トレセン学園『特命係』   作:s@tou

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カワカミプリンセスと言えば「あーさーくーらー」が思い起こされたと思いますが、私は「特命係の亀山」が思い起こされました。
そこから、これを思いつきました。
拙い文ではありますが、緩い目でご覧下さい。


二人だけのチーム『特命係』~前篇

ウマ娘。

ヒトの形をしながら、ヒト以上の能力を持つ少女達。

そんなウマ娘達が通う、東京、府中に存在する、トレーニングセンター学園、通称トレセン学園。

日本で優れたウマ娘達が通い、日本一を目指すべく切磋琢磨する学園。

そんな学園も、日が落ちると学園内はシーンと静かになる。

 

「おおおお、落ち着いて下さいまし!」

 

「来ないで!!」

 

・・・静かに、なっている筈だった。

真っ暗なトレセン学園の屋上の端に立つウマ娘。明らかに飛び降りようかとしている彼女もまた、優れたウマ娘として入学してきた。

だが、入ってくるのは同じく優れたウマ娘ばかり、となれば、優れた中で更に優劣が出来る。普通であれば、その差を受け入れ、それでも切磋琢磨するが、中にはその差を受け入れられない者も存在する。その場合は、大人しく学園を離れる者がほとんどだが、極僅かに自暴自棄になるウマ娘もいる。まさに彼女がそうだった。

 

「貴方、これからする事が何か分かっていますの!?」

 

「もういいのよ!私なんて!」

 

「ヤケになっちゃいけませんわ!落ち着いて、深呼吸ですわ!」

 

「もう私、ここでやっていけない!なら、もうここから落ちるしか・・・!」

 

彼女は人気の居ない場所、人から見づらい時間を狙ったのだが、その屋上に立つ彼女をたまたま、本当にたまたま、見つけてしまったウマ娘が一人居た。

 

「貴方、まだ数回しかレース出ていませんわよね!ならば、まだ挽回のチャンスはありますわよ!」

 

学園内にある練習用コースを利用時間外かつ無断で使っていたウマ娘、カワカミプリンセスだ。

 

「数回のレースで掲示板にすら乗れない!どれだけ頑張っても前に出ることすら出来ない!この絶望が、アンタに分かるって言うの!?」

 

「確かにワタクシはレース場で走った事はありませんわ!チームに入っていませんし、トレーナーもいません!けど、貴方がここで諦める、ましてやそんな方法でなんて、絶対に間違っていますわ!」

 

息も絶え絶えの大声の言い争い。

やがて、息継ぎも兼ねて二人はお互いに睨み合う。

そんな時、屋上の扉が開いた。

 

「誰だー、こんな時間に立ち入り禁止の場所に・・・って、な、何をしてるんだ君!?」

 

「ッ、来ないで!」

 

入ってきたのは見回りをしていた教師。

屋上からの、主にカワカミの声が聞こえた為、確認しに来た。

 

「彼女は飛び降りようとしているのですわ!」

 

「な、なんだって!?ちょ、ちょっと待ちなさ――「電話したら落ちるわよ!!」――わ、分かった分かったから!落ち着いて!」

 

「こんな滑稽な姿誰かに見られるなんて、そんなの嫌よ!!」

 

「だったら落なければいいじゃな無いですの!!」

 

「ホントは誰にも見つからないように落ちる予定だったのよ!!全部アンタのせいよ!!」

 

「言いがかりも甚だしいですわよ!このおバカ!」

 

最早子供の言い争いにまで発展したそのやり取りに、教師もしどろもどろ。

お互いに睨み合い、拮抗状態になった矢先、カワカミのポケットのスマートフォンが鳴った。

 

「ちょちょちょちょっと待ちなさいな!!電話ですわ!!」

 

「さっさと切るのよ!?絶対ここの事言わないでね!?じゃないと落ちるわよ!!」

 

「言われなくても言いませんわよ!!」

 

目線を動かさないまま、カワカミは無造作にスマートフォンを取り出し耳に当てる。

 

