これはある培養カプセルを出てきた少女……、否。
 少年だった少女が異世界を冒険する物語だった。

 が、書ききれないので供養。

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第1話

 ……。

 

 …………。

 

 ここはどこだ?

 

 ……。

 

 …………。

 

 記憶が無い。

 

 僕は元々人間、それも男性だった気がするけどそういうのを含めて記憶が丸々無くなっている。

 

 僕は自分の寝ていた装置を見やる。

 すると耳元で何かがそっと囁きかけてくれる。

 それは言葉ではないが直感的に理解ができた。

 どうやらこの装置は生物を生成するために作られた機械なのだそうだ。非人道的な実験に用いられていたこともあったらしい。

 聞いていてとてもひどい話だなと思う。

 

 囁きかける声がこの施設から脱出することを手伝ってくれると伝えてくれる。僕はありがとうと感謝の意を小さく述べた。

 

 ところで、ここはどこなのだろう。

 僕はフラフラと屋内を歩き回るが特にこれといって発見はなく、見つかるのは大きなカプセルや小さなカプセルのみ。カプセルは大半が開いており、しまっているものもあったがどれもこれも空っぽだ。

 このエリアはこのようなものが多いのだとか。

 

 僕は再び歩みを進める。

 今度は筒のようなものが付いた装置が並ぶエリアにたどり着いた。

 声に導かれるままにそれを手に持つと引き金を引いた。

 かちんと金属のような軽い音が鳴っただけで変化はない。

 

 僕に囁きかける声は教えてくれる。

 それは空気中のエネルギーを力に変換するものらしい。僕の体自体にもそのエネルギーがあるのと言うので集中してみる。

 僕は伝えられた通りに力を筒に込めるイメージで引き金を引く。

 

 きん。

 

 言葉に表し辛い高音が部屋に鳴り響き、筒から放出された光条が置いてあった他の筒を貫く。

 貫かれた筒は周囲の筒を巻き込み小さな爆発を起こす。おかげさまで大半の筒が誘爆して使い物にならなくなってしまった。

 囁き声は苦笑しつつも教えてくれる。

 これは銃というものらしい。

 

 僕は声に導かれるがままに銃を三本持ってゆく。妙に小柄な体には不釣り合いなほど大きな銃と連射力に優れる銃そして取り回しの良い小さな銃。唯一残っていた三本の銃だ。

 ただ、手に持つのは不便だ。

 そう考えていると声がとある腕輪の場所へと案内してくれる。

 僕はそれを手に取ると腕に装着する。どうやら僕はこれを知っているらしい。記憶にはないのでチグハグな感じがするのだが仕方の無いことだ。

 

 僕はこの腕輪を操作すると持っていた銃が登録されてあとかたもなく消え去ってしまう。

 腕輪の中に収納された、訳では無いが詳しく話すと長くなりそうだ。囁きかける声も苦言を呈している。

 

 僕は声に導かれるがままに研究施設を後にする。

 

 ゲートを抜ける。

 それと同時に妙な脱力感が僕を襲う。

 それ以降、声が聞こえなくなってしまった。

 しんと静まり返る。

 突然だったのでワタワタしていると、通りかかった馬車が僕の前で停止する。

 

 

「き、ききき、君!なんて格好をしているんだ!!」

 

 

 御者が叫ぶ。

 

 ん?

 どうしたのだろう。

 

 そう思い僕は自分の体を見渡してみる。平坦な身体付きである。

 起伏などこれっぽっちも存在しない。

 

 

「なにかおかしいことであったのかみたいな顔をしないで!」

 

 

 僕にはどういう状況なのかが分からない。この人はどうして僕の姿を見て慌てふためいているのだろう。

 

 

「こんな年端も行かない女の子が全裸で森を歩いてるなんておかしいだろぉ!?」

 

 

 女の子?

 僕はそう言われて違和感に気がついた。

 前世の記憶とまでは行かないが性差というものである。詳しくは言わないが僕の中では自分が男であるという認識があったにもかかわらず、ある一転の重大な事実に気が付かなかった。

 

 ある場所の風通しが良すぎることに。

 僕は男の尊厳足るものもないし、そもそも幼女になってることに気がつくわで真っ白に固まる。

 

 

「え、ちょっと、まって!このままだと俺がやばいんだけど!」

 

 

 目の前の男性は固まった僕を抱えると馬車の中に優しく寝かせ、ほかの荷物で僕を隠した。

 そして真っ白になり考えを巡らせること三十分、ぼくは、しょうきに、もどった。

 

 

 御者の男性から身に纏えるマントをもらい、僕の混乱も少し収まった。

 

 

「……ええと、君は男で起きたら記憶喪失で幼女になっていた、と?」

 

 

