「知力」の一夏君、果てなき宇宙(そら)を目指す   作:高橋ヒナタ

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どうも、モンストでリムルを引けた私です。
なおサブ垢は相変わらず…


以前に2回ほど顔を出していた「彼」が
やっと本格的に登場します。
どう出そうか結構悩んでしまった…。
エヴァより前に作ってたプロットには
彼のこと全く載ってなくてですね。
おのれ過去の私ィ!

要するにだ、シリアス突入という事です。



第55話 織斑秋一

 

 

 

その日、織斑一夏が動いた。

 

 

 

それは余りにも唐突であった。

学園の冬休みが明けた直後の休日、なんの予兆も無く

突然白うさぎ所有のカタパルトで飛び立ったのである。

 

進行方向から推察された目的地はオーストラリア方面。

しかし、大型ブースターで加速でもしていたのか

時速5,000km超という凄まじい巡航速度により

豪州政府および同国空軍がそれを察知した時には

既に領空侵入まであとわずかという所まで迫っていた。

 

 

『貴機はオーストラリア領空に接近しつつある!

速やかに進路を変更せよ!繰り返す──』

 

「……………」

 

当然豪州空軍機は大慌てでスクランブル発進するも

彼がその警告に応じることは一切無く。

 

 

 

『アクアマリンリーダーよりアイオライト隊へ!

例の"ユニコーン"に抜けられた!対応求む!』

 

『こっ、こちらアイオライトリーダー!

ミサイルが回避されてる!機関砲もだ!』

 

『アイオライト2、エンゲージ…っ!?

あいつ、真っ直ぐ本土へ抜けるつもりか!!』

 

支援航空機複数機とISの2個小隊で構成された防衛網を

ほぼトップスピードを保ったまますり抜けていく白式。

飛来する弾丸やミサイルを、随伴するB.T.シールドで

必要な分だけ対処して駆け抜けていくその様は

まるで"交戦意志は無い"とでも言っているようで。

 

真っ直ぐ飛翔する白式を拘束ないし撃墜しようと

必死に追いかける豪州空軍・IS軍機だったが

そこへ軍本部からの連絡が入る──

 

『HQより各機、攻撃中止!繰り返す、攻撃中止!』

 

『何だって?!』

 

『彼は極秘任務の最中である!攻撃を中止せよ!』

 

彼の真意が篠ノ之束より明かされたのである。

オーストラリア内部に非人道的実験を繰り返している

テロリストの一団が潜んでおり、今織斑一夏は

これを討ちに向かっている、と。

 

普段ならばこんな事後報告など認められないと

突っぱねる所だろうが今回は事情が違いすぎた。

まずひとつ、情報のソースが白うさぎであること。

今世界で最も影響力のある企業であるという点が大きい。

そしてもうひとつ、テロリストとやらのやっていることが

国際社会からは決して受け入れられないような

極めて非人道的な研究であったこと。

仮にこの要求を断って織斑一夏を拘束しようものなら

国際社会での地位が急落することは確定的だったのだ。

 

 

「──すまない。助かる」

 

織斑一夏はオープンチャンネルで短く礼を言うと

流星のように真っ直ぐ内陸部へ消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

フィ〜ッ!フィ〜ッ!フィ〜ッ!

 

『未確認機接近!繰り返す──』

 

 

白式が再び現れたのは、内陸部のとある研究施設だった。

 

市街地からはとてつもなく離れた荒野のど真ん中

文字通り未開拓な地に建っているその施設は

こんな場所に似合わない厳重な警備が敷かれている。

数十機のE.O.S.に、小隊規模のIS部隊に。

 

[NATIONALITY:!UNKNOWN!]