「どなたですの!?今ちょっと立て込んでますので後に――「余計な受け答えは結構。彼女に代わって頂けますか?隙を作りますので、彼女がスマートフォンを耳に当てたら直ぐに走り、確保してください」――へ?」

 

電話の向こうから聞こえてきた、まるでここを見ているかのような声に辺りを見回すが、そんな人影は見当たらない。

何より、聞き覚えのない中年の淡々とはっきりとした声に若干の気味の悪さをカワカミは感じていた。

 

「・・・?誰と話してるの?」

 

「えっと、あなたに電話ですって」

 

「私に?・・・誰?」

 

「知らな・・・あなたの、トレーナーさんですわ」

 

知らない、と言いかけて言い換える。

誰だか知らない不気味な相手だが、折角手にした、あの大バカ者を止めるチャンスである。

知らない人間から電話、なんて彼女は出ないだろう。と、カワカミは咄嗟に出るかもしれない相手の名前を言った。

 

「トレーナー?なんで・・・。良いわ、代わろうじゃないの。スマホ、投げて寄越しなさい!」

 

「投げるんですの?ちゃんと取ってくださいまし、ねッ!!」

 

そう言って、カワカミはなるべく優しくスマートフォンを投げる。若干飛びすぎたが、綺麗な弧を描いてスマートフォンは手のひらに落ちた。

そして、スマートフォンを耳に当てると、

 

「もしも、ぃッ!?」

 

スマートフォンから大音量で流れるクラシック音楽に思わず体が大きく動き、屋上の端から足を踏み外す。

 

「嫌――」

 

意図しない落下。

彼女の体はそのまま重力に従い、下まで、

 

「大馬鹿者!!」

 

落ちることは無かった。

言われた通りに動いていたカワカミプリンセスが腕を掴んでいた。

 

「これでもまだ!落ちたいと宣うのでしたらワタクシはこの手を離しますわ!」

 

彼女の真っ直ぐな目。

それを見た彼女は、

 

「・・・嫌よ。まだ走りたい。・・・諦めたくない!!」

 

さっきまでと同じ叫び声。だが、諦めの感情は無く、自暴自棄では無い心からの叫びだった。

それを聞いたカワカミは少し安心したような微笑みを返す。

 

「よく言いましたわ!!」

 

そう叫び、握った手を引き上げ、そのまま、

 

空に放り投げた。

 

「あ」

 

「え」

 

そのまま、スマートフォンの時のように弧を描いて、ウマ娘は屋上の床に叩きつけられた。

 

 

「や、やっちまいましたわぁぁぁぁああぁぁぁあ!!??」

 

 

カワカミプリンセスの悲鳴を最後に、この小さな騒動は幕を閉じたのだった。

 

 

 

 

「カワカミ、何故ここに呼ばれたか分かるか?」

 

次の日。

カワカミは朝一で生徒会室に呼び出されていた。

おっかなびっくりの様子で目の前の人物を見ている。

 

「き、昨日の件ですわよね・・・。えーっと、彼女は大丈夫ですの?」

 

「安心しろ。ちょっとした打撲で済んだ。とはいえ、昨日の出来事は看過できない。しばらくの間は走る事を禁じ、レースから離れる事になるだろう。もっとも、本人は戻る気はあるらしいからな。特に問題無いだろう。止めてくれた事には感謝している」

 

そう言ってカワカミに頭を下げるウマ娘は、エアグルーヴ。

生徒会に二人いる副会長の一人である。

 

「そ、そんなそんな、ワタクシは淑女として当然の事をしたまでですわ」

 

照れくさそうにそう返すカワカミプリンセスに、エアグルーヴも笑顔を見せる。

 

「では、淑女なカワカミに聞く。何故お前は昨日あの時間にコースにいたんだ?」

 

笑顔の意味が変わったエアグルーヴを前にカワカミから笑顔が消える。

 

「えーっと、それはぁ・・・」

 

「これまで散々言ったな?時間外かつ無断の使用はやめろ、と」

 

