「知力」の一夏君、果てなき宇宙(そら)を目指す   作:高橋ヒナタ

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ISの数は467機で、実戦配備中が322機
研究用が145機というのが公式設定らしいですが
裏に流れたコアが絶対いくつかあるよね。
凍結されたコアもいくつかあるよね。
と、そう思う今日この頃。
個人的には1割強が裏に流れてると思ってます。
今回出てくる敵ISはそういう感じのやつら。

また新たに特殊タグを使ってみました。
それっぽくなったかな?



第61話 シャトル打ち上げ編③

 

 

 

米国産ビームアサルトカービンであるM1A1を2丁持ちし

背部にビームキャノンとシールドを背負った敵エース機。

恐らくは独自開発の専用機であろう高機動の中隊長機。

ベースとなった機体の面影が残るカスタム量産機──

ラファール型が5機、ラプターアイズ型が3機

他にも打鉄型やイタリア産と思しき量産機など

様々な地域から掻き集めたであろうISが総勢12機。

それらに加え、YF-48A対IS用戦闘機ハウンドが9機

見るからに中古品(傷跡&修理跡まみれ)なF-15やF-22が十数機ほど。

 

それが、一夏達を撃墜せんと現れた一団の戦力であった。

 

 

 

「こちらから仕掛ける!」

 

真っ先に動いたのは、箒の紅椿。

 

一夏の一角獣の騎士に追随するべく2度目の改修を受け

より洗練された姿となった紅椿。箒はその左腰に携えた

2本の刀を手に駆け出した。

 

 

「来たぞ!応戦しろ!」

 

「囲んで撃ちまくってやりな!」

 

愚かにも僚機を置いて1人先行してきたとでも思ったのか

進行方向左側面へ上がってきた2個小隊が各々銃を構え

一斉に紅椿目掛けて撃ち始める。

 

しかし。

 

 

「速──」

 

斬ッ!!

 

凄まじい弾幕に真正面から突っ込んだかと思えば

ひらりひらりと最低限の動きで銃撃を回避しながら

右手に握った太刀で敵機のライフルを一刀両断。

近接格闘機対策の陣形を容易く食い破って見せた。

 

「気をつけな!あの小娘共只者じゃないよ!」

 

「連携して引き撃ちするのよ!」

 

最初は舐めて掛かっていたのか、襲撃者達は動きを変え

徹底的に近距離を封じる陣形を組んでくる。

 

「姉さん!援護する!合わせろ!」

 

「任された!」

 

しかし箒は一切慌てない。

 

敵陣を駆け抜けたその勢いを殺すことなく旋回に入り

そこから敵機をしっかりと捉えてその方向へ刀を振るう。

"卜伴(ぼくはん)"と銘打たれたその太刀は、それが振るわれる度に

強力なエネルギー斬撃を敵へ向けて飛ばしていく。

刺突であっても同様だ。つい先日まで紅椿が握っていた

二振りの刀(雨月と空裂)の力を受け継いだその太刀で

陣形を組もうとする敵機を牽制する。

 

さらにそこへ、ナイトライダーからレールガンと

IS用HK-416、ガトリングアームによる支援砲撃が行われ。

 

斬ッ!

斬ッ!!

 

先程ライフルを切り落とされた敵機の武器がさらに2つ

卜伴での二連撃によって切り落とされた。

 

 

「──"ハウンド"が行ったぞ!」

 

「抜かりは無いッ!」

 

残心ののち、ひらりとその場でひと舞い。

 

ドォンッ!!!