 

「国籍不明…と。まぁそうだろうな」

 

施設へ降り立った一夏が施設所属ISを捕捉し

その所属国家を見てため息をこぼした。

 

ISは国家や企業が厳重に管理しているとはいえ

不慮の事故や裏ルートでの取引などによって

その手元から消えることは既に何件か起こっている。

つまり、目の前のあれらはまさにその実例な訳で。

 

「…へぇ…実物は多少マシな顔してるのね」

 

「そうかい。そいつはどうも」

 

向かい合った一夏と施設所属の女ISパイロット。

恐らくは自分の秘書の元同業者なのだろうが

軽く言葉を交わしてみた感覚からして

彼女よりも遥かに欲の渦巻く世界に染まっており

同時に女尊男卑思想にも染まっているらしい。

ここにいるのも金の為か、はたまた──。

 

「悪いが死になァッ!!」

 

女が容赦なくアサルトライフルをぶっぱなす。

 

「悪いが末端に構っている暇は無くてね!」

 

「なッ…?!」

 

しかし一夏はそれを前へ加速しながらすり抜け

すれ違い様に敵機のスラスターへ右腕のライフルを一発。

たったそれだけで女は追い迫るための"足"を失う。

 

 

「E.O.S.部隊撃て!奴を少しでも削れ!」

 

「こちらIS2番機、これより敵機を挟撃する!」

 

 

『侵入者、第一層へ侵攻!隔壁下ろせ!』

 

『駄目です!迎撃設備沈黙!ISが相手では…っ!』

 

 

それを幾度か繰り返し、一夏は施設を地下へ進む。

 

 

 

 

 

「………ここか」

 

そうして辿り着いた区画の名に、一瞬顔を顰める。

 

 

パシュ-ッ

 

扉を開けて目に飛び込んできたのは、無数の培養槽と

その中に浮かぶ手のひらほどの大きさしかない

生き物の未成熟体と思われるモノ。

 

 

[遺伝子強化型超人兵 E-0025]

 

チラリと目を向けた機器には、そう表示されていた。

 

中身に目を向ける。かろうじて人型にはなっているが

所々がぶくぶくと異常に膨れ上がっていたり

あるいは半身が全く発育せずに欠損していたり…。

ともかく、マトモな状態でないのは確かだ。

 

 

[遺伝子強化試験体 D-0055]

 

一夏が一瞬拳をグッと握りしめる。

 

その培養槽に浮かぶ、どこか見覚えのある"銀髪の幼子"は

1歳か2歳くらいまでは問題なく成長したようだが

状態を示すモニターはその命が尽きてしまっていることを

ハッキリと示していた。

 

 

 

(またこんなものを…ッ)

 

 

 

バックアップが取られていたのだろう。

 

そういった類のモノがある事は分かっていた。

しかし、分かっていても気は滅入るもので。

 

 

 

 

 

ヒトとして成立していないモノ達を断腸の思いで

解放(介錯)してやりながら、施設を進むこと十数分。

 

 

「──はっ…はっ…クソッ!聞いてないぞ!」

 

ガサガサと書類を探る音を立てる者がいた。

 

「私の研究は必ずや"組織"の為になると言うのに!

えぇい上層部はウサギを相手に何と及び腰な!」

 

中々に高級そうなスーツを着た小太りの男が

研究員が逃げ出したオフィスで資料の山を漁りながら

ここにはいない自分の上司への文句を叫んでいた。

彼はこの施設の責任者な訳だが、あまりに慌てすぎて

一夏の存在には気付けていないらしい。

 

 

「俺たちがどうしたって?」

 

「誰でも構わん!さっさと資料の持ち出しを………

………きっ、貴様は!!!

 

「やっと気付いたか」

 

少々締まらないが、一夏は目標の元へと辿り着いたのだ。

 

 

 

 

 

┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄

 

 

 

 

 

「………やはり掛かったか」

 

 

 

織斑一夏によるテロリストの研究拠点襲撃。

これを、離れた所から眺めている者がいた。

 

綺麗な黒髪とキリッとした目つきが特徴的な

落ち着いた雰囲気を持ちながらもその瞳の奥には

戦意を炎のように滾らせている少年。

 

 

「よっ…と。お前なら来ると思ってたぜ」

 

 

少年は、遠くに見える研究施設へ流星が降ったのを

確認するやいなや、立っていた岩から飛び降りる。

 

 

「こちらM.I(モザイカ・ワン)。目標を視認した。作戦行動に入る」

 

『了解』

 

「…行くぞ、ライトニングIII…!」

 

 

"上"へ短く通信を入れ、愛機を身に纏う。

 

 

 

「プロトタイプ…精々足掻いて見せろよ…!」

 

 

 

そして彼は、好戦的な笑みを浮かべると

真っ直ぐに研究施設へと飛び立って行った──

 

 

 

 

 

┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄

 

 

 

 

 

「なんだ貴様は!?ヒーロー気取りか?!