学園内に複数ある練習用にウマ娘が走ることのできるコースは、使用可能な時間と使用する為の申請の必要がある。

そんなコースをカワカミは幾度となく、時間外に無断使用を繰り返していた。

 

「き、聞きましたわ」

 

「昨日、次は無いとも話したな?」

 

「き、聞きましたわ・・・」

 

「・・・カワカミ?」

 

「で、でも!昨日はワタクシのお陰で一人のウマ娘が助かりましたわ!であれば、見逃してくれてもよくはありませんか!?」

 

「それとこれとは話が別だ!大体、入学してから今までのお前の校舎及び備品の破壊も大目に見すぎていたくらいだ!」

 

「まぁまぁ。エアグルーヴ」

 

その凛とした声にエアグルーヴとカワカミは口を閉ざし、声の主を見る。

そこにはこれまでの二人のやり取りを微笑ましそうに見ていた生徒会会長、シンボリルドルフが座っていた。

 

「改めて、カワカミプリンセス。一人の未来あるウマ娘を救ってくれた事、心から感謝する。ありがとう」

 

立ち上がって一礼するシンボリルドルフ。

トレセン学園の生徒のトップに頭を下げられ、カワカミはおどおどとしてしまう。

 

「個人的には、君の言う通り昨日の無断使用の件、それ以前の事も含めて水に流しても良い、とは思っているのだが、そうもいかないのが現実でね」

 

「ど、どういう事ですの?」

 

「これまでの君の行いが故意的な物では無いとしても、その被害、回数、共に上の人間からすれば目に余る行いでね。直接的に言えば、先生方は君を余り良く思っていない。退学の話も、ゼロとは言い切れない状況になっているのだよ」

 

退学、という単語にカワカミは顔を真っ青にする。

 

「そ、そんなぁ」

 

「そうならないように生徒会で上手くやってはいたのだが、それも限界があってね」

 

「で、では、このままでは・・・」

 

「一応、方法が無い、という訳では無い」

 

「本当ですの?!」

 

希望を見出したカワカミを前に、シンボリルドルフは申し訳なさそうにその方法を示した。

 

「しばらく走る事から離れ、奉仕活動、ボランティア活動に勤しむ事だ」

 

「そ、それは嫌ですわ!ワタクシは、すぐにでもレースへ!」

 

立ち上がり焦りの声をシンボリルドルフに向けるカワカミ。

シンボリルドルフはそんなカワカミに手のひらを見せて落ち着かせる。。

 

「方法が一つしか無いとは言っていない。もう一つ、方法が存在する。先ほどの方法と似たような物だがね」

 

再び、期待の眼差しを向けるカワカミ。

 

「君には、チームに入ってもらう」

 

「・・・チーム、ですの?」

 

「そうだ。チームに入り、トレーナーの手伝いをしてもらう。実質的な奉仕活動ではあるが・・・どうするかは、君に任せるよ」

 

どうするか、そんなの決まっている。迷うことがどこにあるのだろうか。

カワカミは速攻で答えを出した。

 

「もちろん、ワタクシはチームに入りますわ!」

 

その答えにシンボリルドルフは快く頷く。

 

「宜しい。では早速今日から、カワカミプリンセスにはチーム『特命係』の手伝いとして所属してもらう」

 

シンボリルドルフの言葉に、エアグルーヴは驚きの顔を向けた。

 

「チーム『特命係』ですわね!・・・って、特命係?そんなチーム、ありました?」

 

「実はあったんだよ。表には出してないが。場所は、チーム校舎の三階の奥にある部屋だ。特命係のトレーナーには話をしておくので、放課後になったら行くと良い」

 

「分かりましたわ!生徒会長さん!本当にありがとうございますわ!」

 

そう言ってカワカミは生徒会室を後にした。

 

「・・・会長。何故、カワカミを特命係に。あそこは人材の墓場。まさかとは思いますが、会長、本当にカワカミを退学に?確かに彼女は問題児ではありますが、彼女には周りには無い特別な能力が・・・」

 

焦るエアグルーヴをシンボリルドルフは手で制した。

 

