お昼も食べたし、バリケードの補修作業とかに行こうと思ったけど、るーちゃんに膝枕を貸したら動けなくなったゲームの実況の続き、もう始まってる!!
るーちゃんと太郎丸とともにお昼寝をしてる所から再開です。ゆさゆさと身体を揺さぶられてるので琴音先生も目が覚めて視界が明けていきますね。
「あ、せんせー起きた、大丈夫?」
おや、るーちゃんが不安そうに見てきてるということは、どうやら毎度の如く悪夢を見て魘されてたみたいですね。るーちゃんと太郎丸のセットなら回避できるかとも期待したのですが甘かったか、とりあえず大丈夫だとるーちゃんの頭を撫でてあげましょう。
「昼寝でも魘されるって大変だな、ことねえ」
「お水飲みますか、琴音さん」
いただきましょうかね。あとそろそろツッコみますがゆきちゃんもどうして寝てるんですかねぇ? 一応時間を確認しますが後一時間でワンワンワン放送局なので起こしてあげましょうか。
ほら、起きなさいな。そろそろラジオの準備しないと大変ですぞ~、ヨシ、起きたな。そういや、めぐねえの姿が見えませんね、何処かに出てるんだろうか
「ん~、おはよー」
「由紀、顔洗ってその寝ぼけ眼を覚醒させてこい」
「らじゃ~」
あの様子だとまだ覚醒しきってませんね。因みに太郎丸は琴音先生が起きて早々に離れて、今は圭ちゃんの所でゴロゴロしてます、可愛いねあの毛むくじゃら。
けど圭ちゃんの所なんやな、見なよ、みーくんがその隣で手を広げた姿のまま固まってるよ。可愛いね、ごめん、ちょっと泣けてくるかもしれん。
しかしそんなに嫌われる要素はあの時点では無かったはずなんですけどね、原作でも圭ちゃんが出てった後に怒鳴っちゃったからだし、何か心当たりあるん?
「全く無いので困ってます、太郎丸~?」
みーくんの声に反応はするにはするんですよね。それに手を出せば匂いも嗅ぐし、撫でられるのも嫌ってる様子もなし、別に嫌われてる感じじゃないなコレ。
試しに琴音先生が呼んでみましょうか、へい、太郎丸! めぐねえよりは無いけどそれなりに豊満な先生の胸に来ると良いぞ。ふむふむ、ごめん、みーくん、普通に来たわ。
「えぇ……」
「みーくんは声とか表情が固いんだよ、ほら、もっとこう、柔らかく行こう、ね!」
お、顔を洗って覚醒したゆきちゃんが戻ってきてアドバイスを送ってますね。でもまぁ確かにみーくんは緊張してる感じがあるから太郎丸もそれを察してあまり近寄らないってのはありそう。
その点、琴音先生や圭ちゃん、るーちゃんとかゆきちゃんはリラックスしてますからね~
「リラックス、リラックス?」
何が疑問なんですかねぇ? 確かに怖い笑みとか言われてますけど、これは緊張してとかじゃないし、最早修正できない顔の動きなだけだし。やべーな、自分で言ってて琴音先生悲しくなってきたわ。
「ちょっと、急に遠い目にならないで下さいよ。謝りますから、要は自然体ってことですよね?」
「自然体なぁ、太郎丸~?」
「ワン!」
おう、良い返事だな。いや、返事だけかい、太郎丸の判断基準が分からんなぁ、別に誰かを嫌ってる様子はないけど呼ばれても行かないとか、すぐに来るとか、犬らしく気分なのかしら。
これにはくるみ姉貴も困った感じに頭を掻いていますね。そりゃまぁ、返事だけして動かないとか判断に私だって困るわ。
「反応して吠えられただけの場合はどう判断すりゃいいんだ、りーさんや」
「どうって、うーん、今は琴音さんから動きたくないってだけじゃないかしら」
そう考えるのが妥当ですかね。ほれほれ~、ハハッ、可愛いなお前やっぱり。うーん、折角なのでこのままワンワンワン放送局の時間になるまで交流と洒落込みましょうか。
思えば、圭ちゃんとかチョーカーさんとかとあまり話した記憶ないし、いや、プレイヤーが関与してないところじゃ普通に会話してるんだろうけど、見える範囲ではそこまでじゃない気がしたからね?