それとも世界の支配者のつもりか?!」

 

 

男は、突然現れた一夏を前に喚き散らしていた。

 

半ばヒステリーを起こしていると言ってもよかった。

 

 

「別にそんな気は無いって」

 

「それだけの力を手にしておいて何を言う!!

経済を支配し!武力で脅し!横暴にも程がある!!

貴様のせいでどれだけの人が職を失ったと思っている?!

それでいて選民思想に囚われ!弱者を切り捨てる!!!」

 

「だ〜から違うって言ってるだろ…」

 

確かに白うさぎグループは急成長を遂げる過程で

いくつもの企業を衰退に追いやったのは事実である。

ある会社が業績を伸ばせば、競合他社の業績は下がる──

これはある意味必然であり、一夏も承知の上だ。

だからこそ、そのリカバリー策もいくつか打っている。

例えば、職を失った技術者を好待遇で受け入れたり

あるいは勢いの衰えた企業を子会社として買い取って

資金援助を行って業績を回復させたり。

 

彼は選民思想だなどと喚いているがそれもまた

大きな勘違いだ。余りにも応募人数が多すぎるうえ

グループ内でも特に本社に近い大企業では

基本的な業務の大半をH.A.L.O.(人工知能)が担っているため

どうしても落選が増えてしまうのは仕方無いことだが

末端企業を弾かれる者の多くは"危険な思想(女尊男卑思想etc…)"を

持っていたからであり。

 

 

「そうやって気の抜けた面をしているのも気に食わん!!

自分のやった事に何も感じていないのか?!

やはり貴様はヒーローなどでは無い!悪魔だ!!」

 

「……………ハァ…」

 

とはいえ、マトモな思考を失った目の前の男は

一夏の話など全く耳に入っていないようで。

 

 

 

「こんな所で死ぬ位なら貴様も道連れにしてやる!!!

この悪魔めぇーーーっ!!!」

 

バンッ!!バンッ!!バンッ!!

 

一夏がISを身に纏っているにも関わらず

懐から拳銃を取り出して撃ってくる有様。

 

"彼はもう救いようが無い"

 

そう判断し、彼へ右腕のライフルを向け──

 

 

 

 

 

「ッ!?」

 

バシュゥーーーッ!!!

 

あがぁっ…がぁ…悪魔ッ…ども…めぇ………

 

強烈な殺気を感じ身を僅かに横に逸らせば

背後から飛来した光条に責任者の男だけが焼かれていた。

 

「誰だッ!?」

 

どちらを始末するつもりで放ったのか。

1年前であれば死んでいたかも知れないほどの

鋭い一撃を差し込んで来た"何者か"の方へ

一夏は素早く振り向く。

 

が、その顔を見た瞬間、思考が凍り付いた。

 

 

 

「2人まとめて始末するつもりだったんだが

中々やるじゃないか。褒めてやるぜ」

 

 

「誰だ…お前は…ッ!?」

 

 

からからと笑いながら姿を現したのは

ラプターアイズにも似た意匠の黒いISを身にまとった

余りにも"織斑一夏にそっくりな少年"だったからだ。

 

 

 

 

 

「やっと会えたな。兄貴?」

 

「兄貴?お前まさか!?」

 

「俺は織斑秋一(おりむらしゅういち)だ。宜しくな」

 

彼は、一夏の関係者の中では義兄妹のラウラを除いて

たった2人(千冬とマドカ)しかいない筈の「織斑」の姓を名乗った。

 

 

「…とは言え、この挨拶に意味は無いがな…っ!」

 

バシューッ!!

 

「ッ!」

 

バシューッ!!