 男性に経緯を話し、その言葉にコクコクと頷く。

 男性は信じてなさそうな雰囲気だったが僕が泣きそうな顔になったら必死になだめてくれた。

 

 ついチョロいなと感じたのは心の片隅に燻る悪戯心のせいなのか。

 

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 あれから僕は御者さんの善意で馬車に乗せて貰っている。

 馬車はガタゴトとよく揺れて、座っているとお尻が痛くなってくる。

 

 そして静かな旅が続く中、僕は改めて自分の身体を見渡して見る。

 全体的にほっそりとしていて透き通るように白い肌色。おまけに髪の毛も長くて真っ白。

 起きた施設から持ってきた大きな銃と中くらいの銃が抱えきれないほどに非力で華奢だ。

 

 ……なんでさっきは持てていたんだろう?

 銃を出すところは男性には見得ないように行ったけど、小さいのも持つのがやっと。

 銃に関しては、多分見られたらやばいというのはなんとなく分かる。

 よく見たら彼が装備している武器は剣だし、移動手段に使っているのものが馬車という点からしてまずいだろう。

 

 この銃という代物はオーバーテクノロジーにも程がある。うん、ダメだこれ。

 

 

「そういえば、名前を聞いてなかったな。お嬢ちゃんはなんて言う名前なんだ?」

 

 

 御者が口を開いた。

 

 

「……聞く前に名乗るのが礼儀だよ?」

 

 

 少なくとも僕の中での常識はそうだ。

 この世界での常識などは分かりはしないが。

 

 

「ん、そうだな。すまない。俺は駆け出し商人のアクトだ」

「僕は……」

 

 

 よくよく考えると自分の名前さえ覚えていない。

 ふと、消えた記憶の片隅からナノという文字が浮かび上がってくる。

 

 

「ナノ。僕はナノ」

「い、いい名前だね」

「そうかな」

 

 

 僕はアクトのぎこちない返事にふふっと笑ってしまう。

 

 

「な、なんだよ」

「んいや、別に」

 

 

 僕としては思うところは全然ない。

 むしろこのようなキャラは無性にからかいたくなる。

 中身が男とはいえ外側(がわ)は可愛い美幼女。男を篭絡させるのも不可能ではないだろう。まあ進んでそんなことをする気は無いのだが。

 

 というか僕が嫌だし、それで篭絡されるのは一部の異状性癖の方々だけだ。

 

 

「ところでこれからどこに向かうの?」

「……そうだね、これから向かう街はルーベンヘイムだ。基本俺はそこともうひとつの街、ジーキュンネを行き来してなんとか生計を立ててる」

 

 

 なんとか生計を立ててる、ね。

 それなら僕がご一緒すると彼に迷惑になるかもしれない。

 

 

「あ、迷惑になるかもしれないとか考えないようにな。んな記憶喪失で身分を立てるものもない幼女がどうする。大人しく扶養されて欲しい」

 

 

 言われてしまった。

 ……というか大人しく扶養されろって言い草は何だ。

 

 そりゃまあアクトくんの言う通りだよ?

 

 こんな幼女がフラフラしたところで行く宛もないし、こんな子供を拾ってくれる場所があるかも分からない。

 技術レベルでいえば奴隷を扱う商人もいるかもしれない。

 若しかするとアクトくんもそういう商人という可能性があるかもしれないけど雰囲気も性格も積んでいる荷からしてもほぼそれはありえないだろう。

 まあ、たとえ捕まっても小型の銃で返り討ちに出来るから問題はないけど、この身体だしスタミナがない。

 

 まあ、とにかく大人しく扶養されとけってことだね。

 保護されます。ほごほご。

 

 

「……なんか納得いかなそうなオーラが伝わってくるんだけど」

 

 

 ケッシテソンナコトナイデスヨ?

 断じてない。ウン。

 

 

「まあアクトくんが異常性癖じゃないことを祈るよ」

「バカか、俺はぺドフィリアじゃない」

 

 

 そうだね。

 こんな身体が好きとかロリコンの域を軽く超えてるもんね。

 まあ基準なんて人それぞれだろうけど。

 

 

「……見えてきたな。あの街がルーベンヘイムだ」

「わぁ……」

 

 

 聞き覚えも見覚えのない街。

 朧気な記憶の片隅には中世の街並みがどんなものかがあるが、それとはまた違うものがある。

 強いて言うなら中世よりも近代の北欧の街並みだろうか。

 

 

「ねえ、中央の塔はなに?」

 

 

 僕は街の中央にそびえ立った暗い緑色の塔を指す。

 

 

「……ん、あれか。あれは街の名前にもなってるルーベンヘイムそのものさ。この街は先史文明の遺産が多く発掘されるとかで有名だ」

「先史文明?」

 

 