 

轟音と共に放たれた徹甲弾を回避する。

 

今のが対IS用徹甲弾。またの名を"猟犬の牙"。

貫通力を以てシールドエネルギーをより多く消耗させ

場合によっては絶対防御ごと搭乗者を貫き絶命させる。

そんな武器なのである。箒は容易く回避して見せたが

並のISパイロットであればこうはいかないだろう。

 

武装の大型化や戦闘機でISと交戦するリスクなど

問題点が多かったがゆえに開発凍結となった本武装

もといYF-48Aハウンドだが、ただでさえISの足りない

テロ組織にとって、男を戦力として放り込めるそれは

十分に実用に足るものであったのだ。

 

 

「とはいえ厄介だな。一夏がああ言う訳だ」

 

箒とラウラは、この厄介な猟犬共を相手にしながら

複数機のISとの激戦を繰り広げていく──。

 

 

 

 

 

一方の織斑一夏。

 

 

「…なるほど。"副隊長"が危険視する訳ね。

白うさぎ宇宙開発最高経営責任者、織斑一夏…。

やはり貴方にはここで墜ちてもらいましょうか」

 

「中々やる…っ!」

 

彼は最初の宣言通り、敵エースと相対していた。

シンプルな装備構成ながらも確実に他の有象無象とは

明らかにレベルの違う実力者だ。

 

「やりにくいな…アンタ…!」

 

一夏が、早々に展開装甲という奥の手を切った。

それだけで敵エースの実力が分かるだろう。

 

機動力に特化させたフレームが()()()()を放つ。

 

 

「副隊長からは『生きたまま連れてくるように』と

仰せつかっています。早めに降伏するのでしたら

多少なり手心を加えてくれるかも知れませんよ?」

 

「思ってもないことを言うんじゃねぇよ。

死んだ方がマシな結末は御免だね…ッ!」

 

素顔の見えない彼女は"妙な戦い方"をする相手だった。

絶妙に狙いが付けにくい。思ったように当たらない。

着実に少しずつシールドエネルギーが削られていく。

常に相手のペースで戦わされているような。

何故か既視感を感じるその戦い方に一夏は少し苛立ち

焦燥のようなものを覚えた。

 

 

「隙を見せたわね!織斑一夏!」

 

「"T様"だけに構っていていいのかしら!?」

 

 

「アンタの部下かは知らないが!殺気を隠すこと位は

教えてやったらどうなんだ?!バレバレだぞ?!」

 

「私達なんか眼中に無いっていうの?!生意気よ!」

 

「化け物…っ!さっさと墜ちなさいッ!!」

 

それでも、外野からの攻撃は見もせずに回避するのだが。

 

 

 

┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄

 

 

 

 

 

「織斑君!F-22の小隊が3時方向へ回った!

6時方向にも戦闘機2個小隊に付かれてる!」

 

『分かった!ネーナが3時方向、ファルケが6時方向だ!

本音!7時方向のIS小隊を俺の方へ追い立てろ!』

 

『おりむー、いいのー?!』

 

『構わねぇ!今更3、4機増えた所でだ!』

 

一夏達がアクロバティックな空中戦を繰り広げる傍らで

簪のいる艦橋も少しずつ慌ただしくなって来ていた。

 

 

[SHUTTLE DURABILITY(シャトル耐久値):97.9%]

 

[FUSION REACTOR(核融合炉) No.1 OUTPUT(出力):1,472,118kw]

[FUSION REACTOR No.2 OUTPUT:1,503,808kw]

 

[P.I.C.FROATER POW:98.5%]

 

[PLASMA JET ENGINE(プラズマジェットエンジン) No.1(右上) POW(出力):70.5%]

[PLASMA JET ENGINE No.2(左上) POW:70.3%]

[PLASMA JET ENGINE No.3(右下) POW:81.9%]

[PLASMA JET ENGINE No.4(左下) POW:82.5%]

 

[!WARNING!]

[!LOOKED!]

[!MISSILE ALERT!(ミサイル接近)]

 

「回避…っ!」

 

計器もといウインドウに表示される機体状況を見つつ

目まぐるしく変わる戦況に合わせて丁寧に舵を切る。

エンジン出力を細かく制御して少しでも被弾を減らし

ミサイルに対しては増設チャフコンテナを起動。

時にはフローター出力を上げて速度を落とし

一夏達の戦闘に合わせた航行をしたり。

 

[SCHEDULED COURSE(予定コース)]

 

[PREDICTIVE COURSE(予測コース)]

 

しかし、十分に余裕を持たせた状態とはいえ

ステーションとのランデブーが可能な時間は短いため

あまり速度を落としすぎる訳にも行かない。

迅速な敵機撃退と正確なコース取りが求められていた。

 

現在のルートの予定ルートからの逸脱率は

ディスプレイを見るに大したものではないが

これが大きく逸れるとなると危険という訳だ。

 

 

 

ガァンッ!!!

