繰り上がりが起きて、プレイヤーに対しても完璧な奇襲で始まった『あめのひ』を迎え撃つことになったゲームの実況の続き、もう始まってる!!
本降りになり、雷で停電が起きた状態で最終日のラッシュを二階の階段で迎撃準備をしてる場面から再開です。
「一階からの音が凄いって、防犯ブザーの音が聴こえるってことは」
「私のトラップが発動したんだ」
思ったよりも鳴り響くなあれ、ですがこれのお陰で【かれら】が一階から二階への階段の入り口でごちゃごちゃしてるのか中々ここまで来られない感じですね。
「これなら、案外なんとかなりそうか?」
それは油断だぜチョーカーさん、今回は数が前回とは比べ物にならないから、転けた【かれら】を乗り越えて、ほら来た! 見た感じの数は7日目のラッシュ時に罠が全部壊れた後くらいですかね。
途中の強化簡易トラップも働いてて、それでもこの数が来るのはホンマ最終日ラッシュは地獄だぜ! いや、待て待て待て、多いって、もしかして中央に固まったか? へい、両翼、状況を聞かせて!
《こちら慈、こっちは言うほどじゃないわ、琴音の言う通り固まった可能性があるわね》
《こちらなぎさ! こっちも多分、慈の方と変わらないかも、警戒はしておくし、もう何体かは来てるけど》
間違いなく中央に来ちゃってるじゃないですかやだー! けどやることは前回の防衛戦と同じじゃい、覚悟を決めなお二人共、これからここは修羅場とする!!
「大丈夫かよコレ……!」
「でもくるみちゃん達もここには来られないから、私達だけで守らないと!」
では戦闘開始です、とは言っても流れる映像は7日目の防衛戦と殆ど変わらないという事実、ひたすらバリケードに張り付いてくる【かれら】を迎撃していくだけです。
時より【かれら(小学生)】が混ざってたりするのですが、それは琴音先生が動くよりも前に
「ことねえ、それは任せて!」
「琴音先生はデカいのを頼む、あれ偶にこっちの武器掴んで引っ張られそうになるんだ!」
ホイホイっと、チョーカーさんの言う通り最終日の【かれら】って妙に芸達者な事をしてくるんですよね。今みたいに武器を掴んで引っ張ってきたり、まぁこれは意思を持ってやってるということは無いでしょう。
原理で言えばなんかこう手に良い感じに引っ掛かったのが、こちら側だと引っ張られたように見えるとか、にしても多いな!
「でも前みたいに直ぐにバリケードが壊れないね、流石めぐねえ!」
ほんそれ、琴音先生のバリケードだったらもう半分は無くなってる耐久値がまだ4分の1くらい、これならもうちょい頑張れそうだけど、出来るならどうにか気を逸らしたい所さん、何か策あったりする?
「いや、今この状況で考えるのは無理がある!」
「……あっ!」
おん? ゆきちゃんがなにか閃いたという声を上げましたね。ぶっちゃけこの状況で嫌になって軽口叩いただけなのでまさか本当に策が出てくるとは思ってなかったり。
して、ポーチを漁って何を取り出すのかなって、それは……衝撃を与えると光るボール、通称【ピカピカボール】じゃねぇか!
「え、それそんな名前だっけ?」
「これをバリケードの向こうに、えいっ!」
ゆきちゃん自慢の投擲スキルで投げられたボールはバリケードを超え、【かれら】の集団の頭上を超えて踊り場の壁にぶつかり、おぉ、光ってる光ってる。
まるでダンスホールの天井のあれみたいだぁ、皆踊れ―! っていうくらいに【かれら】がそっちに引かれては階段から落ちたりして、少し余裕が生まれましたね。
サンキュー、ゆきちゃん! 因みにそれはあとどのくらい残ってるんだい?
「3つかな、あまり多くは持ってこなかったんだ」
「三階まで戻ればサイリウム・ペンライトとかもあるとは思うけど、流石に取りに戻る余裕はないよな」
ないっすね。あのピカピカボールもずっと光ってるわけじゃなくて数秒だけですし、寧ろその数秒でバリケード前に居る【かれら】を階段から落として更に巻き込むほうが良いと思うよ。
ここで耳を澄ましてみれば、両翼の方も騒がしくなってるので【かれら】が上がってきた感じですね、けれど妙に数が落ち着いてるのは嬉しい誤算です。
「この数を見て落ち着いてる方って言える琴音先生が凄いな」
「どうする、また投げてみる?」
いや、それは貴重だからまだ温存でおなしゃす! あ、ゆきちゃん手製トラップが機能停止したのかブザーの音が止みました。つまりこれから混乱で足止めされてた分の【かれら】がここに来ますよ~、クルクル。
なんて言うと思ったか、ゆきちゃんパス、この防犯ブザーを投げてくれい! こちら中央、防犯ブザーを使うから【かれら】の動きが変わるかも気を付けて!