 僕は先史文明という単語に首を傾げた。

 するとアクト君は馬車を御しつつも口を開いた。

 

 

「先史文明ってのはな」

 

 

 アクト君はそう言って続けた。

 

 

「まず、先史文明は今より2000年前に存在していたと言われる文明だ。その文明の文献はさほど残っていないが突如滅びたという。そして……」

 

 

 長い話だったけど細かなところを要約して見る。

 

 

 現在の文明より昔に存在していたと思われる超文明で、高度な魔法テクノロジーを持っていたとされている。

 その文明が滅びた時期の文献は存在せず、その後に現在の人類の歴史が始まっている。

 その超文明が遺した物品は一つ一つ固有の力を持ち、そのどれもが強大なものでマナと呼ばれるエネルギーを使わずに使用できるものも少なからずある。

 この特異性や希少性から全世界の大半の学者がこれに人生を掛けていることもザラではなく、とてつもない額のお金が動くこともしばしばあるのだとか。

 

 商人にはこれを利用して大物になったものもいれば、発掘物のせいで没落したものや滅亡した者もいる。

 商人にとっては悪魔のような存在らしい。

 

 

 長い話を終えてアクト君はふうと一息つく。

 

 

「まぁ、この文明のおかげで俺がこうやって儲けさせて貰ってるし文句を言える立場じゃない。むしろ感謝するものさ」

「ふうん」

 

 

 先史文明とはこの世界に少なからずとも影響を与えているオーパーツというわけだ。僕ってちょっとやばい存在じゃないかな。

 

 

「発掘品も色々あるんだよ。遠方へと音を伝える小さな箱、マナを通すと途端に切れ味の良くなる剣、マナを動力として動く巨大な要塞。この3つ以外にも大小様々沢山あるけどロマンに溢れてると思わないか?」

 

 

 僕自身その関係者な気しかしない。むしろ心配になるまである。

 もし腕に変な輪っか(拾ったデバイス)を付けてなかったりその中に銃とか入ったりしてなければなければ即座に同意したんだろうが……。

 

 

「俺もいつかそういった発掘品を持つのが夢なんだよ……!」

「ウンソウダネ」

 

 

 目の前に既にいますよ!

 

 この美幼女が!

 

 発掘品です!!

 

 やだこれ。

 犯罪的な響き。

 

 

「さてもうそろそろ街に入るから隠れとけ。そこの箱なら中身を偽装できるからおすすめだ」

「え、隠れるの?」

「行商手形は途中で拾ったヤツを町に入れる免罪符にはならない。だからそうしないとお前だけ外で待機になるぞ?」

 

 

 ……うーん。どっちもいやだ。

 箱に入ったりするとどうなるか分からないし、外も外で心細い。

 

 

「……ひとつでも無くはないが」

「あるの?」

「……ほんっとに使いたくない手段だ」

 

 

 アクトくんがものすごく嫌そうな顔をしている。それほどにまで嫌なものなのか。

 

 

「ナノ、俺の奴隷になるか?」

「断る♪」

「……だろうな」

 

 

 そりゃまあ、当然断るよね。

 なので大人しく箱の中に隠れることにする。アクトくんなら僕に手を出すことはないだろうし。

 

 そう信じたい!

 

 僕は大人しく小さな木箱に入り込む。

 

 暗くて狭い。

 そして蒸れる。

 

 ……。

 

 眠気が。

 

 ……。

 

 …………。

 

 ……ふにゃ。

 

 

「よ、目が覚めたか」

「んむ、アクト……」

 

 

 寝ちゃってたみたいだ。

 馬車に揺られて疲れたからだろうか。

 

 箱の中はあまり揺れなかったが。

 

 外でアクトくんが目をそらして何かを羽織る動作をする。心無しか顔が赤い気がする。

 

 最初は不思議に感じたが、ふと自分の体を見るとマントがはだけててとんでもない状況になっている。

 

 

「ふにゃぁっ!?」

 

 

 常識だけがある分恥ずかしさが勝り、涙が自然と溢れ出る。

 やばいやばい、止まらない。

 

 僕の様子を見てるアクトくんは慌てふためいて箱の蓋を閉じた。逃げたな。

 

 

「んっ、あっ。まさかぁ、こんなに涙がでるにゃんてぇ」

 

 

 なんというか少しの間この体で過ごして感じたこととしては、理性が感情に振り回され気味で最悪だとしか言いようがない。

 

 深呼吸を無理やりして涙もだいぶ収まってきた。嗚咽が地味に残るが、アクトくんを待たせるわけにも行かないため、自分で箱から顔を覗かせる。

 

 

「ぇぐ。やっほー。ひっく」

「そんな泣き腫らして嗚咽までしてる状態で軽い挨拶をされてもなぁ……」

 

 