 

「うぐッ!」

 

[SHUTTLE DURABILITY:89.7%]

 

ミサイルが直撃した。シャトルがガクンと揺れる。

 

バイタルパートへの直撃は抑えられているが

少しずつ、だが確実に被弾が増え始めた。

 

「防衛ミッションはね~難しいよね~…」

 

原因は明白。シャトルが足手まといなのだ。

いくら高性能とはいえ、このシャトルはあくまで輸送用。

自衛手段と言えるものは精々チャフコンテナくらい。

"猟犬の牙"もそうだが、F-15やF-22の機銃でさえ

積み重なればシャトルは簡単に撃墜されてしまう。

 

大抵のゲームにおいても防衛ミッションというのは

何だかんだ難所になりやすいもので。今回に限っては

護衛対象がフラフラと1人先に進むことは無いが

それでも難易度が高いことに変わりはなかった。

 

 

『ラウラ!そいつを抑えてくれ!』

 

『任せろ!行け、シャーフェス・メッサー!!』

 

箒とラウラの方は順調だ。寄せ集めのIS部隊程度なら

たとえ猟犬を引き連れていても2輪の椿の花を前にして

撃墜されないよう立ち回るのが関の山。

 

『本音!すまん!2機取り付かれた!』

 

『まかせて!しっぽビット、発射ーっ!』

 

『CEO!援護するよ!』

 

『取り巻きを片付けてくれると助かる!』

 

『『了解!』』

 

一方で一夏達の方は中々に厄介な状況になっていた。

敵エースが堅実な戦い方でかなりしぶとく粘ったため

一夏は取り巻きの攻撃を回避する事は出来ても

シャトルを狙う取り巻きを倒しに向かえていないのだ。

 

 

 

ガガガガッ!!

 

[SHUTTLE DURABILITY:84.0%]

 

『こらー!攻撃しちゃ駄目だって言ったでしょー!!』

 

ライフルの弾が少しずつシャトルの耐久値を削っていく。

 

本音のお陰で好き放題されていないだけマシだろうか。

しかしそれでも一夏を抑え込めるだけの戦力の存在が

事前に立てていた作戦を大きく揺るがしたのは事実であり

その結果──

 

 

『簪ッ!ハウンドが行った!!』

 

[!WARNING!]

[!LOOKED!]

 

「やばい…っ!!」

 

 

 

ズガァンッッ!!!

 

「きゃあっ!!」

 

『かんちゃん!?』

 

[SHUTTLE DURABILITY:73.6%]

 

[P.I.C.FROATER !!POWER DOWN!!:60.5%]

 

シャトルが大きく揺れる。"猟犬の牙"が命中したのだ。

幸いバイタルパートへの直撃こそ避けられたものの

エネルギーバイパスか何かにダメージが入ったようで

船体を支えるP.I.C.フローターの出力が落ちてしまう。

 

簪はリアクター出力とエンジン出力を一時的に引き上げ

失った浮力との釣り合いを保つが、フローターの損傷は

間違いなくシャトルの航行に支障をきたすだろう。

 

 

 

「アメリカ上空まで保ちそう?」

 

「…なんとか…っ!」

 

「頑張って。私はシャトルの様子を見てくるから」

 

「えっ…"様子を見てくる"ってそれ死亡フラグ…」

 

「この束さんにそんなフラグは通じないよん♪ぶい!」

 

「…まぁ…そんな気は…しますけど」

 

それでも一行はシャトルを確実に宇宙へと進めていく。

 

 

 

 

 

┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄

 

 

 

 

 

「クッ…我々がこんなガキどもに…ッ!!」

 

「最後の警告だ。撤退しろ。この高度から落ちれば

どれだけ綺麗に着水しても助からんぞ!」

 

「…こんのォッ!ナメるなァッ!!!」

 

 

