最終日も終盤戦に突入して、ヘリも墜ちてきたけど余計なことをしてくれて事態が地味に面倒なことになってるゲームの実況の続き、もう始まってる!!
とりあえず、チョーカーさんとゆきちゃんを三階に逃してる間に階段前で【かれら】相手に大立ち回りしてる場面から再開です。てかコレ本当にどうしよう、火災報知器が鳴ってないってことはまだヘリ炎上すらしてないってことなんだよなぁ。
まぁ時間は稼ぎましょう、いくら三階のバリケードも強化済みとは言えこの数が雪崩込めばヘリコプターの爆発まで時間が稼げるか分からんですし、オラオラ! 対複数は琴音先生の独壇場よ!!
ここ最近、正気度とか精神面の関係で【かれら】とは殆ど戦えてなくて視聴者兄貴姉貴達からも忘れられてそうですが戦闘特化に比べれば劣るとは言え対複数では上位に食い込める強さを持ってるんですよねこの元不良。
【喧嘩慣れ】は本当は強いスキルなんですよ、ただちょっと琴音先生が精神面に色々と不安定さを抱えていて、【かれら(小学生)】を倒しちゃった時の反動があまりに大きくて積極的に戦えないだけであって……
え、その戦えないのが致命的でスキルが腐ってるから扱いに困るって? それはそう、私もここまでこのキャラが扱いづらくなるとは思わなかったのよ。
ここで一旦、動画に話を戻しまして、いやぁ囲まれなければ割りとなんとかなるってのはやっぱ強いですね。この時のプレイヤーは結構、神経使って操作してますけど。だって、抗ウィルス剤があるとは言え感染なんてしたら、それはそれで学園生活部の面々の精神に影響出そうですし。
《琴音、今何処でなにしてるの!?》
おっと、めぐねえから通信ですね。この感じだと琴音先生以外は三階に逃げたのかな?
《とっくに三階に居るわ、それよりも貴女は何してるのって聞いてるの!!》
何って、ちょっと中央バリケードが壊れるのが早かったので時間稼ぎをしてるだけですがって、あぶねぇなオイ!! お返しのネイルハンマーだくたばれ!!
ぐぬぬ、流石にシャベルとネイルハンマーがあれど集団を薙ぎ払うだけのスキルは持ってないのでジリ貧になりつつありますがまだ火災報知器は鳴らないのかなぁ? それで何か用っすかね?
《何か用って、貴女も早く三階に!》
えぇ、まだ左右は突破されてないし、中央はまだ数が多いし、もう少しだけ時間稼いだ方が良いんじゃない? あ、【かれら(小学生)】相手にして大丈夫とかは聞かないでね、大丈夫だと思いこむことで乗り切ってるだけだから
《何巫山戯たこと言ってるの、早く上がってきなさい!!!》
めっちゃ怒られた……うーん、これは素直に撤退のほうが宜しいかな、プランとしては火災報知器が鳴り出すまで中央で単騎で塞き止めてるつもりだったのですが、おや、トランシーバーの向こうが騒がしいですね、何かあったのかな?
《琴音さん!? お願いですから直ぐに上がってきてください!!》
あ、これヤバイやつだ(震え声)あ、はい、直ぐに撤退します。やべぇよ、やべぇよ、娘をガチギレさせちゃったよ……いやまぁ悪いの琴音先生ですからとりあえず、手持ち最後の防犯ブザーを、誰が投げるんだいコレ?