 アクトくんはわけわからんと言いたそうな顔で頭を掻く。僕も無駄に表にこんにちわする感情さんに振り回されているとはいえ、流石に申し訳ないので謝っておく。

 

 

「ん、なんだかごめんなさい。多分、精神と身体のバランスが取れてないみたいで」

「んいや、俺が悪かった。すまん」

 

 

 やっぱりこの人は優しい人だ。

 最初に出会えたのがアクトくんで良かったと心から思える。

 

 

「ねぇ、アクトはどんな商品を扱ってるの?」

 

 所謂、閑話休題というやつだ。

 話題そらしともいう。

 

「……ああ、しょうもないやつだよ。ほかの先史文明の遺跡で取れた装置のパーツさ」

 

 

 がらくただけどな、と小さく自嘲しているのも僕は聞き逃さなかった。

 

 

「がらくたって言ってもものによっては使えるものもあるかもしれないでしょ?」

「ん、まあそうだよな。なんつうか励ましてくれてありがとな」

 

 

 そう言うとアクトくんは僕の頭を雑に撫でてくる。あっちょ、やめ!

 髪が乱れるし頭がぐわんぐわん揺れるからーっ!

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 ごしごしごしと頭を擦られて僕の綺麗な髪はぐちゃぐちゃに乱れてしまった。流石に気持ち悪いからと整えようにも櫛とかそういうのがない。

 仕方なく手櫛で髪の乱れをある程度整える。

 アクト君が元凶なわけだがここで彼にあたるのもバカみたいだから嫌だ。

 

 まだ少し移動するらしく目的地まで15分ほどかかるらしい。

 街中だと道も整備されていてお尻もあまり痛くならない。

 

 小さな揺れでかたかたと音を鳴らすガラクタ。

 僕はそれを手に持って見てみる。

 見覚えはないがなんとなく構造は理解できた。

 僕はどれかに見覚えがないものかと他のガラクタも手にとって見てみる。

 結果は変わらず見覚えがないにつきる。

 

 それらの大半は複雑な回路を構築している。それ故に大半をの部分を失ったため単体で稼働させることは難しそうだ。

 それにしてもこんなものが砕け散るなんてよほどのことがない限りありえない。

 一部の回路なんか焼け焦げているし……。

 

 

「ナノー、着いたぞ」

「ああ、うん」

 

 

 どうやら思考に集中しすぎて目的地までついていたようだ。

 

 

「ひとまずナノの服を買おうと思うんだけど、どうかな」

「ん、確かにマントのままじゃ動きづらいしね」

 

 

 下に何も着ていない分動きやすいとも言えなくないが、なんというかマントの内側が見られてしまうのは恥ずかしい。

 やはり服とは素晴らしい発明だ。

 マントを纏いつつアクトくんについて行く。

 

 しばらく歩くと商店街のような場所へとたどり着いた。

 ちょくちょく突き刺さるような視線が来るのは僕のせいなのだろうか。

 実のところ僕は僕の姿をまともに見ていない。もしかすると服屋に姿見があるかもしれないし、だんだん楽しみになってくる。

 

 

「おい、シンシア。いるか?」

「はいはいー? む、アクトかぁ」

 

 

 アクトくんに呼ばれてできたのはアクトくんと年齢が同じかそれ以下のように見える女性だ。

 僕としてはなんだか安心感がある。

 

 

「その、だな……」

「あら。あらあら。あらあらあら?」

 

 

 アクトくんが僕についての説明をしようとしたところで、シンシアさんは僕の存在に気がつく。流石に僕を見つけた時の目線がまさに猛禽類のそれだった。

 いやいや、誰だって逃げたくなるよね。あんな目で見られたら!

 あ、足がすくんで動かなかったけどっ。

 

 捕食される側の気持ちがわかった気がする……。

 

 

「あーーぁくーーぅとーーぉ?」

 

 

 満面の笑み。

 だが僕にもその笑みが喜びから来ているものではないことが良くわかる。流石にこっちも怖くて涙腺が崩壊しそうだ。

 

「えっと。事情は後。まずはこの子の服を見繕いたいんだケド……」

 

 そんな様子であることに気がついたのかシンシアさんはため息をついてまた後でね、と釘さした。怖い。

 

 

「まあ見繕ってあげるわよ。無料で」

「ひぇっ」

 

 

 無料で、というのは嬉しいのだが流石にどす黒いオーラが隠しきれてないですよ……?

