きまぐれ、かつ、フラグ的な何かです。いつになるかは未定ですけど。
『――『アナハイム・エレクトロニクス』社への破壊活動、目標水準に到達、無事達成ですね。お疲れ様です。腕が鈍っていたとは言え、『慣れないMS同士(ユニコーンvsフェネクス)』の対戦は見応えありましたよ?』
『――やれやれ、皮肉にしか聞こえないな』
『その手の情緒が著しく欠落している事はご存知でしょうに』
物語の舞台裏にて、今代の『彼』の姿を模した『迷子』はケタケタと邪悪に嘲笑う。
その様子は人ならざるモノが人を真似ている、拭いようの無い違和感とぎこちなさに満ちているが――その人智を凌駕した超越存在と永らく付き合い続けた『白い流星』は何を想うか。
『これで新脚本『水星の魔女』本編への進行が可能になりました。いやはや、仮にも『全知存在』の演算能力を全力行使する機会に恵まれるとは、この『私』でも感慨深くなってしまいますね?』
今回の『迷子』の介入はまさしく『例外』、異例に等しい唯一事例である。
今までは無為に静観するだけで――愚痴に似た感想を『自分』に述べるだけで――『彼』に干渉する事は皆無だった。
介入するという発想自体、根本的に、尚且つ欠片も無かった筈だ。宇宙開闢以来、天変地異が生じても発生しなかった選択肢が『迷子』の中に生まれた要因は掴めない――後に『同格(『魔法使い』)』から参考にしたと知るが……。
『一応、指摘しておく。今の状態のままではふとした瞬間に――無意識の内に宇宙を滅ぼしかねないぞ?』
『迷子』の最終目標を目指す上での最大の問題点を改めて指摘する。
幾ら誤魔化しているとは言え、『迷子』は宇宙単位での終末機構である事は変わらず、意識せずとも宇宙を滅ぼす存在である。
『……多元宇宙を無限回繰り返した果てに鍛造された、負の想念の特異点ですからねぇ『私』。最大の懸念点として既に把握してますよ。勿論、その解決策も――』
完璧な仕事ぶりだと自負して自信満々に胸を張る『迷子』に、かつての『後輩』の名残を見出す。
ニュータイプ的な感性など必要とせずとも即座に察せられる。……それ即ち、とんでもない大ぽかをやらかす、もしくは既にやらかしていた時の前兆である。
『……『他人の庭』を荒らすのは、余り褒められた行為ではないな?』
『大丈夫ですよ。なんとか多分ぎりぎりで解決出来るかもしれない『宇宙』を2つ選定しましたから! 半分半分に分割して不法投棄しましたから大丈夫ですよ!』
呆れ顔で『無限を割っても無限である事には変わらないぞ? 本当に大丈夫なのか?』と聞き返すが、『迷子』は自信満々に『大丈夫大丈夫、絶対大丈夫ですよ多分!』と押し切ってしまう。
『――おはようございますこんにちはこんばんはご機嫌よう! ぽっと出の『隠しボス』風情が罷り通りますよっと! 最後に皆様で袋叩きにして感動の大団円、物語とはかくあるべきですね! あ、撃破出来なかったら問答無用で宇宙滅びますので頑張って下さいね!』
その『宇宙』での『ラスボス』を瞬殺して盛大にやらかした『迷子』を、『白い流星』はため息を吐きながら見届けたのだった。
『……いやぁ、凄く、凄かったですね。あの『ぼくがかんがえたさいきょーのロンド・ベル』は』
『資金難と人材不足、MS及び機材不足で喘いでいないとか、詐欺だろ……』
『どういう因果を辿れば、あそこまでの一極体制になるのか、逆に興味が湧きますね? 『私』でも『エンジェル・ハイロゥ』でも使わないと無理ですよ!』
確かにあの『部隊』は連邦宇宙軍独立機動艦隊を名乗っていたが、その実情は(多元宇宙の可能性をこれでもかと『クロスオーバー(ごちゃ混ぜ)』にして超混沌とした最強無敵の)地球圏のありとあらゆる特記戦力を全て集中運用した、あらゆる面において意味不明過ぎて宇宙猫になる『最大戦力軍』――司令が『馴染みの顔』であるだけのドリーム・チームだった。
古巣の2人は『まぁブライト艦長の胃は相変わらず危機状態ですけど!』『ブライトはまぁ、そういう星の下に生まれたとしか……』と割と酷い言い草だった。
『というか、かなりの数の『御同輩(『終焉にして原初の魔神』『宇宙を喰らう無限進化皇帝』『第六文明の宇宙崩壊特異点』『最も新しき旧神』『超・天元突破』)』が紛れ込んでましたけど大丈夫ですかね? 敵・味方問わず悪夢の共演ですよね? 真面目に何であの宇宙無事なのかな?』
『……ノーコメントで』
因果地平の彼方で待ち受けている超存在の前身達には、流石の『迷子』も思わず引き攣った。……テメェ等、何で澄まし顔で其処にいるの?的な感じに。
『貴方を含めた歴代ガンダム主人公の共演には無限の虚無に穿たれている我が胸にも一定以上の感慨が浮かんで来ましたが……整備関連の事情、どうなってんの? ただでさえとんでもない異種混合の大世帯で頭痛いのに、MSというカテゴリー内でも明らかに規格統一出来てませんし、裏でメカニック数十人単位で過労死してません?』
『全技術習得済みの『私』でも嫌ですよ? こんな舌を噛み切りたくなるような苦行の中の苦行』『……アストナージが何とかしてるのだろう、多分』『いやいや、神整備に定評のあるアストナージさんでも無理じゃないですかね?』と、割とかつての『彼』にそった感想をうっかり述べてしまう。