「ラジャー! えいや!」
「よし、また奴らの動きが鈍ったな」
ただ問題はこれを思い付いたのが出撃直前だったのでめぐねえと犬山お姉さんには防犯ブザーを所持させてないという、両翼だけはガチンコ勝負が求められてて、正直、不安に思ってたり。
まぁ思ってても自分たちも動けないのでどうにか切り抜けてくれるのを祈るしか無いんですけど!
「ところで、防犯ブザーの残りは?」
あと……2つっすね、ただ一つは緊急事態用に取っておきたいのを考えるとラスイチっすね。なのでここからはゆきちゃんのピカピカボールと琴音先生の防犯ブザーは温存しつつ両翼と同じ様にひたすら迎撃です。
とは言ってもチラッと廊下から見える窓を見ましたが雨の勢いが落ち着いてきてます、どうやらあれはゲリラ豪雨みたいな感じだったんやな、まぁそれでも雨は止まないので変わらないんですけど、豪雨じゃなくなったのでヘリが雨が酷すぎて飛んでこないということは回避できたのが嬉しい話。
なのですが実はこのヘリ、来るタイミングは完全ランダムです。はい、ここに来て運ゲーで己の祈祷力が試されますんですね(遠い目)もしかしたらこれも7日目のギミック解除と同じようにヘリにもフラグを立てていけばヘリが来るのが早くなったりもあり得るのかもしれませんが……あるのかな?(調査不足)
まぁ仮にあったとしても今からじゃどうすることもできないので、なる早でヘリが墜ちてくれることを祈りましょう。墜ちることを祈られるヘリとは……あ、因みにですがこのヘリの墜落位置もゲームだとランダムらしいですよ。
一応、校舎に火災が起きる距離の場所には墜ちるらしいですけど、酷いと二階の何処かに突っ込んでから墜ちるとかいうダイナミックなパターンも有るとか、迷惑なので一発で地上に墜ちろ(辛辣)
それにしても絵面が不変過ぎる、バリケードが頑丈でトラップも改良型のお陰かまだ残ってるのが手伝って生徒会室の窓から見えた数に対して落ち着いてるんですよね。
原因の一つとしてはさっきのピカピカボールと防犯ブザーの所為だってのもありそうですけど、ちょっと慌ててアイテムを早くに切りすぎたかもしれませんが事故るよりはマシだと開き直りつつ、両翼に状況確認を、中央は何とかなってるけどどう?
《ちょっと数が増えてきてて忙しいけど、まだ大丈夫!》
《こっちも同じ! おっと、圭ちゃん武器を引き込まれないように気を付けなよ!》
これは……勝ったな? いや、最後の最後まで油断はできないけど、でもこの時点で安定してるってことは行けるんじゃないか? もしかしたら思ったよりもNPC達のステータスが上がってたのかもしれませんね。
ふふ、最終日が一日早まったから焦ったがそれでも準備はほぼ完了と言っても過言ではない状態だったからな、どうにかなるもんだな……ちょっと一階が騒がしいのですが?
「なぁ、これって数が少ないじゃなくて、今の今までどっかに引っ掛かってたって話しないか?」
「たかちゃん、ことねえ、何だか凄く嫌な感じがする!」
ゆきちゃんが素敵なくらいに不穏なことを言った所で今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。あ、これはゆきちゃんの手製トラップが効果発揮しすぎたってやつだな?