 

 

「あぁ、ごめん。ごめんね!私はこの服飾店の店員シンシア。あそこのちょっとだけ人相の悪いお兄さんの知り合いなの」

 

 

 シンシアさんの自己紹介に余計なことは言わんでいいとヤジが飛ぶ。

 

 

「ひとまずあなたの名前を聞いてもいいかな?」

「え、えっと僕はナノって言うの……」

 

 僕が名前を言った瞬間に一気に反り返ったシンシアさん。

 どうやら悶絶しているようだが……。

 

 

「ボクっ娘、オッドアイに銀髪、女の子! 可愛いぃ!!」

 

 

 反り返ったかと思えば転がり始めた。器用だな、この人。ただまあ、僕にとっては危険な人種だと分かっただけでも僥倖か。

 

 

「いらっしゃーい、ぴったりなお洋服があるわ」

 

 

 張り付いたかのような笑みしか浮かべられなかった。直感だけどここで逃げればアクトが死ぬ!

 捨てられた子犬のような目で訴えかけられたら僕にはにげられなかった。

 

 そして魔窟へと足を踏み入れた。

 

 その後のことは一瞬だったシンシアさんの手つきは神速と言っても過言ではないレベルで手際がよく様々な服をきせかえさせられた。

 途中水着とかを着せられた時は目に僅かな殺意(なみだ)が湧いた。

 やはり腐っても女性、機微に鋭く小さくごめんねーと言ってすぐに別の服に着せ替えてくれた。

 

 

「よし、これでどこに出ても恥ずかしくないでしょ」

 

 

 最終的に決まった服装はやたらと中世らしさのない格好で上衣には灰色のキャミソールに側面の赤いラインがアクセントの黒いパーカー。下衣は淡い緑色のロングスカートとしろと黄緑のストライプ柄のソックスである。

 動きやすいとかそういうのは置いておいて可愛いものだと素直に感じる。

 

 

「バッチリね。さすが私」

「かわいい……」

 

 

 姿見の向こうで嬉しそうに弾んでいる女の子がまさか自分だとは思えない。

 記憶が無いにせよどうしてこうなったのかを早く究明しなくてはならない。

 

 

「どうかしたの?むずかしい顔なんかしちゃって」

「ん、あ。何でもないですっ」

 

 

 どうやら顔に出てしまったみたいだ。

 

 

「そうだ、アクトもどうせ仕事があるだろうし後で街でも案内しようか?」

「はいっ、喜んで!」

 

 

 しばらくお世話になるであろうルーベンヘイムの地理を把握できる良い機会だ。

 むしろこちらからお願いしても良いくらい。

 

 ちょっと興奮気味に返事をしたら、それに呼応するかのようにお腹がかわいく鳴る。

 

 

「ふふ、その前にお腹を満たさないとね」

 

 

 僕は不本意ながらも顔を赤くしてコクコクと頷いた。

 

 

 

 ・

 

 

 

 僕は一人で考えをまとめる。

 

 恐らく腕についているこの輪っか(拾ったデバイス)を売れば一生遊んで行ける銭が手に入る。それは確実なんだろうけど、そんなことをすれば必ず追求されるだろう。

 

 具体的には金銭に目が眩んだ亡者共に、だ。この技術の使い方やら存在する場所やら諸々を。

 

 流石に面倒なので基本は僕が先史文明とやらの関係者であることは伏せるとして、僕の記憶の鍵をゆっくり探すこととしよう。

 明かしたところで僕が知っていることなどたかが知れているんだけど。

 

 ただ、体をいじくり回されるとかされそうで怖い。だから打ち明ける方針はなしだなし。

 

 そういえばあの女の子が僕なのか。

 想像していたのよりも可愛かったな。

 

 まあ、男に戻れるなら戻りたいけど。

 

 

「あったかい……」

 

 

 ちなみに現在お店の姿見で見た自分の姿を思い出しながら近くのお店でホットミルクをちびちびと飲んでいる。

 

 このお店は小さな喫茶店らしく、コーヒーを中心としたメニューがある。

 コーヒーのセットとしてホットケーキやショートケーキにパンケーキ、エトセトラ、エトセトラ。

 

 僕はホットミルクとクッキー。それぞれ単品だ。

 お代はシンシアさんか持ってくれるそうで、その優しさが妙に怖かったと付け加えておく。

 

 

「待たせちゃったねー」

「シンシアさん、お店はいいの?」

 

 

 ……げっそりとしたアクトくんとにっこり笑顔が眩しいシンシアさんが戻ってきた。

 

 少なくとも業務中だったのに抜け出してもよいのだろうか。

 だが僕の心配とは裏腹にシンシアさんはヒラヒラと手を振って答える。

 

 

「大丈夫。店長にはきちんと許可をを得たし、一時間はあけてもいいって!」

「……ま、あそこ客が少ないもんなぁ」

「アクト?」

「ごめんなさい」

 

 

 とりあえずこの短時間で2人の力関係もわかってきた。全体的にアクトくんが可哀想。

 まあアクトくんの無神経さもすごいと思うケドね。

 