「最善策だと私が思ったからだ。今は、それしか言えない」

 

「ですが、あそこに回されたウマ娘は軒並み・・・」

 

「彼女が七人目になるかどうかは、彼女自体だ」

 

不敵に笑いながら、シンボリルドルフは元の席に戻った。

 

 

そして、時間は過ぎ、放課後。

 

「特命係・・・特命係・・・。奥とは言っていましたが、どこですの?」

 

チームの部屋が多く集まる校舎、チーム後者の三階を歩くカワカミは特命係の部屋を探して歩いていた。

奥、と言われて廊下の先、片側の隅を見に行ったがそれらしき部屋はなかったので反対側に向かっていた。

ふと、歩いてくる男性、どこかボケっとしている眼鏡をかけたやせ型のトレーナーらしき男性が見えた。

 

「あの!」

 

「ん、なんだ?」

 

「特命係、というチームの部屋を探していますの」

 

「特命係?また、なんでそんなトコに」

 

「実は、特命係に所属する事になりまして」

 

「特命に所属ぅ!?・・・お前、なんかしたのか?」

 

「え、なんでですの?」

 

「いやだってよ、特命に所属するって・・・いやまぁ、とにかく場所だったな。場所はこっちの奥。俺のチームルームの隣だ」

 

「あら、お隣さんでしたのね。これからよろしくお願いしますわ」

 

「まぁ、なんていうか、色々大変だろうけど、諦めんなよ」

 

同情の目をしていた男性を不思議に思いつつも、カワカミは男性にお礼をし部屋へと向かった。

 

「・・・え、ここですの?」

 

それは、確かに隅にあった。

特命係、と名前が掲げられた部屋。

だが、他の部屋とは明らかに大きさが違うように見える。

用具置き場、と言われた方が納得出来る。

先ほどの男性の言葉も相まって何か嫌な予感がしながらも、深呼吸をして勢いよくその扉を開けた。

中は予想通り狭く、あるのは二つのデスクと四角いテーブル、何も書いてない書かれた形跡の無いホワイトボード、入り口のすぐ隣にはコーヒーや紅茶を入れるセットが置かれていた。あと、何故かガラス製のチェスも置かれていた。

そして、手前にあるデスクには、一人の男性。

初老の整った顔に眼鏡をしたスーツ姿の男性が、椅子に深く腰掛け、優雅に紅茶を飲んでいた。

 

「どうも。君がカワカミ君ですね」

 

「あ、はい!カワカミプリンセスですわ。今日から、よろしくお願いしますわ」

 

「杉下右京です。どうぞよろしく」

 

それだけ言うと、杉下右京は口を閉じた。

 

「え、それだけですの?」

 

「はい?」

 

「いえ、これから何かするとか、そもそも他のチームの方々はどこですの?」

 

「他に人はいませんよ。ここには僕と、君だけです」

 

「で、でもチームって・・・」

 

「特命係は異例のチームです。特別な命令があれば動く、実質的な便利屋のようなものです。とはいえここしばらくは、こうして穏やかな日々が続いていますがね」

 

その言葉にカワカミプリンセスはただ唖然とした。

これでは、ワンチャンスも何も無い。

それどころか、これはもしや左遷、島流し、そのようなものでは無いのか。

そんな嫌な予感から目をそらすように、カワカミはある事に気がついた。

 

「そ、そういえば!昨日、わたくし達を助けてくださいましたわよね!」

 

「そういえば、昨日は名乗っていませんでしたね」

 

やっぱり、とカワカミは顔を明るくする。

 

「昨日は本当にありがとうございま――「一つ、君は勘違いをしています」――へ?」

 

言葉を遮り、杉下右京はじっ、とカワカミプリンセスの目を見る。

 

「私が助けたのは、君ではなくもう一人の方です」

 

へ?とカワカミプリンセスが頭にハテナを浮かべる。

 

「いえ、気にしないでください。先程も言いましたが、現在特命係には特別な命令はありませんので、今日は帰っていただいて結構ですよ」

 

