考えを読んで‥‥

 

『■■■君 縮地まで使って何処に行こうとしてるのかなぁ? まさか私から逃げれる何て思ってるのかなぁ? 私まだまだ縮地なら■■■君には負けないよ、これだけは昔から自信あるんだよ』

 

『あの~ お祖母様まで僕を掴むのは何故でしょうか? 二人(がか)りで‥‥』

 

『フフフ、残念ながらもう私一人じゃ■■■君を抑えられ無くなったからだよ、だからおばあちゃんも■■■君を捕まえてるんだよ、成長したね■■■君、お母さん嬉しいな♪』

 

『えー ‥‥ なら何故に縄を取り出してるのでしょうか母上様?』

 

『気のせい 気のせい、ねえ誰か(むしろ)を持って来てくれるかなぁ?』

 

『あっ師匠、あっしが持って来ます』

 

あんの黒ギャルめが、何嬉しそうに取りに行ってやがるんだよ! てかついでにブラを直して来るつもりだな、あんのガキゃー クソ、てか逃げられ無いじゃねーか、流石俺の捕縛術の師匠だ。

 

いかん、縄と筵に怒ってらっしゃると言う事は、

縄+筵=簀巻き ではないか!

 

『■■■君、何逃げようとしてるのかなぁ?

面白い冗談だね、でも笑えないから止めようね』

 

『笑って下さいお母様、僕笑ってるお母さんが好きだなぁ、エヘ』

 

『うーん‥‥ 仲が良いのは良い事だよ、でもね、やって良い事と悪い事があるんだよ、お母さん今日は笑えないなぁ、女の子にそう言う事する子にはお仕置きしないとね、同じ女としてお母さん許せないなぁ』

 

クソ! 可愛くおねだりは失敗か、ならばあちゃんに、あっ、ため息吐かれた、神は俺を見捨てたのか?

 

『師匠、持って来ました』

 

あんの黒ギャル嬉しそうな顔して笑いやがって、

しかもブラも直して来やがった。

 

『さぁ■■■君、審判の時だよ 久々だね、今から何をするか分かってるよね?』

 

『ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい』

 

うん、素直に謝ろう、それが一番だ。

 

悪い事をしたら謝る、人として当然の事だ。

 

『師匠、コイツ絶対反省して無いですよ、だって謝罪に心が込もって無いし』

 

『おま ふざけんな、いらん事を言うなや』

 

『はっ! 例えお前が心から反省して、心から謝って居たとしてもな、受け取り手がどう感じるか何だよ! てかお前、今この場を切り抜ける為に言ってんのバレバレ何だよ! 師匠、コイツ有罪です有罪、厳罰を望みます、女の敵ですよコイツ、簀巻きにして吊るしましよう』

 

コイツ‥‥

 

『いやまぁ、俺も今から何をされるか分かってるよ、でもなぁ、吊るすは想定外だぞ、しかも女の敵ってお前、俺はお前以外にやらんわ』

 

『はぁ? ふざけんなや、有罪だ有罪! この極悪人が! 女の敵が! この世の全ての女に謝れ、テメー 大体ブラのホック外したらどうなるか何て男には分からないだろうがな、大変な事になるんだぞ、てかホック外すのマジで手慣れ過ぎ何だよ、ふざけやがって』

 

『何だよ、パット入れてんのバレるからか?』

 

『おまっ! あっしは天然だ! 養殖じゃねーし、パット何か入れて無いわ! 有罪だ、てか極刑だ極刑!』

 

極刑って意味分かって言ってるんだろうか?

 

うんコイツ絶対極刑って意味分かって無いだろ、

何だ? 俺は今日異世界転生でもするのか?

 

ふざけんなや、死んだらあの世も無いし、あるのは無だけだよ、死んだその瞬間に無になる、只それだけだ。

 

異世界転生、いや、転生自体するかよ。

 

転生して、しかも異世界転生ってんーな事ある訳無いだろうが。

 

死んだら無、虚無があるのみだ。

 

『再審を要求する、俺は無実だ』

 

『お前ふざけんなや、あれが無実ならこの世は世紀末よりタチ悪いわ、この女の敵が、有罪だ、簀巻きにして吊るす事を要求します師匠』

 

『お前なぁ、吊るすって‥‥ そんな簡単に人を吊るすのはいけない事なんだぞ、人を吊るすって、お前それは人としてどうなんだ?』

 

『そんだけの事したんだよ』

 

何を抜かしてやがるんだコイツは?

 

ちょっと紐パンの紐引っ張って、ブラのホックを外しただけだろうが。

 

ちょっとした可愛い可愛いお茶目な悪戯じゃ無いかよ、それを吊るすって‥‥

 

しかも簀巻きにされてだぞ、分かってんのかコイツは? 簀巻きにして吊るすって人としてどうなんだ? おかしいだろそんなの。

 

うん、そんな事を言ったら益々酷い事になりそうだから言わないがな、俺は空気を読める人間だ。

 

『あっ! ちょっと待って母上様、御祖母様、縛ら無いで、待って、いや本当に』

 

『■■■君暴れたらダメだよ、無駄だから抵抗しないでねー』

 

『■■■ちゃん流石に私達二人相手に無駄だから、大人しくしててね』

 

クソ! 何とかしなければ!

 

あんの黒ギャル~ 爆笑してやがる。

 

あっ! 気を取られた隙に‥‥

気を一瞬でも抜いたら‥‥

あっ!‥‥

 

『良い様だな■■■ 報いを受けろ、この女の敵が』

 

『テメー 覚えてろよ!』

 

『なぁ■■■そーゆーの何て言うか知ってるか?

負け犬の遠吠えって言うんだよ』

 

クソー 奴の爆笑に完全に気を取られてしまった。

 

てかこれが母と祖母で無ければこんな簡単にやられる事は無いのに。

 

二人共俺の事を完全に把握して居るから、

俺の癖とか考えとか全て分かってるから、

あっと言う間にやられてしまったではないか。

 

『テメー 足が太くなってしまえ てかケツもデカくなってしまえ!』

 

『おい‥‥ まだ自分の立場が分かって無いみたいだな? 師匠、コイツ絶対有罪です、さっさと簀巻きにして吊るしましょう』

 

『お前ふざけんなよ、もう既に縛られてる俺を更に簀巻きにするか? しかも吊るすってお前には人としての感情が無いのか?』

 

『黙れこの女の敵が! しかもさっきあっしに暴言吐いてくれちゃったよな? 当然の報いだ』

 

うん、確かに俺はいらん事を言っちゃったね、

でもそれはそれ、これはこれ。

 

『お お母様、御祖母様!』

 

イヤ~ん ため息吐かないで下さい母上、祖母上。

 

あっ、ダメだこりゃ、簀巻きにされて吊るされるわ

 

庭に生えてる 桜の木と柿の木が見えた。

 

俺はどっちに吊るされるんだろう?

 

マジ勘弁して‥‥

 

 

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