 

「そ、それよりっ、ここのクッキーって美味しいよね」

「分かる? 私もここのはお気に入りなのよね〜」

「別に他のものと変わらんと思うがなぁ」

 

 

 あ、腕をひねりあげられた。いやまあ、自業自得だしフォローは入れないけど。

 シンシアさんはやりすぎだと思うがアクトくんも何気に一言多い。

 

 

「あたた……っと、そうだった、運んできた商品を納品しないと」

 

 

 アクトくんが懐中時計を確認するとそう言って立ち上がる。

 

 

「……商品(がらくた)納品したら、また行くの?」

「まあ、そうだな。次の仕入れが待ってるし、うかうかしていられない。ってか、がらくた言うなし」

 

 

 アクトくんの返事を聞いたシンシアさんが少し寂しそうにしている。

 それを見かねたのかアクトくんがフォローを入れる。

 

 

「……つっても、ここ数日は滞在するぞ? まあ、まだ時間に余裕はあるか」

「っ、うん。そう、そうなの……?」

 

 

 アクトくんの返答を聞いてシンシアさんの頬が朱に染まる。

 むむ、なんだかこの二人の関係は面倒くさそうだ。僕は考えるのをやめた。

 

 

「ホットミルクおいしい……」

 

 

 ちびちび。

 

 2人はそれぞれ起こった出来事とかを話している。シンシアさんはとても楽しそうだ。

 

 ちびちび。

 

 僕も僕で身寄りがあればいいんだけど。無くなった記憶関連で出てきそうだな。

 

 ……ミルクが。

 だいぶ冷えてきている。

 

 こくこく。

 

 こくこくこく。

 

 ぷはー。

 

 

「……ナノちゃんも飲み終えたみたいね」

「そうか、んじゃまあ俺は仕事に行ってくるから、しばらくの間はナノの事を頼む」

「任された! 行ってらしゃーい」

 

 

 僕はカリカリとクッキーをかじりつつアクトくんの背中に手を振った。

 アクトくんが人混みに紛れるのを見送ると新しいクッキーにかじりつく。

 

 甘いものを食べる手が止まらない。

 

 シンシアさんは怖い感じで笑顔で僕を見つめてるしこれからどうしたものやら……。

 僕はアクトくんが早く戻ってきますように、と祈りを入れつつ新たなクッキーの方に手を伸ばした。

 

 だがクッキーはもう、そこにはなかった。

 

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 クッキーが無くなっていたので僕はムスッとしつつ腰をあげる。

 

 

「ふふ、それじゃあ出発しようか」

「よろしくお願いします」

 

 

 僕はクッキーが無くなった悲しみから歪んだ表情をキリッとさせ、ぺこりとお辞儀をする。

 

 

「くるしゅうない。まあ案内するって言ってもここの周辺くらいにしておこうか。ナノちゃんもそんなに歩けないだろうし」

 

 

 シンシアさんの配慮にちょっとだけ嬉しくなる。特別扱いも悪くない。

 僕はさあ行こうと言うシンシアさんのに手を繋がれてルーベンヘイムの街へと繰り出した。

 

 シンシアさんは僕の出す質問を嬉々として答えてくれる。アクトくんをどう思っているかについては答えてはくれなかったが。

 

 僕の居る場所は商業区と言って外からも見えた暗い緑色の塔(ルーベンヘイム)の近くにある区画らしい。

 ちなみに、シンシアさんの説明を基にしてルーベンヘイムの街を図示するとこのようになる。

 

 ┏━━━━━[北門]━━━━━┓

 ┃     住居区     ┃

 ┃    ┏━━━┓    ┃

 西    ┃行政区┃    東

 門    ┗━━━┛    門

 ┃     ┏━┓     ┃

 ┠───┬─┨塔┠─┬───┨

 ┃   │ ┗━┛ │   ┃

 ┃   │ 商業区 │   ┃

 ┃   └─────┘   ┃

 ┃     宿泊区     ┃

 ┗━━━━━[南門]━━━━━┛

 

 かなり簡略化している図なので本来はもっとコンパクトに収まると思う。

 だが、大体このような構造の町だ。

 

 警備は北門、東門、西門の三つに集中しており南門は比較的緩いが、住居区へ入る際には厳しいチェックが待っている。

 アクトくんは多分南門を使ったのだろう。

 

 ……詳細な説明をしているとかなり長くなりそうなのでここでやめにしよう。

 

 

 ひとまず僕の動けるエリアは南半分だけ。

 不正に侵入してるもんね。仕方ない。

 

