がっこうぐらし!女教師で全員生還EDを目指すだけ   作:鮪薙

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(全体的に難産だったので)初投稿です


小イベント Part5

【ワンワンワン放送局!ゲスト ゆきちゃんとりーさん】※犬山お姉さん視点

 

前回は大人組によるぶっちゃけ過去トークになったが、今回は生徒二人組、さてどうなるかなと期待と不安を抱きながら新拠点での二度目のワンワンワン放送局が幕を開けた。

 

「ねぇねぇ、誰か聞いてる?こちらは巡ヶ丘ワンワンワン放送局、この世の終わりに生きてるみんな、元気かーい!」

 

「元気でーす!!」

 

「はい、元気ですね」

 

 ははっ、ゆきちゃんのノリの良さいいね。確かワンワンワン放送局に出るのを楽しみにしてたって言ってたもんね。

 

 そりゃそんなにいい笑顔になるわけだ。悠里ちゃんも然り気無く彼女のノリに付き合ってるのを見るに今回も楽しくなりそうだ。

 

「今日も元気に音楽と希望を皆に流していくよー!盛り上げ進行役は勿論、犬山なぎさがお送りしてくよ!!そして今回もまたゲストがご来店だー!」

 

「丈槍由紀です!!」

 

「若狭悠里です、よろしくお願いします」

 

 二人とも緊張してる感じとかは無いかな。自然体って感じでこれなら普通にやってても盛り上がりそうで何よりだ。

 

「さて、今日の話題とかは毎度の如く決めてないんだけど、何かそっちからあるかな?」

 

「……あっ」

 

 おっと? 話題あるかなって話を振ったらゆきちゃんが固まってから抜けた感じの声を出してきたぞ?

 

「え、えへへ~、ワンワンワン放送局に出れるの楽しみでお話考えるの忘れちゃった」

 

「あらあら」

 

「アハハハ、素直で宜しい。じゃあ、悠里ちゃんはどう?」

 

 彼女ならなにか事前に考えてるだろうなという信頼感があるんだよね。よく、家計簿を付けて細かく物資の管理をしてるのを見てるし、と思って振ってみたらそうですねと呟いてから

 

「なら、この状況下で役立ちそうな生活の知恵とか、そういうのを話しても宜しいでしょうか?」

 

「お、良いねそれ。んじゃ、お願いしようかな!」

 

 とは言ってもテレビと本の受け売りですけど。なんて謙虚に断ってるけど、世界がこんなになってしまったからそれを知るためのテレビも本も失われてしまっているも同然、だからラジオで流すというのは大事なことだよ。

 

 まぁ、それでも出てくる知識はきっとこう、簡単なものだと思ってた。実際、簡単ではあった、あったけどそれは誰でも出来てそれでいて最高の結果が出せるタイプの所謂完成された知識、そして

 

(悠里ちゃん、多分、大人組よりも大人してる)

 

「だから、非常食でも少しの盛り付けは大事なのよ、ゆきちゃん」

 

「確かに!りーさんも、絶対にそのままじゃなくてラップを掛けた紙皿とかに盛り付けてるのってそういうことだったんだ」

 

「えぇ、料理を食べてる。そう思えるだけでも精神に余裕というものは生まれてくるからね、特に私たちは人数が多いし奴らとも戦うことがあるのだからこういった所から気持ちを休ませてあげたいのもあるわ」

 

 しかも、料理の知識も大人組より深く、缶詰一つ取っても私とか琴音だったらそのままでいいじゃんとなりそうなものを簡単な調理でそれらしい料理に変えてしまうという発想になるほどな~と感心しっぱなしである。

 

「いやぁ、悠里ちゃんっていい奥さんになりそうだ、お姉さんのところに来ない?」

 

「ごめんなさい、でもそう褒められると嬉しいですね」

 

「りーさんの料理が何時でも食べれる、あれ、それって今の状況じゃない?」

 