という訳で、太郎丸を撫でながらで悪いけど、なにか困ったりはないかい? 長く住んでても来て間もなくても何かあればじゃんじゃん言ってくれたまえ、琴音先生が可能な限り何とかするからね~
「え、じゃあ、来ヶ谷先生の無茶を修正して欲しいってのは」
申し訳ないが、それは私の力を超えた願いなので却下です。そもそも、琴音先生は無茶してないってそれ一番言われてるから、自分ができる範囲でアレコレしてるだけだから、ねぇ、るーちゃん?
「せんせーは、うーん、頑張りすぎ?」
「目を逸らすなよ、ことねえ……」
だって味方だと思ってたるーちゃんから援護が来ないとは思わなかったから……り、りーさんなら、分かってくれませんねその顔は
あ、しかもため息まで吐かれた。琴音先生の評価と言うか、どう見られてるかよく分かりますねコレは。仕方がないのでここは善処しますとだけ答えておきましょうか。
言うてなぁ、あまりこれを【約束】に昇華させたくないんですよね。明日の『雨の日』には確実とはいいませんが、ほぼほぼ無茶する場面出てくると思いますし、あ、そうだ。
「それって、地下で由紀が拾ったっていう、無線機?」
そうです。あと犬山お姉さんのシェルターにもあった分もゆきちゃんに頼んで持ってきてもらい、これで計4機、二組分ですがこれらを全部繋がるように設定していきます。
琴音先生の知力と機械修理があれば難なく調整完了、一応テストをするのでそうだな、チョーカーさんとみーくんは、これを一つずつ持って廊下に出て下さいな。あ、使い方も説明しておくね~
「分かりました、とは言っても結構シンプルな感じですし、すぐに使えるようになりそうですね」
「なんかこう、ちょっとカッコいいな。とりあえず、両端の階段くらいに離れればいい?」
チョーカーさんの提案に頷いておきます。まぁこれ長距離タイプのトランシーバーなので校舎内どころか、学園の敷地内でも余裕で繋がります、しかも充電問題もモールでゆきちゃんが手回し発電機を拾ってきてるので解消してるという。
まさか、ゆきちゃんはコレを見越してあそこで手回し発電機を拾ってきた可能性が微レ存……?
「ことねえ、二人とも位置に着いたぞー」
お、なら早速通信テストを行いましょうか。もしもーし、聴こえてますかー?
《おぉ、こちら貴依、バッチリ聴こえてる》
《美紀です、こちらもきちんと聴こえてますね》
ヨシ!(るーちゃん猫)では帰ってきてもらいましょうか。この4つのトランシーバーは後日、琴音先生を含めた大人組に分けて、残りの一機は生徒組の拠点である放送室に置いておきましょう。
それで何かしらの行動の際には誰かに持ってもらうという形になると思います。まぁ、殆どの場合は切り込み隊長のくるみ姉貴か、オールラウンダー故の遊撃手になることがあるみーくんだとは思いますけど。
「戻りました。これで離れた場所で問題が起きてもすぐに報告ができますね」
「見回りの時とか、今まではもし何かあったら叫ぶとか防犯ブザー鳴らすとかだったもんな、これなら隠れてから静かに報告とか出来るし、安全性も増したってことか」
チョーカーさんの言う通り、コレによって夜間見回りの安全性と、問題に対処する速度が大幅に上昇します。明日の『雨の日』でもこのトランシーバーは活用できますので持っていると何かと便利ですねコレは。
「それにしても、琴音先生って多才というか、多芸と言うべきか。無線機の調整も簡単に出来るの凄いよね」
「佐倉先生から聞いた話だと、琴音さんって折り紙とかも得意だって聞きました。そうなのですか?」
めぐねえの口の軽さがとんでもない不具合。まぁ出来るらしいですね琴音先生、それだけに留まらずあやとりだって得意らしいっすよ。
いやコレ得意というか、子供達の心を掴むためにあれこれマスターしただけだなこの先生? 選択肢とキャラのセリフを見るに結構好印象だったらしいですけど。