 まあ、この塔を冒険しに来た人達が信用されていないということは分かる。

 シンシアさんいわく、その人達は冒険者《タッチャー》と呼ばれており戦いを生業として生きている人達のことを指すとか。

 混同されやすいが純粋にこの党に通いつめる人のことは探査者《エクスプローラー》と呼ぶし、先史文明を専門とする研究者《リサーチャー》だっている。

 まあ細かく分類すると際限が無くなるのでよしとする。

 またこの塔には防衛システムが備えられている。一例としては魔素(マナ)と呼ばれる特殊なエネルギーから生まれる魔物とかが現れるそうだ。うん、怖い。

 まあこの魔物とかを除いて考えても罠とかもあって気が抜けない所なんだとか。僕としては近寄りたくないの一言に尽きる。

 その塔は中に入るためには手続きがいるので勝手に入ることは出来ないらしい。安心だ。

 

 そんなことより魔物とか生み出す魔素(マナ)ってヤベー奴じゃん。

 と思ったのだがそうでもないらしく、魔物は確率で道具を実体化する。

 その上、食料さえも出てくるのだとか。

 

 むしろありがたい存在か。

 

 

 他に魔素(マナ)は魔法という特殊な戦闘術を用いるためにも必要なリソースで、僕達人間は必ず保有しているものらしい。

 

 残念ながらシンシアさんには"素質"がなくて魔法は使えないとのこと。

 そういえばアクトくんはどうなのだろう。後で聞いておこう。

 

 

「ここから進むと宿泊区に行けるよ。言わずもがな、危険だから進まないでね。さらわれたり、襲われたりしちゃうっても文句言えない無法地帯なんだから」

 

 

 シンシアさんの忠告に僕はコクコクと頷く。この街を安全に出たいならアクトくんと一緒に出るか、住居区を通れと言いたいのだろう。

 

 僕は身元を立てられないから住居区から出られない。

 つまり外に出るにはアクトくん頼りなワケである。

 

 対して商業区は警備の巡回も多いので事案の発生率は低いのだそうだ。

 まあ、低いだけなのでやはり誰かといないとまずいということだが。

 

 

「どう? 気晴らしに道具屋さんとか見てみる?」

「……うん」

 

 

 声をそこそこ出したつもりだったが思ったよりも小さくなってしまった。

 

 

「じゃ、行こっか。私も付いてるから心配しなくていいよ」

 

 

 元気がないとでも思われたのだろうか。勘違いだが特に訂正する必要も無いだろう。

 

 シンシアさんに案内されるがまま道具屋へと入っていく。道具屋の店主さんは歳をかなり重ねているお爺さんでシンシアさんを見ると会釈だけをした。

 シンシアさん会釈に会釈で返す。

 なんというか、静かだ。

 

 

「ここはどう言うものが置いてあるお店なの?」

「そうね、アクトが好きそうなやつね。アクトがその話するたびに嬉しそうな顔するしナノちゃんも好きなのかなって」

 

 

 ……別に好きな訳では無いが、こういう関連のものは記憶を取り戻すのに関連してくるはずだろう。

 絶対とは言いきれないけど。

 

 

「どう? 私にはこのガラクタの良さは分からないけど、いっぱいあるよねー」

 

 

 シンシアさん的にはそこまで興味のないものらしい。まあ女性だし男のロマンは分からないか……。

 僕も今は立派な女の子だけどね。きゃぴっ。

 

 なんかごめんなさい。

 

 

「ほら、こんなのとかハート型で可愛いよね。たまにこういうものが見つかるからバカにできないな」

 

 

 ハート型か。想像したよりも綺麗にハート型になっていて驚いた。

 ……買うのか。

 

 まあ、確かにシンシアさんの言う通りこの店においてあるものは大半ががらくただ。壊れた動力装置やら扉を動かすためのモーターだったり。単体ではもはや使い物にはならない。

 単体では。ね。

 

 僕の直感(・・)がそう告げる。

 

 かと言って僕には記憶が無いのでこれをどう組み合わせたら使えるのか、分かりようがないのでお手上げだ。

 

 

「ありがとう。いいもの見せてもらっちゃって」

「ううん、気にしないで。昔はよくアクトに連れ回されてたんだから」

 

 

 アクトくんは根っからの先史文明マニアらしい。

 まあ、そうでなければ行商人になってまでガラクタ集めなんかしないだろう。

 

 

「さて、だいたい案内したよね」

 

 

 そう言ってシンシアさんは小さく背伸びをする。僕は正直もう少し見回って情報を集めたいところだが、体力がもたないようでヘトヘトだ。

 それに……。

 

 

「それじゃあお店に戻ろっか。って、大丈夫?」

「ねえ、トイレってどこにあるかな……?」

「我慢してたの?」

「ちょっとだけ……」

 

 

 コップ一杯だけとはいえ我慢の限界が近い。突然の尿意に耐えようと二、三分粘ったのだが限界である。

 