 

突然秋一が右手の大型ビームライフルを発射し

紙一重で回避した一夏がビームライフルを撃ち返す。

そしてそれを秋一が意趣返しのように紙一重で回避した。

 

一瞬で互いの力量の高さが分かる攻防だった。

ISで戦うには些か狭すぎる地下研究施設で

熾烈な戦闘が幕を開けた。

 

 

 

「今日は貴様を始末しに来たんだ…おらァッ!

"第二次織斑計画実験体一号"である貴様をな!」

 

「それを知ってるという事はお前亡国機業関係者か!」

 

「察しが良いな!プロトタイプ!」

 

GAU-22イコライザーの発展系と思しき機関銃と

IS専用M4コマンドー2丁、2本のプラズマブレードと

全身に増設されたスパイクアーマーを用いての格闘術を

巧みに使い分けて襲いかかってくる秋一。

それを、ずば抜けた反応速度と大型B.T.シールド2枚

近接用ブレード雪片零を用いて凌いでいく一夏。

 

「流石は俺と同じ戦闘兵器だ…やるな!」

 

「ぐっ…一緒にするな…ッ!」

 

「いいや一緒さ!俺と貴様は!戦争の為に作られた!

人殺しをする為になッ!!」

 

しかし、一夏が押され始める。

 

「甘いんだよォ!そらァッ!!」

 

迷っているのだ。一夏は。

 

確かに自分の手はとうに血に染まっている。

人殺しであることは否定しない。しかしだからこそ。

彼がもし本当に名乗った通りの存在であるのなら。

自分を元に作られたクローン人間なのだとしたら。

彼にも自分と同じように自分の運命を決める自由がある。

そうやってラウラやマドカに自由を示してきたからこそ

彼のこともその宿命から解き放ってやりたい、と

心のどこかで悩んでしまっていたのだ。

 

彼が放つ殺意と軽蔑の中に、僅かながらではあるが

どこか好意的な感情が篭っていることもまた

一夏の戦意を鈍らせている一因であった。

 

「がぁっ…!…それでもッ!」

 

 

熾烈な戦闘はやがて研究施設を容易く破壊し

舞台を広大な空へと移す。

 

 

 

「兄弟の(よしみ)だ、思い出させてやるよ!」

 

直後、秋一の動きが少し変わった。

とはいえ、積極的に相手に斬りかかっていく

好戦的なスタイルは変わっていない。

 

では何が変わったのか。

 

 

「その首、貰ったァッ!!」

 

一夏の首元目掛けてプラズマブレードが迫る。

 

 

 

その瞬間───

 

 

「シッ!!!」

 

「!!」

 

一夏の瞳から光が消えたかと思えば、次の瞬間には

秋一はブレードを奪われ投げ飛ばされていた。

 

 

「なっ…何だ!?俺は…何をしたんだ?!」

 

しかし、それは一夏が意図した動きではなかった。

考えるよりも先に身体が動いた事に一夏は困惑する。

 

「…身体は覚えてるらしいな?良い動きだったぜ」

 

逆に、反撃を食らった筈の秋一は笑みを浮かべる。

 

秋一が取った行動。それは、幼少期に刷り込まれた

戦闘経験の中にある教官の動きを模倣するというもの。

より効率よく人を殺すにはこう動け、ここを撃て。

敵を殺す時は確実に息の根を止めるためこう殺せ。

そう脳に直接記憶させられた中にある忌むべき動きを

秋一という教官を相手に一夏は取っていた。

 

 

 

「それが貴様が戦闘兵器である証だ!」

 

「……………ッ!!!」

 

一夏はついに展開装甲という奥の手を切った。

 

 

(お前は…俺が討つ!)

 

 

危険だ。彼はここで殺し切らなければならない。

そう感じ、弟に当たる彼をこの手で討つ覚悟を決めた。

 

余計な感情をもたらす心を殺し戦闘兵器へと堕ちる──

怪物を殺す為に怪物に堕ちる道を選んだ。

元々自分も怪物として作られたのだから、と。

 

 

 

 

 

「なんで墜とせないんだ…ッ!」

 

「………!!」

 

徐々に戦況が覆り始める。

展開装甲の起動に合わせて秋一も"ある奥の手"を切ったが

それでも少しずつ、一夏の勢いが増し始める。

 

「ぐっ…戦闘能力で負けているだと?