琴音先生はデバフが掛かってるんだぞプレイヤー、なのに今普通に投げようとしたよな? 本当にコレが階段の先に飛ぶ可能性は高いのか? ええい、やるしかないか、では本プレイ初の投擲をしてみましょう、先ずは構えまして……
何だこのレティクル!? ていうか円やん! え、なに、この無駄にデカい円の範囲内に飛ぶってことなの!? デバフ強すぎるだろオイ、お願いします、真っすぐ飛んでください!! お、良い感じに階段に飛んで【かれら】のがそっちに引かれましたね。
ペッ、甘ちゃんが(強がり) 今のうちにスタコラサッサと三階に撤退しましょう、した先で怒られそうですけど、琴音先生も今回は考えがあってだから許してほしいものです。
「あ、やっと来た!!」
「早く来てくれ、悠里が凄い顔してるから」
はいはいっと、あ、多分ですけど今、二階のホール側と図書室側のバリケードも壊れましたね。もしかしたらこのタイミングで撤退して正解だったかもしれません、流石の琴音先生も両翼分が追加されたらキツイですしって
「爆発!?こ、ことねえ、早く早く!!」
「非常ベルってことは、火災報知器が作動した?」
良いタイミングで爆発音と火災報知器が鳴り出しましたね。背後から感じた【かれら】の気配が遠ざかってるので今の内に三階のバリケードを超えて皆と合流としましょう。
オッスオッス、あ、はい、りーさん、顔が怖いっす。ヒエッ、駆け寄ってこないで何されるのっとあ~、えっと、これはその……
「怒ってますから、でも無事でよかった……」
「全く、一人で足止めをしてるって聞いた時は肝が冷えたわよ」
「あのさぁ、流石のあたしもそろそろ怒るからな?」
「私だって怒るからね!」
「ごめん、流石に今回は擁護できないわ」
総スカンで琴音先生泣きたくなるぞ、いや、泣きたいのは今こうして抱き着いてきてるりーさんか。ここは素直に謝っておきましょう、それよりも生徒会室に入らないとるーちゃんも不安がってるんじゃなかろうか。
「お~お~、琴音がまた説教食らってるし、悠里ちゃんが抱き着いてるし、また何かやらかしたん?」
「どうせ一人で無茶なことしたんだと思いますよ、それよりも一度、生徒会室で話し合いませんか?」
「るーちゃん、大丈夫かな?さっきから騒がしい音ばかりだから……」
お説教はあとで幾らでも受けますので今は抑えてもらって、生徒会室に移動。やはりと言うべきか、入って早々にるーちゃんからの本気タックルを喰らいましたが気絶判定には勝ったので問題ありません。
若狭姉妹が離れてくれませんがテーブルを囲んでここまでの状況を共有しておきましょう、まぁざっくり言っちゃえばヘリが墜ちて火災が起きてるってだけなんですけど。
「救助ヘリだったのか?」
「そこまでは分かんない、ただ二階の私達の箇所に追突してくる時に見えたけどパイロットは意識を失ってる感じだった」
「何処から来たんだろう、それにどうやって私達がここに居るって知ったのかな?」
「由紀先輩、自分で救助を呼ぶために手紙飛ばしたのを忘れましたか?」
「あっ」
まぁまぁ、今日までで色々あったから忘れててもしゃーないって、ですがあまりここで悠長に話してるのも危険だということを伝えておきましょう。
煙が上がってきてますし、このまま、ここに留まるのは流石に危険ですので地下への避難を提案します。
「あそこなら防火シャッターもあるから現状だと一番安全か」
「懸念があるとしたら【かれら】がどの程度、一階に固まってるか。火の手もどのくらい回ってるかも分からないから使えない道もあるかもしれないし」
「それはもう出たとこ勝負にするしか無いと思います。皆さん、食糧と水を入れたリュックをそれぞれ持ってください、直ぐにでも行動を開始します」
さて、いよいよ終わりが見えてきましたね。ですが地下に避難するまでが高校編、最後の最後まで慢心はダメ絶対という事で防犯ブザーとサイリウム・ペンライトを所持しておきます。
もしかしたら機械室前に【かれら】が屯してる可能性もありますからね。火の手に関してはこれは毎回ランダムではあるのですが機械室への道は確実に塞がれていないので二階に降りた時点での火の手の具合でルートのパターンの判別は可能なんですよね。
えっと、そろそろ離れてもらえると先生嬉しいかなって、もうほら無茶は(めぐねえと犬山お姉さんが目を光らせてるから)しないから、ね?