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確かに窓から見た時は凄い数が押し寄せてきたと言うのが私【直樹 美紀】の認識だった。
だから、バリケードの前で武器を握りしめて【かれら】が来るのを警戒してたのだけれど
「これって、由紀先輩の罠が上手く作用してるってことですかね?」
「かもしれないね、琴音がこれは使えるやつだぞって言ってたけど、まさかここまでとは」
「でも油断はできない、こういう時に油断してたらグワー!って来るのがお約束ってやつだからね」
何の話をしてるの圭は……言おうとしてることは理解できるけど、何よりさっきから耳に届く【かれら】の声の中に少し甲高いものが混ざってるのにも気付いてしまっている。
出来るから聞きたくないタイプの声、だけど
「そりゃま、来るよね」
「何度見ても小さいのは慣れない……」
「そうだね、でもやらなくちゃいけない」
小さい体格だから、普通の【かれら】を簡単に超えてきて視界に現れた小さな【かれら】の姿、圭の言う通り決して慣れるということはないと思う。
だけど、もっと慣れてないくせに大丈夫だと言い張って彼らを相手にしてる子供っぽい先生が居るのを知ってるからこそ手に持った武器に力が入り、二人が動くよりも前にバリケードに触れたそいつを突き殺す。
「……慣れてはないけど、殺したことにはもう心がざわつかないのは複雑ってやつだ」
多分、私も心は壊れ始めてるのだろうか。いや、この異常な状況で皆の心はどうしようもないくらいに麻痺してしまってるんだと思う。
殺さなくちゃ、殺される。普通に日本に過ごしていればまず起こることは無かったはずの環境に11日も過ごしていれば、感覚なんて簡単に麻痺するに決まってるのだから。
「本当なら子供たちにはそんなの慣れてほしくないとかあの子供好きは言いそうだ」
「はは、普通に想像できちゃうね」
本当だ、あの人のことだから心を痛めるに決まってる。けれど、それは正直に言うと人を甘く見すぎているというか、あまりに子供と見過ぎていると反論したいものだ。
私達だって貴女から見れば子供かもしれないけど、これでも高校二年、先輩方は三年、大人に片足突っ込んでるし、何よりも瑠璃ちゃんというもっと守らなきゃいけない存在が居るんだ。
だというのに全部を大人の自分に任せてくれとかのたまうあの人は何なんだ、あ、駄目だ急に腹立ってきた。
「絶対に生きて乗り越えてから来ヶ谷さんに文句言おう」
「え、どうしたの美紀、急に怖い声出して」
「徹底して人を頼ろうとしない事に急に腹が立ってきて」
「ククク、良いね。流石に美紀ちゃんにそこまで言われたらアイツだって堪えるに決まってる」
堪えて反省に繋がるなら幾らでも言ってやる。その為にも今を乗り越えなければならない、少しずつではあるが階段を昇ってくる【かれら】の数は増え始めていて、その都度、三人で押し返していく、けれど
「やっぱり、数が多くない気がする……?」
「もしかして、どこか一箇所に固まってるんじゃ!?」
ここまで来ないのは違和感しか無い、私がそう声を上げた時、犬山さんのトランシーバーが鳴って彼女が出てみれば
《こちら琴音、二人とも、状況を!中央は妙に数が多い、もしかして固まってる可能性が出てる!!》
《こちら慈、こっちは言うほどじゃないわ、琴音の言う通り固まった可能性があるわね》
《こちらなぎさ! こっちも多分、慈の方と変わらないかも、警戒はしておくし、もう何体かは来てるけど》
確かに中央からは激しい音が、もしかして由紀先輩のトラップの影響と考えるべきだろうか。
それなら中央に私か圭が助けに向かうべきか? そんな考えが過り犬山さんに言ってみようとするがその時に階段を見て、直ぐに無理だと考え直す。
気配が増えた、それは言うまでもなく【かれら】が更に階段を上がってきているということ、どっちかがここを離れたら押し返せなくなってしまうが中央だって……
「琴音、こっちからは誰も向かえない!」
《だろうな、何とかしてみる!》
「けど、あの感じだと中央が一番キツイんじゃ!」
「でもここだって余裕はない、ここは三人を信じよう、圭!」
信じるしか出来ないとしか言えないけど、今はそれしかないと自分にも言い聞かせて【かれら】をとにかく武器で迎撃していくがそれでも気になってしまう、本当に大丈夫だろうかと。
いや、大丈夫だろう。来ヶ谷さんはこういう状況になっても諦めたりする人ではない、ならば何か打開をしようと……
《こちら琴音、今から防犯ブザーを階段に投げ入れる! もしかしたら奴らの動きが変化するかもしれないから気を付けてくれ!!》
刹那、防犯ブザーの鳴り響くあの音が二階に響き渡り、バリケードに張り付いていたのや、張り付こうと向かってきてた【かれら】の動きが急にバラバラになる。
「全く、幾つ手札を隠してるんだか」
犬山さんが呆れたように呟くのを聞いて私も同意だと内心で思いつつ、無意識に笑みを浮かべてしまえば
「急に笑み浮かべられると反応に困るんだけど、美紀」
「知ってるか圭、笑顔っていうのは本来は攻撃的な表情らしいぞ」
「あぁ、なるほど」
え、何がなるほどって言う結論になったのか凄く気になるけど、それは後にしておこう、うん、決して反応するのが疲れたとかじゃないから。
最終日だからってプレイヤーの所に集まって撮れ高を提供してくる【かれら】の鑑