「え、ことねえってあやとりで橋とか作れる!?」
「おりがみ、つるさんとか折れる!?」
どっちも出来るぞ(強者の風格)折り鶴とか琴音先生にとってはお茶の子さいさいなので今度折ってあげましょう。っとと、そろそろ時間ですので放送室に移動しましょうね~
では放送室に向かいましてって、めぐねえここで手伝ってたのね。ともかく、ゆきちゃんとりーさんが準備を終えて、代表して琴音先生が開始のカウントをしワンワンワン放送局が始まった所で、今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。
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ふぅ、と思わずため息を漏らしてしまったが私【佐倉 慈】は悪くないと思っている。
そもそもため息の原因は今は生徒会室で瑠璃ちゃんに膝枕を貸して自分も昼寝をしている親友なのだから。
そう【昼寝】をしている。私にとってコレは衝撃的な光景だった、と言うのも彼女は基本的に昼寝というものをしない人間、学生時代もそういう話を聞いたことがないし、本人も夜に寝ればいいじゃんとか言い放つ人だったので恐らくあれが初めてかもしれない。
「へぇ、琴音って昼寝とかしない人だったんだ」
「えぇまぁ、だからちょっと不安になってね」
ここは放送室、そこでワンワンワン放送局の準備をしていた犬山さんに思わず相談と言うか、話してしまった。なんて言うか、生徒たちには出来ない相談とかが出来る相手が居るのがこんなに気が楽になるとは思わなかった。
対して相談された犬山さんは手を止めずに
「まぁ簡単に考えれば、それくらい疲れてたってことかね。寝る度に悪夢に魘されてるんじゃ、どんなに大丈夫だって言っても限界はあるし」
彼女の言う通りだろう。琴音自身も自覚できないくらいに溜まった疲れがあのタイミングで昼寝という形で現れた。
そうすると琴音はまた私に黙って無茶を続けていたということになる。その事実が私の中で重くのしかかる、少しでも話してくれればいいのにと、親友なのだから頼ってくれてもいいのにと。
「もしかして、親友だと思ってるのは私の勝手だったのかしら」
「それは違うんじゃない?」
漏れ出た弱音を間髪入れずに否定され、驚く私に視線を向けずに犬山さんはまぁ私の主観だけどねと一言加えてから
「慈のことは心から親友だと思ってるよ、あいつは。だから自分が倒れても後を何とかしてくれるって思ってて、無茶をしてるんじゃないかな」
なにそれと言葉にしようか本気で悩んだ。親友だと思ってるから無茶をするって、それこそ無茶苦茶な考えだ。と言うか、思ってるなら止めなさいってのと少し前のとは質が違うため息が出てしまう。
何だろう、ちょっと頭痛がしてきた。あの子の考えてることが分からなくなったとも言えるかもしれないが、とりあえず一つ一つ整理していき
「つまり、何かあったら私に任せておけば大丈夫っていう信頼、だと?」
「かもしれないね。まぁ私は会って2日くらいだから絶対とは言い切れないけど、そこまで間違ってないとは思うよ。何か心当たりとか無い? 学生時代からの付き合いなら分かるものもあると思うけど」
「心当たりって言われても……うーん」
何かあったかしらとその頃を思い出してみる。あの頃は、いや、あの頃【も】怪我に無頓着で動けるなら大丈夫とか言って処置もしないから私が強引に保健室に連れて行っては処置したり、迷子の子供をどうにかしようとして怖がらせて泣かせてしまったのを私がフォローしたり、学校で問題があった時に琴音が疑われたのを……あっ、いや、もしかして
「あぁ~」
「あった?心当たり」
「あったというか、半分は私のお節介の結果というべきなのかもしれないわ」