 街になれているシンシアさんはすぐにトイレへと案内してくれる。

 シンシアさんと一緒で助かったかもしれない。

 

 

「……あ」

 

 

 僕はトイレに付いてから気がついてしまった。

 僕は……その、……ない状態で用を足さなくてはならない。

 軽く絶望が心の中いっぱいに広がるが、僕に残された猶予はなかった。

 

 羞恥の気持ちを抑えて敢行。

 僕は妙な高揚感・開放感と共に大事な何かを失った気がした。

 

 

 ・

 

 

 ――まで、は良かったのだ。

 あの如何ともしがたい感覚から数分が経った。僕はシンシアさんの背中の上で揺られている。

 

「びっくりしたよ」

「……うぅ、ごめんなさい」

 

 しばらくはまともに歩くことはおろか立つこともできない状態だ。

 事の顛末としては、トイレを済ませた後に押し寄せる味わった事のない達成感で腰が抜けて動けなくなった。

 そんなところをシンシアさんに助けてもらったのだ。

 

 改めて考えると本当に恥ずかしい。

 意図せずとも涙が溢れ出てくる。

 ふぇえ……。

 

「ほらー、泣かない泣かない」

 

 シンシアさんも困っている様子だ。

 僕としてもなくことをやめたいけど止まらないので申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

 そんなことを考えてくると余計に涙が出てきて堂々巡りだ。

 ええい、鬱陶しい!

 

「……あ、そうだ」

 

 僕もほとほと困り果てているとシンシアさんが僕の前に一枚のクッキーを差し出してきた。

 僕は突然出てきたクッキーに涙が止まる。

 

「あとで食べようと思って買ってたんだけど、あげる」

「いぃ、の?」

「うん、遠慮しないで」

 

 いいと言うなら遠慮せずにいただこう。

 

 カリカリ。

 

 サクサク。

 

 自分でもクッキーごときで涙が止まるとは驚きである。今度から甘いものでも持ち歩くと気を紛らわせるかも知れない。

 うん、今度からそうしよう。

 

 僕はシンシアさんから貰ったクッキーを少しずつかじっていく。

 

 ほんのり甘くて美味しい。

 

「ややっ、アクトじゃない。どうしたの?」

「んや、納品して戻ったらお前とナノが帰ってなかったんで、待ってるとこだよ」

 

 サクサク。

 

 カリカリカリ。

 

 こくん。

 

 これでミルクがあればもう少しよかったけどね。無い物ねだりはいけない。

 

「なあシンシア。これってどう言う状況?」

「さあね。聞かない方が身のためよ」

「お、おう」

 

 クッキーを手に取る。

 ……割れてる。まあいいや。

 

 アクト君の様子を見ると僕の方をチラチラと見ている。

 多分泣き腫らした目なので様子を伺っているのだろう。

 

「……ヘンタイ」

「いや、それはおかしいだろ」

 

 僕の発言にすかさずツッコミが飛んでくる。

 言いたかっただけだ。他意はない。

 

「とりあえず、緊急で次の仕事が入っちまったからな。暫くはシンシアのところで預かってもらえないかって話だ」

「そ、そうなの?」

 

 緊急性のある仕事。心配だが仕事は人間が生きるために必要なので止めるわけにも行かない。

 

「毎回、言ってるけど。絶対生きて帰ってくるのよ?」

「もちろんだって」

 

 アクトくんは笑いながら答える。いまいち締まりがないなあ。

 

「ホント?」

「ああ、本当に」

 

 お決まりのパターンというやつだろうか。

 

「ホントのホント?」

「勿論、本当の本当だ」

 

 以下、無限ループ。

 

「うん、アクトくんも気を付けてね」

 

 だと思うがそのまま放置すると食べたクッキーが余計に甘くなって戻ってきそうだったので遮る。

 

「……何があったかわかんないけど、街にいるだけで変な事になってる奴に言われても説得力ねえな」

「あ、いやそんなわけ……、うぅ、確かにそうだけど!」

 

 ムキになってしまうけどすぐに深呼吸をして感情を抑える。

 

「ま、勝手やらないようお守りは頼む」

「任せてー!」

 

 シンシアさんが最初と打って変わって元気に返答するとアクトくんも満足したようで、踵を返して去っていった。

 

「んー、ナノちゃんは疲れちゃった?」

「……そうかも?」

 

 街中(一区画のみ)を歩き回ったり気を失ったりして疲れた。体の影響なのか、そう感じる。

 

「それじゃあ私の家まで送るから寝ててもいいよ」

 

 なんだか安心できる言葉をもらった途端に眠くなってきちゃった。

 

「うん……おやすみ、なしゃい……」

 

 僕は辛うじて眠りの呪文を唱えて……。おやすみなさぁい……。




つづきません

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