「約束ですからね、本当に、私もう琴音さんが居なくなるとかは嫌ですから」
「わたしも……」
「琴音、分かってると思いますけど」
うい、反省します。あっと、るーちゃんはカバンに太郎丸を入れてあげてね。抱えて移動するのはちょっと危険だから、太郎丸は大人しくしてるように、良いね?
「ワン!」
「全員、準備はできましたね?避難を開始します」
生徒会室の扉を開けば、もう既に煙が上がってきてるので非戦闘員はハンカチで口を覆ってから地下への進軍を開始した所で今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。
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迫り来る【かれら】を私【若狭 悠里】と佐倉先生、胡桃さんの三人でひたすら押し返す。琴音さんたちの方に【かれら】が固まって向かってると聞き、私もそっちに向かいたかったが流石に二人では危険だというのは理解できるのでその気持ちを押し殺していた。
順調といえば、順調だった防衛戦。けれどそれは中央、琴音さんと由紀さん、貴依さんが戦ってる箇所からの聞いたことないくらいの大きな衝撃と音で状況が一変した。
「な、何だ今の音!?」
「なにか大きいのが衝突したみたいな音な感じがしたけど……」
「こちら慈、今凄い音がしたけど大丈夫!?」
《中央のバリケードが今の衝撃で崩壊した! 全員、三階に撤退しろ!貴依、由紀、先に行け!》
トランシーバー越しでも分かるくらいに余裕がないという声の琴音さん、更に中央から聴こえる音が【かれら】が迫るような足音と絶え間なく発生する撲殺音、それを総合するに今あの人は一人で二人を逃してるんだ。
私も行くべきだろうか、そんな思いが過りかけるも先に佐倉先生から
「恵飛須沢さん、若狭さん、三階へ!」
「そうするしかねぇか、行くぞ、りーさん!」
「だ、だけど琴音さんが一人で……」
「一人だからこそあたしらが早く逃げるんだ!!!早く三階に逃げて、ことねえが撤退できるようにした方が良い!」
今まで聞いたことない声で胡桃さんの声に思わず身を竦めてしまう、同時に言外に彼女は自分たちが向かっても足手纏いだと言ってるのが理解できて、顔を俯かせてしまう。
そうだ、私とあの人じゃ戦える力があまりに違う、聴いた話だけでも琴音さんは多数の【かれら】を相手にしても全く怯まずに寧ろ薙ぎ倒すくらいに強い、けどそこに私と言う守る対象が混ざってしまえば……
「(足を引っ張る……)わ、分かったわ」
「わりぃ、ちょっと強く言い過ぎた」
ううん、悪いのは少しでも駄々をこねるような真似をした私だから良いわと首を振ってから伝えて私たちは三階に撤退する、バリケードを超える直前に胡桃さんがトランシーバーで佐倉先生に着いたと伝えれば直ぐに先生も上がってくるのだが。
まだ下の方で戦ってる音が聞こえた、もしかして犬山さん達かと思うが
「なぎささん、今何処に?」
《え、もう三階に居るけど?》
聴こえたその言葉に私たちは全てを察した、同時に怒りと焦りがごちゃ混ぜになったかのように感情が生まれて、頭の中がパニックを引き起こす。
見れば胡桃さんも同じ感じの表情をして、佐倉先生はトランシーバーを片手に呆れとも怒りとも言える顔をしてから
「琴音、今何処でなにしてるの!?」
《慈か、っと!?他の皆は避難終わった?》
「とっくに三階に居るわ、それよりも貴女は何してるのって聞いてるの!!」
このやり取りを見るに間違いない、琴音さんはまだ一人で二階に留まって戦っている、いや、足止めをしてると言ったほうが良いかもしれないが。
《まだ中央のバリケードを超えてきた奴らの数が多い、もう少しだけ片付けてる!それで、他にも何か用がある!?》