 世界が平和ならそれも良いんだけどね~と答えてみれば、確かにそうですねと微笑みながら答える悠里ちゃん、それから今度はゆきちゃん主体に話は盛り上がり、音楽を流してはまた悠里ちゃんの話になり、今回もまた盛り上がったままワンワンワン放送局は終りを迎える。

 

 んじゃ、いつもの締めで終わらせようか

 

「どんなに辛い日々でも、希望と音楽をお届けするよ!じゃあ、また明日!」

 

「またねー!!!」

 

(ヒラヒラ)

 

 明日もまた、楽しみだ。けど、悠里ちゃん、ラジオだから無言で手を振っても向こうはわからないと思う、あっ、うっかりしてたって顔したわ。

 

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システムメッセージ

【犬山 なぎさ】【丈槍 由紀】【若狭 悠里】の正気度が回復し、三人の絆が深まりました

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【太郎丸は誰が一番なの?】※みーくん

 

正直に言おう、納得出来ない。それが今目の前で太郎丸を手でワシャワシャと撫でている来ヶ谷先生への感情だ。

 

 だって、私の方が先に出会って、遊んであげて、お世話もしてた。いや、圭と一緒にと言う言葉が頭に付くがそれでも太郎丸と一緒に居た時間は私達のほうが長いはず。

 

 なのに圭が呼べばすぐ来るのに、私が呼んでも反応だけして終わり、おかしい、何か不条理な物を受けてる気がして止まない。

 

「太郎丸、私の何が不満なの?」

 

「それ言ったら、あたしも呼んだけど反応だけだし、でも触っても嫌がらないんだよな、判断基準が分からん」

 

 隣で胡桃先輩が私の言葉に反応して返してくる。でも確かにそうだ、太郎丸は自分も他の人も嫌いとかいうのはない、触れば気持ち良さそうにするし、呼べば反応は返してくれる。

 

 でも人によっては呼んでも直ぐには来てくれない、太郎丸の中になにか判断基準があるのは確かなのだけど、それが何なのかが分からない。

 

「悠里先輩、試しに太郎丸を呼んで貰っていいですか?」

 

「えぇ、構わないわよ。太郎丸?」

 

「ワン!」

 

「おっと、向かってったな」

 

 ふむ、悠里先輩が呼んだら向かう。では次に貴依先輩にも同じように頼んでみて、あとは佐倉先生と犬山さんもか。

 

「え、まぁ良いけど、おい、太郎丸」

 

「ワン!」

 

 反応のみ、共通点は……勿論わからない。そもそも動物の行動に共通点を見出す方が難しいのかな。

 

 いや、動物だからこそ何か感じたものがあるはず、と思いたい。うーん、ってそうだ、瑠璃ちゃんと太郎丸は常に一緒に居る、彼女だとなにかまた違う反応するのだろうか。

 

 そう思い、来ヶ谷先生の隣で座ってる瑠璃ちゃんに、太郎丸と仲が良いの?的な感じで聞いてみれば

 

「うん、あとね、こういう事もできるんだよ!」

 

 そう言って、太郎丸のおやつを一つだけ手に持って、呼んでから

 

「太郎丸、おすわり」

 

「ワン!」

 

「えへへ、はいどうぞ」

 

 私たちは今何を見せられた、なんだろう、凄い敗北感を突きつけられた気がする。無邪気に遊ぶことしかしてなかった太郎丸が、瑠璃ちゃんの一声だけで芸をしてた気がする。

 

 するじゃない、してた。え、太郎丸、貴方は瑠璃ちゃんにそこまで懐いていたの?

