「知力」の一夏君、果てなき宇宙(そら)を目指す 作:高橋ヒナタ
臨海学校1日目、後半戦。
まだ福音は出てきません。
うーん、ちょっと苦戦しました。
修学旅行とかロクな記憶無かったもんで
想像頼りに書いてたもんですから…
若干スランプ気味な感じもある。
昼間の自由時間が終わり、夕食どき。
「流石IS学園、昼も夜も豪勢だな」
「ほんと羽振り良いよね」
大トロ、中トロ、鯛にホタテ──高級寿司の中でも
人気のネタを多数取り揃えた刺し身盛りや
海鮮に合うお吸い物など、高校生ではまず行かない
高級料亭で出される様なメニューが目の前に並ぶ。
流石はIS学園、世界でも随一の名門校なだけあって
食事のメニューもとても豪勢だった。
「ひいっタコ!兄さんは平気なのかっ!?」
「僕はマルセイユの方行った時に1回食べたかな」
あまり海鮮類を生で食べる習慣の無い国の生徒も
居る訳で、特にタコの刺身は「悪魔の食べ物だ!」と
驚く生徒が多かった。一夏や箒ら日本出身の面々が
躊躇いなく口にする姿を見て、恐る恐る手に取り
コリコリした食感にまた驚くまでがセットだ。
「お、これ本わさか」
「…きくな」
日本人ならお馴染み海鮮のお供「わさび」も
日本原産の種のみを用いた「本わさび」を使うこだわり。
本わさびは栽培方法が難しくそれほど大きく育たない
更には辛みや香りがすぐ消えてしまうために
市販のわさびよりも高級な品だ。
「これが本わさ?学園のとは違うんだね?」
学園にあるわさびは西洋わさびを使った練りわさびであり
本わさびとは辛さや風味に違いがある──
違いに興味を持ったシャルロットはそれを確かめようと
本わさびを箸で取る。
「──はむっ」
そして、あろうことかそのまま口に放り込んだ──
「………っ!?!?」
シャルロットは鼻に抜ける辛みと爽やかさに悶える。
「──大丈夫か?」
「…
辛み自体は西洋わさびの方がかなり強いのだが
シャル自身は学園でもわさびを口にした事は無かった。
しかも結構な量を食べたため、予想だにしない辛みに
思わず悶絶したのだった。
「…一夏さん…事前に言って欲しかったですわ…っ」
「おう…すまねぇ」
一夏の左隣にも、わさびの餌食になった少女がもう1名。
セシリア・オルコットもまた一夏や箒がわさびをつけて
刺身を食べているのを見てそれを真似し
見事辛みに悶える羽目になっていた。
「か、貝!?本当に食べられるのですかコレ!?」
「ん゙~辛い!鼻にクるぅ!」
元々学園内でも日本食を好き好んで食べていた生徒以外は
軒並みタコや貝類にビビりわさびの辛みに悶え
日本の食文化と衝撃的な出会いを果たしたのだった。
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「──フレームの稼働ログは相変わらず面白いねぇ」
「ですね。"新装備"も搭載しましたし。」
夕食を終えた一夏は自室へと戻り、束と共に白式と紅椿の
定期メンテナンスを行っていた。
追っ手達から逃げ回る生活の中で趣味となっていった
機械いじりもといISの整備は学園に居を構えてからも
ずっと続けてきた趣味であり、今日も昼間行った
新装備テストのデータを整理していたのだ。
「どうだった?新装備は。」
「まだ慣れないな…。使い勝手は良さそうだけど。」
一夏は昼間試した新装備の使い心地を思い出しながら
展開装甲の稼働ログに目を通していく。
「ビーム粒子偏向場の稼働率が低いな…」
特に新装備込みでの稼働データは調整が必要なものが多く
ホログラムとして投影されたプログラム構成図を
スワイプしながら逐一更新を加える。
「楽しそうだねぇいっくん」
「"コレ"を使う事自体楽しいってのもあるな」
3Dホログラムとして投影された映像に触れ、動かし
直感的に改良していく作業はとてもSFチックで
メカニックの心をくすぐるものがあるのだ。
かの
よく似た仕組みなのも開発欲をそそられる。
打鉄弐式の開発でこのモニターに触れる機会の多かった
簪も同じようにこれで設計開発を行うのは楽しい、と
大絶賛していた。
「スラスターを新型へ差し換えよう。それで出力荷重比を