…認められるか…こんな事…ッ」

 

「………………!!」

 

その天秤は、僅かに一夏の側に傾いた所で釣り合うが

拮抗でさえ秋一にとっては屈辱であったようで

彼はぎり、と歯を食いしばった。

 

 

 

──焦っていたからかも知れない。

 

核兵器が抑止力としての力を失いつつある今

操縦者に極めて高い安全性をもたらす兵器が台頭した今

世界情勢は、軍事バランスは、極めて不安定となり

もし仮に白うさぎグループの介入が無ければ

最悪の事態(核戦争)にまで発展していた可能性すらある。

そんな中でも、亡国機業は各国の"裏側"へと働きかけ

大規模な戦争を誘発させようとしている。

軍需産業の活性化によって経済を回そうと。

 

だからこそだったのだろう。

世界に混沌をもたらしかねない禁忌の技術の塊(織斑秋一)

同じ存在(織斑)である自分が始末せねば、と思ったのは。

 

 

 

『交戦中の未確認機に告ぐ!直ちに投降せよ!

こちらはオーストラリアIS軍である!繰り返す──』

 

「くっ…邪魔が入るか!クソッ!!」

 

 

 

秋一は、増援(実質第3陣営)到着の混乱に乗じて離脱していった。

 

 

 

 

 

「……………」

 

 

 

豪州軍機が様子を伺いつつ近寄ってくるなか

一夏もまた静かにその場を後にした。

 

 

 

 

 

「……………」

 

 

 

「……………」

 

 

 

「……………グッ…」

 

 

 

ふと、ズキリ、と一夏の頭に鈍い痛みが走る。

それと同時に、脳裏にある光景が過ぎり。

 

 

 

──…悪魔だ…白い悪魔だ…っ!

 

 

 

その言葉を思い出した瞬間だった。

 

 

 

「グッ…ぐあぁぁァァァッ!!!

 

 

 

封じていたはずの記憶が次々と溢れ出てくる。

ごうごうと燃える炎、辺りを漂う焦げた血と硝煙の匂い

顔にびっしりと張り付いた返り血の生温かさ──。

 

「ハァッ…ハァッ……少し…高度を上げないと…」

 

海に墜落しないよう機体をコントロールしている最中も

記憶の奔流は容赦なく一夏の脳を蝕んでいく。

 

目の前に倒れ伏すのは、物言わぬ屍どころか

無惨に吹き飛び原型を留めていない、人だったモノ。

手には、"鎧"諸共引きちぎったであろう人の腕。

襲撃者であった彼女達をここまで無惨に殺したのは

他ならぬ一夏自身。

 

 

 

「…束さん、俺だ」

 

『いっくん?!…どうしたの?』

 

 

 

一夏はコアネットワーク経由で束へ通信を繋いだ。

 

 

 

「………"記憶処理"を…頼む」

 

『……思ったより早かったね………分かった』

 

 

 

そして、その"傷"を覆い隠すことを選んだ。

悠長に治している暇など無い、と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──極秘裏にヒトクローン製造の研究を行っていた

テロリストの拠点の壊滅から数日後。

織斑一夏は、いつも通りの爽やかな笑顔で

クラスメイト達の前に姿を現した。

 

しかし"種火"は、その勢いを大きく削がれたのみであり

依然として彼の心の奥底で静かに燻っていた──。

 

 

 

 

 

 





織斑秋一くん、本格参戦。
たまに見かける一夏くんの弟ポジのキャラ。
うちでは敵側としての参戦でごぜぇます。

【ライトニングIII(織斑秋一専用機)】
ラプターアイズの改修機に当たる機体。
IS版ライトニングIIとして設計された機体で
本来の機体カラーは空軍機によくあるグレー。
ある奥の手についてはまた後ほど。



完結させられるかちょっと不安になってきた…
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