『億年単位の老廃物で惑星規模まで膨れ上がった第一形態……初手『月光蝶』に『ツインサテライトキャノン』に『次元波動爆縮放射器』に『無限熱量&絶対零度』に『縮退砲』とかマジ容赦無かったですね』
『半分以上自業自得だと思うが……まぁ、凄まじかったな』
最初から全攻撃を受ける大前提とは言え、一体何と戦うんだとツッコみたくなるほどのドン引き超火力で来られては『迷子』も文句を言いたくなる。
『というか、ティファちゃんと一緒にDX乗るなよガロード……』『二人乗りには『縁』があるな』『あ、それ言っちゃいます?』と、遥か遠い過去の『義理の息子』&『義理の孫娘』が乗った『本体』の事を思い起こさせる。
『続く第二形態は……一体何を参考にしたんだ?』
『そりゃ勿論『世界を堕とす輪廻の徒花』ですよ! 『私』と『深遠なる闇』とは色々共通点ありますからね。――ああ、オリジナルの方にある侵食因子はもう『片方』に全部押し付けてますよ!』
外殻の老廃物を剥ぎ取ったら、華開いたら終わりの『徒花』形態となり、縦横無尽に大暴れ――こういう超機動で一方的に蹂躙する嗜好はちゃっかり引き継いでいるようだ。
更には生産機能、または複製機能を用いて数多の『量産型MS(やっぱりジェガン)』を即席で用意(一分間に100機程度)し、数でも蹂躙してくるタイプの理不尽さを繰り出した。……フラッシュシステムの要領で操作していないので頗る手加減している。
『第三形態は予想通り過ぎてコメントに困るが――随分と遊んだな?』
『最初は惑星大の存在が徐々に小さくなって最後にはMSサイズになるってかなり意表付いて面白いと思いましたけど、まぁ『私』の『本体』知ってる貴方には意外性無かったでしょうね』
そして最後に現れるは、あらゆるオカルト要素を解禁した、黒く発光する『ユニコーンガンダム4号機(本体)』であり――当然ながら今までの三形態の中でぶっちぎりで最強なので蹂躙の限りを尽くした。
何せ100%回避する(ギミック無し、単なる技量と機動性と限界値無し)。100%命中(ギミック無し、単なる技量と機動性と限界値無し)して常にオーバーキルする(常時『手加減』付きなのでHP10は残る)。『必中』で当ててもIフィールドみたいな何かで武器属性問わず全遮断される(エネルギー消費無し)。弾数無限で全武器行使する上に射程に隙が一切無い。最大火力でIフィールドを貫いてダメージを与えても1ターン(一分)でHP・EN全回復する(そもそもHP・ENともども?????????表記)。これとは別にターン開始毎に精神コマンド『奇跡』を発動させる。クソゲーかな? 完全なるクソゲーだった!
ちなみに『脱力』などの気力ダウンは通るが、隠しギミックで気力が下限になった瞬間、問答無用で宇宙崩壊させて強制的にゲームオーバーさせる史上最悪の初見殺しがある始末。
一応、手心としては、ニュータイプ的な精神感応は最初から完全断絶した状態となっている。感応した時点で発狂死間違い無しなので当然の措置である。
『やっぱり一番手強かったのはむこうの『貴方』でしたけど……乗ってくれませんでしたかぁ、残念』
『いや、いきなり『乗らないですか?』と言われても絶対乗らないだろ』
『そこはこう、運命とか何かを感じて、乗り換えイベント的な?』
『隠しボス戦では絶対に発生しないイベントだな』
『えぇー?』と物凄く不満そうに言う『迷子』に対し、どの面下げて人の感情が解らないとほざくのやらと『白い流星』は笑う。
なお、それはそれとして、全員に対して戦闘前会話をして煽りに煽ってたりする。100%に近い精度で思考ジャックする『超越存在』からの人の心の無い煽りなど精神的災害でしかない。
その中で、特にあれだったのは――。
『――『赤い彗星』に対しての感想は無限に湧き出て来ますし、時間の無駄ですので一言だけ。どの面下げて『此方側(ロンド・ベル)』にいるんです?』
『……言いたい気持ちは解るが、言ってやるな。あの宇宙ではまだやってない』
『まだ、という事はこれからやるという認識ですよね? クワトロ・バジーナ姿でサザビーに乗ってますし、もうこれやる気満々ですよね?』
負の感情の提供主が『彼』なので、やはり『迷子』さえも相当影響を受ける。その中で最も重く淀んでいる感情なので仕方ないと言えば仕方ないが――『やっぱり『赤い彗星』だけはちゃんと殺しておくべきだったかなぁ?』と全力で血迷う寸前なのも仕方ない。
『……あれだけ大暴れして、最後の決め手が『歌』なのはどうなんだ?』
『――『はたして『神』さまに『歌』は届くのかな?』と『宇宙一の歌馬鹿』に煽った時点でオチは決まっていた、という訳ですね! あ、『私』の嗜好じゃないですよ。『本体』の嗜好に著しく引き摺られただけですとも!』
『電子の歌姫』や『双翼の歌姫』達の歌は響かなかった癖に、『宇宙一の歌馬鹿』の歌には大反応(1d100での1クリ)を示し――最終的には黒く淀んでいたサイコフレームの輝きが虹色に戻るほど浄化され(途中からやっぱり『迷子』も歌い出した)、撃破完了扱いとなる。まさしくクソギミックボスである。
『……『半分』の規模でこの始末か。残り『半分』を許容出来る『宇宙』など到底見当たらないが?』
『いえいえ、大丈夫ですよ。こればかりは抜かり無いですよ! あの『宇宙』ならば、『私』さえも想像出来ない方法で何とかしてくれますよ! ――ねぇ、『補正』ちゃん?』