変えずに拡張領域の容量を…節約出来るはずだ」
白式と紅椿は日々こうしてブラッシュアップが加えられ
より洗練された機体へと昇華していっている。
「…なんだ、相変わらず開発バカだなお前達は」
「おかえりちーちゃん♪」
「千冬ね…織斑先生」
織斑先生がふらりと部屋へ戻ってくる。
自分の荷物をガサゴソと漁り入浴セットを取り出すと
彼女はすぐ踵を返して大浴場へと向かう。
「──と。…織斑」
が、何か言う事でもあったのかまたすぐ戻ってきた。
「女の一人でも連れ込んだらどうだ?」
そして、恋愛事に疎い弟をからかう様な一言を発した。
教師としてあるまじき発言──勿論冗談ではあるのだが
弟はこうからかってやると初心な反応を返してくれるので
千冬としては見ていて楽しいのだ。
彼に恋人がいるという噂は学園に居る以上嫌という程
耳にしているが、その彼女とやらを連れ込まない辺り
まだ弟は初心なうちなのだろうな、と。
「良いっていうなら俺は箒を連れ込むぜ?」
「………お前っ!?」
「おぉ~♪箒ちゃんがとうとう大人の階段を~?」
弟のとんでもない返しに困惑し固まる織斑姉と
妹の成長の予感に興味津々の篠ノ之姉。
「ん、俺も温泉行ってくるよ」
一夏は纏めておいた入浴セットを手に取ると
余りの衝撃に固まって動かなくなった姉の横をすり抜けて
男湯へと歩いていった。
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「………」
男湯にたった一人で浸かる一夏は空を見上げながら寛ぐ。
今この旅館にはスタッフ以外の男性は自分以外居ない──
誰の視線も気にせず心を落ち着かせる事が出来る。
(明日──何も無いといいけどな)
実は、明日7月7日は篠ノ之箒の誕生日なのである。
買っておいたプレゼントもわざわざ荷物の中に隠して
ささやかなサプライズをしようかと考えていた。
明日が平穏な1日であって欲しいという願いは
早々に砕け散る音を聞くことになってしまった訳だが。
「………!…!」
(…箒達の声か)
自然の音に耳を傾ければ、どこかから──
すぐそこの垣根の向こうから黄色い声が聞こえてくる。
覗きなんて馬鹿げた事をする気はさらさら無いが
向こう側で彼女がクラスメイトとどう交流しているのか
少し気になって耳を澄ます。
「──アンタやっぱりスタイル良くなったわよね」
隣で身体を洗う箒の体つきを見た鈴がジェラシーに満ちた
視線を向けてそうぼやく。
元々箒は学園内でもトップクラスのスタイルを誇るのだが
それが前にも増して良くなっている──制服越しではない
という点を加味してもそれが顕著な気がしたのだ。
「ちょっと確かめさせなさい!」
「た、確かめるだと?」
鈴は箒の背後へ回ると、その手に己のスタイルへの恨みを
目一杯込め──
むぎゅっ!
「きゃっ!?…なっ、何をするっ!」
たわわに実った2つの果実を思いっきり鷲掴みにした。
「このっ!少しアタシに分けなさいよこのっ!!」
「ばかものっ!やめっ…!」
自分と歳は変わらないというのに一体何を食べたら
ここまで大きくなるのか、そんな不満を抱きつつ
減るものでも無いとばかりにその揉み心地を
鈴はじっくりと堪能する。
「織斑君に揉んでもらってるんでしょ!」
「女は恋すると綺麗になる、なんて言うものね」
箒が一夏と恋人同士の関係であることは多くの生徒が
痛感させられている。
箒に「カレとどこまで進んだか」を問い詰めても
黙秘されてしまっていたが、きっとそれはそれは
熱く激しいカンケイなのだろうな、と少女達は妄想する。
それだけ箒のスタイルは魅力的だったのだ。
「ちょっと私達にも触らせてよ!」
「あ、いいな!わたしも触ってみたい!」
「待てっ!やめんかっ!」
暫くの間女湯からはチェリーボーイ共を悩殺するような
黄色い声が響き続けていたとか。
「…いやぁ、女子高生してるなぁ」
そんな会話を男湯でひとり聞かされていた一夏は
口元近くまで湯に浸かりながら苦笑いしていた。
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「ふぅ…のぼせてしまいましたわね」