こうして整理してみると彼女が何かあった時には決まって私がフォローしてた、それが続いた結果、自分に何かあっても私がその後をどうにかしてくれるというあまりにあんまりな信頼に繋がったのかもしれない。
ともすると怒れるには怒れるが、あまり大きく出れるものではなくなった。なんだか、また頭痛がしてくるわね……
「まぁでも、琴音も悪いって言えば悪いかも、と言うかうーん」
急に犬山さんが言葉を探すように唸り、今まで止めなかった作業の手を止めた。それにしても琴音も悪いとはどういうことだろうか。
いや、私に何も言わずにそんな無言の信頼で無茶をしてるというのは十分に悪いのだが、犬山さんの感じはそういうのではない、とりあえず彼女が話すのを待っていると
「彼女の昔とか知らないから確信はできないけど。琴音って実は甘えん坊なんじゃないかなって思う。まぁ、本人に自覚ないだろうけどね」
「はぁ」
「だけどその甘え方ってのが分からないから、慈に無言の信頼って形になってる。ってのが今浮かんだ考え」
甘え方の知らない甘えん坊、そう言われた瞬間、彼女の全ての行動に妙な納得を感じた。確かに私が何かとフォローしてる時、初めこそはウザったいとかそういう反応だったのが、何度もしている内に嬉しい感じの表情を浮かべることがあった気がする。
その時は何が嬉しいんだろうかとか思ってたし、今さっきまでも思い出してもそう思ってた。けど、あれってつまり
「あれで、甘えてたつもり、だったのかしら」
「分からんけどね、それにさっきも言ったけど本人は無意識だろうし」
確か、彼女は施設では小さい子たちの姉役だったと言ってたので甘えるということが出来なかったかもしれない。母親だって過労で亡くなったと言うくらいに働いていたのなら彼女の性格のことだ、甘えるなんてしないと思うし。
そんな環境のまま高校に来て、そして私と出会って、何かと世話を焼かれて、彼女の中の本来の性格である甘えん坊な部分が出た結果、私になにかして貰う=甘えるとなったと。
「いや、分かるわけ無いでしょそんなの」
「そりゃご尤もだ」
まぁ、今は甘えん坊と言うよりは信頼でしょうけど、学生時代は甘えてたつもりとか言葉にしなくちゃ分かる訳がない。
けどこうして犬山さんに話して正解だったのは間違いないわね。じゃないといつまでもこのモヤモヤを抱えて最終的には喧嘩に発展してた可能性だってあったのだから。
なので礼を伝えれば、向こうは別に感謝されるようなことじゃないよと言ってから
「そう言えば、琴音と喧嘩とかってしたことないの?」
「喧嘩は、無いわね。私が一方的に説教してることが殆どよ」
説教されると心から面倒だって顔をされて、そこから更に説教に繋がるなんてことが両手の指じゃ足りないくらいにあったのを今でも思い出せる。
何だったら、一部の説教の内容だって思い出せる。それくらいに学生時代のあの娘は色々と酷かったのだ。
「まぁ、一度しっかりと言ってみれば?」
「そうするわ。改めてありがとう、犬山さん」
「礼を言われるほどじゃないって、仲間内でギスギスするのが嫌いなだけっと」
「なぎさ、由紀達連れてって、慈、ここに居たのか」
扉が開き振り向けば、由紀さん達を連れて琴音が入ってきてた。時計を見ればあと十数分もすればワンワンワン放送局の時間、そんなに話し込んでたのかと驚いてしまった。
それと同時に琴音の顔を見た瞬間、さっきまでの会話を思い出して、思い出し笑いをしてしまえば
「人の顔見て笑うって、失礼じゃない?」
「ふふ、ごめんなさい。でもそうね、琴音、言わなきゃ分からないからね?」
「え?あっ、お、おう?」
上手く伝わるとは思ってないが想像以上に伝わらなくて、また一つ大きなため息を吐き出してしまうのだった。
めぐねえに実は甘えてるつもりだった不器用な元不良が居るらしい。