「何か用って、貴女も早く三階に!」
こうして通信越しで会話してる間も下の階から激しい戦闘音が聴こえて、そのどれかに琴音さんが負傷してるようなものが混ざってるのじゃないかと思うとだんだん心に余裕がなくなってくる。
かと言って今更戻ることも出来ない、そんな事をすればこの不安が現実のものになってしまう。
《今、私が三階に戻ってもこの数の【かれら】相手じゃバリケードも長く保たない、だったらもう少しでも減らしておくほうが良いと思ってるからまだ無理!あっと、小さいのがって話なら気にするな、これでももう慣れ始めてるからさ》
「何巫山戯たこと言ってるの、早く上がってきなさい!!!」
「おい、コレもう誰でもいいから連れ戻してきたほうが良いぞ、じゃないとことねえがまた精神的に参っちまう!」
精神的に参る、そうだ、小さいのに慣れ始めてるなんて絶対に嘘なんだから、今度こそ眠れなくなったとかが起きても不思議じゃない。
私にとって最悪とも言える未来を想定してしまった瞬間、佐倉先生の側まで走り、それから手に持ってるトランシーバーに向かって
「琴音さん!? お願いですから直ぐに上がってきてください!!」
《うわぉ!?あ、えっと、わ、分かったすぐに戻る》
「び、びっくりした……てか、りーさんが言ったら素直に聞いたなめぐねえ」
「初めからそうすれば良かったかしら……」
二人がなんか言ってるけど気にならない、それよりも本当に上がってきてるのかと言う不安が残ってて、中央階段の方に視線を向ければ、由紀さんと貴依さんが階段に何かを喋ってる姿、どうやらきちんと上がってきてるらしい。
良かったと安堵したけど、今度は映画とかでしか聞いたことない爆発音と衝撃、直後に鳴り響く火災報知器の音に驚きつつも、琴音さんがバリケードを超えたのを見て私は駆け出していた。
「ふぅ、爆発ってあのヘリかっとと、あぁ~っと、悠里?」
「怒ってますから、でも無事でよかった……」
自分でも後に思えば恥ずかしいぐらいに迷いなく抱き着いてしまった。怒ってはいる、けれどそれ以上に無事だったことに心が安堵してしまい、怒れなかった。見た感じ怪我とかも無さそう、ただ返り血は酷くて服にベタッとついてしまった感じはするがその時は気にならなかった。
「全く、一人で足止めをしてるって聞いた時は肝が冷えたわよ」
「あのさぁ、流石のあたしもそろそろ怒るからな?」
「私だって怒るからね!」
「ごめん、流石に今回は擁護できないわ」
四人から容赦無く言われてしまえば琴音さんも自分が仕出かしたことは理解してくれるようで、気まずそうな表情をしてから
「ごめん、悠里。また心配させちゃったな」
「お~お~、琴音がまた説教食らってるし、悠里ちゃんが抱き着いてるし、また何かやらかしたん?」
「どうせ一人で無茶なことしたんだと思いますよ、それよりも一度、生徒会室で話し合いませんか?」
「るーちゃん、大丈夫かな?さっきから騒がしい音ばかりだから……」
爆発音と火災報知器の音で【かれら】が三階に上がってこなくなったのか図書室側の犬山さん、美紀さん、圭さんも合流。確かにるーちゃんが心配なのだけれど、その時の私は離れたくないという気持ちが強く、そのまま生徒会室に戻ったのだが
「ぐぅ!?」
怖がってたのだろう、るーちゃんが全力で琴音さんに飛び込んできて、それを私が離れなかったから腕が使えずに直撃したのを見て流石に離れてあげればよかったと思ったのは秘密だ。
それから短めに状況を共有、ヘリが墜ちたということに衝撃を受けるがここに長く居たら煙に巻かれるという言葉に私たちは地下へ避難をすることになった。
もう、この高校には居られないかもしれない、そんな事を思いながら、私たちは生徒会室を出て地下へ向かう。
次回、次次回が最終回じゃないかな!