ゲームコーナーの片隅で、ハンディファンを片手に
コーヒー牛乳を飲んで寛ぐ少女が一人。
イギリス代表候補生セシリア・オルコットだ。
「…何も私までやる必要は無いでしょうに」
彼女がかなりのぼせているのは、箒達がまだ上がる前に
大浴場へ足を踏み入れてしまったからだった。
そう、抜群のスタイルを持っているが故に
彼女もまた"
「少し…ゲームでもしていきましょうか」
セシリアは気分転換にと、何かしらアーケードゲームを
遊んでいく事にした。
セシリアも日本の文化には多少なりとも興味がある。
『えいっ!ファイヤー!アイスストーム!』
「──勝ちましたわっ!」
そして、ちょうど一つゲームをクリアした時──
「あれは…鈴さん?」
誰かの後をコソコソ追う鈴の姿を見かけた。
その動きはまるで狩りをするネコ科動物の如く。
「鈴さん、一体どこへ「シーッ!」」
行き先を訪ねようとしたセシリアは鈴に口を塞がれる。
そして、音を立てるなといわんばかりに人差し指を
自身の口元に当てた。
彼女が目的とする人物は相当感覚が鋭いらしい。
「おぉ~せっしーも来る~?」
「…ちょっ…本音、待ってってば」
「シャルロット、何処へ行く!?」
「ちょっとした盗み聞きだよ」
2人の後ろから現れたのは、一夏と箒を除いた専用機持ち。
好奇心に満ちた表情のシャルロットと本音に引っ張られる
ラウラと簪というペア2組だった。
彼女達もまた鈴の追っている人物が目的とのことで
この謎の団結が気になったセシリアは鈴達5人に
ついていく事にした。
(一夏さん達は何故居ないのでしょう…?)
残る2名がこの場に居ない理由を気にしつつも。
「………ここよ」
[教員用]
「…ここって…!」
鈴達一行がたどり着いたのは、織斑千冬ら学園職員が
寝泊まりする部屋の内のひとつ。
よりにもよって
「千冬さんは今温泉に行ってるわ」
幸いにも不在の様だが、コソコソと侵入した事がバレれば
間違いなく大目玉確定だろう。
故に6人は壁に耳をピタリと貼り付け、中で行われている
行為が何なのか聞き耳を立てる。
そして聞こえてきたのは、何やら不穏な会話──
「どうだ?気持ちいいか?」
「んあっ…あっ♡待っ…」
声からして部屋にいるのは一夏と箒。
がしかし特に箒の声の方は普段の凛々しさ厳格さは
どこへやら、とても可愛らしい声を上げている。
まるで快楽に喘いでいるかの様な──
「「「!?」」」
6人は思わず驚き固まる。
この襖の向こうで一体どんな行為が行われているのか
軽く想像するだけで顔から湯気が出そうになる。
耐性の無かった簪やラウラに至っては
早くもダウンしそうになっていた。
「随分溜まってたみたいだな」
「あぁっ♡…声がっ…抑えられないっ」
あの篠ノ之箒がこうも淫らに狂ってしまう様な
熱く激しい情交が行われているのだろう──と
少女達の頭の中でピンク色の妄想が膨らむ。
それはそれとして。襖越しに聞こえる声に耳を傾けながら
内容を妄想していれば、他への集中力は薄れる訳で。
「お前達…何をしているんだ?」
「…織斑…先生っ」
少女達はこの旅館イチの強敵に捕捉されてしまった。
「さては何か誤解をしているな?…入るぞ織斑 」
少女達の困惑を察した千冬は、情事に及んでいると思しき
部屋の襖を何の遠慮もなく開け放ってやった。
「………一夏、アンタ何してんの?」
「何って…指圧」
そこに居たのは、気持ちよさで蕩けきった箒と
爽やかな笑顔で彼女への指圧を終えた一夏の姿があった。
鈴達は盛大な誤解をしていたのだった。
箒があまりの気持ちよさに喘いでいたのは
事実であったのだが。
IS学園臨海学校、その初日は無事幕を閉じた。
そして、福音が襲来する──
少しばかり配役を変更しました。
セッシーは同室の子達にいじられなかった分
温泉で箒ちゃん同様モミモミされました。
なお、のほほんさんは揉む側な模様。
指圧マッサージはちーちゃんの代わりに
部屋へ連れ込まれた箒ちゃんが受けました。
えっちなコトはしてないですよ?
ま、次回から福音戦です。お楽しみに。