「私の剣の腕を甘く見たな。次はスラスターを狙う。

シールドが残っていれば命だけは助かるかもしれんが…」

 

「ひぃっ!助けてっ…殺さないでっ!」

 

「…私の顔はそんなに恐ろしいのか…?まぁいい。

引いてくれるのならこれ以上の追撃はしない」

 

 

1機、また1機と敵ISが撃退されていく。

シールドエネルギーを失い後が無くなった敵機は

破れかぶれで突撃してきて海へ墜落するか

恐れをなして蜘蛛の子を散らすように逃げ出すか

そのどちらかであり。

 

1機、また1機と戦闘機が撃墜されていく。

脱出装置が死なないように破壊されているため

パイロットは全員パラシュートを開いていた。

海に降りた先に救助が来ているかどうかはともかく。

 

 

 

「そろそろ限界のようですね…私も撤退しましょう」

 

「…あぁぜひそうしてくれ。アンタの相手は疲れる」

 

箒とラウラがフリーになれば一気に形成は逆転し

程なくして敵エース機も撤退へ追い込めた。

 

 

 

 

 

[SHUTTLE DURABILITY:59.7%]

 

[FUSION REACTOR No.1 OUTPUT:1,658,818kw]

[FUSION REACTOR No.2 OUTPUT:1,700,512kw]

 

[P.I.C.FROATER !!POWER DOWN!!:55.2%]

 

[PLASMA JET ENGINE No.1 POW:79.9%]

[PLASMA JET ENGINE No.2 !!POWER DOWN!!:65.2%]

[PLASMA JET ENGINE No.3 POW:91.9%]

[PLASMA JET ENGINE No.4 POW:90.5%]

 

結果は、地味に痛い被害を被った形であった。

エンジンが被弾した時は一瞬空気が凍ったが

機能停止に陥ることはなく最低限は動いてくれている。

このままのペースであれば問題なく宇宙へ上がれそうだ。

 

 

「でも…ちょっと不安だな」

 

そんな中、一夏がボソリと呟く。

今回の作戦はかなりの強行軍でもあるため

エンジンやフローターを修理している暇は無い。

 

『もうあんまり軌道に余裕が無い』

 

「そうか…」

 

簪から本音経由でシャトルの状態が一夏へ送られる。

 

それを見て、一夏は予備プランの発動を決めた。

 

 

「──クロエ。聞こえてるか?」

 

『はい一夏様。しっかりと聞こえております』

 

一夏が連絡を繋げた先は、クロエだ。

一足先に宇宙へ上がり待機していたのである。

 

「2番艦を出しておいてくれ」

 

『"テザーケーブル"の用意ですね。了解しました』

 

「頼む。無くても平気だとは思うが…念の為にな」

 

もし万が一シャトルが浮力ないし推進力を失った時

クロエの駆る2番艦にシャトルを"牽引"させ

強引に宇宙へ上げてしまおうというプランだ。

燃料は多めに積み込んできたとはいえ

わざわざ地球を一周して打ち上げを断念する位なら

予備プランで対応してしまった方が良いだろう。

 

しかし。

 

 

 

 

 

ビ-ッ!!ビ-ッ!!ビ-ッ!!ビ-ッ!!

 

[!WARNING!]

 

[!!ENEMY APPROACHING(敵機接近)!!]

 

 

「おいおい…随分と用意周到だな…!」

 

「嘘…でしょ…?」

 

行く手には、更に敵が待ち構えていた。

 

ISの数は少ないが、こちらは疲弊している状態。

これ以上損傷を負えば撃墜の危険性もあるというのに

その状態で更に敵と交戦せねばならないらしい。

 

 

 

戦いの場は、大西洋上空へ移ろうとしていた──

 

 

 





…今後の展開、読めちゃうかな?

でもそれは前々からやってみたい展開だったんだ。
PSYCHO-FIELD。名曲ですよね。

敵エースのT様 cv.皆川純子
正体については今後どこかのパートで。
現時点で察せた人は気付きの天才だと思う。

※修正情報
エンジン出力をパーセント表記からkw表記に変更。
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