まるで突き放すような言い方に、カワカミプリンセスは若干の苛立ちを感じていた。

そんな顔色に気づいているのか、いないのか、杉下右京は顔色を変えずに紅茶を口に含む様子をみて、カワカミは「失礼します」と投げやりに言ってから部屋を後にした。

 

 

「カワカミさん、大丈夫?」

 

「・・・」

 

その後訪れたのは、トレセン学園内にあるカフェ。

うなだれるカワカミの前にいるのは、既にレースで活躍しているウマ娘、キングヘイロー。

 

「昨日、何かあった、って言うのは風の噂で聞いているけど、詳しい事はまだ知らないの。貴方、何があったの?」

 

「実は、昨日、そのぉ、色々とありまして。その罰として、チームのお手伝いをする事になりましたの」

 

「そうだったの・・・。そのチーム、って?」

 

「キングさん、特命係、というチームをご存知ですか?」

 

キングヘイローは、その名を聞いて少し考え、ふと脳内に浮かんだ事に顔を顰める。

 

「特命係・・・。知ってる、といっても風の噂程度だけど。・・・『人材の墓場』、そう呼ばれているチームが、そこよ」

 

「・・・人材の墓場」

 

「特にそのチームのトレーナー。昔は優秀なトレーナーだったみたいだけど、問題を起こしたのかなんなのか、今は特命係に閉じ込められている。むしろ、そのトレーナーを閉じ込めるために特命係がある、なんて噂があるくらい」

 

問題がある、確かに癖はあるトレーナーだとは思うが、そんな腫れ物のような扱いを受ける程なのか、とカワカミは思う。

 

「なんにせよ、特命係に入れられたウマ娘は、自主的に退学をしてしまうって」

 

「だから人材の墓場?」

 

「えぇ。でもまさか、本当にそんなチームが存在してたなんて・・・あ!で、でも、自主退学だから、カワカミさんが諦めなければ、絶対に戻れるわ!何かあったら、いつでも相談に乗るわ!」

 

顔が段々暗くなるカワカミプリンセスに気づいたキングヘイローは頑張って励ます。

だが、その日一日、カワカミは顔色が晴れる事は無かった。

 

 

その日の夜。

トレセン学園近くの回転寿司のカウンター席に杉下は居た。

その隣には・・・

 

「美味!」

 

身長や見た目からかなり幼く見えるその少女の名前は秋川やよい。

その見た目からは想像つかないが、なんとトレセン学園の理事長である。

 

「理事長。お皿をレーンに戻さないでください」

 

何故か空の皿をレーンに戻す理事長をやんわりと窘めながら、杉下は皿を取る。

 

「む、失礼した。・・・ところで、どうだ?」

 

「どうだ、とは」

 

「カワカミプリンセス。良い逸材だと思うが」

 

「確かに、昨日見せたあの瞬発力、そしてあの異常ともいえる力。磨けば必ず輝く原石だと思いますよ。・・・そんな彼女を、何故特命係に?」

 

「気づいていたのか」

 

「貴方は、いえ、貴方と生徒会長は、何を考えていらっしゃるのでしょうか」

 

「うむ。率直に言うが、再び表舞台に戻ってはどうだ」

 

「お断りします」

 

「・・・だろうな。だからこそ、私はカワカミプリンセスを君の下に送った。彼女が、君に変化をもたらすだろう、そう思ったからだ」

 

「そうでしょうか。彼女のような、正義感が強く、猪突猛進な人と僕とではウマが合わないと思うのですが」

 

「そんなもの、実際に行動を共にしてみなければわからないだろう。私は、きっと変わる、そう確信している」

 

真っ直ぐな目をする理事長の幼さを見せない横顔に、杉下は諦めのような顔で「どうでしょうね」と短く返した。

 

「・・・ですから、皿をレーンに戻さないでください」

 

「失礼!」

 




ちなみに、投稿頻度は超不定期ですので悪しからず。
感想諸々も、メンタルが弱いのでイジメないでくださいね。
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