 

「あれだ、将来的にもるーちゃんの番犬だな、太郎丸」

 

「それが良いな、これからも瑠璃のことを頼むぞ、太郎丸」

 

「ワン!!」

 

 今までで一番良い返事をする太郎丸を見て、私は色々と今までの考えとかを投げ捨てた。まぁなんだ、結局は嫌われてないならそれでいいじゃないかと

 

 因みに佐倉先生と犬山さんにも後で太郎丸を呼んでどんな反応をするのかと見たけど、どっちも返事だけだった。やっぱりこの子の事が分からない、それが全員の気持ちだった。

 

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システムメッセージ

【太郎丸】が【番犬】のスキルを会得しました

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【とある誰かの電波受信記録】※????視点

 

カチッと機材のスイッチを入れいつものように無線の傍受を開始させる。この時間帯のこの周波数であればそろそろ拾える時間だろう。

 

《ねぇねぇ、誰か聞いてる?こちらは巡ヶ丘ワンワンワン放送局、この世の終わりに生きてるみんな、元気かーい!》

 

 来たとノートを広げ、ワンワンワン放送局と言うラジオ放送の内容をメモしていく、前回の放送で拠点を変えたと言っていた。

 

 前の場所でも放送出来てた、だがこの若い女性【犬山なぎさ】と名乗った彼女が前々回の放送で住所を伝えてから誰かが来たらしく、その誰かの拠点に移動、そこでラジオを流していると。

 

 その第一回目とも言うべきだろうか、ともかく前回の放送でゲストが来ているという今までとは別の展開が流れ、聴こえた声は二人、どちらも女性で【来ヶ谷琴音】と【佐倉慈】、声からして大人の女性、恐らくはこのラジオのDJとそこまで歳は変わらないだろう。

 

 さて、今回はとラジオに集中してみれば聴こえたのは想定外の声だった

 

《元気でーす!!》

 

《はい、元気ですね》

 

 驚きにペンの動きが一瞬だけ止まった。今聴こえたのは大人の女性ではない、明らかに子供、しかも二人も、ともすればその拠点には少なくとも5人は居るという計算になる。

 

 5人、この人数が生きていく物資があり、ラジオ放送が出来る設備があり、それらを動かす電力もある、そんな都合の良い拠点がここと犬山なぎさの前の拠点以外に存在すると?

 

(……いや、まさか)

 

 ラジオを聞きながら目的の資料を探す、確かここと同じくらいに設備が充実してた所があったようなと探していき、すぐに見つけた。

 

 【巡ヶ丘学院高等学校】パンフレットには、風力と太陽光発電システム、屋上には大きな菜園、高度な浄水設備を完備してることが記述されており、その通りなら5人どころかもう少し多めの人数でも生きていける。

 

 子供の方はここの生徒だろうと仮定、前の放送で出てきた【佐倉慈】は高校教師をしていると言っていたのでほぼ間違いなくこのラジオはそこから放送されている。

 

 はっきり言えば、盲点だった。が、私がやっていることを高等学校レベルの設備では難しいと考えれば思考から抜け落ちていたのは仕方がないことだろうとは思う。

 

(それにしても……)

 

 ラジオから聴こえてくる声は穏やかで賑やかなものだ、あそこのギスギスしたものとはまるで違う。上手くやっていってるのがよく分かる放送内容でもあるし

 

(人数が多い、つまり5人以上は居るって考えていいな)

 

 それだけの人数が居ながら不和とかはないのだろう。羨ましい限りだと柄にもないことを思いつつ、何故か流れてくる生活に役立つ豆知識や料理のレシピなどをメモしつつ気付けば私自身もラジオを楽しんでいた。

 

《どんなに辛い日々でも、希望と音楽をお届けするよ!じゃあ、また明日!》

 

《またねー!!!》

 

 締めの挨拶を終えればラジオは無言になる。コレ以上はこの周波数からは拾えないだろうと他を試すが、それ以上の成果は出ず、ふぅとタバコを一口吸ってから

 

(またね、か)

 

 無邪気な声で告げられたその言葉を思い出しつつ、こちらから連絡は取れないが彼女【達】の放送がこれからも続くことを、今はただ祈るだけだ。

 

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システムメッセージ

【????】が【巡ヶ丘学院高等学校】の存在を記録しました

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さぁ、7日目の始まりや!
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